2016年7月17日日曜日

万願堂黄表紙事件帖〈一〉 

万願堂黄表紙事件帖〈一〉 悪女と悪党 稲葉稔
久平次25才 戯作者目指して読み本の原稿を万願堂に持ち込む。
歌川百芳 薬種問屋荒木屋の道楽息子 本名は才吉
 久平次は村田小左衛門が神奈川宿のやくざの娘・美沙を勾引かし、二百両を手にしたが、手助けしてくれた沼尻の八十五郎に斬られ、美沙も二百両も持ち逃げされることから始まる物語を書く。
 八十五郎は品川へ行く。品川には自分の店があるが、牛飼いの茂吉に追われ江戸深川に逃げる。美沙は二百両を取り返すべく八十五郎に付いて廻る。村田小左衛門も八十五郎を追う。小左衛門を助けた娘・まきも小左衛門と一緒に行動する。小左衛門は品川で三蔵に助けられ、共に深川に行く。深川で待っていたのは三蔵の借金だった。借金百両の形にまきを取られる。美沙が八十五郎に毒を盛り苦しがっている八十五郎から二百両を取り逃げた。美沙を見付けた小左衛門は二百両を取り返した。小左衛門は百両を隠し、借金を払い、まきを取り返す。小左衛門はまきの働き口を決める。八十五郎と美沙と出会した小左衛門は八十五郎を斬り、美沙を斬るが咽を切られた。まきに百両の隠し場所を告げ重い瞼を閉じた。
 久平次は二月かけて書き上げた。青空虚無斎の名で売り出すことになった。

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