六尺文治捕物控② 夫婦からくり 中島要
二年前 辰三が悪党に捕まって命を落としたといわれても、信じなかった加代と文治は、行方を追いかけた末、加代は同心・塚越に殺されかけた。辰三が姿を消したのは塚越から逃げるためだったと気付いた。首を絞められて気を失っている間に塚越は殺された。塚越が大店から強請っていた証拠が見付かるが、吟味方与力久保寺隆三に握りつぶされた。塚越殺しを探すことも止められた。
文治28才 千手の辰三といわれた十手持のの子分
加代20才 辰三の娘
仙 辰三の女房 一膳飯屋たつみの女将
文治は仙に加代と所帯を持つことを急かされていた。
元戯作者・定廻り同心・栗山末次郎は手柄を挙げたがった。塚越の妻・理久に頼まれ塚越殺しを調べている。理久は医者・木村長明と再婚した。塚越殺しを探索していた栗山が殺された。犯人は文治だといわれ牢にいれられ、拷問される。文治が犯人だといった卯吉が附子を飲まされ殺された。文治は牢から出される。
跡継ぎがいない大店で主が突然亡くなったという店が三軒見付かった。木村が行っているところだった。木村は脅され殺された主人の病名を付けていた。加代と文治が理久に詰め寄ると理久は茶を飲み死んだ。木村は話し出した。
理久は塚越を殺した犯人を突き止めたがった。一周忌に菩提寺の和尚から壺に入った強請のネタ帳を渡された。夫は無実だと言わなくなった。夫が悪事を働いていたことより、打ち明けてもらえなかったことが許せなかった。木村に裏切らないでと一緒になった。理久は子どもが無くて理不尽な目にあっている山木屋に風邪薬と毒薬を渡していた。木村は厠風邪で亡くなったことにした。橘屋、伊藤屋と続き、鳴海屋と続いた。木村は卯吉を使い栗山を見張っていた。卯吉は栗山を殺したのは女だったといった。下手に出ていた卯吉がそうは行かなくなり木村が殺していた。木村も服毒自殺をした。木村を理久は無理心中とされた。
栗山を殺した犯人は自首した。栗山が捕まえた大工の女房だった。大工は子どもの治療費に三両欲しかった。盗んで直ぐ捕まらなければ三両とって返したはずだ。十五両も入っていて直ぐ捕まり遠島になり牢に入っている間に死んだ大工の女房の言い分だった。何度も死のうとしたが男に助けられる。その男が自訴して出ろといったという。加代は男は父だはないかと思った。
文治の母親は文治が子どもの頃、他の男といなくなった。父親は荒れ、文治を殴るようになった。十二才の時辰三親分に拾われ、素性をあかさなかった。分かって行った時には父親は酔って川に落ち亡くなっていた。
仙は文治の父親の墓参りに行った。後をつけた文治の前に辰三が現れる。塚越は与力の久保寺隆三に殺された。塚越は隆三の父親久保寺隆信に強請られていた。十四年前、理久の父親・口入れ屋の野沢屋が口論の上刃物を振り回す男を殺してしまった。娘婿の塚越に助けを求め、遺体を埋めているところを隆信に見られ強請られた。辰三は塚越に頼まれ手を貸した。辰三は文治の父親が川に落ちた時、助けなかった。塚越はそれを知っていた。辰三に弱みがあった。強請をはじめて十年、二千両になる。辰三は控を持って隠れた。隆信が亡くなり、隆三が二百石の与力同心を強請っていたことを知った。塚越の強請が表沙汰になれば困る。塚越を見張っていて加代の首を絞めているのを見て今殺そうと思ったのだろう。
理久は夫の悪行が自分のためだったと知らずに死んだ。夫に裏切られたと思い木村までまきこんだ。文治は自分も辰三を罪に巻き込んでいたと思った。
加代と文治は祝言を挙げた。前日の夜、加代は花嫁衣装を着た。祝言が終わった翌日、仙は辰三のところに行きますの手紙を残していなくなった。
2017年12月31日日曜日
2017年12月30日土曜日
与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記
与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記 澤田瞳子
真楯21才 近江国高島郡角野郷から三年の夫役で徴発され、東大寺に配属された。
鮠人 美濃国厚見郡からきた仕丁 銅が刎ねる事故があり怪我を負う。強欲で知られる婆・若狹売を看護に呼ぶ。儲けた金で柿を買ってきてやると言われた。
小刀良26才 石見国安濃郡 妻と娘が亡くなったと聞いて脱出しようとする。
三人は造仏所に配置された。
猪養30才位 造仏所の仕丁頭 三年がすぎても出来上がるまでいてもいいと思うようになる。
浄須 病気になる。姉の形見の白鑞の仏像を潰し型持に変え大仏の型持にはめるよう頼む。
南備 女の奴婢頭
宮麻呂40才位 炊男 美味いと評判、働く者のために食事を作る。多めに作り、
国公麻呂 造仏所長官 祖父が百済から技術を日本に伝えた。最早時代遅れと言われたりする。めったに現場に現れない。高市大国を追い落とそうとする。
高市大国 大仏鋳造を取り仕切る。毎日みんなと働く。
朱元珞62才 東市で工房を営む鋳師 高市の配下、若手鋳師の指導をする
朱牟須女 宮麻呂の手伝い、水仕女 元珞の娘
秦緒 造瓦所の炊男だったが不味くみんなが来ない。宮麻呂のところで教えてもらいながら働くようになった。
行基 国内僧侶の最高位・大僧正に任ぜられた。大仏勧進の聖として協力。
栄慶 行基の弟子。在家の弟子衆を引率してくる。15年前の宮麻呂を知っていた。
乙虫 陸奥から来た。資材管理の悪さの責任を高市大国に負わせるために、なかった棹銅の横流しがあったかのように床下に置かれ濡れ衣を着せられた。公麻呂が大国を陥れるために盗難騒ぎを企んだことだと宮麻呂に言われた猪養が犯人は自分だと名乗り出て乙虫は助けられた。
安都雄足27才 舎人、造寺司の官人の中で最年少、元・大学寮の明経生。16年前、左京職の使部だった父親を逃亡を企てた陸奥国の仕丁に刺されて殺されたため陸奥国の者を憎んでいた。
宮麻呂が栄慶に呼び出され行基の粥を菅原宮に作りに行く。真楯は道具を持ってついて行く。真楯は宮麻呂が何者か知りたかった。15年前、宮麻呂は労役半ばで逃亡し、菅原寺の行基の元にいた。安都に見付かり官が態度を和らげ弾圧がゆるくなってきていた行基に迷惑がかからないよう、安都を殺して蓄電していた。
小刀良が大仏の仮屋に火をつけた。行基が亡くなりそうだとみんなが菅原寺に行った時、小刀良は雄足に追い込まれる。宮麻呂は雄足の父親を殺したのは自分だと言う。宮麻呂は故郷の陸奥小田郡の佐目川がきらきら光話しを大麻呂にすると鋳師だった彼は砂金かもしれないと二年前陸奥に行き、砂金だったことを報告してきていた。その砂金と小刀良の命と引き換えようと提案する。雄足は目をつぶることにする。大麻呂に陸奥国主に砂金を届け出るように言う約束をする。宮麻呂は働いている者の仏だと言う真楯に、雄足は仏は斬れない、大仏が出来上がるまで命を預けると言う。
真楯は三年が過ぎても出来上がるまで、出会う仲間のなかに仏の姿を見ようと思う。
真楯21才 近江国高島郡角野郷から三年の夫役で徴発され、東大寺に配属された。
鮠人 美濃国厚見郡からきた仕丁 銅が刎ねる事故があり怪我を負う。強欲で知られる婆・若狹売を看護に呼ぶ。儲けた金で柿を買ってきてやると言われた。
小刀良26才 石見国安濃郡 妻と娘が亡くなったと聞いて脱出しようとする。
三人は造仏所に配置された。
猪養30才位 造仏所の仕丁頭 三年がすぎても出来上がるまでいてもいいと思うようになる。
浄須 病気になる。姉の形見の白鑞の仏像を潰し型持に変え大仏の型持にはめるよう頼む。
南備 女の奴婢頭
宮麻呂40才位 炊男 美味いと評判、働く者のために食事を作る。多めに作り、
国公麻呂 造仏所長官 祖父が百済から技術を日本に伝えた。最早時代遅れと言われたりする。めったに現場に現れない。高市大国を追い落とそうとする。
高市大国 大仏鋳造を取り仕切る。毎日みんなと働く。
朱元珞62才 東市で工房を営む鋳師 高市の配下、若手鋳師の指導をする
朱牟須女 宮麻呂の手伝い、水仕女 元珞の娘
秦緒 造瓦所の炊男だったが不味くみんなが来ない。宮麻呂のところで教えてもらいながら働くようになった。
行基 国内僧侶の最高位・大僧正に任ぜられた。大仏勧進の聖として協力。
栄慶 行基の弟子。在家の弟子衆を引率してくる。15年前の宮麻呂を知っていた。
乙虫 陸奥から来た。資材管理の悪さの責任を高市大国に負わせるために、なかった棹銅の横流しがあったかのように床下に置かれ濡れ衣を着せられた。公麻呂が大国を陥れるために盗難騒ぎを企んだことだと宮麻呂に言われた猪養が犯人は自分だと名乗り出て乙虫は助けられた。
安都雄足27才 舎人、造寺司の官人の中で最年少、元・大学寮の明経生。16年前、左京職の使部だった父親を逃亡を企てた陸奥国の仕丁に刺されて殺されたため陸奥国の者を憎んでいた。
宮麻呂が栄慶に呼び出され行基の粥を菅原宮に作りに行く。真楯は道具を持ってついて行く。真楯は宮麻呂が何者か知りたかった。15年前、宮麻呂は労役半ばで逃亡し、菅原寺の行基の元にいた。安都に見付かり官が態度を和らげ弾圧がゆるくなってきていた行基に迷惑がかからないよう、安都を殺して蓄電していた。
小刀良が大仏の仮屋に火をつけた。行基が亡くなりそうだとみんなが菅原寺に行った時、小刀良は雄足に追い込まれる。宮麻呂は雄足の父親を殺したのは自分だと言う。宮麻呂は故郷の陸奥小田郡の佐目川がきらきら光話しを大麻呂にすると鋳師だった彼は砂金かもしれないと二年前陸奥に行き、砂金だったことを報告してきていた。その砂金と小刀良の命と引き換えようと提案する。雄足は目をつぶることにする。大麻呂に陸奥国主に砂金を届け出るように言う約束をする。宮麻呂は働いている者の仏だと言う真楯に、雄足は仏は斬れない、大仏が出来上がるまで命を預けると言う。
真楯は三年が過ぎても出来上がるまで、出会う仲間のなかに仏の姿を見ようと思う。
2017年12月28日木曜日
質屋籐十郎陰御用(六) 質草の誓い
質屋籐十郎陰御用(六) 質草の誓い 小杉健治
青物売りの仙太は働き者だが喧嘩早い。好きな娘・すみが母親の薬代に借りた三十両の借金のために妾奉公にでると聞き、人情質屋「万屋」に駆け込む。前から仙太を見ていた籐十郎は仙太の命を形に三十両を貸す。何かあったら必ず知らせる。喧嘩は一切しないことを約束とした。
仙太が助けた男が殺された。男は元火盗改の手下・重吉、仙太の長屋を覗いていた、人捜しをしていた。すみの母親・とよは重吉のことを気にした。誰かを待っているようだ。とよは十八年前からここに住んでいる。
十八年前長屋の近所の呉服屋に盗賊が押し込み三千両が奪われた。いったん近くの松吉の長屋に隠し、後に隠れ家へ移された。とよと所帯を持とうとしていた修次は元軽業師で盗賊に塀を乗り越え木戸を開けるよう頼まれた。とよと看病に通っていた修次の親代わりの松吉に窘められ修次は自訴する。隠れ家に踏み込んだ火盗改は盗賊を皆殺しにした。二千両が回収され千両が無くなっていた。在処はわからないままだった。とよは松吉の長屋に住みすみを産んだ。修次が島んい送られる時、あの長屋で待つ約束をした。修次が赦免され島から帰ってきていた。修次は長屋に千両が残っていることを知らなかった。
三ヶ月前に長屋に引っ越してきた半治にとよが連れ去られる。修次が呼び出され修次は千両の在処を言う。すみにとよを迎えに来るように連絡が入る。仙太とすみは命を狙われ、籐十郎に頼まれた如月に助けられる。すみは帰ってくる。長屋の床板がはがされていた。籐十郎の仲間・吉蔵は千両箱の行き先をつけていた。運び込まれた先を訪れ、北町奉行所同心・近田征四郎を呼ぶ。千両を回収し、黒幕の正体を突き止めた。十八年前・火盗改役だった御手先組与力大野甚兵衛だった。
すみと仙太・とよと修次が一緒に暮らし始めた。
「大和屋」存続のためにつゆを譜代大名の次男に嫁がせるという。籐十郎の父と兄は籐十郎につゆを説得するようにいう。幕閣の中で大和屋不要論がでている。大和屋は弾左衛門の資金で武家に金貸しをしていた。籐十郎にしか嫁がないというつゆは逃げた。どこに行ったか分からない。見つけ出して説得するようにいわれる。つゆは北町奉行所与力・戸坂甚兵衛の屋敷にいた。父親に知られないうちに余所に移す。
青物売りの仙太は働き者だが喧嘩早い。好きな娘・すみが母親の薬代に借りた三十両の借金のために妾奉公にでると聞き、人情質屋「万屋」に駆け込む。前から仙太を見ていた籐十郎は仙太の命を形に三十両を貸す。何かあったら必ず知らせる。喧嘩は一切しないことを約束とした。
仙太が助けた男が殺された。男は元火盗改の手下・重吉、仙太の長屋を覗いていた、人捜しをしていた。すみの母親・とよは重吉のことを気にした。誰かを待っているようだ。とよは十八年前からここに住んでいる。
十八年前長屋の近所の呉服屋に盗賊が押し込み三千両が奪われた。いったん近くの松吉の長屋に隠し、後に隠れ家へ移された。とよと所帯を持とうとしていた修次は元軽業師で盗賊に塀を乗り越え木戸を開けるよう頼まれた。とよと看病に通っていた修次の親代わりの松吉に窘められ修次は自訴する。隠れ家に踏み込んだ火盗改は盗賊を皆殺しにした。二千両が回収され千両が無くなっていた。在処はわからないままだった。とよは松吉の長屋に住みすみを産んだ。修次が島んい送られる時、あの長屋で待つ約束をした。修次が赦免され島から帰ってきていた。修次は長屋に千両が残っていることを知らなかった。
三ヶ月前に長屋に引っ越してきた半治にとよが連れ去られる。修次が呼び出され修次は千両の在処を言う。すみにとよを迎えに来るように連絡が入る。仙太とすみは命を狙われ、籐十郎に頼まれた如月に助けられる。すみは帰ってくる。長屋の床板がはがされていた。籐十郎の仲間・吉蔵は千両箱の行き先をつけていた。運び込まれた先を訪れ、北町奉行所同心・近田征四郎を呼ぶ。千両を回収し、黒幕の正体を突き止めた。十八年前・火盗改役だった御手先組与力大野甚兵衛だった。
すみと仙太・とよと修次が一緒に暮らし始めた。
「大和屋」存続のためにつゆを譜代大名の次男に嫁がせるという。籐十郎の父と兄は籐十郎につゆを説得するようにいう。幕閣の中で大和屋不要論がでている。大和屋は弾左衛門の資金で武家に金貸しをしていた。籐十郎にしか嫁がないというつゆは逃げた。どこに行ったか分からない。見つけ出して説得するようにいわれる。つゆは北町奉行所与力・戸坂甚兵衛の屋敷にいた。父親に知られないうちに余所に移す。
2017年12月27日水曜日
剣客船頭(十八)親子河岸
剣客船頭(十八)親子河岸 稲葉稔
元南町奉行所の定町廻り同心で、今は船頭となった沢村伝次郎。同心時代の髪結い・籐兵衛が遺体で見付かった。下手人探しを始める。
千草は店に来ていた子ども・半助がいなくなり、祖父・八百蔵が探している。八百蔵に代わり半助探しにも紛争する。半助は誰かに連れ去られたようだ。半助の父親は不義をして不義の相手と心中した。母親が生き残った相手を殺したため島流しになった。伝次郎は殺された相手の父親・新五郎に会いに行く。新五郎は岡場所から三百両を持ち逃げして山源という地回りに追われていた。
新五郎は髪結いの籐兵衛に百八十両を盗まれ、籐兵衛を責め殺してしまい、盗まれた金の在処が分からない。持ち金が少なくなったため八百蔵からお金を取るため半助を勾引かしていた。
山源が新五郎の居所をつかみ半助も共に岡場所の持ち主・出雲屋市右衛門の深川の空き屋に連れ込む。奉行所同心・中村直吉郎と宗像平三郎と共に伝次郎も追う。山源は町外れの辺鄙な雑木林のなかの空き屋に移動する。山元たちは死に、新五郎は籐兵衛を殺したことを認めた。伝次郎は半助を連れて帰る。
元南町奉行所の定町廻り同心で、今は船頭となった沢村伝次郎。同心時代の髪結い・籐兵衛が遺体で見付かった。下手人探しを始める。
千草は店に来ていた子ども・半助がいなくなり、祖父・八百蔵が探している。八百蔵に代わり半助探しにも紛争する。半助は誰かに連れ去られたようだ。半助の父親は不義をして不義の相手と心中した。母親が生き残った相手を殺したため島流しになった。伝次郎は殺された相手の父親・新五郎に会いに行く。新五郎は岡場所から三百両を持ち逃げして山源という地回りに追われていた。
新五郎は髪結いの籐兵衛に百八十両を盗まれ、籐兵衛を責め殺してしまい、盗まれた金の在処が分からない。持ち金が少なくなったため八百蔵からお金を取るため半助を勾引かしていた。
山源が新五郎の居所をつかみ半助も共に岡場所の持ち主・出雲屋市右衛門の深川の空き屋に連れ込む。奉行所同心・中村直吉郎と宗像平三郎と共に伝次郎も追う。山源は町外れの辺鄙な雑木林のなかの空き屋に移動する。山元たちは死に、新五郎は籐兵衛を殺したことを認めた。伝次郎は半助を連れて帰る。
2017年12月26日火曜日
宗元寺隼人密命帖〈四〉 江都落涙
宗元寺隼人密命帖〈四〉 江都落涙 完 荒崎一海
三人の幼い姉弟が、亡くなった姉の子を引き取り面倒見ていた妹・叔母・もんが帰らないために大川に身を投げた。もんがどうして帰らないか、どこにいるか調べている北町奉行所定町廻り同心・秋山平内や文蔵に宗元寺隼人は助言をする。
備後福山藩十万石老中・阿部備中守正精が辞意を漏らしたため、叔父・松平和泉守乗寛より寺社奉行・水野和泉守忠邦の老中就任を阻むよう要請される。松平乗寛の老中就任を阻まんとして老中首座・水野出羽守は家臣の名を騙り、京町娘を誑かすという卑劣な策を弄した。(①)小四郎は両水野家を探る。
もんが海で土左衛門で見付かった。もんがどこに行っていたのかを探る。火盗改の小者をしていた駒次郎が袈裟掛けで殺される。駒次郎の通う道を辿る。白金の浜松水野忠邦の抱屋敷に目が行く。用人、家老、留守居役が出入していた。船で出入も出来る。持ち主は宮大工、もん・文と藤姉妹を両親から託された人物だった。
隼人が毎日佇んでいると命を狙われた。三兄弟の父親を探す。宮大工は長女は忠邦の子という。宮大工は留守居役・井上に姉妹を託していた。
もんを屋敷に運ぶ船頭に木曽屋はもんと話しがしたいと連れてきてくれるよう頼んだ。もんは船から飛び込み亡くなった。もんの死は木曽屋の横恋慕ということになった。
水野忠邦の老中昇進はなくなったが、松平乗寛の甥・宗元寺隼人は目を付けられた。隼人は寺に住んでいた。忠邦は寺社奉行のため江戸から出ることになった。乗寛の一声で隼人は弥生と一緒になり国許で道場を開くことになった。国許で落ちつけば寅吉とかねと孫のすずを呼ぶ、文蔵の下で働いている竹次をすずと一緒にして道場の用人にしたいと希望を話す。
藤堂家の殿様が病に罹り、祈祷師に心にくもりがと言われ刺客を送っていないと伊賀の百地五郎兵衛がいいに来る。
三人の幼い姉弟が、亡くなった姉の子を引き取り面倒見ていた妹・叔母・もんが帰らないために大川に身を投げた。もんがどうして帰らないか、どこにいるか調べている北町奉行所定町廻り同心・秋山平内や文蔵に宗元寺隼人は助言をする。
備後福山藩十万石老中・阿部備中守正精が辞意を漏らしたため、叔父・松平和泉守乗寛より寺社奉行・水野和泉守忠邦の老中就任を阻むよう要請される。松平乗寛の老中就任を阻まんとして老中首座・水野出羽守は家臣の名を騙り、京町娘を誑かすという卑劣な策を弄した。(①)小四郎は両水野家を探る。
