浮世絵宗次日月抄2 冗談じゃねえや 門田泰明
お待ちなせえ 殺され、内蔵を取り出す辻斬りが出た。北町奉行所市中取り締まり方筆頭同心飯田次五郎も襲われる。平造が通りかかり虫の息で生きている。紫伊之介一座の千夜万之介と一夜時次郎をつけ、竹矢来で封鎖された屋敷に行く。仏壇の前で白装束男女の白骨。血文字の怨と書かれた掛け軸。隣の部屋には血文字の怨の逆さ屏風敷かれた寝床の真中に置かれた黒い塊。黒い塊を持ち帰る。黒い塊は腑体だった。七、八年前の勘定奉行の巨額不正事件を突き止め老中に報告した勘定奉行添役・半多万次郎が逆に蟄居閉門、切腹になった屋敷だった。宗次は人を殺した兄・千夜万之介を倒し、一時時次郎を助けた。女・千世だった。
知らねえよ 五才で長く生きられないと言われた息子・宗次の絵を描いて欲しいと頼まれる。
絵の代金・三百五十両で心臓の薬を買い、母親・ことぎに渡しその子に飲ませる。津留澤家には何千両の値打ちのある掛け軸があったが盗まれていた。裏流しの骨董屋をあたるが見付からなかった。ことぎが夫の暴力にあっている事を知り、生家に戻す。隠密お調べ方筆頭を名乗り、ことぎと離縁することで切腹を免れる。と言い放つ。
長屋の肢体不自由な幼子に手押し車と五両が暗闇小僧から送られた。宗次が行きつけの『兆助』の主・吾助が暗闇小僧と睨んだ宗次は、知らない体で、又聞きの話として聖徳太子の掛け軸を返せば子供が助かることを話す。
冗談じゃねえよ 宗次の絵を買ってくれる清水屋の玄三郎も三嶋屋も加倉屋多左衛門の様子がおかしい。清水屋と加倉屋では大金が失われている。
桑津藩芳澤伊豆守直正より、上様が来られる部屋の絵を描くことを頼まれた。また、目黒に出没する辻斬りが自分の子かも知れない。和泉守藤原兼定を頂戴し、辻斬りを倒して欲しいと頼まれる。宗次は手傷を負うが辻斬りは倒した。
清水屋たちは義賊「炎の鳥」集団だった。その用心棒が辻斬りだった。三人であいつを殺そうと相談していた。もう桑津藩目黒下屋敷の野郎は無害だから放っておきなさい。と忠告する。
0 件のコメント:
コメントを投稿