2016年7月9日土曜日

とびきり屋見立て帖3

とびきり屋見立て帖3 赤絵そうめん 山本兼一
 赤絵そうめん 坂本龍馬が赤絵を欲しがっている人がいると廻船問屋・三国屋を教えてくれる。とびきり屋の赤絵は唐子が泣いていたため気に入って貰えなかった。銅屋の万暦赤絵が五十売りに出されるらしい。真之介は買いたいが、からふね屋善右衛門と大雲堂孝右衛門が裏で手を結び最高値を決めている。赤絵を欲しがっている三国屋と銅屋を会わす。三国屋は目の病気で食が進まない娘に赤絵の器でそうめんを食べさせたかった。真之介とゆずも一緒に贅沢なそうめんを食べた。
 しょんべん吉左衛門 真之介は銅屋の万暦赤絵を買うために千両を集めた。京焼の雉の香炉以外は殆ど売っている。店の沽券を抵当に金を借りた。現物を見ずに金をだしてくれる道具屋が何人もいた。三国屋が銅屋に買いに行った。銅屋は売ってくれなかった。道具屋の安値で買いたたこうとすることが気に入らなかった。真之介は売り立てをすることにした。二千両以上になる。二千両に足らなかったら真之介が埋め合わせをするという。銅屋の寮で赤絵の鉢を五十鉢、美しく見えるように展示して順番に入れ札で売り立てた。二千八百三十七両になった。真之介は礼金百両受け取った。
 からこ夢幻 ゆずは唐子が泣いている夢を見た。
空っぽになった店に風炉先屏風を巡らせ風炉をすえ釜をかけ茶席にした。唐子が描いてある徳利に花を生ける。番頭、手代、丁稚、女子衆と茶を習う。芹沢鴨が前に店にあった唐子が泣いている赤絵を持ってくる。蓋がついて茶道具の水差しになっていた。茶道の若宗匠が店に来る。元ゆずの許嫁になりそうだった人だ。水差しを「泣き唐子」と言った。からふね屋善右衛門が来る。ゆずの父親だ。泣き唐子と名付けたのは善右衛門だった。泣き唐子が好きな天狗堂の主人の事を教えてくれる。ゆずと真之介と二人で行く。主人は亡くなっていた。息子は父親の集めた物を売ろうとしていた。真之介は朝、泣いている唐子の夢を見たので二割高く付けた。という。赤絵も染め付けも唐銅や磁器の置き物も掛け軸も仙人と唐子の図柄だった。他に人魚の木乃伊、猿の骸骨、蛇の骨など全てを引き取った。
 笑う髑髏 天狗堂から買い付けた皿や壺を飾ると赤絵の店になった。近藤勇が来る。髑髏の掛け軸を買う。祇園社で相撲興行をする横で、手代と丁稚が人魚や髑髏の見世物小屋をすることになった。見世物小屋へ若宗匠が来て、天狗堂の親父が亡くなったら親父さんが集めた珍品の数々すっくり譲り受けることになっていたという。相撲興行が終わったあと珍品は若宗匠の元に運ばれた。真之介は笑っているようにみえる髑髏の根付けを一つ持っていた。
 うつろ花 真之介とゆずは銅屋の一番蔵の茶道具の書き上げを頼まれた。百両貰った時に百一両あったため一両返していた。試されたようだ。少しずつ箱書きと中身を確かめ書いて行く。借用書が入った箱があった。若宗匠が三年前に持ち出したままになっていた。若宗匠はゆずが茶事をすることになった。最後の御薄を外花で飲むことになっていたが、片づけて外花を持って帰ってきた。
 虹の橋 西本願寺別邸の翠紅館の離れで桂小五郎に頼まれ、三条実美の接待をすることんなった。会議の休憩のときにこの部屋を使う。夕立後、虹が出ると言って、用意する。

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