もんが海で土左衛門で見付かった。もんがどこに行っていたのかを探る。火盗改の小者をしていた駒次郎が袈裟掛けで殺される。駒次郎の通う道を辿る。白金の浜松水野忠邦の抱屋敷に目が行く。用人、家老、留守居役が出入していた。船で出入も出来る。持ち主は宮大工、もん・文と藤姉妹を両親から託された人物だった。
隼人が毎日佇んでいると命を狙われた。三兄弟の父親を探す。宮大工は長女は忠邦の子という。宮大工は留守居役・井上に姉妹を託していた。
もんを屋敷に運ぶ船頭に木曽屋はもんと話しがしたいと連れてきてくれるよう頼んだ。もんは船から飛び込み亡くなった。もんの死は木曽屋の横恋慕ということになった。
水野忠邦の老中昇進はなくなったが、松平乗寛の甥・宗元寺隼人は目を付けられた。隼人は寺に住んでいた。忠邦は寺社奉行のため江戸から出ることになった。乗寛の一声で隼人は弥生と一緒になり国許で道場を開くことになった。国許で落ちつけば寅吉とかねと孫のすずを呼ぶ、文蔵の下で働いている竹次をすずと一緒にして道場の用人にしたいと希望を話す。
藤堂家の殿様が病に罹り、祈祷師に心にくもりがと言われ刺客を送っていないと伊賀の百地五郎兵衛がいいに来る。
2017年12月25日月曜日
上絵師 律の似面絵帖③ 雪華燃ゆ
上絵師 律の似面絵帖③ 雪華燃ゆ 知野みさき
春の兆し 律は幼馴染みの青陽堂の跡取り息子・涼太に好きなのはおまえだけ。店を継いだら一緒になってくれと言われた。
長屋暮らしの勢が、小間物屋の店を持つという将太に騙され虎の子を出してしまった。律似顔絵を書く。律は恋敵の綾乃と一緒に将太を尾け、将太に居所を見付ける。綾乃は義妹の料亭・尾上の嫁である自覚がなさ過ぎる。覚悟を決めて嫁に行かなければ駄目だと言う。
将太の居所を教えてもらった勢は将太と一緒に逃げようと誘う。次の日の朝早く会う場所を決め勢は帰った。将太は直ぐ逃げた。勢も姿を消した。どこに行ったか分からない。
雪永に椿の着物の柄を頼まれる。着る人、千恵を紹介される。類の妹34才だった。千恵は雪永が嫁にといい出した頃、千恵は侍に恋をした。武家の養女になる寸前、千恵は手込めに合い、池に身を投げた。九死に一生を得たが、混乱していた。破談になったが千恵は祝言を挙げたと思っている。忘れていることも多い。誰に手込めにされたかも分からない。律は椿を書き持って行くがどれも気に入らないようだ。
姉探し 弟・慶太郎が旅籠奉公をしていた姉を探しているせんを連れてくる。せんの姉の似面絵を書き、慶太郎の口利きで旅籠巽屋にも行った。巽屋に盗賊が入った。せんが巽屋を調べていた。仲間の密告があり盗賊を捕まえたが、せんと頭・三蔵を取り逃がした。慶太郎がせんの言っていたことを思い出し隠れ家がわかり、二人は捕まった。今井は慶太郎に悪い人はほんの一握りだ。困っている人を見たらやっぱり助けるのだよと言った。
消えた茶人 律と涼太は待ち合わせをして茶屋で会った。涼太は目の前を行く背負い駕籠を背負った男を捕まえる。駕籠から転がり出たの手足を縛られた、猿ぐつわを噛まされた女児だった。仲間も捕まった。両親が礼に来たために二人が会っていたことが母親・佐和にしれてしまった。
父親・清次郎が付き合いで行った吉原から帰らない。清次郎の似面絵を描いて探す。類のところで藤井屋の隠居・與八郎の話を聞き、吉原で清次郎に話しかけていた男の似面絵を書く。似面絵から男・正清が清次郎から茶を習うために軟禁していたことが判った。逃げ出せば彦二を殺すと脅されていた。助け出された清次郎は、もてなすことが茶の道、あなたは自分をもてなすことしか考えない。道具を見る目は確かです。茶道具屋になってはいかがかなと正清に言った。清次郎が無事に帰ってきたのを見て佐和は倒れた。
雪華燃ゆ 佐和が臥せって五日。佐和の大変さ店にとっての佐和の存在が大きく判る。
律は千恵に椿の絵を持って行くが気に入っては貰えない。雪の話から千恵の雪永の思い出話しになる。律は雪華の絵はどうだろうと考えた。雪永が気に入るかではなく千恵がいいと思う絵にしよう。雪華図説を貸してくれた藍井の店主・由郎が基次郎の京時代の許嫁のいたことを話した。基次郎は染物屋の娘・紫野と一緒になって職人として働くつもりだった。婿入りして店を切り盛りしてくれと言われ染め物をする暇はない。染色を辞めたくなかったと基次郎は話した。
律の書いた雪華の下書きで千恵は雪永にも類にも内緒で着物を作って欲しいと言った。出来上がった着物を千恵は喜んだ。上絵師・律のはじめての着物だった。千恵は池に落ちたことは思い出せないが祝言を挙げていないことは理解した。類の家で一緒に暮らすことになった。
律は上絵を続けて行きたい。涼太と一緒になってもできるか不安だった。涼太は、ここを借りっぱなしにすればいい。女将はいい顔しないだろな。嫁が一日中家を空けるのは。店を継げば、おふくろに文句は言わせないと言う。
春の兆し 律は幼馴染みの青陽堂の跡取り息子・涼太に好きなのはおまえだけ。店を継いだら一緒になってくれと言われた。
長屋暮らしの勢が、小間物屋の店を持つという将太に騙され虎の子を出してしまった。律似顔絵を書く。律は恋敵の綾乃と一緒に将太を尾け、将太に居所を見付ける。綾乃は義妹の料亭・尾上の嫁である自覚がなさ過ぎる。覚悟を決めて嫁に行かなければ駄目だと言う。
将太の居所を教えてもらった勢は将太と一緒に逃げようと誘う。次の日の朝早く会う場所を決め勢は帰った。将太は直ぐ逃げた。勢も姿を消した。どこに行ったか分からない。
雪永に椿の着物の柄を頼まれる。着る人、千恵を紹介される。類の妹34才だった。千恵は雪永が嫁にといい出した頃、千恵は侍に恋をした。武家の養女になる寸前、千恵は手込めに合い、池に身を投げた。九死に一生を得たが、混乱していた。破談になったが千恵は祝言を挙げたと思っている。忘れていることも多い。誰に手込めにされたかも分からない。律は椿を書き持って行くがどれも気に入らないようだ。
姉探し 弟・慶太郎が旅籠奉公をしていた姉を探しているせんを連れてくる。せんの姉の似面絵を書き、慶太郎の口利きで旅籠巽屋にも行った。巽屋に盗賊が入った。せんが巽屋を調べていた。仲間の密告があり盗賊を捕まえたが、せんと頭・三蔵を取り逃がした。慶太郎がせんの言っていたことを思い出し隠れ家がわかり、二人は捕まった。今井は慶太郎に悪い人はほんの一握りだ。困っている人を見たらやっぱり助けるのだよと言った。
消えた茶人 律と涼太は待ち合わせをして茶屋で会った。涼太は目の前を行く背負い駕籠を背負った男を捕まえる。駕籠から転がり出たの手足を縛られた、猿ぐつわを噛まされた女児だった。仲間も捕まった。両親が礼に来たために二人が会っていたことが母親・佐和にしれてしまった。
父親・清次郎が付き合いで行った吉原から帰らない。清次郎の似面絵を描いて探す。類のところで藤井屋の隠居・與八郎の話を聞き、吉原で清次郎に話しかけていた男の似面絵を書く。似面絵から男・正清が清次郎から茶を習うために軟禁していたことが判った。逃げ出せば彦二を殺すと脅されていた。助け出された清次郎は、もてなすことが茶の道、あなたは自分をもてなすことしか考えない。道具を見る目は確かです。茶道具屋になってはいかがかなと正清に言った。清次郎が無事に帰ってきたのを見て佐和は倒れた。
雪華燃ゆ 佐和が臥せって五日。佐和の大変さ店にとっての佐和の存在が大きく判る。
律は千恵に椿の絵を持って行くが気に入っては貰えない。雪の話から千恵の雪永の思い出話しになる。律は雪華の絵はどうだろうと考えた。雪永が気に入るかではなく千恵がいいと思う絵にしよう。雪華図説を貸してくれた藍井の店主・由郎が基次郎の京時代の許嫁のいたことを話した。基次郎は染物屋の娘・紫野と一緒になって職人として働くつもりだった。婿入りして店を切り盛りしてくれと言われ染め物をする暇はない。染色を辞めたくなかったと基次郎は話した。
律の書いた雪華の下書きで千恵は雪永にも類にも内緒で着物を作って欲しいと言った。出来上がった着物を千恵は喜んだ。上絵師・律のはじめての着物だった。千恵は池に落ちたことは思い出せないが祝言を挙げていないことは理解した。類の家で一緒に暮らすことになった。
律は上絵を続けて行きたい。涼太と一緒になってもできるか不安だった。涼太は、ここを借りっぱなしにすればいい。女将はいい顔しないだろな。嫁が一日中家を空けるのは。店を継げば、おふくろに文句は言わせないと言う。
2017年12月24日日曜日
関越えの夜 東海道浮世がたり
関越えの夜 東海道浮世がたり 澤田瞳子
忠助の銭 呉服屋・糺屋の手代忠助は駿河・蒲原宿で四十両を受け取り江戸に帰る途中でお金を無くす。どうしようと迷いながらの道中、川崎手前の茶屋で暴れ馬から老夫婦と旅をする太一という男の子を助けた。忠助がぼんやりしているので医者を呼びに行く。首を括ろうと決心した忠助の前に巾着を置き、死に場所を求めて行く振り袖の娘と男に目を留めた。死に行く娘が生きよと告げていると思った。小さくなる影に手を合わせる。
通夜の支度 益子屋の末娘・駒と手代・佐七の亡骸が保土ケ谷宿の外れの寺の軒下で見付かった。駒は備州鴇緒藩領主・月岡安芸守の側女奉公が決まっていた。駒付きの女中・栄は佐七と相思相愛だった。可愛そうな駒のために佐七は死出の旅の供をすると書き残した。栄は佐七さんは心底忠義者だったと思う。
やらずの雪 小田原・香林寺の末寺・高栄寺。住持と尊聖は一月前から本寺へ出かけている。良尊という小坊主がいたが今は神奈川の浄滝寺に預けられている。私・慶尊一人しかいない。尊聖は小田原藩御納戸役、道場の師範代を務める武士だった。三年前仏門に入った。
尊聖の妻・ふみが寺にやってきた。尊聖はふみと弟・友太夫の不義を知り、弟に嫁げの言葉を残し、出家した。友太夫とふみは妻帯したが周りの視線は冷たかった。友太夫はとうとう口汚く罵る来島孫兵衛を討ち、出奔した。小野田家は断絶、屋敷も返した。来島家は主税が仇討の旅に出た。ふみは恨みを言いにきた。友太夫の子どもを産んだ。その子どもがあなたを討つでしょうと。良尊はふみを殺した。尊聖は香林寺に逼塞している。
関越えの夜 両親と兄弟を流行り病で亡くしたさきが、一膳飯屋を営む叔母・千に引き取られ二年になる。箱根越えの途中に位置する宿場・畑宿である。今十才、ここから飛び出すことができる年になるまで辛くとも我慢する。自分に言い聞かせている。さきは箱根山を越える旅人の荷物持に行く。毎日笈ノ平の茶屋で見る若侍がいる。関所を超えず人捜しをしていると言う。来島主税だった。箱根界隈を案内して小遣いを貰う。二人は関所破りを見付けた。さきが関所に走り、主税は二人を追う。一人・紋を捕まえた。主税は敵討ちの話をし役人に関所越えを促されさきにさらばじゃと言って去った。さきは主税がいつか戻ってくると信じたかった。
死神の松 与五郎は相手の涙をみると相手が死んでしまうほど痛めつけてしまう。気が付けば死んでいた。紋の相手の大工を殺し、紋と大工の関係が人に知られているため江戸を出た。関所破りで紋が捕まり、与五郎は紋を置き去りにして逃げた。松原まで来ると松の木に紋が大工が今まで殺した人々がぶら下がっている。自分の旅の目的は松の木だったんだと思った。
恵比寿のくれた嫁御寮 一本松で人相書きが廻っている関所破りのお尋ね者が首を吊っていた。不浄があれば漁が休みになる。網元の茂八は誰もいない浜辺で吉原の紙屋鳴子屋で奉公している連に出会う。病気がちの父親の面倒をみながら奉公していた。姉が沼津に奉公にでている。茂八が息子・幸吉の嫁にいいと思う。幸吉は悪名高い山猫女郎・小菊と一緒になると言っていた。小菊にはやくざ者が紐としてぶら下がっていた。幸吉が二人で誰にも口出しされない所で暮らそうといい、小菊が、網元でない幸吉など何の値打ちもないと言ったことでやっと手が切れていた。茂八が気にいった連に五十両の支度金を出し親も一緒に嫁を迎えた花嫁の姉は小菊だった。借金を払い妹に付いてきた。
なるみ屋の客 府中の路地奥のなるみ屋という居酒屋に浪人夫婦がいた。店に父親を迎えに奈津が来る。父親は眠ってしまった奈津を負ぶって帰って行く。主人は勘定を受け取らない。昔世話になった奈良屋さんだからという。奈良屋は捨て子の奈津を我が子として育てた。姉のとせは気に入らなかった。みんなが寺へ出かける日、とせは奈津をいじめたため留守番に残された。彼女の部屋の行灯が倒れ火事になったと話した。浪人夫婦は奈津の親か?
池田村川留噺 十日も川留中、みんな気心が知れる。鍛冶師の留太は上流を泳いで行くという。みんなで川端に送って出ている時、忘れ物をしたと宿に帰る。坂田九郎太夫という浪人が護摩の灰ではないかと言う。慌てて帰り留太を殴った懐はかすめ取った品物で膨れ上がっていた。
痛むか与茂吉 海産物問屋・舛屋のおかみ・浜と女中・たきと手代・与茂吉。江戸から大坂までに行く間に与茂吉は浜に不義を仕掛けるようにと主人・喜兵衛に命じられた。やっと夜中に浜の部屋に忍んでいく。浜は喜兵衛の企みに気付いていた。夫婦に子がないため、喜兵衛は妾の連れ子を跡継ぎにしようとしていた。与茂吉は浜に舛屋のための忠義が喜兵衛のための忠義かと言われる。三人は江戸へ帰る。
竹柱の先 芦尾彦四郎と目の不自由な父・泰蔵は、江戸の屋敷奉公に行き連絡が途絶えた母親・松乃を探しに江戸へ行く途中、武家の娘・蕗緒と老爺を助ける。蕗緒の主は御台所の代理で京に行く大奥御中臈だった。蕗緒は途中で体調を崩し追いかけていた。老爺が足をねん挫したことで彦四郎が負ぶって蕗緒を送っていく。蕗緒が旦那様の話をする。浪人の妻、年は四十、松乃とかもしれない。六年前から連絡が途絶えた。六年前に大奥へ。夫と息子は死んだことになっていた。ために蕗緒の祖父の養女になって大奥に入った。本陣に名前が挙がっている。名前を読めと言う父に彦四郎は本陣の隣の酒屋の名を告げた。
二寸の傷 十六だ出家した桐妙。元の名は妙。妙は下駄の歯を折り出会った信二郎を好きになった。姉が信二郎の家・外村家に嫁すことになった。長男・右京との婚儀の最中、襲ってきた長尾頼母の刀が蹴り飛ばされ頼母は取り押さえられた。妙は飛んできた刀によって頬に二寸の傷を負った。三ヶ月後、出家し、草津宿から一里離れた目川村で丸八年庵暮らしをしている。以来血縁とは音信不通。突然姉が訪ねてきた。京にいる右京の所に行くと言い、外村家の信二郎に渡して欲しいと手紙を託す。右京は不行跡のため半月前に信二郎が相続していた。姉は浪人になる右京の所に行った。妙に戻り信二郎と共に生きることになったと年若い次の観音堂の庵主に話した。
右京の江戸での風聞、下屋敷の腰元と不埒な関係になり子を孕ませていた。腰元は近江に夫と息子を残していた人妻だった。後日夫より安否を問う書状が届いた。(彦四郎の母親か?)京都での不行跡、出入の炭屋の人足を滅多打ちにし、半死半生の大怪我を負わせた。
床の椿 炭屋安芸屋の女主・初。初は二十一才。実父・清兵衛が亡くなり店を継いで二年。
父親の死後、女中だった美濃のところに清兵衛の子ども・太吉3才がいると分かった。親戚は父母を亡くした太吉を養子にと言う。初は裏切られた思いだった。初は店を継ぎ、三十両と住んでいる家を渡した。太吉の祖父母は先行きが心配なので、江戸にいる息子夫婦を頼って江戸へ行った。
二年経ち太吉のことで迷いが出た。仕事に打ち込む。京藩邸人足がいわれなく打擲され、留守居に談判した。新に人足を入れる際には自ら口入れ屋に行った。入った忠助は生真面目な働き者だった。忠助は初に忠告する。余所目や噂を気にせず良いと思う方を選べ。正しい道ほど選びにくく、誤った道ほど行きやすいもののようだと言う。初は江戸の知り合いに飛脚を出し、太吉を探し、呼び戻すことにする。
忠助の銭 呉服屋・糺屋の手代忠助は駿河・蒲原宿で四十両を受け取り江戸に帰る途中でお金を無くす。どうしようと迷いながらの道中、川崎手前の茶屋で暴れ馬から老夫婦と旅をする太一という男の子を助けた。忠助がぼんやりしているので医者を呼びに行く。首を括ろうと決心した忠助の前に巾着を置き、死に場所を求めて行く振り袖の娘と男に目を留めた。死に行く娘が生きよと告げていると思った。小さくなる影に手を合わせる。
通夜の支度 益子屋の末娘・駒と手代・佐七の亡骸が保土ケ谷宿の外れの寺の軒下で見付かった。駒は備州鴇緒藩領主・月岡安芸守の側女奉公が決まっていた。駒付きの女中・栄は佐七と相思相愛だった。可愛そうな駒のために佐七は死出の旅の供をすると書き残した。栄は佐七さんは心底忠義者だったと思う。
やらずの雪 小田原・香林寺の末寺・高栄寺。住持と尊聖は一月前から本寺へ出かけている。良尊という小坊主がいたが今は神奈川の浄滝寺に預けられている。私・慶尊一人しかいない。尊聖は小田原藩御納戸役、道場の師範代を務める武士だった。三年前仏門に入った。
尊聖の妻・ふみが寺にやってきた。尊聖はふみと弟・友太夫の不義を知り、弟に嫁げの言葉を残し、出家した。友太夫とふみは妻帯したが周りの視線は冷たかった。友太夫はとうとう口汚く罵る来島孫兵衛を討ち、出奔した。小野田家は断絶、屋敷も返した。来島家は主税が仇討の旅に出た。ふみは恨みを言いにきた。友太夫の子どもを産んだ。その子どもがあなたを討つでしょうと。良尊はふみを殺した。尊聖は香林寺に逼塞している。
関越えの夜 両親と兄弟を流行り病で亡くしたさきが、一膳飯屋を営む叔母・千に引き取られ二年になる。箱根越えの途中に位置する宿場・畑宿である。今十才、ここから飛び出すことができる年になるまで辛くとも我慢する。自分に言い聞かせている。さきは箱根山を越える旅人の荷物持に行く。毎日笈ノ平の茶屋で見る若侍がいる。関所を超えず人捜しをしていると言う。来島主税だった。箱根界隈を案内して小遣いを貰う。二人は関所破りを見付けた。さきが関所に走り、主税は二人を追う。一人・紋を捕まえた。主税は敵討ちの話をし役人に関所越えを促されさきにさらばじゃと言って去った。さきは主税がいつか戻ってくると信じたかった。
死神の松 与五郎は相手の涙をみると相手が死んでしまうほど痛めつけてしまう。気が付けば死んでいた。紋の相手の大工を殺し、紋と大工の関係が人に知られているため江戸を出た。関所破りで紋が捕まり、与五郎は紋を置き去りにして逃げた。松原まで来ると松の木に紋が大工が今まで殺した人々がぶら下がっている。自分の旅の目的は松の木だったんだと思った。
恵比寿のくれた嫁御寮 一本松で人相書きが廻っている関所破りのお尋ね者が首を吊っていた。不浄があれば漁が休みになる。網元の茂八は誰もいない浜辺で吉原の紙屋鳴子屋で奉公している連に出会う。病気がちの父親の面倒をみながら奉公していた。姉が沼津に奉公にでている。茂八が息子・幸吉の嫁にいいと思う。幸吉は悪名高い山猫女郎・小菊と一緒になると言っていた。小菊にはやくざ者が紐としてぶら下がっていた。幸吉が二人で誰にも口出しされない所で暮らそうといい、小菊が、網元でない幸吉など何の値打ちもないと言ったことでやっと手が切れていた。茂八が気にいった連に五十両の支度金を出し親も一緒に嫁を迎えた花嫁の姉は小菊だった。借金を払い妹に付いてきた。
なるみ屋の客 府中の路地奥のなるみ屋という居酒屋に浪人夫婦がいた。店に父親を迎えに奈津が来る。父親は眠ってしまった奈津を負ぶって帰って行く。主人は勘定を受け取らない。昔世話になった奈良屋さんだからという。奈良屋は捨て子の奈津を我が子として育てた。姉のとせは気に入らなかった。みんなが寺へ出かける日、とせは奈津をいじめたため留守番に残された。彼女の部屋の行灯が倒れ火事になったと話した。浪人夫婦は奈津の親か?
