寺社奉行 脇坂閻魔見参!〈一〉 閻魔裁き 風野真知雄
脇坂淡路守安菫(やすただ)播州竜野藩藩主 松平定信に二十四才で寺社奉行に抜擢される。巷で「脇坂閻魔守」と言われる。決め台詞は「神も仏も、俺が裁くのだ!」
亀山雷臓45才 評定所から寺社奉行の元に派遣された支配留役 百五十俵二十人扶持旗本
神道無念流の達人 雷神と呼ばれる。
鶴田風二郎 竜野藩藩士 小検使、風神と呼ばれる。
えい姫17才 淡路守の正室 伊予今治藩から嫁いできた。
「出世不動尊略記」のビラを見、骨董屋から一両で不動像を購入したことを調べ、久留里藩江戸家老に不動の賽銭は寺社方の管理として孤児の養育を行なう寺に与える基金とすることを通知した。
二十人もの丑三つ参りの話を聞き、調べる。骨董屋の今昔堂が、近所の永寿堂の主を殺し、何人も居る僧侶に化け、店に隠れ、夜中に主人の趣味の茶道具の高山右近の五徳と三人形蓋置と蟹蓋置を丑三つ参りに紛れて盗んでいたことをつきとめる。
くぐってはいけない鳥居をくぐり、三人が亡くなった、と言う話を聞いた。寛永寺の輪王寺宮様が神社を訪れる予定だった。宮様を恨む山同心が鳥居の横の団子屋から狙うため団子屋の主人を殺していた。参拝予定前夜、団子屋に集まった同心を捕まえた。
逆さまの幽霊が出るという。増上寺の上人さまが祈祷をするが無駄だった。淡路守は川上から流れてくる物を拾い上げているのだと気付く。庭で朝鮮人参を栽培していた大名が廃絶になり、もったいないと思った下働きが夜間掘り返した人参を塀の外に放り、それを幽霊が拾っていた。増上寺に行き、幽霊は贋物だった事を話し、上人さまの祈祷が効き、幽霊の影が薄くなったことにしましょうという。
土砂崩れがあり骸骨がでた。頭部と足、腕など三人分が数が合わなかった。三年前白幡神社の近くの和泉屋という味噌問屋で五千両盗まれていた。四人の泥棒が若竹屋主の命令で押し入った。元々四千両と思っていたが五千両あった。五千両を盗み、白幡神社に運ぶ。宮司が泥棒に毒をいれた酒を振るまう。大きな天秤棒で屋根瓦を真ん中に重しと千両箱をくるりと回す。四つ用意していた五つ目を移動させるのにばらばら死体を使った。と本当に千両箱と手足が吊り合うか遺体を借りてやってみた、とみせる。元宮司と若竹屋の主は畏れ入った。二人は打ち首獄門。遺体はえいが作った作り物だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