鬼役【18】 跡目 坂岡真
御髪番・杉岡一馬が上様に傷をつけた。杉岡を見た矢背蔵人介は毒を盛られていると気付く。杉岡はすぐに断罪に処せられた。家禄千五百石、役高二千石、三河依頼の旗本で重職の御側御用取次に最も近い人物・御新番頭格奥勤・杉岡一馬の父親・杉岡日向守義知は切腹した。一馬は御小姓頭取・小山田監物七百五十石に嫉まれ苛めを受けていた。控の囲炉裏之間で毒芹を食べさせられていた。一緒にいた勝俣又五郎と赤西平六は蔵人介に片鱗を語り、全てを語る前に殺される。
日向守を鬱陶しい隣人、清廉すぎる杉岡が御側衆になっては困ると考えた御側衆・伴野若狭守は昇進口利きを餌に御小納戸頭取・澤井采女と小山田を使い、杉岡の失脚を狙い、一馬に毒を盛っていた。三人を倒す。
長崎からカピタンの一行が来た。命を狙われているというので、カピタンの願いで矢背蔵人介は警護に付く。毒を盛られたが阻止する。カピタンの従者・コンタが殺された。高力房之介の仕業だった。商売の敵、蘭国を邪魔に思う水戸家御用達廻船問屋・広州屋と攘夷を説く水戸学の師範・榊原瑞雲、元水戸藩士・高力房之介を倒す。
津和野藩御用達・紙問屋高津屋が蔵屋敷に紙を納めたすぐ、蔵屋敷から火が出、小火にもかかわらず、屋根を壊し水を掛けた。大被害にあい、高津屋は身代を潰した。その後、浜田藩御用達・紙問屋石州屋が伸し上がった。火事の采配をしたのが臨時廻り・川尻六左衛門。川尻が繋がっていたのは石州屋。川尻が石州屋を通じて浜田藩へ剣術指南役に推挙したのは田布施左内だった。石州屋と紙奉行・加計三之丞が繋がっていた。加計は刺客を使い出世争いの相手を謀殺していた。川尻も殺された。田布施が自分が殺した遺体の足裏に十字の文字を書く事を知った卯三郎の後輩・益戸寛次郎は実父を殺した浅原克美が、名前を変えていると確信する。卯三郎に助っ人を頼んでいた寛次郎だったが、田布施に出会い挑んで行く。殺されてしまった。蔵人介は情を消し、お役目と思えと卯之助を連れて行く。石州屋、加計、田布施を倒した。
卯三郎は、斉藤弥九郎の練兵館の十人抜き、加賀藩の池を借りた旗奉行の鎧を着けた立ち泳ぎでの旗振り修業、十里の遠走りにも優勝し、矢背の跡継ぎに決まった。最後に鯛の尾頭付きを半刻以内に二十尾の骨取りを終え、宴が開かれた。
綾辻市之進・錦、望月宗次郎、猿彦、御小姓組番頭・立花右近、加賀江戸留守居役・津幡内記、幡奉行・押水金吾、佐倉藩御番頭・兵藤帯刀、物見小頭・早見陽次郎、斉藤弥九郎、遠山景元、
0 件のコメント:
コメントを投稿