池田村川留噺 十日も川留中、みんな気心が知れる。鍛冶師の留太は上流を泳いで行くという。みんなで川端に送って出ている時、忘れ物をしたと宿に帰る。坂田九郎太夫という浪人が護摩の灰ではないかと言う。慌てて帰り留太を殴った懐はかすめ取った品物で膨れ上がっていた。
痛むか与茂吉 海産物問屋・舛屋のおかみ・浜と女中・たきと手代・与茂吉。江戸から大坂までに行く間に与茂吉は浜に不義を仕掛けるようにと主人・喜兵衛に命じられた。やっと夜中に浜の部屋に忍んでいく。浜は喜兵衛の企みに気付いていた。夫婦に子がないため、喜兵衛は妾の連れ子を跡継ぎにしようとしていた。与茂吉は浜に舛屋のための忠義が喜兵衛のための忠義かと言われる。三人は江戸へ帰る。
竹柱の先 芦尾彦四郎と目の不自由な父・泰蔵は、江戸の屋敷奉公に行き連絡が途絶えた母親・松乃を探しに江戸へ行く途中、武家の娘・蕗緒と老爺を助ける。蕗緒の主は御台所の代理で京に行く大奥御中臈だった。蕗緒は途中で体調を崩し追いかけていた。老爺が足をねん挫したことで彦四郎が負ぶって蕗緒を送っていく。蕗緒が旦那様の話をする。浪人の妻、年は四十、松乃とかもしれない。六年前から連絡が途絶えた。六年前に大奥へ。夫と息子は死んだことになっていた。ために蕗緒の祖父の養女になって大奥に入った。本陣に名前が挙がっている。名前を読めと言う父に彦四郎は本陣の隣の酒屋の名を告げた。
二寸の傷 十六だ出家した桐妙。元の名は妙。妙は下駄の歯を折り出会った信二郎を好きになった。姉が信二郎の家・外村家に嫁すことになった。長男・右京との婚儀の最中、襲ってきた長尾頼母の刀が蹴り飛ばされ頼母は取り押さえられた。妙は飛んできた刀によって頬に二寸の傷を負った。三ヶ月後、出家し、草津宿から一里離れた目川村で丸八年庵暮らしをしている。以来血縁とは音信不通。突然姉が訪ねてきた。京にいる右京の所に行くと言い、外村家の信二郎に渡して欲しいと手紙を託す。右京は不行跡のため半月前に信二郎が相続していた。姉は浪人になる右京の所に行った。妙に戻り信二郎と共に生きることになったと年若い次の観音堂の庵主に話した。
右京の江戸での風聞、下屋敷の腰元と不埒な関係になり子を孕ませていた。腰元は近江に夫と息子を残していた人妻だった。後日夫より安否を問う書状が届いた。(彦四郎の母親か?)京都での不行跡、出入の炭屋の人足を滅多打ちにし、半死半生の大怪我を負わせた。
床の椿 炭屋安芸屋の女主・初。初は二十一才。実父・清兵衛が亡くなり店を継いで二年。
父親の死後、女中だった美濃のところに清兵衛の子ども・太吉3才がいると分かった。親戚は父母を亡くした太吉を養子にと言う。初は裏切られた思いだった。初は店を継ぎ、三十両と住んでいる家を渡した。太吉の祖父母は先行きが心配なので、江戸にいる息子夫婦を頼って江戸へ行った。
二年経ち太吉のことで迷いが出た。仕事に打ち込む。京藩邸人足がいわれなく打擲され、留守居に談判した。新に人足を入れる際には自ら口入れ屋に行った。入った忠助は生真面目な働き者だった。忠助は初に忠告する。余所目や噂を気にせず良いと思う方を選べ。正しい道ほど選びにくく、誤った道ほど行きやすいもののようだと言う。初は江戸の知り合いに飛脚を出し、太吉を探し、呼び戻すことにする。
2017年12月23日土曜日
晦日の月
六尺文治捕物控 晦日の月 中島要
江戸で名代の御用聞き、堀江町の辰三が去年の暮れにいなくなった。南町奉行所同心・塚越慎一郎は、名なしの幻造を探らせていたと言う。年明けに向島で十手が見付かり親分は殺されたと噂された。辰三の女房・仙と十七才になる娘・加代と子分の文治は生きていると信じていた。
役たたず 油問屋の隠居の部屋の隠しだなの中の三百両が盗まれた。文治は、左前の油問屋の隠居が三百両を持っていたかと疑った。隠居は腹違いの弟・栄屋が犯人だ。息子が犯人だと言っていた。隠居付きの女中が殺され、隠居が自殺していた。加代が現れる。息子が犯人だと言う。加代が言う通り、隠居の血が付いた息子の着物が見付かった。油問屋の主は捕まった。女中は隠居が犯人と思い責め殺していた。加代はどこまで先を読んでいたかは分からないが、主・長太郎と隠居の仲が悪くなるように栄屋が誘導し、最後に隠し戸棚のことを長太郎に教えた。隠居は栄屋を目の敵にした。文治は隠居は父親に愛されている弟が嫉ましかったのだろうと思った。
うきよ小町 三崎屋が江戸錦絵小町比べをすることになった。加代は出ないつもりだったが、卯吉に親分の居所を知っている。教えて欲しかったら一晩相手をするか、十両出せと言われて、小町比べに出ることにした。加代の幼馴染み志乃が川で死んだ。身を投げたと思われた。加代は志乃が身を投げたと思えなくて調べていくと、もう一人の幼馴染み八重が志乃を川に突き落としたと言った。八重は自訴すると言っていたのに首を吊って亡くなった。
神隠し 行方不明になっていた袋物問屋茜屋の息子・鶴吉が二十年経って帰ってきた。鶴吉の迷子札を持っていた。母親・登世は息子だと言い、鶴吉をつれて寮に行く。父親は養女に婿をとって店を継がせるつもりでいる。文治は本物が贋物か調べる。鶴吉はかたぎではないようで、父親は身持ちの悪い人間を跡取りにはできないという。寮で鶴吉と登世が殺された。遺書が見付かり登世の無理心中と分かった。鶴吉と仲間が養女の勾引かしを計画しているのを知ったからだった。
ねずみと猫 仏具屋吉祥堂の若旦那・春次郎が守って欲しいと加代に頼む。父親儀兵衛が庭で頭を割られて死んでいた。加代は儀兵衛は心臓発作で亡くなりあとから番頭が頭をたたき割ったのだと言った。番頭は正直に白状した。
加代は塚越に、父親が悪党を追って消えたのではなく、何者かに命を狙われ止むなく姿を消したのではないかと聞く。辰三はおまえたちを巻き込みたくなくて姿を消したのに仕方がないと言い、夜一人で来いと呼び出される。加代は書き置きを残している。家で大人しくしていれば良かったのにと言われ首を絞められる。加代は意識を取り戻す。塚越は殺されていた。塚越の家から強請の書付が見付かった。与力の久保寺が、塚越家は取りつぶし今回の探索は打ち切りになったと言う。
晦日の月 三崎屋の錦絵が川に捨てられているのが見付かった。調べている最中に三崎屋の主人・田左衛門が出合い茶屋で殺された。加代の考えを聞きながら文治は調べを進める。田左衛門によって売り出された絵師・竹仙を問い詰める。錦絵を川に捨てたのは竹仙だった。調べで役人が三崎屋の蔵に入り、枕絵が没収されるように。竹仙が書いた枕絵は自分の女房が田左衛門に抱かれている姿だった。その代わり竹仙を売り出してくれた。その枕絵を女房に見せられ、女房は川に身を投げた。娘の結婚が決まり、田左衛門は娘と結婚相手の枕絵を描くように迫った。女房の枕絵を強請の材料にされた。娘にだけは嫌われたくない。文治は婚礼が終わったら自訴するように言い、三崎屋に踏み込んでその絵を見付けて処分すると約束する。
雲隠れ じき平塚という所での、名なしの幻造(たぶん)の堀江町の辰三親分との出会い。幻造が辰三を意識した。
葉室麟死亡
江戸で名代の御用聞き、堀江町の辰三が去年の暮れにいなくなった。南町奉行所同心・塚越慎一郎は、名なしの幻造を探らせていたと言う。年明けに向島で十手が見付かり親分は殺されたと噂された。辰三の女房・仙と十七才になる娘・加代と子分の文治は生きていると信じていた。
役たたず 油問屋の隠居の部屋の隠しだなの中の三百両が盗まれた。文治は、左前の油問屋の隠居が三百両を持っていたかと疑った。隠居は腹違いの弟・栄屋が犯人だ。息子が犯人だと言っていた。隠居付きの女中が殺され、隠居が自殺していた。加代が現れる。息子が犯人だと言う。加代が言う通り、隠居の血が付いた息子の着物が見付かった。油問屋の主は捕まった。女中は隠居が犯人と思い責め殺していた。加代はどこまで先を読んでいたかは分からないが、主・長太郎と隠居の仲が悪くなるように栄屋が誘導し、最後に隠し戸棚のことを長太郎に教えた。隠居は栄屋を目の敵にした。文治は隠居は父親に愛されている弟が嫉ましかったのだろうと思った。
うきよ小町 三崎屋が江戸錦絵小町比べをすることになった。加代は出ないつもりだったが、卯吉に親分の居所を知っている。教えて欲しかったら一晩相手をするか、十両出せと言われて、小町比べに出ることにした。加代の幼馴染み志乃が川で死んだ。身を投げたと思われた。加代は志乃が身を投げたと思えなくて調べていくと、もう一人の幼馴染み八重が志乃を川に突き落としたと言った。八重は自訴すると言っていたのに首を吊って亡くなった。
神隠し 行方不明になっていた袋物問屋茜屋の息子・鶴吉が二十年経って帰ってきた。鶴吉の迷子札を持っていた。母親・登世は息子だと言い、鶴吉をつれて寮に行く。父親は養女に婿をとって店を継がせるつもりでいる。文治は本物が贋物か調べる。鶴吉はかたぎではないようで、父親は身持ちの悪い人間を跡取りにはできないという。寮で鶴吉と登世が殺された。遺書が見付かり登世の無理心中と分かった。鶴吉と仲間が養女の勾引かしを計画しているのを知ったからだった。
ねずみと猫 仏具屋吉祥堂の若旦那・春次郎が守って欲しいと加代に頼む。父親儀兵衛が庭で頭を割られて死んでいた。加代は儀兵衛は心臓発作で亡くなりあとから番頭が頭をたたき割ったのだと言った。番頭は正直に白状した。
加代は塚越に、父親が悪党を追って消えたのではなく、何者かに命を狙われ止むなく姿を消したのではないかと聞く。辰三はおまえたちを巻き込みたくなくて姿を消したのに仕方がないと言い、夜一人で来いと呼び出される。加代は書き置きを残している。家で大人しくしていれば良かったのにと言われ首を絞められる。加代は意識を取り戻す。塚越は殺されていた。塚越の家から強請の書付が見付かった。与力の久保寺が、塚越家は取りつぶし今回の探索は打ち切りになったと言う。
晦日の月 三崎屋の錦絵が川に捨てられているのが見付かった。調べている最中に三崎屋の主人・田左衛門が出合い茶屋で殺された。加代の考えを聞きながら文治は調べを進める。田左衛門によって売り出された絵師・竹仙を問い詰める。錦絵を川に捨てたのは竹仙だった。調べで役人が三崎屋の蔵に入り、枕絵が没収されるように。竹仙が書いた枕絵は自分の女房が田左衛門に抱かれている姿だった。その代わり竹仙を売り出してくれた。その枕絵を女房に見せられ、女房は川に身を投げた。娘の結婚が決まり、田左衛門は娘と結婚相手の枕絵を描くように迫った。女房の枕絵を強請の材料にされた。娘にだけは嫌われたくない。文治は婚礼が終わったら自訴するように言い、三崎屋に踏み込んでその絵を見付けて処分すると約束する。
雲隠れ じき平塚という所での、名なしの幻造(たぶん)の堀江町の辰三親分との出会い。幻造が辰三を意識した。
葉室麟死亡
2017年12月22日金曜日
あやかし
あやかし
四の布団 しゃばけシリーズ 畠中恵
一太郎の新しい布団から泣き声が聞こえる。田原屋に行くと番頭の死体があった。鳴家が動き回り、情報を集める。しかって怒鳴ってばかり入る主のため縫子は泣きながら布団を縫った。布団から泣き声が聞こえた縫子は逃げた。番頭も逃げようとした。おかみが番頭を止めようとしたが番頭は階段から落ち頭を打って亡くなった。二階に縫い部屋がある土蔵で亡くなったが台所の小部屋、主の部屋、奥座敷と死体を移動していた。
蛼橋 木内登
佐吉は失明した母親の面倒を見るために、長年務めた店を辞めた。良い薬があるという店に毎日通う。貧乏で顔出ししなかった姉一家が母親を引き取ると言う。佐吉は亡くなっていた。
あやかし同心 霜島ケイ
南町奉行所同心・柏木千太郎はのっぺらぼうだ。彼の存在を受け入れている。美しい妻と可愛い娘がいる。トキが大野屋のしのが乙吉に一緒に上方に駆け落ちしょうと誘われている止めて欲しいと訴えてくる。証拠にしのが乙吉に貰った珊瑚の簪は前に乙吉が駆け落ちした山城屋の峰の物だからという。山城屋の峰は駆け落ちし殺されていた。トキは簪の珊瑚だった。
うわんと鳴く声 小松エメル
真葛の名医の父親は往診から帰って倒れ臥す。弟・太一の腕にうわんという妖怪が宿っていた。うわんから父親と弟を助けたいなら九百九十九の妖を捕らえろと命じられる。
咲の身体が魚になっていく。咲の死んだ父親の所為だった。死んだことを受け入れられなかった父親。真葛が治療する。墓の中から現れた痒がっている武者に軟膏を塗る。
真葛たちの後を竜之介がつける。
夜の鶴 折口真喜子
自然を肌で感じられる咲。風の塊が咲に吹きつける。家に帰らせてもらう。我が子・梅が熱を出し亡くなった。梅が餌をやっていた狸に付いて行く。餌をやり一緒にいると梅が入るような気がした。そんな話を几董は蕪村に話す。蕪村は自分と師匠とのことのようだと言った。
逃げ水 宮部みゆき
ちかの所に丁稚・染松と番頭がきた。染松は田舎から出てきたばかりだが、染松の居る所の水がすぐに無くなるという。番頭の扱い邪険なので三島屋で染松を預かる。染松に旱が付いているらしい。平太と言う名に戻り江戸に居ることになった。平太を船頭になることになった。
四の布団 しゃばけシリーズ 畠中恵
一太郎の新しい布団から泣き声が聞こえる。田原屋に行くと番頭の死体があった。鳴家が動き回り、情報を集める。しかって怒鳴ってばかり入る主のため縫子は泣きながら布団を縫った。布団から泣き声が聞こえた縫子は逃げた。番頭も逃げようとした。おかみが番頭を止めようとしたが番頭は階段から落ち頭を打って亡くなった。二階に縫い部屋がある土蔵で亡くなったが台所の小部屋、主の部屋、奥座敷と死体を移動していた。
蛼橋 木内登
佐吉は失明した母親の面倒を見るために、長年務めた店を辞めた。良い薬があるという店に毎日通う。貧乏で顔出ししなかった姉一家が母親を引き取ると言う。佐吉は亡くなっていた。
あやかし同心 霜島ケイ
南町奉行所同心・柏木千太郎はのっぺらぼうだ。彼の存在を受け入れている。美しい妻と可愛い娘がいる。トキが大野屋のしのが乙吉に一緒に上方に駆け落ちしょうと誘われている止めて欲しいと訴えてくる。証拠にしのが乙吉に貰った珊瑚の簪は前に乙吉が駆け落ちした山城屋の峰の物だからという。山城屋の峰は駆け落ちし殺されていた。トキは簪の珊瑚だった。
うわんと鳴く声 小松エメル
真葛の名医の父親は往診から帰って倒れ臥す。弟・太一の腕にうわんという妖怪が宿っていた。うわんから父親と弟を助けたいなら九百九十九の妖を捕らえろと命じられる。
咲の身体が魚になっていく。咲の死んだ父親の所為だった。死んだことを受け入れられなかった父親。真葛が治療する。墓の中から現れた痒がっている武者に軟膏を塗る。
真葛たちの後を竜之介がつける。
夜の鶴 折口真喜子
自然を肌で感じられる咲。風の塊が咲に吹きつける。家に帰らせてもらう。我が子・梅が熱を出し亡くなった。梅が餌をやっていた狸に付いて行く。餌をやり一緒にいると梅が入るような気がした。そんな話を几董は蕪村に話す。蕪村は自分と師匠とのことのようだと言った。
逃げ水 宮部みゆき
ちかの所に丁稚・染松と番頭がきた。染松は田舎から出てきたばかりだが、染松の居る所の水がすぐに無くなるという。番頭の扱い邪険なので三島屋で染松を預かる。染松に旱が付いているらしい。平太と言う名に戻り江戸に居ることになった。平太を船頭になることになった。
2017年12月21日木曜日
着物始末暦(八)異国の花
着物始末暦(八)異国の花 中島要
異国の花 九月一日 余一と糸の祝言の日。
六助は井筒屋の愁介に余一が花魁の最後の打掛けをどんな意匠にするか聞いて欲しいという。余一の住んでいる長屋の持ち主が誰か、だるま屋に行って糸に話すと脅す。五十両払うと言う。六助は余一大隅屋に頼まれても村なことはしないだろうと思う。
余一は天鵞絨、緞子、更紗、唐桟等異国の高級織物を繋ぎあわせた綿入れを作り六助に着てもらいたいと渡した。前身は青の更紗、背中と袖は茶の唐桟背中の真ん中に風車のように青い更紗が並んで異国の花のようだ。
天女の打掛け 唐橋の最後の打掛けを大隅屋が作ることになった。綾太郎は意匠を考える。余一に相談に行くが余一は一度しか着ない着物に用は無いと断る。玉が道中が終わった後の打掛けの使い道も考えてもらえばいいと言う。余一に、唐橋が身請けを嫌がっていると思われている世間に、唐橋が幸せになるために紀州屋を選んだと教えたい。二人で豪華な柄は唐橋には猛々しすぎる、天女では今一つ工夫がない。余一は白無垢で打掛けの背一面に花魁道中を描けば。帯を後ろに結んで。
綾太郎と余一は唐橋に打掛けの始末をすることに許可を貰いに行く。紀州屋が許可した。
菊の縁 みつは玉が掛け落ち者の孫どということを知っている。綾太郎も知っているということが分かった。知っていても離縁はしないと話した。
みつは武蔵屋に使いに行き、庭にうずくまっている若新造・露を見付けた。母屋に寝かせ医者を呼びに行く。医者は露には親身になってくれる人が必要だと言いみつに手伝いをさせる。医者の家に帰ってからまめに露を見舞ってくれと言われる。人並み外れたお節介と押の強さを見込まれた。露は夫に似ていない子が出来たらどうしようと悩んでいた。武蔵屋の元の嫁に子が産まれず離縁していた。露が懐妊し喜んで居る時、元の嫁が乗り込み自分も身籠もったと言った。露が不義の子を身籠もったと噂されていたのだった。
余一に相談に行く。余一は着古した菊の柄の浴衣を見舞いに送る。武蔵屋の若御新造が赤ん坊のために縫う。そして、望まれずに生まれた子でも幸せになれる。たった一人でも慈しんでくれる人がいればその子は不幸じゃない。私は実の母に愛しんで貰えなかったけれど私がして欲しかったことをこの子にしてやれるんですね。母を恨んできたくせに母と同じことをしようとしていたと言い、余一とみつに礼を言う。露の身体は良くなって行った。医者が調べ、元嫁の懐妊は嘘だとわかった。露はみつのようなしっかり者に育てると言っている。
波がたみ 三年前、病気の娘が母親の着物を気に入り、娘の寸法に直してくれるように頼まれた。余一は大人になるまで生きられないと分かったら直すと約束していた。娘が死にかけて息のあるうちに始末をする。余一は迎えに来れない、この急ぎの仕事が終わるまでだるま屋に居てくれと六助が伝える。仕事が終わりやってきた余一に清一がお糸が邪魔になるなら別れたっていい。と言われ山王さんへ駆け付けた余一は、嫌いになったかと訊ね、こき使って愛想を尽かされたくなかったと言った。そろそろ幸せというやつに慣れないとな。
糸は山王さんで、数珠の糸が切れて困っていた尼僧と出会った。糸は落ちた数珠玉を拾う。余一に貰った玉と同じで驚く。
異国の花 九月一日 余一と糸の祝言の日。
六助は井筒屋の愁介に余一が花魁の最後の打掛けをどんな意匠にするか聞いて欲しいという。余一の住んでいる長屋の持ち主が誰か、だるま屋に行って糸に話すと脅す。五十両払うと言う。六助は余一大隅屋に頼まれても村なことはしないだろうと思う。
余一は天鵞絨、緞子、更紗、唐桟等異国の高級織物を繋ぎあわせた綿入れを作り六助に着てもらいたいと渡した。前身は青の更紗、背中と袖は茶の唐桟背中の真ん中に風車のように青い更紗が並んで異国の花のようだ。
天女の打掛け 唐橋の最後の打掛けを大隅屋が作ることになった。綾太郎は意匠を考える。余一に相談に行くが余一は一度しか着ない着物に用は無いと断る。玉が道中が終わった後の打掛けの使い道も考えてもらえばいいと言う。余一に、唐橋が身請けを嫌がっていると思われている世間に、唐橋が幸せになるために紀州屋を選んだと教えたい。二人で豪華な柄は唐橋には猛々しすぎる、天女では今一つ工夫がない。余一は白無垢で打掛けの背一面に花魁道中を描けば。帯を後ろに結んで。
綾太郎と余一は唐橋に打掛けの始末をすることに許可を貰いに行く。紀州屋が許可した。
菊の縁 みつは玉が掛け落ち者の孫どということを知っている。綾太郎も知っているということが分かった。知っていても離縁はしないと話した。
みつは武蔵屋に使いに行き、庭にうずくまっている若新造・露を見付けた。母屋に寝かせ医者を呼びに行く。医者は露には親身になってくれる人が必要だと言いみつに手伝いをさせる。医者の家に帰ってからまめに露を見舞ってくれと言われる。人並み外れたお節介と押の強さを見込まれた。露は夫に似ていない子が出来たらどうしようと悩んでいた。武蔵屋の元の嫁に子が産まれず離縁していた。露が懐妊し喜んで居る時、元の嫁が乗り込み自分も身籠もったと言った。露が不義の子を身籠もったと噂されていたのだった。
余一に相談に行く。余一は着古した菊の柄の浴衣を見舞いに送る。武蔵屋の若御新造が赤ん坊のために縫う。そして、望まれずに生まれた子でも幸せになれる。たった一人でも慈しんでくれる人がいればその子は不幸じゃない。私は実の母に愛しんで貰えなかったけれど私がして欲しかったことをこの子にしてやれるんですね。母を恨んできたくせに母と同じことをしようとしていたと言い、余一とみつに礼を言う。露の身体は良くなって行った。医者が調べ、元嫁の懐妊は嘘だとわかった。露はみつのようなしっかり者に育てると言っている。
波がたみ 三年前、病気の娘が母親の着物を気に入り、娘の寸法に直してくれるように頼まれた。余一は大人になるまで生きられないと分かったら直すと約束していた。娘が死にかけて息のあるうちに始末をする。余一は迎えに来れない、この急ぎの仕事が終わるまでだるま屋に居てくれと六助が伝える。仕事が終わりやってきた余一に清一がお糸が邪魔になるなら別れたっていい。と言われ山王さんへ駆け付けた余一は、嫌いになったかと訊ね、こき使って愛想を尽かされたくなかったと言った。そろそろ幸せというやつに慣れないとな。
糸は山王さんで、数珠の糸が切れて困っていた尼僧と出会った。糸は落ちた数珠玉を拾う。余一に貰った玉と同じで驚く。
2017年12月20日水曜日
禁裏付雅帳(五) 混乱
禁裏付雅帳(五) 混乱 上田秀人
松平越中守によって禁裏付きになった鷹矢の邪魔をしていた所司代・戸田因幡守だったが裏仕事を任せていた腹心の用人が東町奉行・池田筑後守に捕まり、見捨てたことにより方針を転換した。松平越中守との対立を止め膝下に入り込むことにした。
禁裏付東城典膳正鷹矢は、京のことを教えてくれ身の回りの世話をしてくれる南條蔵人の次女・温子に公家のことを教えてくれる人の紹介を頼んだ。鷹矢が何も知らないと思い、鷹矢を篭絡するために温子を送り込んだ二条家の家宰・松波雅楽頭がやってきた。仕丁・土岐が鷹矢に松波の正体を明した。武家の生活を知るために老中の用人に会うようなものだと言う。土岐は鷹矢に裏事情をいろいろ教える。土岐は今上帝にも会っている。言葉のやり取りで禁裏付を禁裏に入れない。とか二条家は潰さぬが大納言は僧籍にとかのやり取りになり、松波の入れた温子は辞めさせられた。松波は体調不良で洛北の屋敷に引きこもった。
家斉は親政をするために大御所称号を求めずまず、松平越中守を排除しようと思い戸田因幡守の協力を求める。
二条家に水戸家より東城典膳正を排除するよう命令が来た。東町奉行池田筑後守は典膳正と同心だと教えられる。大坂から呼んで襲うことを計画する。
大坂の商人・桐屋が京に進出し、御所出入を希望し近衛家、所司代、錦市場に手を出し、金をばらまく。所司代で典膳の名前でも身体でも傷を付けることを頼まれる。
錦市場に桐屋の手が回っていた。五條市場との対抗と見せかけ錦市場の乗っ取りだった。桝屋茂右衛門が一人対抗していた。桐屋は邪魔な桝屋を片づけることにした。そんな錦市場に鷹矢はやって来る。桝屋を片づけようとした者を鷹矢の家人・檜川が片づける。
鷹矢は言われた通り休みを取る。坂元へ行く。罠と分かって罠を仕掛け出てくるのを待つ。
松平越中守によって禁裏付きになった鷹矢の邪魔をしていた所司代・戸田因幡守だったが裏仕事を任せていた腹心の用人が東町奉行・池田筑後守に捕まり、見捨てたことにより方針を転換した。松平越中守との対立を止め膝下に入り込むことにした。
禁裏付東城典膳正鷹矢は、京のことを教えてくれ身の回りの世話をしてくれる南條蔵人の次女・温子に公家のことを教えてくれる人の紹介を頼んだ。鷹矢が何も知らないと思い、鷹矢を篭絡するために温子を送り込んだ二条家の家宰・松波雅楽頭がやってきた。仕丁・土岐が鷹矢に松波の正体を明した。武家の生活を知るために老中の用人に会うようなものだと言う。土岐は鷹矢に裏事情をいろいろ教える。土岐は今上帝にも会っている。言葉のやり取りで禁裏付を禁裏に入れない。とか二条家は潰さぬが大納言は僧籍にとかのやり取りになり、松波の入れた温子は辞めさせられた。松波は体調不良で洛北の屋敷に引きこもった。
家斉は親政をするために大御所称号を求めずまず、松平越中守を排除しようと思い戸田因幡守の協力を求める。
二条家に水戸家より東城典膳正を排除するよう命令が来た。東町奉行池田筑後守は典膳正と同心だと教えられる。大坂から呼んで襲うことを計画する。
大坂の商人・桐屋が京に進出し、御所出入を希望し近衛家、所司代、錦市場に手を出し、金をばらまく。所司代で典膳の名前でも身体でも傷を付けることを頼まれる。
錦市場に桐屋の手が回っていた。五條市場との対抗と見せかけ錦市場の乗っ取りだった。桝屋茂右衛門が一人対抗していた。桐屋は邪魔な桝屋を片づけることにした。そんな錦市場に鷹矢はやって来る。桝屋を片づけようとした者を鷹矢の家人・檜川が片づける。
鷹矢は言われた通り休みを取る。坂元へ行く。罠と分かって罠を仕掛け出てくるのを待つ。
2017年12月19日火曜日
髪ゆい猫字屋繁盛記⑧ 残りの秋
髪ゆい猫字屋繁盛記⑧ 残りの秋 完 今井絵美子
残りの秋 佐吉は定廻り同心・佐伯隼太の用で行徳で大道芸人を探していた。彼は煙草入れを残し亡くなっていた。煙草入れから彼は佐伯の道場仲間であり佐伯の妻・菜保の兄・太物商結城屋の次男・申之助であることが判明した。申之助は十四年前に、遠縁の女中に手込めにされ子どもが出来たといわれ祝言を前に姿を消していた。その後、女中は嘘だったと謝り自殺している。逃げた申之助はあまり探されなかった。佐保は申之助の消えた理由を誰にも言えなかった。申之助は元服の頃から家族ぐるみのつき合いのあった美郷に好意を持っていた。菜保は申之助は美郷が兄の嫁になったことで、剣術に打ち込み酒に溺れ、美郷への思いから逃げ出したとおもっていると佐伯に告げた。
冬ざれの蝶 佐吉と菜保は遺骨を結城屋に届け菩提寺葬った。菜保は悲嘆する兄・洋一郎と美郷には本当の失踪理由は告げるつもりはない。
佐吉は銀造親分の下っ引き文治が煮売り屋の千との祝言に来なかった姉・むらの様子を見に行く。むらの亭主は文治を厄介扱いだった。亭主の親戚から養女を迎え、婿が見付からないので文治を婿にしようと思っていた矢先、文治の祝言を聞いて許そうとしなかったのだった。
紅藤に嫁に行き、嘉平を産み、二人目がお腹にいるよしが、髪結い猫字屋に嘉平を連れて帰ってきた。夫・藤吉が店を放って家を出て音沙汰がない。昨日帰ってきて五十両持って川崎へ行ったらしい。紅藤の番頭・庄治と佐吉の代わりに書き役を辞め、魚竹に入った喜三次が川崎に藤吉を探しに行った。腹拵えで入った赤ちょうちんで、紅藤の名を口にしうわさ話をしている者に会った。
麦の芽息吹く 六才の時に藤吉を置いて家を出た母親らしい人が見付かったという情報を得て本当の母親か確かめるため藤吉はあわててに川崎に来た。母親・双葉は労咳で梅毒に冒され掘っ立て小屋のような廃屋に押し込められていた。三十余年前、双葉は長屋のあこがれの男のために身を売っていた。男の子どものことは面倒見るという言葉に騙されていた。藤吉は困った大家に紅師に預けられ紅師になり店を持った。店を持ってから母親を探していた。藤吉の母親だったので遊里の亭主に話をつけ裏店に引き取り面倒見ていた。一時も目が離せない状態でもう永くはない。母の最期を看取って後始末をしてから帰るという藤吉の手紙を持ち帰る。よしは紅藤に帰った。
よしが産気づくが難産で医者を呼ぶ。川崎にも走る。藤吉は母親の遺骨を抱き帰る挨拶をしていた。夜中に着いた時、子どもが生まれよしも大丈夫な状態になっていた。娘に双葉と名付けた。
春遠からじ 海とんぼをしていた男が漁で片腕を無くし、海とんぼを辞め紫陽花店に住み始めた。二人の子どもがいる。二人は五年前時化で亡くなった海とんぼの子どもだった。木戸番の伊之助とすえは子どもの世話をやく。父親の貞三は拒むが関係なく世話する。貞三は魚竹で魚の仕分けをすることになった。
魚竹がやっている魚河岸で働く男衆のための、おいしい安い店・竹とんぼの料理を任せていたてるの後につなが見付かった。料理の腕はてるの太鼓判付きだ。
残りの秋 佐吉は定廻り同心・佐伯隼太の用で行徳で大道芸人を探していた。彼は煙草入れを残し亡くなっていた。煙草入れから彼は佐伯の道場仲間であり佐伯の妻・菜保の兄・太物商結城屋の次男・申之助であることが判明した。申之助は十四年前に、遠縁の女中に手込めにされ子どもが出来たといわれ祝言を前に姿を消していた。その後、女中は嘘だったと謝り自殺している。逃げた申之助はあまり探されなかった。佐保は申之助の消えた理由を誰にも言えなかった。申之助は元服の頃から家族ぐるみのつき合いのあった美郷に好意を持っていた。菜保は申之助は美郷が兄の嫁になったことで、剣術に打ち込み酒に溺れ、美郷への思いから逃げ出したとおもっていると佐伯に告げた。
冬ざれの蝶 佐吉と菜保は遺骨を結城屋に届け菩提寺葬った。菜保は悲嘆する兄・洋一郎と美郷には本当の失踪理由は告げるつもりはない。
佐吉は銀造親分の下っ引き文治が煮売り屋の千との祝言に来なかった姉・むらの様子を見に行く。むらの亭主は文治を厄介扱いだった。亭主の親戚から養女を迎え、婿が見付からないので文治を婿にしようと思っていた矢先、文治の祝言を聞いて許そうとしなかったのだった。
紅藤に嫁に行き、嘉平を産み、二人目がお腹にいるよしが、髪結い猫字屋に嘉平を連れて帰ってきた。夫・藤吉が店を放って家を出て音沙汰がない。昨日帰ってきて五十両持って川崎へ行ったらしい。紅藤の番頭・庄治と佐吉の代わりに書き役を辞め、魚竹に入った喜三次が川崎に藤吉を探しに行った。腹拵えで入った赤ちょうちんで、紅藤の名を口にしうわさ話をしている者に会った。
麦の芽息吹く 六才の時に藤吉を置いて家を出た母親らしい人が見付かったという情報を得て本当の母親か確かめるため藤吉はあわててに川崎に来た。母親・双葉は労咳で梅毒に冒され掘っ立て小屋のような廃屋に押し込められていた。三十余年前、双葉は長屋のあこがれの男のために身を売っていた。男の子どものことは面倒見るという言葉に騙されていた。藤吉は困った大家に紅師に預けられ紅師になり店を持った。店を持ってから母親を探していた。藤吉の母親だったので遊里の亭主に話をつけ裏店に引き取り面倒見ていた。一時も目が離せない状態でもう永くはない。母の最期を看取って後始末をしてから帰るという藤吉の手紙を持ち帰る。よしは紅藤に帰った。
よしが産気づくが難産で医者を呼ぶ。川崎にも走る。藤吉は母親の遺骨を抱き帰る挨拶をしていた。夜中に着いた時、子どもが生まれよしも大丈夫な状態になっていた。娘に双葉と名付けた。
春遠からじ 海とんぼをしていた男が漁で片腕を無くし、海とんぼを辞め紫陽花店に住み始めた。二人の子どもがいる。二人は五年前時化で亡くなった海とんぼの子どもだった。木戸番の伊之助とすえは子どもの世話をやく。父親の貞三は拒むが関係なく世話する。貞三は魚竹で魚の仕分けをすることになった。
魚竹がやっている魚河岸で働く男衆のための、おいしい安い店・竹とんぼの料理を任せていたてるの後につなが見付かった。料理の腕はてるの太鼓判付きだ。
2017年12月18日月曜日
京の絵草紙屋満天堂 空蝉の夢
京の絵草紙屋満天堂 空蝉の夢 三好昌子
侍としての名前と過去を捨て、京都で暮らす戯作者・月夜乃生馬。版元満天堂書林で京都名所図会を執筆する生馬は絵師・冬芽が描く絵に惹かれていく。
生馬の仲間だった侍たちが、生馬の持っているはずの妖剣「般若刀」を振るう辻斬りに殺されていく。自分を騙った下手人を探る。
生馬の名は、御刀屋清一郎。許嫁・八重の父・津山藩家老・津鷹惣吾郎の命令で刺客の集団、死手組の一員だった。政変が起こり、津鷹は失職、清一郎は藩放出になった。八重は藩主の側室になっていた。
死手組の仲間が殺される。般若刀は青い光を放って泣く。御刀屋の者しか扱えない。生馬の刀はすり替えられていた。
八重は淵に身を投げて亡くなったと教えられたが、助けられ京で生きていた。八重は父親・津鷹惣吾郎の命を狙う者たちに助けられていた。刀をすり替えたのは八重だったこともわかった。
生馬が最後に殺しに行った中原村の庄屋の家で押し入れの中の子どもに気がつきながら誰もいないと助けた少女は、今自分の身の回りのことをしてくれるぶんであることを知った。ぶんは自分を助けてくれたのは御刀屋であることを知っている。御刀屋が生馬であることは知らない。清一郎が牢にいる間に中原村の住民すべてが殺され村は焼き払われた。ぶんの兄・医者・松庵が教えてくれる。津鷹を殺せという。
津鷹は銀山を見付け掘り出し大阪に送る。秘密裏に行うため中原村が必要だった。が政変が起こり秘密裏なことが公にならないよう中原村を無くす必要があった。六年が経ち、津鷹は新しく藩主が認めた警護役・陰手組を作ろうとしていた。組頭には生馬が友と思っていた横田がなるはずだった。
横田が般若刀を使っている。横田の父は御刀屋源之進般若刀を継ぐはずの者だったが廃嫡され弟子の生馬の父に御刀屋を名乗らせた。横田は御刀屋の名前を取り返すために生馬に近付いていた。般若刀で人を斬ってはいけない。経文が書かれた鎮魂の刀なのだ。そんな教えの刀だった。津鷹たちが探している天鋼で作られた刀、清一郎にだけ伝えられている天鋼の有り場所。
横田は般若刀で生馬を殺そうとして振りかぶり腕の骨が砕けた。生馬は般若刀で敵を斬る。刃をあわせない。素早い動きで刃を避ける。狙うのは刀を握る敵の腕。深い傷は負わせない。生馬は無傷ではなかった。津鷹を殺そうとした般若刀が泣いた。津鷹を殺さなかった。八重が生きていることを伝える。
危篤の生馬の夢枕で八重は父を助けてくれた礼を言い、生馬の口に息を吹き入れた。八重は亡くなり、生馬は気がついた。
侍としての名前と過去を捨て、京都で暮らす戯作者・月夜乃生馬。版元満天堂書林で京都名所図会を執筆する生馬は絵師・冬芽が描く絵に惹かれていく。
生馬の仲間だった侍たちが、生馬の持っているはずの妖剣「般若刀」を振るう辻斬りに殺されていく。自分を騙った下手人を探る。
生馬の名は、御刀屋清一郎。許嫁・八重の父・津山藩家老・津鷹惣吾郎の命令で刺客の集団、死手組の一員だった。政変が起こり、津鷹は失職、清一郎は藩放出になった。八重は藩主の側室になっていた。
死手組の仲間が殺される。般若刀は青い光を放って泣く。御刀屋の者しか扱えない。生馬の刀はすり替えられていた。
八重は淵に身を投げて亡くなったと教えられたが、助けられ京で生きていた。八重は父親・津鷹惣吾郎の命を狙う者たちに助けられていた。刀をすり替えたのは八重だったこともわかった。
生馬が最後に殺しに行った中原村の庄屋の家で押し入れの中の子どもに気がつきながら誰もいないと助けた少女は、今自分の身の回りのことをしてくれるぶんであることを知った。ぶんは自分を助けてくれたのは御刀屋であることを知っている。御刀屋が生馬であることは知らない。清一郎が牢にいる間に中原村の住民すべてが殺され村は焼き払われた。ぶんの兄・医者・松庵が教えてくれる。津鷹を殺せという。
津鷹は銀山を見付け掘り出し大阪に送る。秘密裏に行うため中原村が必要だった。が政変が起こり秘密裏なことが公にならないよう中原村を無くす必要があった。六年が経ち、津鷹は新しく藩主が認めた警護役・陰手組を作ろうとしていた。組頭には生馬が友と思っていた横田がなるはずだった。
横田が般若刀を使っている。横田の父は御刀屋源之進般若刀を継ぐはずの者だったが廃嫡され弟子の生馬の父に御刀屋を名乗らせた。横田は御刀屋の名前を取り返すために生馬に近付いていた。般若刀で人を斬ってはいけない。経文が書かれた鎮魂の刀なのだ。そんな教えの刀だった。津鷹たちが探している天鋼で作られた刀、清一郎にだけ伝えられている天鋼の有り場所。
横田は般若刀で生馬を殺そうとして振りかぶり腕の骨が砕けた。生馬は般若刀で敵を斬る。刃をあわせない。素早い動きで刃を避ける。狙うのは刀を握る敵の腕。深い傷は負わせない。生馬は無傷ではなかった。津鷹を殺そうとした般若刀が泣いた。津鷹を殺さなかった。八重が生きていることを伝える。
危篤の生馬の夢枕で八重は父を助けてくれた礼を言い、生馬の口に息を吹き入れた。八重は亡くなり、生馬は気がついた。
2017年12月17日日曜日
大江戸科学捜査八丁堀のおゆう④ 北斎の聞いてみろ
大江戸科学捜査八丁堀のおゆう④ 北斎の聞いてみろ 山本巧次
現在の東京で分析をしてくれる宇田川聡史と一緒に新しくオープンする美術館の目玉・葛飾北斎の浮世絵の肉筆画の真贋の鑑定を依頼された。絵は本物ということになっているが、文書が出てきた。中野屋の所有する北斎画は贋物である。今回あなたに売る絵は本物だ。と書かれていた。美術館は中野屋から手に入れていた。宇田川はゆうに文書に書いてあることを調べてきて欲しいと頼んだ。五十万円で依頼された。
江戸で中野屋、北斎、鶴仙堂と会っていく。北斎が中野の絵は本物だと言った。どうしてあの文書が書かれたかを調べる。鶴仙堂に中野屋の絵が贋物だという文書を書いたのではないかと尋ねた。そんな文書を見たのかと尋ねられた。
鶴仙堂が殺された。鵜飼伝三郎に鶴仙堂のことを聞かれるが、ゆうは話せない。岡っ引きの源七、松次郎の視線は鋭い。
文書で贋絵を書いたとされている貞芳は亡くなっていた。娘・実乃に会いに行くと実乃は殺されていた。実乃は鶴仙堂の妾だった。実乃の家から絵の具のサンプル、櫛、湯呑み、手拭い、垢すり等を集める。隠し棚から北斎の落款印を見付けた。伝三郎が調べを頼んだのは誰か。何のためかと聞く。ゆうは答えられなかった。北斎の娘・阿栄が私が頼んだと言ってくれた。北斎に絵を頼みにきた梅屋、梅屋に頼んだ西海屋が浮かんだ。ゆうは西海屋であの文書を見た。鶴仙堂が西海屋に書いた文書だった。鶴仙堂が西海屋に渡した贋絵は西海屋が中野屋で見た絵だったために文書を書いた。西海屋に絵を頼んだのは長崎出島の阿蘭陀商館長だった。調べると来年江戸参府のとき北斎に直接発注している。
梅屋の基次郎と貞芳は絵の兄妹弟子だった。貞芳の娘だと思っていた実乃は基次郎の娘だった。鶴仙堂は贋絵のことがばれないように実乃を殺した。実乃の所から出てくる鶴仙堂を見、絵を燃やしている所を見た基次郎は鶴仙堂を殺した。
未来への伝言はこんな事件があったと滝沢馬琴に書いてもらった。事件は文政四年に起こったが、阿蘭陀商館長が北斎の絵を受け取ったのは九年なので北斎が絵を渡した時に、関係したこんな事件があったと書いてくれるように頼んだ。馬琴の日記は文政四年の物は見付かっていないから。現在の方では馬琴の日記を見るように仕向ければ良かった。
ゆうは阿栄こと応為の絵のモデルになった。北斎から肉筆画を一枚貰った。優佳は自分がモデルになった絵を見付けた。「冬日和美人図 肉筆画 葛飾応為 文政四年頃」
伝三郎は未来で北斎の贋作が見付かってその真相を調べるように頼まれたということだと思った。ゆうが江戸に来ていることを承知している人間があっちの世界にいることになる。これからの自分はどうするか・・・。
現在の東京で分析をしてくれる宇田川聡史と一緒に新しくオープンする美術館の目玉・葛飾北斎の浮世絵の肉筆画の真贋の鑑定を依頼された。絵は本物ということになっているが、文書が出てきた。中野屋の所有する北斎画は贋物である。今回あなたに売る絵は本物だ。と書かれていた。美術館は中野屋から手に入れていた。宇田川はゆうに文書に書いてあることを調べてきて欲しいと頼んだ。五十万円で依頼された。
江戸で中野屋、北斎、鶴仙堂と会っていく。北斎が中野の絵は本物だと言った。どうしてあの文書が書かれたかを調べる。鶴仙堂に中野屋の絵が贋物だという文書を書いたのではないかと尋ねた。そんな文書を見たのかと尋ねられた。
鶴仙堂が殺された。鵜飼伝三郎に鶴仙堂のことを聞かれるが、ゆうは話せない。岡っ引きの源七、松次郎の視線は鋭い。
文書で贋絵を書いたとされている貞芳は亡くなっていた。娘・実乃に会いに行くと実乃は殺されていた。実乃は鶴仙堂の妾だった。実乃の家から絵の具のサンプル、櫛、湯呑み、手拭い、垢すり等を集める。隠し棚から北斎の落款印を見付けた。伝三郎が調べを頼んだのは誰か。何のためかと聞く。ゆうは答えられなかった。北斎の娘・阿栄が私が頼んだと言ってくれた。北斎に絵を頼みにきた梅屋、梅屋に頼んだ西海屋が浮かんだ。ゆうは西海屋であの文書を見た。鶴仙堂が西海屋に書いた文書だった。鶴仙堂が西海屋に渡した贋絵は西海屋が中野屋で見た絵だったために文書を書いた。西海屋に絵を頼んだのは長崎出島の阿蘭陀商館長だった。調べると来年江戸参府のとき北斎に直接発注している。
梅屋の基次郎と貞芳は絵の兄妹弟子だった。貞芳の娘だと思っていた実乃は基次郎の娘だった。鶴仙堂は贋絵のことがばれないように実乃を殺した。実乃の所から出てくる鶴仙堂を見、絵を燃やしている所を見た基次郎は鶴仙堂を殺した。
未来への伝言はこんな事件があったと滝沢馬琴に書いてもらった。事件は文政四年に起こったが、阿蘭陀商館長が北斎の絵を受け取ったのは九年なので北斎が絵を渡した時に、関係したこんな事件があったと書いてくれるように頼んだ。馬琴の日記は文政四年の物は見付かっていないから。現在の方では馬琴の日記を見るように仕向ければ良かった。
ゆうは阿栄こと応為の絵のモデルになった。北斎から肉筆画を一枚貰った。優佳は自分がモデルになった絵を見付けた。「冬日和美人図 肉筆画 葛飾応為 文政四年頃」
伝三郎は未来で北斎の贋作が見付かってその真相を調べるように頼まれたということだと思った。ゆうが江戸に来ていることを承知している人間があっちの世界にいることになる。これからの自分はどうするか・・・。
2017年12月16日土曜日
深川二幸堂菓子こよみ
深川二幸堂菓子こよみ 知野みさき
兄・光太郎十二才、弟・孝次郎十才の時、火事に合う。一端逃げた二人だったが兄が父親の道具箱をとりに戻った。弟が兄を探しに戻った。兄が倒れていた。弟の上に火のついた梁がのしかかった。弟は助けてと叫ぶ。父親が来た。父親は気を失っている兄を助けた。孝次郎すまないの声を残して。弟は火消しに助けられた。左の首元から右腿にかけてと左手のひらに火傷を負った。
火事から十四年 三年前父親が亡くなる。
孝次郎24才は菓子屋の大店・草笛屋の奉公人だった。先代に目をかけられ、順風満帆だった。先代が昨年亡くなり板場から餡を作るだけの餡炊き部屋に追いやられ、三人でする所を一人で担当した。十月、兄が菓子屋を始めると迎えにきた。
師走の斑雪 深川で二幸堂を始めた。二人だけの店だった。おいしい菓子と客あしらいのいい若旦那。金鍔と味噌饅頭しか作っていなかった。お客の希望を聞き、薄皮饅頭を作る。店の客・暁音が斑雪と名付けた。
暁音は七年前、孝次郎が吉原で一度だけ客だった紅音だった。二度目に行くと身請けされていた。今。深川で三味線を教えながら長屋にすんでいる。
孝次郎は光太郎が東不動の親分というやくざと付き合いがあることを知る。心配になった孝次郎は涼二という腹心に会いに行き、弟のために一回こっきりの博打に掛けた光太郎の行動を聞く。
如月の恋桜 お菓子が大好きな孝次郎の金鍔が江戸一と言う七が働くようになった。見込みをはるかに上回る助っ人だった。練り切りを作れと言う光太郎。深川では練切りは売れないと言う孝次郎。茶人の墨竜の茶会に菓子を売り込みに行く。茶会の菓子は草笛屋と見習いの作った菓子で競ことになった。光太郎が練習する。光太郎の練習した上菓子を恋桜と名付けた。乾いていたと言う理由で光太郎は負けた。孝次郎は草笛屋は見習いが作った菓子ではなかったこと、草笛屋の応援の客が隙を見て重箱に懐紙をいれたようだと耳にした。草笛屋の浩助と出合い、見習いが作った菓子ではなかったこと秀柳が懐紙を入れたことが本当だと確信した。光太郎の悪口を言われ喧嘩になりかけたが、割って入った七が浩助の鳩尾に一発決めた。
二羽の鶉を身体の弱い七の子ども彦一郎5才にやる。干し菓子の押菓子を作る。菓子の型を光太郎が作る。たまごと鶉二枚一組でうずらと名付ける。
弥生の幾望 暁音の元同僚・彩と出会う。暁音が彩にお金を渡していた。彩に誘われついて行った孝次郎。話をして一夜を過ごす。餡にたまごを使う菓子を彩に聞いた幾望という名にする。彩に草もちを作る。持って行くと彩は神奈川宿へ引っ越ししていた。寂しいという暁音と・・慰めが欲しいだけだろうと孝次郎は思った。一夜を過ごした。
さつきの紅福 小満に錦玉羹を作った。東不動の大親分のために。評判が良かった。春の川と名付ける。
七の亭主が板前をしている料亭で煙草入れが無くなり、暁音の三味線袋から煙草入れが見付かった。濡れ衣だと言ったが暁音が悪者になってことが収まっていた。演の主が墨竜だったと聞き、孝次郎は犯人を捜そうと思う。光太郎が聞き込みをした。料亭栗山の中居・伊乃が暁音の三味線袋に煙草入れを入れたのだった。伊乃の兄は草笛屋の番頭・善次郎だった。突然、孝次郎が店を辞めたために善次郎は大変だった。孝次郎の大事な人を困らせようと思ったのだった。
外の皮が紅色で中の白餡は粗めの粒餡の大福を作る。名前は紅福。
暁音の長屋が火事だ。光太郎と孝次郎は助けに行く。暁音は居なかったが大事にしている三味線と隣の老婆を助ける。婆さんをおいていけば助かると思ったが二人は今度こそ三人で逃げるぞと壁をぶち抜き、板塀を蹴り破り逃げた。焼け出された暁音を店に連れて行く。
兄・光太郎十二才、弟・孝次郎十才の時、火事に合う。一端逃げた二人だったが兄が父親の道具箱をとりに戻った。弟が兄を探しに戻った。兄が倒れていた。弟の上に火のついた梁がのしかかった。弟は助けてと叫ぶ。父親が来た。父親は気を失っている兄を助けた。孝次郎すまないの声を残して。弟は火消しに助けられた。左の首元から右腿にかけてと左手のひらに火傷を負った。
火事から十四年 三年前父親が亡くなる。
孝次郎24才は菓子屋の大店・草笛屋の奉公人だった。先代に目をかけられ、順風満帆だった。先代が昨年亡くなり板場から餡を作るだけの餡炊き部屋に追いやられ、三人でする所を一人で担当した。十月、兄が菓子屋を始めると迎えにきた。
師走の斑雪 深川で二幸堂を始めた。二人だけの店だった。おいしい菓子と客あしらいのいい若旦那。金鍔と味噌饅頭しか作っていなかった。お客の希望を聞き、薄皮饅頭を作る。店の客・暁音が斑雪と名付けた。
暁音は七年前、孝次郎が吉原で一度だけ客だった紅音だった。二度目に行くと身請けされていた。今。深川で三味線を教えながら長屋にすんでいる。
孝次郎は光太郎が東不動の親分というやくざと付き合いがあることを知る。心配になった孝次郎は涼二という腹心に会いに行き、弟のために一回こっきりの博打に掛けた光太郎の行動を聞く。
如月の恋桜 お菓子が大好きな孝次郎の金鍔が江戸一と言う七が働くようになった。見込みをはるかに上回る助っ人だった。練り切りを作れと言う光太郎。深川では練切りは売れないと言う孝次郎。茶人の墨竜の茶会に菓子を売り込みに行く。茶会の菓子は草笛屋と見習いの作った菓子で競ことになった。光太郎が練習する。光太郎の練習した上菓子を恋桜と名付けた。乾いていたと言う理由で光太郎は負けた。孝次郎は草笛屋は見習いが作った菓子ではなかったこと、草笛屋の応援の客が隙を見て重箱に懐紙をいれたようだと耳にした。草笛屋の浩助と出合い、見習いが作った菓子ではなかったこと秀柳が懐紙を入れたことが本当だと確信した。光太郎の悪口を言われ喧嘩になりかけたが、割って入った七が浩助の鳩尾に一発決めた。
二羽の鶉を身体の弱い七の子ども彦一郎5才にやる。干し菓子の押菓子を作る。菓子の型を光太郎が作る。たまごと鶉二枚一組でうずらと名付ける。
弥生の幾望 暁音の元同僚・彩と出会う。暁音が彩にお金を渡していた。彩に誘われついて行った孝次郎。話をして一夜を過ごす。餡にたまごを使う菓子を彩に聞いた幾望という名にする。彩に草もちを作る。持って行くと彩は神奈川宿へ引っ越ししていた。寂しいという暁音と・・慰めが欲しいだけだろうと孝次郎は思った。一夜を過ごした。
さつきの紅福 小満に錦玉羹を作った。東不動の大親分のために。評判が良かった。春の川と名付ける。
七の亭主が板前をしている料亭で煙草入れが無くなり、暁音の三味線袋から煙草入れが見付かった。濡れ衣だと言ったが暁音が悪者になってことが収まっていた。演の主が墨竜だったと聞き、孝次郎は犯人を捜そうと思う。光太郎が聞き込みをした。料亭栗山の中居・伊乃が暁音の三味線袋に煙草入れを入れたのだった。伊乃の兄は草笛屋の番頭・善次郎だった。突然、孝次郎が店を辞めたために善次郎は大変だった。孝次郎の大事な人を困らせようと思ったのだった。
外の皮が紅色で中の白餡は粗めの粒餡の大福を作る。名前は紅福。
暁音の長屋が火事だ。光太郎と孝次郎は助けに行く。暁音は居なかったが大事にしている三味線と隣の老婆を助ける。婆さんをおいていけば助かると思ったが二人は今度こそ三人で逃げるぞと壁をぶち抜き、板塀を蹴り破り逃げた。焼け出された暁音を店に連れて行く。
2017年12月15日金曜日
神様の御用人(6)
神様の御用人(6) 浅葉なつ
東国の武者 良彦は孝太郎に誘われ東京に行く。藤原氏の子孫という男に付きまとっている平将門の怨霊と出会う。将門は復讐と言いながら男が妹に連絡することを遮断していた。将門の御用はあの男を追い詰め復讐することだった。男は将門にされることを偶然と映画撮影とおもうことでごまかしていた。桔梗が現れ、将門に謝る。将門は裏切り者と言い続ける。良彦は桔梗が裏切るつもりだったのか分からないこと、将門がなくなったあと後追いで入水自殺をしたことを話す。将門は桔梗をこの手で弔ってやりたいと恨みの正体がわかり桔梗と共に消える。将門が憑いていた男は吉田怜司・穂乃香の兄だった。穂乃香の周りに出没する男・萩原良彦に会うために孝太郎に連れてくるように頼んでいた。
神様と兄と妹 怜司は穂乃香が天眼であることで、謂れもないいじめを受けてきたことを知っている。怜司は穂乃香に家・大主神社を継ぐ選択肢を残すため家を出、嫌われるようにしている。
経津主神が建御雷之男神の命令のことで相談にきた。経津主神が建御雷之男神の世話をしていたが、時風の末裔を呼び交代するように言う。大国主に国譲りを交渉した二神。建御雷之男神は鹿島、経津主神は香取に祀られる。経津主神は剣神。建御雷之男神が中臣時風の末裔と言うのは吉田怜司だった。中臣時風は鹿島から春日へ歓請された際大和までの道を供に歩いた人、鹿島社の社司だった。
良彦が電話で穂乃香と話す。穂乃香が兄妹はいないと言ったのは、自分と兄妹と言うと兄は嫌がると思っているからと言う。穂乃香のことでと呼び出した怜司を鹿島行きのバスに乗せる。良彦と穂乃香が関係した神々の話をする。怜司は自分をみて謝ってばかりいる穂乃香が笑うには自分がいなくなればいいのだと考えた。大切だから遠ざける期間は終わった。とアドバイスする。
怜司も神が見えた。建御雷之男神は巫女であった斎主を一神にした。無理にさせたのではないかと考え元に戻らせようとしていた。傷つけないように遠ざけようとした。主の隣にいる自分が一番自分らしいと経津主神は言う。
穂乃香は大国主と須勢理に鹿島に連れてきてもらった。穂乃香と怜司は誤解を解いた。
親愛なる姉上へ 良彦は宗像三女神に迎えられる。頼みは昔、巫女がいたことを証明して欲しいということ。
良彦は三女神から聞いたサナがいた痕跡を見付けた。サナは天武天皇に嫁いだ。一人の皇子を儲けた。天武は日本書記の編纂を命じる。平行して稗田阿礼によって古事記がつくられた。古事記は712年に出来上がり、八年後日本書記が出来上がる。宗像三女神について書かれた内容が全然違う。姉妹の順番、名前、鎮座地。良彦が三女神から聞いた話と全部合うのは古事記だった。長女が田心姫神、次女が市杵嶋姫神、末女が湍津姫神。鎮座地を沖津宮、中津宮、辺津宮になっているもの。田心姫の本当の名前・多紀理毘目売命と残している。サナしかこれらのことをきっちり伝えられなかったと思う。
東国の武者 良彦は孝太郎に誘われ東京に行く。藤原氏の子孫という男に付きまとっている平将門の怨霊と出会う。将門は復讐と言いながら男が妹に連絡することを遮断していた。将門の御用はあの男を追い詰め復讐することだった。男は将門にされることを偶然と映画撮影とおもうことでごまかしていた。桔梗が現れ、将門に謝る。将門は裏切り者と言い続ける。良彦は桔梗が裏切るつもりだったのか分からないこと、将門がなくなったあと後追いで入水自殺をしたことを話す。将門は桔梗をこの手で弔ってやりたいと恨みの正体がわかり桔梗と共に消える。将門が憑いていた男は吉田怜司・穂乃香の兄だった。穂乃香の周りに出没する男・萩原良彦に会うために孝太郎に連れてくるように頼んでいた。
神様と兄と妹 怜司は穂乃香が天眼であることで、謂れもないいじめを受けてきたことを知っている。怜司は穂乃香に家・大主神社を継ぐ選択肢を残すため家を出、嫌われるようにしている。
経津主神が建御雷之男神の命令のことで相談にきた。経津主神が建御雷之男神の世話をしていたが、時風の末裔を呼び交代するように言う。大国主に国譲りを交渉した二神。建御雷之男神は鹿島、経津主神は香取に祀られる。経津主神は剣神。建御雷之男神が中臣時風の末裔と言うのは吉田怜司だった。中臣時風は鹿島から春日へ歓請された際大和までの道を供に歩いた人、鹿島社の社司だった。
良彦が電話で穂乃香と話す。穂乃香が兄妹はいないと言ったのは、自分と兄妹と言うと兄は嫌がると思っているからと言う。穂乃香のことでと呼び出した怜司を鹿島行きのバスに乗せる。良彦と穂乃香が関係した神々の話をする。怜司は自分をみて謝ってばかりいる穂乃香が笑うには自分がいなくなればいいのだと考えた。大切だから遠ざける期間は終わった。とアドバイスする。
怜司も神が見えた。建御雷之男神は巫女であった斎主を一神にした。無理にさせたのではないかと考え元に戻らせようとしていた。傷つけないように遠ざけようとした。主の隣にいる自分が一番自分らしいと経津主神は言う。
穂乃香は大国主と須勢理に鹿島に連れてきてもらった。穂乃香と怜司は誤解を解いた。
親愛なる姉上へ 良彦は宗像三女神に迎えられる。頼みは昔、巫女がいたことを証明して欲しいということ。
良彦は三女神から聞いたサナがいた痕跡を見付けた。サナは天武天皇に嫁いだ。一人の皇子を儲けた。天武は日本書記の編纂を命じる。平行して稗田阿礼によって古事記がつくられた。古事記は712年に出来上がり、八年後日本書記が出来上がる。宗像三女神について書かれた内容が全然違う。姉妹の順番、名前、鎮座地。良彦が三女神から聞いた話と全部合うのは古事記だった。長女が田心姫神、次女が市杵嶋姫神、末女が湍津姫神。鎮座地を沖津宮、中津宮、辺津宮になっているもの。田心姫の本当の名前・多紀理毘目売命と残している。サナしかこれらのことをきっちり伝えられなかったと思う。
2017年12月14日木曜日
空也十番勝負青春篇③ 恨み残さじ
空也十番勝負青春篇③ 恨み残さじ 佐伯泰英
坂崎空也は二年ぶりに人吉城下のタイ捨流丸目道場に世話になる。薩摩から人吉に入り家斉拝領の刀を預けていた宮原村の帯刀とゆうを訪ねた。渋谷重兼の孫娘・眉月から手紙が届いていた。薩摩から出る時、久七峠で東郷示現流筆頭師範酒匂兵衛入道と対決し勝ちを収めたことで酒匂家から追っ手が出ていた。眉月は心配していた。
空也は山で修行し、平家の落人村・五箇荘へ行く。木地の売り上げを狙った山賊が村を襲う。空也と村人の協力で退治出来た。馬が三頭手に入る。
人吉から八代に行く。途中三人の薩摩藩士と対戦し、倒した後、酒匂兵衛入道の三男・参兵衛が現れ勝負を挑まれる。空也は脇腹に傷を負うが、参兵衛は脇腹を斬られ球磨川に落ちていく。行き先だった廻船問屋八代屋に着いた空也は、手紙を持って追いかけてきた眉月と宍野六之丞に出会い看病を受ける。空也は船で行く先も知らず旅立った。
神保小路の直心影流尚武館道場に、薬丸新蔵が現れた。磐音は立ち合う。新蔵は空也が話せることを知った。こん、睦月、速水左近、磐音に空也のことを話した。新蔵は小梅村で暮らすことになった。
坂崎空也は二年ぶりに人吉城下のタイ捨流丸目道場に世話になる。薩摩から人吉に入り家斉拝領の刀を預けていた宮原村の帯刀とゆうを訪ねた。渋谷重兼の孫娘・眉月から手紙が届いていた。薩摩から出る時、久七峠で東郷示現流筆頭師範酒匂兵衛入道と対決し勝ちを収めたことで酒匂家から追っ手が出ていた。眉月は心配していた。
空也は山で修行し、平家の落人村・五箇荘へ行く。木地の売り上げを狙った山賊が村を襲う。空也と村人の協力で退治出来た。馬が三頭手に入る。
人吉から八代に行く。途中三人の薩摩藩士と対戦し、倒した後、酒匂兵衛入道の三男・参兵衛が現れ勝負を挑まれる。空也は脇腹に傷を負うが、参兵衛は脇腹を斬られ球磨川に落ちていく。行き先だった廻船問屋八代屋に着いた空也は、手紙を持って追いかけてきた眉月と宍野六之丞に出会い看病を受ける。空也は船で行く先も知らず旅立った。
神保小路の直心影流尚武館道場に、薬丸新蔵が現れた。磐音は立ち合う。新蔵は空也が話せることを知った。こん、睦月、速水左近、磐音に空也のことを話した。新蔵は小梅村で暮らすことになった。
2017年12月13日水曜日
2017年12月12日火曜日
墨の香
墨の香 梶よう子
岡島雪江は理由も言われず離縁された。五月女流書家・岡島雪江として筆法指南所を始めた。十五人集まった。岡島家は当主・新之丞・雪江の弟が奥右筆だ。
師匠・巻菱湖が岡島の屋敷を訪れ、蕭雪堂と白木に描き、蕭雪と名乗るように言った。
新之丞が老中水野忠邦に呼ばれ、フランス人への発砲事件の犯人と目されている忍藩の森高彦吾郎が雪江の元夫・森高章一郎と姻戚関係にあり彦吾郎が章一郎のところにいるのではないかということを調べるように言われて来た。
菱湖の書いた書状を雪江は老中首座・水野越前守忠邦に届ける。
フランス人の遺体が見付かった。擦過傷で手当てがされていた。フランス国船に送り届ける。発砲は隠され、小舟の転覆で幕引きとなった。
雪江の指南所に新しく門人が入った。雪江は家柄を問わない。長谷川千穂の叔父は水野忠邦だった。
菱湖が亡くなった。一ヶ月も知らずにいた雪江は兄弟子・雪城に何故教えてもらえなかったか問いに行く。兄弟弟子の不満を抑えられず知らせなかったと言われる。兄弟弟子の不満を抑えるために雪城の弟子にならないかと言われる。雪江の弟子を含めて雪城の弟子になれということだった。雪江は看板を外すことも門弟になることも断る。雪城は長谷川千穂を自分の足掛かりに利用したいのだろう。
門人は二十一人になった。旗本、御家人、役職についている父親、無役の父親いろいろいだ。
森高章一郎は目付けだった。章一郎は磯田藤七を捕らえられた。羽田奉行取次になり調べていた。磯田は異国船に接触し物品の交換をしていた。フランス船への発砲は現場を小塚に目撃され、刀で脅し発砲させた。それを忍藩の者に擦りつけたのも磯田だった。発砲した小塚は気を病み屋敷に帰った。磯田から脅迫されていた。それを知った小塚の父が磯田に手向かい足を斬られた。章一郎は小塚を助けた。
章一郎が羽田奉行の監察役に着いたのは老中水野の命令だった。役に付くにあたり、妻を離縁した。存分な働きをするため、もしものことがあっても子もいないし、妻も別家に嫁げるからと。
小塚は雪江の門弟・卯美の父と兄だった。
森高章一郎が雪江を迎えにきた。森高雪江に戻り指南所は森高家で続けることになった。
岡島雪江は理由も言われず離縁された。五月女流書家・岡島雪江として筆法指南所を始めた。十五人集まった。岡島家は当主・新之丞・雪江の弟が奥右筆だ。
師匠・巻菱湖が岡島の屋敷を訪れ、蕭雪堂と白木に描き、蕭雪と名乗るように言った。
新之丞が老中水野忠邦に呼ばれ、フランス人への発砲事件の犯人と目されている忍藩の森高彦吾郎が雪江の元夫・森高章一郎と姻戚関係にあり彦吾郎が章一郎のところにいるのではないかということを調べるように言われて来た。
菱湖の書いた書状を雪江は老中首座・水野越前守忠邦に届ける。
フランス人の遺体が見付かった。擦過傷で手当てがされていた。フランス国船に送り届ける。発砲は隠され、小舟の転覆で幕引きとなった。
雪江の指南所に新しく門人が入った。雪江は家柄を問わない。長谷川千穂の叔父は水野忠邦だった。
菱湖が亡くなった。一ヶ月も知らずにいた雪江は兄弟子・雪城に何故教えてもらえなかったか問いに行く。兄弟弟子の不満を抑えられず知らせなかったと言われる。兄弟弟子の不満を抑えるために雪城の弟子にならないかと言われる。雪江の弟子を含めて雪城の弟子になれということだった。雪江は看板を外すことも門弟になることも断る。雪城は長谷川千穂を自分の足掛かりに利用したいのだろう。
門人は二十一人になった。旗本、御家人、役職についている父親、無役の父親いろいろいだ。
森高章一郎は目付けだった。章一郎は磯田藤七を捕らえられた。羽田奉行取次になり調べていた。磯田は異国船に接触し物品の交換をしていた。フランス船への発砲は現場を小塚に目撃され、刀で脅し発砲させた。それを忍藩の者に擦りつけたのも磯田だった。発砲した小塚は気を病み屋敷に帰った。磯田から脅迫されていた。それを知った小塚の父が磯田に手向かい足を斬られた。章一郎は小塚を助けた。
章一郎が羽田奉行の監察役に着いたのは老中水野の命令だった。役に付くにあたり、妻を離縁した。存分な働きをするため、もしものことがあっても子もいないし、妻も別家に嫁げるからと。
小塚は雪江の門弟・卯美の父と兄だった。
森高章一郎が雪江を迎えにきた。森高雪江に戻り指南所は森高家で続けることになった。
2017年12月11日月曜日
取次屋栄三⑮ 三十石船
取次屋栄三⑮ 三十石船 岡本さとる
秋月栄三郎は又平を伴い東海道を大坂に向かった。幼少期の剣術の師匠・山崎島之助の具合が良くないと父・正兵衛から文が届いたから。
途中、道中奉行配下・手島信二郎と出会う。町のやくざと通じている役人退治をし、二十年前に濡れ衣を着せられ島流しになっていた者の濡れ衣をはらしたりしながら。
京で山崎先生は元気だが、栄三郎に特に目をかけ導いてくれた鈴木風来軒が亡くなったことを知った。風来軒は栄三郎に越前守助広の短刀を残した。
栄三郎の幼友達・亥之吉が、跡取りの弟・卯之助が脅迫され、良縁と店を無くしそうなことを知り、助けようとしていた。父親に完全に勘当され脅迫者を殺そうとしていた。兄と妹だと言い美人局をしている。手島の手を借り、大坂にいられないようにした。亥之吉親子の仲が良くなった。
秋月栄三郎は又平を伴い東海道を大坂に向かった。幼少期の剣術の師匠・山崎島之助の具合が良くないと父・正兵衛から文が届いたから。
途中、道中奉行配下・手島信二郎と出会う。町のやくざと通じている役人退治をし、二十年前に濡れ衣を着せられ島流しになっていた者の濡れ衣をはらしたりしながら。
京で山崎先生は元気だが、栄三郎に特に目をかけ導いてくれた鈴木風来軒が亡くなったことを知った。風来軒は栄三郎に越前守助広の短刀を残した。
栄三郎の幼友達・亥之吉が、跡取りの弟・卯之助が脅迫され、良縁と店を無くしそうなことを知り、助けようとしていた。父親に完全に勘当され脅迫者を殺そうとしていた。兄と妹だと言い美人局をしている。手島の手を借り、大坂にいられないようにした。亥之吉親子の仲が良くなった。
2017年12月10日日曜日
取次屋栄三⑭ 合縁奇縁
取次屋栄三⑭ 合縁奇縁 岡本さとる
女の意地 破落戸にいいがかりを付けられた時、救ってくれた松田新兵衛を好きになった田辺屋の娘・咲は練習場を栄三郎の道場から新兵衛が師範代をする岸裏道場に移していた。並木一刀流道場主・並木雄之助の妹・並木留以と親交があった。留以は男に負けるものか・・・とやってきた剣術だったが、咲の剣に完敗し女だから出来る剣を目指すようになった。
留以が別式女・黒木棉江と試合をするので見に行く。留以が足を痛めていた、黒木は怪我を利用し勝を納め一本を決めたあと止めを刺すように下から突き上げた。勝ち誇って帰る棉江に咲は、下から突き上げたのは何ゆえか、相手を踏みつぶして自分の強さを見せつけたいからかと質問する。棉江から咲に試合の申し込みがあった。咲は棉江に勝。町場で棉江に木刀で試合を挑まれ、棉江は咲に木刀で打たれ気を失う。咲も腕を打たれていた。
月下老人 咲は新兵衛に練習を付けてもらえるのが嬉しかった。新兵衛は剣の道を極めたい結婚は考えていないと言う。咲の兄・松太郎が咲に縁談を持ってくる。幼い頃一緒に遊び家ぐるみのつき合いだった足袋屋の廣野屋の仲太郎だった。咲も揺れた。昔、大きくなったら仲太郎さんのお嫁さんになる。と言っていたと聞いた咲は、仲太郎さんがいつまでもお嫁に望んで下さらないから他の人に想いを寄せてしまった。と言った。栄三郎は新兵衛に咲の縁談のことを話した。宗右衛門に頼まれて栄三郎が話を潰したことも。新兵衛はおれは未だ修行の身だという。
合縁奇縁 得体に知れぬ浪人が岸裏道場の門人に怪我を負わせる。気にくわない剣客を見かけると喧嘩を売って果たし合いに持ち込む。及川門十郎・黒木棉江の兄だった。咲は勾引かされた。助けに行った新兵衛は自分が負ければ咲が殺されることと棉江が棒手裏剣を隠し持っていることを知った。二人が向かい合った。新兵衛は小刀を投げ、及川に怪我をさせてから大刀で斬った。咲を護るためには神仏をも斬ると言う。
田辺屋で皆揃った時、新兵衛は恋をしたゆえこの度のようなことが起こるのを恐れて傍へ近づけられないでいた。だが、この度のようなことが起きた。この先も起こるかも知れない傍にいた方が護り易い。咲を我妻としてもらい受けたいと言った。
女の意地 破落戸にいいがかりを付けられた時、救ってくれた松田新兵衛を好きになった田辺屋の娘・咲は練習場を栄三郎の道場から新兵衛が師範代をする岸裏道場に移していた。並木一刀流道場主・並木雄之助の妹・並木留以と親交があった。留以は男に負けるものか・・・とやってきた剣術だったが、咲の剣に完敗し女だから出来る剣を目指すようになった。
留以が別式女・黒木棉江と試合をするので見に行く。留以が足を痛めていた、黒木は怪我を利用し勝を納め一本を決めたあと止めを刺すように下から突き上げた。勝ち誇って帰る棉江に咲は、下から突き上げたのは何ゆえか、相手を踏みつぶして自分の強さを見せつけたいからかと質問する。棉江から咲に試合の申し込みがあった。咲は棉江に勝。町場で棉江に木刀で試合を挑まれ、棉江は咲に木刀で打たれ気を失う。咲も腕を打たれていた。
月下老人 咲は新兵衛に練習を付けてもらえるのが嬉しかった。新兵衛は剣の道を極めたい結婚は考えていないと言う。咲の兄・松太郎が咲に縁談を持ってくる。幼い頃一緒に遊び家ぐるみのつき合いだった足袋屋の廣野屋の仲太郎だった。咲も揺れた。昔、大きくなったら仲太郎さんのお嫁さんになる。と言っていたと聞いた咲は、仲太郎さんがいつまでもお嫁に望んで下さらないから他の人に想いを寄せてしまった。と言った。栄三郎は新兵衛に咲の縁談のことを話した。宗右衛門に頼まれて栄三郎が話を潰したことも。新兵衛はおれは未だ修行の身だという。
合縁奇縁 得体に知れぬ浪人が岸裏道場の門人に怪我を負わせる。気にくわない剣客を見かけると喧嘩を売って果たし合いに持ち込む。及川門十郎・黒木棉江の兄だった。咲は勾引かされた。助けに行った新兵衛は自分が負ければ咲が殺されることと棉江が棒手裏剣を隠し持っていることを知った。二人が向かい合った。新兵衛は小刀を投げ、及川に怪我をさせてから大刀で斬った。咲を護るためには神仏をも斬ると言う。
田辺屋で皆揃った時、新兵衛は恋をしたゆえこの度のようなことが起こるのを恐れて傍へ近づけられないでいた。だが、この度のようなことが起きた。この先も起こるかも知れない傍にいた方が護り易い。咲を我妻としてもらい受けたいと言った。
2017年12月6日水曜日
喜連川の風④ 切腹覚悟
喜連川の風④ 切腹覚悟 稲葉稔
内川の氾濫と天水池の干ばつで実りの悪い、東乙畑村と山苗代村と越畑村の三村が年貢徴収の来年への繰り延べか安くするか免除にしてもらいたいと訴状を出した。天野一角が受け取り中老・伊藤竹右衛門に渡す。一角は村を周り何か考えないと困るだろうと思うが、竹右衛門は跳ね返すことしか考えない。一角に百姓を説得できなければ腹を切れとまで言う。村人と竹右衛門の間で悩む一角。
越畑村の百姓の娘・すわは飯盛宿に売られていた。一緒になろうと言っていた大工の仙吉と足抜けする。すわにご執心だった佐野久右衛門は追いかけ仙吉の家の納屋で二人を見付け仙吉を斬り殺してしまう。すわは逃げた。一晩たち佐野は顔を見られた仙吉の父親も殺した。佐野は逃げた。お金欲しさに行商人を二人殺した。
一角は直訴しようとか一揆だと言う百姓をなだめ一ヶ月待ってもらうところで手を打っている。一角に江戸への用が命じられる。一角は倉橋与七郎に留守を頼む。伊藤は一角のいないうちに訴状を突き返そうとする。そのために徒士の藤井に隠し米を探させる。百姓に見付かる。
江戸から帰る一角は佐野を見付け連れて帰る。佐野は捕まった。
伊藤は隠し米を探すように命令したことが分からないようにするため、藤井を殺そうとする。一角に止められる。一角の責めにあい、伊藤は他の中老、家老に相談する。次の日、御所様の答えがでた。今年の年貢は免除、天水池の修復工事をすることになった。伊藤は腹を斬った。すわは仙吉のもっていたお金で身請けされ、白沢宿の旅籠で働くことになった。
内川の氾濫と天水池の干ばつで実りの悪い、東乙畑村と山苗代村と越畑村の三村が年貢徴収の来年への繰り延べか安くするか免除にしてもらいたいと訴状を出した。天野一角が受け取り中老・伊藤竹右衛門に渡す。一角は村を周り何か考えないと困るだろうと思うが、竹右衛門は跳ね返すことしか考えない。一角に百姓を説得できなければ腹を切れとまで言う。村人と竹右衛門の間で悩む一角。
越畑村の百姓の娘・すわは飯盛宿に売られていた。一緒になろうと言っていた大工の仙吉と足抜けする。すわにご執心だった佐野久右衛門は追いかけ仙吉の家の納屋で二人を見付け仙吉を斬り殺してしまう。すわは逃げた。一晩たち佐野は顔を見られた仙吉の父親も殺した。佐野は逃げた。お金欲しさに行商人を二人殺した。
一角は直訴しようとか一揆だと言う百姓をなだめ一ヶ月待ってもらうところで手を打っている。一角に江戸への用が命じられる。一角は倉橋与七郎に留守を頼む。伊藤は一角のいないうちに訴状を突き返そうとする。そのために徒士の藤井に隠し米を探させる。百姓に見付かる。
江戸から帰る一角は佐野を見付け連れて帰る。佐野は捕まった。
伊藤は隠し米を探すように命令したことが分からないようにするため、藤井を殺そうとする。一角に止められる。一角の責めにあい、伊藤は他の中老、家老に相談する。次の日、御所様の答えがでた。今年の年貢は免除、天水池の修復工事をすることになった。伊藤は腹を斬った。すわは仙吉のもっていたお金で身請けされ、白沢宿の旅籠で働くことになった。
2017年12月5日火曜日
隠密同心〈四〉 幻の孤影(二)
隠密同心〈四〉 幻の孤影(二) 小杉健治
市松は金山、武蔵と言い残した隠密の言葉を手掛かりに鉄砲洲稲荷付近の質屋「武蔵屋」に用心棒として潜り込む。幕閣に贋金造りの首魁と通じている者がいると睨み主人・善兵衛を狙う者と対峙する。町方同心を斬らなければならなくなる。隠密同心の過酷さに疑問を持つ。
贋の荷物を運んでいる間に出来上がった贋金と仕事場を移されてしまった。老中・本柳越前守の屋敷に贋金の仕事場があるのではと疑いを抱くが、調べられない。荷物を移動させた武蔵屋の善兵衛と善右衛門親子は自首する。加賀屋利兵衛の誘いで贋金造りを始め、加賀屋が死んだことで贋金造りは終わったと言い張った。市松は手を引くしかなくなった。
市松の父親は息子を隠密同心にしようと思っていなかった。武州柿沼村へ行ってから市松を隠密同心にしようとした。市松の上司・松原源四郎は自分が死んだように繕って柿沼村を調べに行った。贋金事件が決着すれば隠密同心を辞めようと思っていた市松だったが、きっちり決着がつかず、このままでは辞められない。市松も柿沼へ行こうと思っている。一緒になるつもりのつたを母親の下に預けている。
隠密同心〈四〉幻の孤影(一)を読んでないようだ。
市松は金山、武蔵と言い残した隠密の言葉を手掛かりに鉄砲洲稲荷付近の質屋「武蔵屋」に用心棒として潜り込む。幕閣に贋金造りの首魁と通じている者がいると睨み主人・善兵衛を狙う者と対峙する。町方同心を斬らなければならなくなる。隠密同心の過酷さに疑問を持つ。
贋の荷物を運んでいる間に出来上がった贋金と仕事場を移されてしまった。老中・本柳越前守の屋敷に贋金の仕事場があるのではと疑いを抱くが、調べられない。荷物を移動させた武蔵屋の善兵衛と善右衛門親子は自首する。加賀屋利兵衛の誘いで贋金造りを始め、加賀屋が死んだことで贋金造りは終わったと言い張った。市松は手を引くしかなくなった。
市松の父親は息子を隠密同心にしようと思っていなかった。武州柿沼村へ行ってから市松を隠密同心にしようとした。市松の上司・松原源四郎は自分が死んだように繕って柿沼村を調べに行った。贋金事件が決着すれば隠密同心を辞めようと思っていた市松だったが、きっちり決着がつかず、このままでは辞められない。市松も柿沼へ行こうと思っている。一緒になるつもりのつたを母親の下に預けている。
隠密同心〈四〉幻の孤影(一)を読んでないようだ。
2017年12月4日月曜日
着物始末暦(九) 白に染まる
着物始末暦(九) 白に染まる 中島要
師走の嵐 糸は身籠もった。余一になかなか伝えられない。日吉山王大権現で出会った尼僧・松雲尼は余一の赤子の時を知っている人だった。余一に会わせたことで余一は父親が井筒屋だということを知る。余一は我一人という意味だという。余一の奨めで品にだるま屋の手伝いを頼み、つわりがひどくなった糸のために、清一に子どもが産まれるまで、余一共々だるま屋に住むことを頼む。
白に染まる 二十一日、身請けされた笑わない天女・唐橋の最後の花魁道中に着る打掛けを大隅屋が作った。余一は下絵を書いた。唐橋の身請けを喜ばない澤田屋と井筒屋は邪魔をしようとする。愁介は唐橋の打掛けと同じ下絵を使って唐橋の前に歩く紫扇の打掛けを創ろうとする。六助を脅迫し余一の下絵を手に入れたが、六助は余一に一番贅沢な打掛けの下絵を描いてくれと頼んでいた。唐橋の打掛けは白無垢に後ろに絵が描かれた打掛けだった。
紫扇の打掛けは豪華だった。紫扇には似合っていなかった。道中が始まる前見ていろと言っていた井筒屋、井筒屋のほうが大隅屋よりいいものを作ることができると示したかった。愁介は井筒屋が終わりだといった。
道中の行方 六助は愁介が何故下絵を欲しがったか分からない。花魁道中を見ていて六助は愁介の考えてたことが分かった。紫扇の豪華な打掛け道中のあと、白無垢の打掛けの唐橋、通り過ぎた後ろに唐橋の花魁道中の絵があった。
井筒屋の店は休んでいる。綾太郎は十手持ちの親分に六助を護るよう頼んだ。六助が襲われた。男は音吉が捕まえ、女は匕首で六助を狙い庇った千吉を刺して逃げた。
寿の袖 千吉は何故六助を庇ったか誰にも分からない。みつは六助が店を開けている間千吉の看病をした。六助を襲ったのは前に井筒屋に雇われ玉を勾引かそうとした二人だった。綾太郎は井筒屋が店を畳むなら余計なことは言わないという話をした。一月たち千吉は歩けるようになった。千吉はみつに帯と万寿柄の着物を送った。
師走の嵐 糸は身籠もった。余一になかなか伝えられない。日吉山王大権現で出会った尼僧・松雲尼は余一の赤子の時を知っている人だった。余一に会わせたことで余一は父親が井筒屋だということを知る。余一は我一人という意味だという。余一の奨めで品にだるま屋の手伝いを頼み、つわりがひどくなった糸のために、清一に子どもが産まれるまで、余一共々だるま屋に住むことを頼む。
白に染まる 二十一日、身請けされた笑わない天女・唐橋の最後の花魁道中に着る打掛けを大隅屋が作った。余一は下絵を書いた。唐橋の身請けを喜ばない澤田屋と井筒屋は邪魔をしようとする。愁介は唐橋の打掛けと同じ下絵を使って唐橋の前に歩く紫扇の打掛けを創ろうとする。六助を脅迫し余一の下絵を手に入れたが、六助は余一に一番贅沢な打掛けの下絵を描いてくれと頼んでいた。唐橋の打掛けは白無垢に後ろに絵が描かれた打掛けだった。
紫扇の打掛けは豪華だった。紫扇には似合っていなかった。道中が始まる前見ていろと言っていた井筒屋、井筒屋のほうが大隅屋よりいいものを作ることができると示したかった。愁介は井筒屋が終わりだといった。
道中の行方 六助は愁介が何故下絵を欲しがったか分からない。花魁道中を見ていて六助は愁介の考えてたことが分かった。紫扇の豪華な打掛け道中のあと、白無垢の打掛けの唐橋、通り過ぎた後ろに唐橋の花魁道中の絵があった。
井筒屋の店は休んでいる。綾太郎は十手持ちの親分に六助を護るよう頼んだ。六助が襲われた。男は音吉が捕まえ、女は匕首で六助を狙い庇った千吉を刺して逃げた。
寿の袖 千吉は何故六助を庇ったか誰にも分からない。みつは六助が店を開けている間千吉の看病をした。六助を襲ったのは前に井筒屋に雇われ玉を勾引かそうとした二人だった。綾太郎は井筒屋が店を畳むなら余計なことは言わないという話をした。一月たち千吉は歩けるようになった。千吉はみつに帯と万寿柄の着物を送った。
2017年11月30日木曜日
御家人無頼蹴飛ばし左門⑨ 雷火一閃
御家人無頼蹴飛ばし左門⑨ 雷火一閃 芝村凉也
赤鞘組の頭目に財部擬宝軒が返り咲き、左門の周りの人々を危険に巻き込まないように左門はじっとしていた。
三日日家の札差・小桝屋で大目付の家臣が番頭を斬り殺す場面に遭遇する。小桝屋が手鎖になった。赤鞘組の裏に御前と呼ばれる老中がいることを知る。
二人組の槍使いは倒した。
左門は赤鞘組の息の掛かった代官所の書類を盗み出す。
小桝屋に対する刑に納得がいかない札差が、左門が手に入れた書類を参考に勘定所の米価の定めに疑義を目安箱で申し立てた。御前に敵対する老中・兵衛様が調べることになった。兵衛の元で働く忍は札差の下にあった左門の手に入れた書類を盗み出す。この書類を元に、各代官所で行なわれていることを知った兵衛は証拠を揃えていく。代官所は正しい米相場よりずっと低い額をお上に申告し、納めるべき年貢金より大金を抜いて着服していた。
赤鞘組に属する各地方の代官は代えられる。御前の包囲網は狭まる。御前は擬宝軒を殺した。
兵衛は左門が気付きしたことに驚く。忍は兵衛に左門を手懐けるのは権力のある人には無理だという。
三日日左門は二十五俵一人扶持のまま、甲府勤番になった。小桝屋は借金を帳消しにし、後ろ盾になることを伝えた。八月、乾太と共に江戸を発った。
赤鞘組の頭目に財部擬宝軒が返り咲き、左門の周りの人々を危険に巻き込まないように左門はじっとしていた。
三日日家の札差・小桝屋で大目付の家臣が番頭を斬り殺す場面に遭遇する。小桝屋が手鎖になった。赤鞘組の裏に御前と呼ばれる老中がいることを知る。
二人組の槍使いは倒した。
左門は赤鞘組の息の掛かった代官所の書類を盗み出す。
小桝屋に対する刑に納得がいかない札差が、左門が手に入れた書類を参考に勘定所の米価の定めに疑義を目安箱で申し立てた。御前に敵対する老中・兵衛様が調べることになった。兵衛の元で働く忍は札差の下にあった左門の手に入れた書類を盗み出す。この書類を元に、各代官所で行なわれていることを知った兵衛は証拠を揃えていく。代官所は正しい米相場よりずっと低い額をお上に申告し、納めるべき年貢金より大金を抜いて着服していた。
赤鞘組に属する各地方の代官は代えられる。御前の包囲網は狭まる。御前は擬宝軒を殺した。
兵衛は左門が気付きしたことに驚く。忍は兵衛に左門を手懐けるのは権力のある人には無理だという。
三日日左門は二十五俵一人扶持のまま、甲府勤番になった。小桝屋は借金を帳消しにし、後ろ盾になることを伝えた。八月、乾太と共に江戸を発った。
2017年11月29日水曜日
秘め事おたつ 細雨
秘め事おたつ 細雨 藤原緋沙子
米沢町の稲荷長屋に「青茶婆」たつが住んでいる。たつは貸し屋と金貸しをしていた。
たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった(毒?)美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
細雨 同じ長屋の棒手振り弥之助が身投げをしようとしていた女・ちよを連れてくる。ちよは植木屋の里子だった。七才の時、養父母に娘が生まれ、ちよは使用人待遇になった。娘は十五才で疱瘡で亡くなり、養母も亡くなった。養父が木から落ち亡くなった途端、借金取りに家屋敷を取られた。ちよが中居として働き、醤油問屋「丹波屋」の主人・七兵衛の内儀に納まった。七兵衛は妾を囲い、ちよは手代との不義を疑われ、妾に子どもが出来た。ちよは家を飛び出していた。
たつは元岡っ引き・岩五郎に頼みちよのことを調べる。千代の父親は二千石の旗本の三男で養子に行き、今は亡くなっていた。母は女中でちよを産んだ後亡くなった。千代の養父は旗本の庭の植木の手入れをしていたと分かった。七兵衛の妾は番頭・富蔵の情婦だった。七兵衛が何者かに刺された。富蔵の仕業であることを暴き、富蔵が丹波屋の乗っ取りを謀ったことを暴く。
朝顔 たつは医者・田中道喜に一両を貸す。軒看板に「煎薬一服十六文」と書くようにアドバイスする。
たつは掏摸をする又吉8才に会う。又吉は病気の父親のために掏摸をしていた。父親を道喜に見てもらう。父親は大工で時蔵という。又吉の生い立ちを話す。八年前、大坂で子どもを産み亡くし、三ヶ月後夫婦で大坂から江戸に帰る途中、藤沢宿で、産後の肥立ちが良くない夫婦連れから生まれて間もない赤ちゃんを預かった。時蔵の妻はお乳を含ませ、赤ちゃんは育った。夫婦から赤子を貰い江戸に帰った。赤子が又吉だった。
道喜はたつから貰った扇子の絵を書いた人を探していた。吉原の遊女・梅里の父親が書いた絵だという。たつは落款の幽仙を探し出した。幽仙は大坂の商人だった。江戸店に娘を探しに来ていた。梅里は手代・直介と大坂を飛び出し、藤沢宿で赤子を産み、直介に売られていた。
時蔵は亡くなり、又吉は岩五郎夫婦が引き取っていた。弥之助は藤沢に行き、二組の夫婦の名前を調べ、又吉が幽仙の孫であることが分かった。直介は昔の同僚にお嬢さんが吉原にいることを伝える。直介も病気だった。又吉は引き取られた。養父母の墓を建てたいと要望した。
たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
米沢町の稲荷長屋に「青茶婆」たつが住んでいる。たつは貸し屋と金貸しをしていた。
たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった(毒?)美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
細雨 同じ長屋の棒手振り弥之助が身投げをしようとしていた女・ちよを連れてくる。ちよは植木屋の里子だった。七才の時、養父母に娘が生まれ、ちよは使用人待遇になった。娘は十五才で疱瘡で亡くなり、養母も亡くなった。養父が木から落ち亡くなった途端、借金取りに家屋敷を取られた。ちよが中居として働き、醤油問屋「丹波屋」の主人・七兵衛の内儀に納まった。七兵衛は妾を囲い、ちよは手代との不義を疑われ、妾に子どもが出来た。ちよは家を飛び出していた。
たつは元岡っ引き・岩五郎に頼みちよのことを調べる。千代の父親は二千石の旗本の三男で養子に行き、今は亡くなっていた。母は女中でちよを産んだ後亡くなった。千代の養父は旗本の庭の植木の手入れをしていたと分かった。七兵衛の妾は番頭・富蔵の情婦だった。七兵衛が何者かに刺された。富蔵の仕業であることを暴き、富蔵が丹波屋の乗っ取りを謀ったことを暴く。
朝顔 たつは医者・田中道喜に一両を貸す。軒看板に「煎薬一服十六文」と書くようにアドバイスする。
たつは掏摸をする又吉8才に会う。又吉は病気の父親のために掏摸をしていた。父親を道喜に見てもらう。父親は大工で時蔵という。又吉の生い立ちを話す。八年前、大坂で子どもを産み亡くし、三ヶ月後夫婦で大坂から江戸に帰る途中、藤沢宿で、産後の肥立ちが良くない夫婦連れから生まれて間もない赤ちゃんを預かった。時蔵の妻はお乳を含ませ、赤ちゃんは育った。夫婦から赤子を貰い江戸に帰った。赤子が又吉だった。
道喜はたつから貰った扇子の絵を書いた人を探していた。吉原の遊女・梅里の父親が書いた絵だという。たつは落款の幽仙を探し出した。幽仙は大坂の商人だった。江戸店に娘を探しに来ていた。梅里は手代・直介と大坂を飛び出し、藤沢宿で赤子を産み、直介に売られていた。
時蔵は亡くなり、又吉は岩五郎夫婦が引き取っていた。弥之助は藤沢に行き、二組の夫婦の名前を調べ、又吉が幽仙の孫であることが分かった。直介は昔の同僚にお嬢さんが吉原にいることを伝える。直介も病気だった。又吉は引き取られた。養父母の墓を建てたいと要望した。
たずは元は花岡藩江戸屋敷の奥を取り締まっていた。多津の部屋子美佐は側室になり男の子を産んだ。病気になった美佐は息子・吉次朗を屋敷から出した。五年前、女中と吉次朗がいなくなり、正室の跡継ぎは疱瘡の後重い障害が残ったため吉次朗を探し出すことになった。多津は屋敷をでて吉次朗を探していた。
2017年11月28日火曜日
風の市兵衛⑳ 架け橋
風の市兵衛⑳ 架け橋 第一部 完 辻堂魁
文政七年 1824年 二月 唐木市兵衛40才 武州忍田領阿部家当主・阿部豊前守武喬の御側衆大庭桐右衛門と見合いをする。婿養子の話。居酒屋、喜楽亭に集まった者により、市兵衛には十年前に京都の公家の娘との間に子がいることが聞こえ、破談になる。
相模の須賀湊の廻船問屋弓月の七左衛門より助けてと言う「青」の伝言を受けとる。
青は弥陀ノ介の元から逃げ大坂へ行く途中船が難破し、外国船に助けられ、海賊船に引き取られ海賊船から逃げ海を漂っている時に弓月の船に助けられていた。弥陀ノ介の子どもがお腹にいた。
市兵衛は須賀に行く。伊豆を拠点にした海賊が大店を次々と襲っていた。須賀に現れた海賊を市兵衛は退治する。海賊の本拠地を見付けた弥陀ノ介等は海賊を根絶やしにする。
江戸に帰った青は、弥陀ノ介と祝言を挙げる。
風の市兵衛⑬ 遠雷 2014年10月22日 既読
文政七年 1824年 二月 唐木市兵衛40才 武州忍田領阿部家当主・阿部豊前守武喬の御側衆大庭桐右衛門と見合いをする。婿養子の話。居酒屋、喜楽亭に集まった者により、市兵衛には十年前に京都の公家の娘との間に子がいることが聞こえ、破談になる。
相模の須賀湊の廻船問屋弓月の七左衛門より助けてと言う「青」の伝言を受けとる。
青は弥陀ノ介の元から逃げ大坂へ行く途中船が難破し、外国船に助けられ、海賊船に引き取られ海賊船から逃げ海を漂っている時に弓月の船に助けられていた。弥陀ノ介の子どもがお腹にいた。
市兵衛は須賀に行く。伊豆を拠点にした海賊が大店を次々と襲っていた。須賀に現れた海賊を市兵衛は退治する。海賊の本拠地を見付けた弥陀ノ介等は海賊を根絶やしにする。
江戸に帰った青は、弥陀ノ介と祝言を挙げる。
風の市兵衛⑬ 遠雷 2014年10月22日 既読
2017年11月27日月曜日
よろず占い処陰陽師屋へようこそ
よろず占い処陰陽師屋へようこそ 天野頌子
東京都北区王子 駅の南側の昔ながらの商店街のビルの地下に陰陽屋が開店した。店長は安倍祥明。ここでアルバイトをすることになった沢崎瞬太。母親・みどりが王子稲荷で拾った子どもだった。興奮すると目が光り、耳が上に上がり狐の耳になるり、狐のしっぽが現れる。親も瞬太も一生懸命隠している。小学校の同級生はみんな知っていた。知らない振りをしていた。陰陽屋のバイトでは耳もしっぽも出し、本物でやっている。中学で一緒になった委員長こと高坂史尋は瞬太に興味を持っていたが、気付かない振りをしてやれと言われた。
祥明は祥明命の過保護ママに育てられた。安倍家は何代も続く学者の家で書庫には膨大な書物のコレクションある。祖父は民族学者、父は宗教学者、祥明も陰陽師について研究者だった。夜も寝ないで片手で食べられる食事をする祥明を見て、このままでは身体を壊すとパソコンに一リットルのジュースを掛けた。そんな家から出ていたのだった。
「カリスマホスト、陰陽師に転職して人助け」そんな記事が新聞に出たため母親がやってきた。
東京都北区王子 駅の南側の昔ながらの商店街のビルの地下に陰陽屋が開店した。店長は安倍祥明。ここでアルバイトをすることになった沢崎瞬太。母親・みどりが王子稲荷で拾った子どもだった。興奮すると目が光り、耳が上に上がり狐の耳になるり、狐のしっぽが現れる。親も瞬太も一生懸命隠している。小学校の同級生はみんな知っていた。知らない振りをしていた。陰陽屋のバイトでは耳もしっぽも出し、本物でやっている。中学で一緒になった委員長こと高坂史尋は瞬太に興味を持っていたが、気付かない振りをしてやれと言われた。
祥明は祥明命の過保護ママに育てられた。安倍家は何代も続く学者の家で書庫には膨大な書物のコレクションある。祖父は民族学者、父は宗教学者、祥明も陰陽師について研究者だった。夜も寝ないで片手で食べられる食事をする祥明を見て、このままでは身体を壊すとパソコンに一リットルのジュースを掛けた。そんな家から出ていたのだった。
「カリスマホスト、陰陽師に転職して人助け」そんな記事が新聞に出たため母親がやってきた。
2017年11月26日日曜日
警視庁幽霊係と人形の呪い
警視庁幽霊係と人形の呪い 天野頌子
警視庁幽霊係の仲間 特殊捜査室(通称お宮の間)
渡部室長 特殊捜査室のボス。オカルト好きのエレガントな英国風紳士。お気に入りは玉露の御茶
高島佳帆警部 物に宿った記憶を読む。美女だが酒乱でキス魔。柏木をケンタ(昔飼っていたいた犬)と呼ぶ。今回の人形が妹の持ち物だったことで、両親と妹の事故当時の妹の気持ちが判明する。休みの度に身体が弱く療養している姉・佳帆のところにばかり行くことに嫌気が差していた。両親を独り占めして遊びに行きたかった。療養地に行く途中事故で亡くなった。
伊集院馨警部補 警視庁の最終兵器? 犬と会話が出来る。かわいいものが大好きなオネエキャラ。
清水貴行警部補 柏木の先輩刑事。おしゃれでいつも細身のスーツを着ている。マイホームパパ。
柏木雅彦警部補32才独身 幽霊と話せる能力を持つ。ストレスのため胃痛持ちで牛乳を手放せない。事件現場に行き、幽霊がいれば事情聴取をする。
桜井史也巡査部長 母親はベルギー人だが大阪生まれの関西人。写真に写っている人の現在の生死を見分ける。ひやしあめが大好物。
及川結花 とある事件がきっかけで柏木に取り憑いてるキュートな女子高生幽霊。柏木の守護天使と言う。
三谷啓徳 新進気鋭の霊能者。どけちで守銭奴。清水の高校の同級生。
団地で火事があり一室が燃え一人暮らしのお婆さんが亡くなった。天ぷら油に火が入り火事になった事故だということになった。向いの団地に住む池袋警察署生活安全課勤務の青田がおばあさんの幽霊がいるので見に来てほしいと訪ねてきた。柏木は自分の後継にして自分はここを脱出できると考え、二代目幽霊係の研修のつもりで青田に付き合う。
お婆さん・堀内さんはチャッピーという犬を探していた。玄関にあった人形を持ち帰り高島に見せる。二人は周りの部屋の住人に聞き込みをし、犬を探す。
堀内は犬と住める所に引っ越すためのお金が欲しくて保険金を狙いぼやを出すために台所に油鍋をセットして置いた。犬好きと思われていた下の階のスーパーに勤めている息子・石倉良人がコンロの火がとろ火だったのを大きな火にし、油鍋に豆腐を入れた。火がつきやすくなるように。そして出会った堀内にチャッピーを部屋に入れたといった。堀内は犬を探していて死んだ。
チャッピーは小学生が飼っている。犬に会いお婆ちゃんは消えた。
人形の持ち主の過去を見ていた高島。亡くなった恋人と柏木の身体を借りて話をした。
華麗なる一族の事件簿〜伊集院家の場合〜
伊集院の従姉妹のストーカーを犬の証言で捕まえた。従姉妹のストーカーではなく、犬のクララのストーカーだった。
警視庁幽霊係の仲間 特殊捜査室(通称お宮の間)
渡部室長 特殊捜査室のボス。オカルト好きのエレガントな英国風紳士。お気に入りは玉露の御茶
高島佳帆警部 物に宿った記憶を読む。美女だが酒乱でキス魔。柏木をケンタ(昔飼っていたいた犬)と呼ぶ。今回の人形が妹の持ち物だったことで、両親と妹の事故当時の妹の気持ちが判明する。休みの度に身体が弱く療養している姉・佳帆のところにばかり行くことに嫌気が差していた。両親を独り占めして遊びに行きたかった。療養地に行く途中事故で亡くなった。
伊集院馨警部補 警視庁の最終兵器? 犬と会話が出来る。かわいいものが大好きなオネエキャラ。
清水貴行警部補 柏木の先輩刑事。おしゃれでいつも細身のスーツを着ている。マイホームパパ。
柏木雅彦警部補32才独身 幽霊と話せる能力を持つ。ストレスのため胃痛持ちで牛乳を手放せない。事件現場に行き、幽霊がいれば事情聴取をする。
桜井史也巡査部長 母親はベルギー人だが大阪生まれの関西人。写真に写っている人の現在の生死を見分ける。ひやしあめが大好物。
及川結花 とある事件がきっかけで柏木に取り憑いてるキュートな女子高生幽霊。柏木の守護天使と言う。
三谷啓徳 新進気鋭の霊能者。どけちで守銭奴。清水の高校の同級生。
団地で火事があり一室が燃え一人暮らしのお婆さんが亡くなった。天ぷら油に火が入り火事になった事故だということになった。向いの団地に住む池袋警察署生活安全課勤務の青田がおばあさんの幽霊がいるので見に来てほしいと訪ねてきた。柏木は自分の後継にして自分はここを脱出できると考え、二代目幽霊係の研修のつもりで青田に付き合う。
お婆さん・堀内さんはチャッピーという犬を探していた。玄関にあった人形を持ち帰り高島に見せる。二人は周りの部屋の住人に聞き込みをし、犬を探す。
堀内は犬と住める所に引っ越すためのお金が欲しくて保険金を狙いぼやを出すために台所に油鍋をセットして置いた。犬好きと思われていた下の階のスーパーに勤めている息子・石倉良人がコンロの火がとろ火だったのを大きな火にし、油鍋に豆腐を入れた。火がつきやすくなるように。そして出会った堀内にチャッピーを部屋に入れたといった。堀内は犬を探していて死んだ。
チャッピーは小学生が飼っている。犬に会いお婆ちゃんは消えた。
人形の持ち主の過去を見ていた高島。亡くなった恋人と柏木の身体を借りて話をした。
華麗なる一族の事件簿〜伊集院家の場合〜
伊集院の従姉妹のストーカーを犬の証言で捕まえた。従姉妹のストーカーではなく、犬のクララのストーカーだった。
2017年11月25日土曜日
鎌倉不動産のあやかし物件
鎌倉不動産のあやかし物件 安東あや
紺野清花は夏休みに、鎌倉の老舗不動産の御曹司と見合いを仕組まれた。相手の最上雅秋は霊が見える体質だった。十四才の時、家庭教師・藤川紗英の兄が八才の女児の殺害を暴いてしまい、殺されそうになった。別人のような恐ろしい顔だった。その後、雅秋は世捨て人のような生活を送っていた。清花は見合いの場で幽体離脱をしてしまい、雅秋に戻して貰う。そのため清花は雅秋と同居することになった。
鎌倉のいわく付きの物件のお客様相談室での仕事をするようになった。
幽霊が出ると次々と住人が出て行く物件を見に行く。幽霊はいた。以前に住んでいたうれないで引退して引っ越しした女優だった。引っ越ししてからはどこにいるか判らない。彼女は元マネージャーに殺され、庭に埋められていた。二人が場所を特定し遺骨を見付け供養した。霊は出なくなった。
一軒家から誰もいないが、子どもが走り回る気配がする。相談があった。五才くらいの着物を着た男の子の霊だった。海岸で拾った矢じりを犬が家に持ち帰っていた。鎌倉の古い昔、矢じりで殺された子どもの霊だった。盆送りをする。
東慶寺で藤川紗英に十年ぶりに会った。東京で暮らし仕事も成功しているらしい。雅秋は清花に十年前の話をした。
次の日、スーパーでまた紗英に会った。紗英の横に血みどろの女性の霊がいた。清花が気を失った。近くの紗英の家に運ばれた。清花の魂が離脱したまま紗英の家の中を調べる。霊になっている女性は仲の良かった同級生・千香子だった。千香子は紗英の婚約者・花岡伸吾と結婚していた。疲れて倒れた雅秋を置いて、清花は一人で花岡伸吾に会いに行く。清花は地下室の隠し部屋に閉じこめられる。その部屋には何人もの女性の持ち物があった。殺した女の記念品だと言う。千香子が気が付いたために殺していた。インターホンが鳴り続けるため伸吾は清花を縛り、口をガムテープで塞ぎ出ていった。雅秋が来た。携帯のGPS機能を使って。清花は魂だけすり抜けて玄関に行く。雅秋は監禁と殺人で警察を呼ぶように運転手に連絡する。清花が地下室の隠し部屋に案内する。包丁を持った伸吾を霊たちが押さえている瞬間に雅秋が伸吾を突き飛ばし、落ちた包丁を清花が拾う。警察が来た。紗英に嫉妬していた千香子の霊は紗英に付いたままだった。清花は紗英を東慶寺に誘い三人で行く。天秀尼の墓で清花は千香子の怨霊を切り離して下さいと頼む。紗英が千香子を偲び泣いている。千香子の怨霊は紗英の肩に手を置いて消えた。
君がうちに嫁入りしたら魂は抜けなくなるかもしれない。試してみる?と言う雅秋。
それってプロポーズ?
そういう道もあるってこと、考えておいてと言う雅秋。
紺野清花は夏休みに、鎌倉の老舗不動産の御曹司と見合いを仕組まれた。相手の最上雅秋は霊が見える体質だった。十四才の時、家庭教師・藤川紗英の兄が八才の女児の殺害を暴いてしまい、殺されそうになった。別人のような恐ろしい顔だった。その後、雅秋は世捨て人のような生活を送っていた。清花は見合いの場で幽体離脱をしてしまい、雅秋に戻して貰う。そのため清花は雅秋と同居することになった。
鎌倉のいわく付きの物件のお客様相談室での仕事をするようになった。
幽霊が出ると次々と住人が出て行く物件を見に行く。幽霊はいた。以前に住んでいたうれないで引退して引っ越しした女優だった。引っ越ししてからはどこにいるか判らない。彼女は元マネージャーに殺され、庭に埋められていた。二人が場所を特定し遺骨を見付け供養した。霊は出なくなった。
一軒家から誰もいないが、子どもが走り回る気配がする。相談があった。五才くらいの着物を着た男の子の霊だった。海岸で拾った矢じりを犬が家に持ち帰っていた。鎌倉の古い昔、矢じりで殺された子どもの霊だった。盆送りをする。
東慶寺で藤川紗英に十年ぶりに会った。東京で暮らし仕事も成功しているらしい。雅秋は清花に十年前の話をした。
次の日、スーパーでまた紗英に会った。紗英の横に血みどろの女性の霊がいた。清花が気を失った。近くの紗英の家に運ばれた。清花の魂が離脱したまま紗英の家の中を調べる。霊になっている女性は仲の良かった同級生・千香子だった。千香子は紗英の婚約者・花岡伸吾と結婚していた。疲れて倒れた雅秋を置いて、清花は一人で花岡伸吾に会いに行く。清花は地下室の隠し部屋に閉じこめられる。その部屋には何人もの女性の持ち物があった。殺した女の記念品だと言う。千香子が気が付いたために殺していた。インターホンが鳴り続けるため伸吾は清花を縛り、口をガムテープで塞ぎ出ていった。雅秋が来た。携帯のGPS機能を使って。清花は魂だけすり抜けて玄関に行く。雅秋は監禁と殺人で警察を呼ぶように運転手に連絡する。清花が地下室の隠し部屋に案内する。包丁を持った伸吾を霊たちが押さえている瞬間に雅秋が伸吾を突き飛ばし、落ちた包丁を清花が拾う。警察が来た。紗英に嫉妬していた千香子の霊は紗英に付いたままだった。清花は紗英を東慶寺に誘い三人で行く。天秀尼の墓で清花は千香子の怨霊を切り離して下さいと頼む。紗英が千香子を偲び泣いている。千香子の怨霊は紗英の肩に手を置いて消えた。
君がうちに嫁入りしたら魂は抜けなくなるかもしれない。試してみる?と言う雅秋。
それってプロポーズ?
そういう道もあるってこと、考えておいてと言う雅秋。
2017年11月24日金曜日
新・酔いどれ小藤次〈九〉 船参宮
新・酔いどれ小藤次〈九〉 船参宮 佐伯泰英
文政八年 1825年
赤目小藤次は久慈屋昌右衛門の供をして国三と三人で伊勢参りに出た。島田宿で大井川の川止めに会う。島田宿で三つの旅籠を持つ紋屋鈴十という隠居と孫娘、数日分の旅籠の売り上げを持った手代が四人組に襲われそうなところを助け、紋屋鈴十の船形屋敷の離れ屋に泊まれることになった。赤目小藤次の名は知られていた。
島田宿で川止めの間に、中本陣に泊まる京都所司代勘定方の猿橋飛騨が胴元でやくざ者の宮小路の猪助親分と十手持ちの白髪の熊五郎親分がかんで旅籠の泊まり客を誘っていた。神路院すさめという巫女が付いていた。猪助親分と熊五郎親分は島田宿から追い出された。猿橋は浪人者み斬られたように装う。神路院すさめは逃げた。
川止め分を稼ぐために伊勢まで船で行った。
伊勢参りをした後すさめを退治した。
五十年前の昌右衛門が出会った、元久慈屋の女中さんは昌右衛門の実の母親だった。
文政八年 1825年
赤目小藤次は久慈屋昌右衛門の供をして国三と三人で伊勢参りに出た。島田宿で大井川の川止めに会う。島田宿で三つの旅籠を持つ紋屋鈴十という隠居と孫娘、数日分の旅籠の売り上げを持った手代が四人組に襲われそうなところを助け、紋屋鈴十の船形屋敷の離れ屋に泊まれることになった。赤目小藤次の名は知られていた。
島田宿で川止めの間に、中本陣に泊まる京都所司代勘定方の猿橋飛騨が胴元でやくざ者の宮小路の猪助親分と十手持ちの白髪の熊五郎親分がかんで旅籠の泊まり客を誘っていた。神路院すさめという巫女が付いていた。猪助親分と熊五郎親分は島田宿から追い出された。猿橋は浪人者み斬られたように装う。神路院すさめは逃げた。
川止め分を稼ぐために伊勢まで船で行った。
伊勢参りをした後すさめを退治した。
五十年前の昌右衛門が出会った、元久慈屋の女中さんは昌右衛門の実の母親だった。
2017年11月23日木曜日
町触れ同心公事宿始末③ 初音の雲
町触れ同心公事宿始末③ 初音の雲 藍川慶次郎
花が鈴屋をずっと手伝っていた。文政五年 1822年正月
多門慎吾(おかどしんご) 寿々 白樫寛十郎
除夜の鬼 鈴屋に来るはずの客・太左衞門が曼荼羅華(朝鮮朝顔)を嗅がされ意識を無くして医学館に運び込まれた。太左衞門は父親・太郎兵衛は百軒ほどの家主で筆硯問屋大和屋を商っていたが、一年前に行方不明になっていた。遺産を兄弟で争っていた。太郎兵衛の女房が見付けた遺言書を出してきた。「お珠を養育するものに遺産を託す」お珠探しが始まった。医学館に一年前瀕死の傷で運び込まれた老人がいた。記憶を失っていた。太郎兵衛だった。記憶も戻っていた。二組の暴漢に襲われていた。兄弟が雇ったのだろうと思った。お珠は太郎兵衛の妾と娘が飼っていた猫だった。母娘の住む袋物屋に押し入った弟・次郎右衛門は出役支度の捕り方に囲まれ逃げた。母親のところで顔を合わせた兄弟は取っ組み合いをして息も絶え絶えになった。母親は自死した。
太郎兵衛が鈴屋にいる間、早苗が付き添った。早苗と寿々が顔を合わせた。慎吾は寿々に神田明神の初日の出を拝みにいこうと誘う。
初音の雲 南部藩の浪人・相馬大作が弘前に戻る津軽候を狙撃しようとしたが密告で未遂に終わった。大作の無念を晴らすと諸国から同門が江戸に集まっていた。慎吾と寛十郎の師匠・長沼一哲は平山行蔵と同門を止めに廻っていた。長沼は慎吾と寛十郎に江戸府内での一触即発の事態を止めてくれるよう頼んだ。鈴屋に滞在している兵聖閣の娘・千草に集結して裏切った嘉兵衛と笠原を討ったとしても大作は喜ばない。報復しても無駄死になる。平山先生にも迷惑が掛かる。慎吾は説得する。弘前藩は嘉兵衛たちを囮にした。千草は同門を説き伏せたようで数人だった。松林に隠された鉄砲隊に撃たれる。慎吾と寛十郎は浪人たちを斬りまくり逃げる嘉兵衛と笠岡を千草の前に連れ出す。虫の息の千草は二人を討つ。千草たちは相馬大作が埋められる回向院に葬った。
紅蓮心中 益田屋の町は火事になればに組の纏持ち健次が見られると思い、健次の弟分・一太に頼み付け火をする。健次の心が琴にあると思う町は琴の家・大坂屋に火を付け琴に成りすまし健次と無理心中しようとする。町は一太に止められ、纏いを持つ健次と死んだのは琴の母親だった。健次と千代と一太が死んだ。
狂い咲き はだしで逃げてきた登季を助けた鈴屋で話を聞いた慎吾は、阿片を使って信者を集める新興宗教の存在を知る。寿々は登季を縛り身体から阿片をぬくのを手伝う。登季の代わりに娘・佐江が連れて行かれる。寛十郎の父・臨時廻り同心・白樫寛蔵も現れ、秘密の屋敷を突き止め、佐江を救い出し一網打尽にしたが、教祖・瑠璃は逃げた。
この本は2008年発行、その後4は出ていないもよう。
花が鈴屋をずっと手伝っていた。文政五年 1822年正月
多門慎吾(おかどしんご) 寿々 白樫寛十郎
除夜の鬼 鈴屋に来るはずの客・太左衞門が曼荼羅華(朝鮮朝顔)を嗅がされ意識を無くして医学館に運び込まれた。太左衞門は父親・太郎兵衛は百軒ほどの家主で筆硯問屋大和屋を商っていたが、一年前に行方不明になっていた。遺産を兄弟で争っていた。太郎兵衛の女房が見付けた遺言書を出してきた。「お珠を養育するものに遺産を託す」お珠探しが始まった。医学館に一年前瀕死の傷で運び込まれた老人がいた。記憶を失っていた。太郎兵衛だった。記憶も戻っていた。二組の暴漢に襲われていた。兄弟が雇ったのだろうと思った。お珠は太郎兵衛の妾と娘が飼っていた猫だった。母娘の住む袋物屋に押し入った弟・次郎右衛門は出役支度の捕り方に囲まれ逃げた。母親のところで顔を合わせた兄弟は取っ組み合いをして息も絶え絶えになった。母親は自死した。
太郎兵衛が鈴屋にいる間、早苗が付き添った。早苗と寿々が顔を合わせた。慎吾は寿々に神田明神の初日の出を拝みにいこうと誘う。
初音の雲 南部藩の浪人・相馬大作が弘前に戻る津軽候を狙撃しようとしたが密告で未遂に終わった。大作の無念を晴らすと諸国から同門が江戸に集まっていた。慎吾と寛十郎の師匠・長沼一哲は平山行蔵と同門を止めに廻っていた。長沼は慎吾と寛十郎に江戸府内での一触即発の事態を止めてくれるよう頼んだ。鈴屋に滞在している兵聖閣の娘・千草に集結して裏切った嘉兵衛と笠原を討ったとしても大作は喜ばない。報復しても無駄死になる。平山先生にも迷惑が掛かる。慎吾は説得する。弘前藩は嘉兵衛たちを囮にした。千草は同門を説き伏せたようで数人だった。松林に隠された鉄砲隊に撃たれる。慎吾と寛十郎は浪人たちを斬りまくり逃げる嘉兵衛と笠岡を千草の前に連れ出す。虫の息の千草は二人を討つ。千草たちは相馬大作が埋められる回向院に葬った。
紅蓮心中 益田屋の町は火事になればに組の纏持ち健次が見られると思い、健次の弟分・一太に頼み付け火をする。健次の心が琴にあると思う町は琴の家・大坂屋に火を付け琴に成りすまし健次と無理心中しようとする。町は一太に止められ、纏いを持つ健次と死んだのは琴の母親だった。健次と千代と一太が死んだ。
狂い咲き はだしで逃げてきた登季を助けた鈴屋で話を聞いた慎吾は、阿片を使って信者を集める新興宗教の存在を知る。寿々は登季を縛り身体から阿片をぬくのを手伝う。登季の代わりに娘・佐江が連れて行かれる。寛十郎の父・臨時廻り同心・白樫寛蔵も現れ、秘密の屋敷を突き止め、佐江を救い出し一網打尽にしたが、教祖・瑠璃は逃げた。
この本は2008年発行、その後4は出ていないもよう。
2017年11月22日水曜日
町触れ同心公事宿始末② 縁切り花
町触れ同心公事宿始末② 縁切り花 藍川慶次郎
三途の闇 鈴屋に泊まっていた嘉左衛門が毒死した。慎吾は筒井奉行に呼ばれ、裏に不審な死が絡んでの訴人の願い下げが三件有り内偵するように言われた。嘉左衛門の後を久右衛門が引き継いだ。
幇間の河太郎、羽織芸者の咲、糞尿船頭の甚右衛門、お城坊主の株を買い西の丸中奥坊主の道阿弥が三途の川の渡し守の闇仕事を行っていた。
慎吾等の探索が邪魔になった四人は鈴屋に火を付け、九右衛門を殺そうとし、逃げ捕まった。
八州かたり 八州廻りの古旗源三郎が夜伽を命じたり江戸の屋敷に奉公に来いと言ったりすることを御用屋敷に訴えようとする女・花が鈴屋を訪れる。慎吾は兄に尋ねる。古旗大三郎がいた。古旗を調べる。常陸では花の許嫁・千吉は捕まり番手の朝次が閉じこめていた。実家の児島屋は朝次に乗っ取られていた。大三郎は源三郎に八州廻りを詐称させ、巡回地から目溢し金を吸い上げて江戸で隠居暮らしをしていた。密談している所に慎吾が踏み込み捕まえた。
修羅の雪 この所慎吾が手柄を立てたために義母の様子が変わった。慎吾に子が無いため本家から養子をとるつもりにしていたが、慎吾に後妻を取らせようとするようになった。慎吾が養子に入った多門家の娘・秋江は亡くなっていた。慎吾は本家から養子を入れ、家督を譲って自分は鈴屋に転がり込むといっている。
要屋長右衛門の娘・由美は牢にはいっている仙蔵に会いたいという。仙蔵は自分の父親かも知れないと言う。慎吾は仙蔵を調べる。仙蔵は溜にいた。
長右衛門・松吉と仙蔵は十六年前、奥会津で一揆に巻き込まれていた。村人だが役所に勤めていた二人はどちらにも付けず、どちらからも疎遠にされた。村人から家族を守るため松吉は村人を殺していた。元締手付けの小室の娘・由美を預かる。家族とは逸れる。由美を人に預け江戸に出て暮らせるようになってから由美を引き取った。会津に行けるようになって仙蔵の息子・新吉に出会い、手代になっている。長右衛門は強請に来るものを三人殺していた。仙蔵は慎吾に十六年前の話をした。慎吾は仙蔵にも長右衛門にも誰にも言わない約束をした。長右衛門は自死した。番頭に新吉と由美を一緒にして店を切り盛りしてくれるように託していた。
縁切り花 南町奉行所定中役同心・笹目三十郎の敷地内に借家している遠藤正典という医学館に務める御番医師の娘・早苗21才が慎吾の縁談相手だった。
内与力から探索命令が出た。夫・房次郎から殴るけるの暴行を受け東慶寺に入った照が夫から訴えられた。照が間男しし、房次郎の大工同具を換金し、間男を信州に逃がし、寺から下りたあと所帯を持つつもりだと訴えた。慎吾は寿々と東慶寺に行く。
照から房次郎の行状を聞いた慎吾は江戸へ帰り、房次郎の行状を暴く、娘・千佳の勾引かしを考え、千佳を預かっていた兼を脅している所に現れた慎吾は房次郎を斬る。房次郎は照の信州の実家から離縁を餌に財産の半分を巻き上げていた。
三途の闇 鈴屋に泊まっていた嘉左衛門が毒死した。慎吾は筒井奉行に呼ばれ、裏に不審な死が絡んでの訴人の願い下げが三件有り内偵するように言われた。嘉左衛門の後を久右衛門が引き継いだ。
幇間の河太郎、羽織芸者の咲、糞尿船頭の甚右衛門、お城坊主の株を買い西の丸中奥坊主の道阿弥が三途の川の渡し守の闇仕事を行っていた。
慎吾等の探索が邪魔になった四人は鈴屋に火を付け、九右衛門を殺そうとし、逃げ捕まった。
八州かたり 八州廻りの古旗源三郎が夜伽を命じたり江戸の屋敷に奉公に来いと言ったりすることを御用屋敷に訴えようとする女・花が鈴屋を訪れる。慎吾は兄に尋ねる。古旗大三郎がいた。古旗を調べる。常陸では花の許嫁・千吉は捕まり番手の朝次が閉じこめていた。実家の児島屋は朝次に乗っ取られていた。大三郎は源三郎に八州廻りを詐称させ、巡回地から目溢し金を吸い上げて江戸で隠居暮らしをしていた。密談している所に慎吾が踏み込み捕まえた。
修羅の雪 この所慎吾が手柄を立てたために義母の様子が変わった。慎吾に子が無いため本家から養子をとるつもりにしていたが、慎吾に後妻を取らせようとするようになった。慎吾が養子に入った多門家の娘・秋江は亡くなっていた。慎吾は本家から養子を入れ、家督を譲って自分は鈴屋に転がり込むといっている。
要屋長右衛門の娘・由美は牢にはいっている仙蔵に会いたいという。仙蔵は自分の父親かも知れないと言う。慎吾は仙蔵を調べる。仙蔵は溜にいた。
長右衛門・松吉と仙蔵は十六年前、奥会津で一揆に巻き込まれていた。村人だが役所に勤めていた二人はどちらにも付けず、どちらからも疎遠にされた。村人から家族を守るため松吉は村人を殺していた。元締手付けの小室の娘・由美を預かる。家族とは逸れる。由美を人に預け江戸に出て暮らせるようになってから由美を引き取った。会津に行けるようになって仙蔵の息子・新吉に出会い、手代になっている。長右衛門は強請に来るものを三人殺していた。仙蔵は慎吾に十六年前の話をした。慎吾は仙蔵にも長右衛門にも誰にも言わない約束をした。長右衛門は自死した。番頭に新吉と由美を一緒にして店を切り盛りしてくれるように託していた。
縁切り花 南町奉行所定中役同心・笹目三十郎の敷地内に借家している遠藤正典という医学館に務める御番医師の娘・早苗21才が慎吾の縁談相手だった。
内与力から探索命令が出た。夫・房次郎から殴るけるの暴行を受け東慶寺に入った照が夫から訴えられた。照が間男しし、房次郎の大工同具を換金し、間男を信州に逃がし、寺から下りたあと所帯を持つつもりだと訴えた。慎吾は寿々と東慶寺に行く。
照から房次郎の行状を聞いた慎吾は江戸へ帰り、房次郎の行状を暴く、娘・千佳の勾引かしを考え、千佳を預かっていた兼を脅している所に現れた慎吾は房次郎を斬る。房次郎は照の信州の実家から離縁を餌に財産の半分を巻き上げていた。
2017年11月21日火曜日
町触れ同心公事宿始末 日照雨そばえ
町触れ同心公事宿始末 日照雨そばえ 藍川慶次郎
公事宿・鈴屋の女将・寿々 公事宿・常陸屋の三男・彦三郎が入り婿になった。翌年父・与兵衛が亡くなり、一年足らずで彦三郎も亡くなったのが七年前だった。
与兵衛が可愛がっていた多門慎吾(倉田慎吾) 実兄は勘定奉行所の同心。三男のため多門家に養子に入っていた。今は南町奉行所の町触れ同心
慎吾の道場仲間・白樫寛十郎 南町奉行所定町廻り同心
日照雨 相模の国の川名の石屋・弥兵衛が鈴屋に来る。息子・弥太郎が腰越の漁師の娘・浜を嫁入先の小坪の網元との祝言の夜、勾引かしたと訴えられた。浜の親元・潮五郎と嫁ぎ先の勝蔵、勝次親子が訴訟に持ち込み、弥兵衛の田畑で弁償しろと言っている。百八十日が過ぎると弥太郎は無宿になるという期限までついてくる。
親の勝蔵が浜を狙っていた。浜は逃げた。逃げた先に言い交わしていた弥太郎がいた。一緒に品川に隠れていた。弥兵衛の田畑も手に入れようとした勝蔵親子は二人を見つけ出しどこかに閉じこめようとした。慎吾と願人坊主たちが二人を助け出す。浜を寿々の伯母がいる鎌倉の東慶寺に入れた。
母恋風車 川口の金貸し業・沢田屋庄八に訴えられている川口の漆器屋・西田屋幸右衛門の息子・幸吉10才が一人で訪ねてきた。庄八は先代・幸右衛門の署名がある五百六十両の借用証文を持っていた。幸右衛門は印判を使うはずだから偽物だと言っていた。
幸吉の母親・きよは失踪した。幸吉は江戸に来た。幸右衛門は連れ去られた。きよが見付かった。証文の爪印は先代の後妻・松のものと気がついたきよは、遊び人に脅され幸吉を守るために家を出た。幸右衛門は家を手放すという証文に爪印を捺すように脅されていた。幸吉を預かっているといわれ、爪印を捺す。慎吾は川口へ行き、お家さんと沢田屋と親分と呼ばれる丑五郎の企みを聞き出し、代官所の役人を呼ぶ。寛十郎は沢田屋の出店から幸吉を助け出す。出入物から吟味物になり、西田屋の身代は守られた。
赤い涙 慎吾が怪我人・兼吉を運び入れたことで巻き込まれる。兼吉は訴状を持っていた。尾花沢代官所から中村村宗右衛門に貸し付けた二千両は相沢久太夫が着服、罪を貸付窓口・元締め手代に擦りつけた。大石田村利兵衛が紅花問屋茜屋喜兵衛と抜荷をし、隠蔽されたこと。が調べられていた。慎吾は兄・倉田平四郎の所へ走り、代官所江戸詰めの二人は役を解かれ兼吉を襲ったことで町方に捕らえられる。茜屋も捕らえられる。訴えのために身を売った美津も助け出される。
千両の夢 鈴屋の中居・梶の妹の夫・又八が富くじで千両を当てた。今までに富くじを当てた者が三人なくなっていた。又八の女房とその親が連れて行かれた。又八はお囮になった。三人を人質にしされているためまんまと金箱を持っていかれた。金箱のなかは鬼瓦だった。人質は助けられ捕まった。
真貫流 平山行蔵
公事宿・鈴屋の女将・寿々 公事宿・常陸屋の三男・彦三郎が入り婿になった。翌年父・与兵衛が亡くなり、一年足らずで彦三郎も亡くなったのが七年前だった。
与兵衛が可愛がっていた多門慎吾(倉田慎吾) 実兄は勘定奉行所の同心。三男のため多門家に養子に入っていた。今は南町奉行所の町触れ同心
慎吾の道場仲間・白樫寛十郎 南町奉行所定町廻り同心
日照雨 相模の国の川名の石屋・弥兵衛が鈴屋に来る。息子・弥太郎が腰越の漁師の娘・浜を嫁入先の小坪の網元との祝言の夜、勾引かしたと訴えられた。浜の親元・潮五郎と嫁ぎ先の勝蔵、勝次親子が訴訟に持ち込み、弥兵衛の田畑で弁償しろと言っている。百八十日が過ぎると弥太郎は無宿になるという期限までついてくる。
親の勝蔵が浜を狙っていた。浜は逃げた。逃げた先に言い交わしていた弥太郎がいた。一緒に品川に隠れていた。弥兵衛の田畑も手に入れようとした勝蔵親子は二人を見つけ出しどこかに閉じこめようとした。慎吾と願人坊主たちが二人を助け出す。浜を寿々の伯母がいる鎌倉の東慶寺に入れた。
母恋風車 川口の金貸し業・沢田屋庄八に訴えられている川口の漆器屋・西田屋幸右衛門の息子・幸吉10才が一人で訪ねてきた。庄八は先代・幸右衛門の署名がある五百六十両の借用証文を持っていた。幸右衛門は印判を使うはずだから偽物だと言っていた。
幸吉の母親・きよは失踪した。幸吉は江戸に来た。幸右衛門は連れ去られた。きよが見付かった。証文の爪印は先代の後妻・松のものと気がついたきよは、遊び人に脅され幸吉を守るために家を出た。幸右衛門は家を手放すという証文に爪印を捺すように脅されていた。幸吉を預かっているといわれ、爪印を捺す。慎吾は川口へ行き、お家さんと沢田屋と親分と呼ばれる丑五郎の企みを聞き出し、代官所の役人を呼ぶ。寛十郎は沢田屋の出店から幸吉を助け出す。出入物から吟味物になり、西田屋の身代は守られた。
赤い涙 慎吾が怪我人・兼吉を運び入れたことで巻き込まれる。兼吉は訴状を持っていた。尾花沢代官所から中村村宗右衛門に貸し付けた二千両は相沢久太夫が着服、罪を貸付窓口・元締め手代に擦りつけた。大石田村利兵衛が紅花問屋茜屋喜兵衛と抜荷をし、隠蔽されたこと。が調べられていた。慎吾は兄・倉田平四郎の所へ走り、代官所江戸詰めの二人は役を解かれ兼吉を襲ったことで町方に捕らえられる。茜屋も捕らえられる。訴えのために身を売った美津も助け出される。
千両の夢 鈴屋の中居・梶の妹の夫・又八が富くじで千両を当てた。今までに富くじを当てた者が三人なくなっていた。又八の女房とその親が連れて行かれた。又八はお囮になった。三人を人質にしされているためまんまと金箱を持っていかれた。金箱のなかは鬼瓦だった。人質は助けられ捕まった。
真貫流 平山行蔵
2017年11月20日月曜日
おとなりの晴明さん
おとなりの晴明さん 陰陽師は左京区にいる 仲町六絵
滋賀から京都に引っ越しして来た糸野桃花。隣は安倍晴明の仮の姿・堀川晴明だった。大学の研究者になっている。閻魔大王の部下、冥官として若者の姿で生き返った。
私立からくさ図書館の小野篁も時子も出てくる。
やすらい祭 足袋型の付喪神、いらなくなった型を燃やすといわれ、夫婦二人で一緒にいたいという足型の願いを聞いて、晴明は自分の家の庭の石にした。縦石と横石と名付け式神にした。
優しい鬼 桃花は西陣で通りゃんせを歌う鬼を見た。鬼は鬼瓦だった。屋根にある雀の巣が青大将に狙われていた。雀は家人ではないので竈神や屋敷神は動いてくれない。桃花は梟になって鬼瓦が晴明に怖い顔に変えられひとにらみで青大将を飛ばすのを見ていた。
おサル戦線異常なし 奈良町からきたお嫁さんに付いてきた魔よけ猿・身代わり猿が軒先に下げられず室内にしまわれ戸惑い、お役御免ではと悲しんでいた。晴明は鬼門を守る猿や近所の地蔵菩薩に会わせ、年中行事を教わるように手筈した。
舞子の神様 祇園の置屋の女将さんから相談された茜がくる。舞子さんの食事を作る賄いの女性の極端な小食についてだった。晴明と桃花が会いに行く。女性は八坂神社の美御前社のうつくし御前という神だった。一人の舞子見習いのニキビを治すために賄いになっていた。晴明は蚕と書いた水をうつくし御前に飲ませまじないをした。後日、桃花が晴明とクリームパフェを食べているとメグミちゃんと呼ばれたうつくし御前が女将さんとパフェを食べていた。晴明は蚕の形相が栄養をむさぼり食べていると言う。
滋賀から京都に引っ越しして来た糸野桃花。隣は安倍晴明の仮の姿・堀川晴明だった。大学の研究者になっている。閻魔大王の部下、冥官として若者の姿で生き返った。
私立からくさ図書館の小野篁も時子も出てくる。
やすらい祭 足袋型の付喪神、いらなくなった型を燃やすといわれ、夫婦二人で一緒にいたいという足型の願いを聞いて、晴明は自分の家の庭の石にした。縦石と横石と名付け式神にした。
優しい鬼 桃花は西陣で通りゃんせを歌う鬼を見た。鬼は鬼瓦だった。屋根にある雀の巣が青大将に狙われていた。雀は家人ではないので竈神や屋敷神は動いてくれない。桃花は梟になって鬼瓦が晴明に怖い顔に変えられひとにらみで青大将を飛ばすのを見ていた。
おサル戦線異常なし 奈良町からきたお嫁さんに付いてきた魔よけ猿・身代わり猿が軒先に下げられず室内にしまわれ戸惑い、お役御免ではと悲しんでいた。晴明は鬼門を守る猿や近所の地蔵菩薩に会わせ、年中行事を教わるように手筈した。
舞子の神様 祇園の置屋の女将さんから相談された茜がくる。舞子さんの食事を作る賄いの女性の極端な小食についてだった。晴明と桃花が会いに行く。女性は八坂神社の美御前社のうつくし御前という神だった。一人の舞子見習いのニキビを治すために賄いになっていた。晴明は蚕と書いた水をうつくし御前に飲ませまじないをした。後日、桃花が晴明とクリームパフェを食べているとメグミちゃんと呼ばれたうつくし御前が女将さんとパフェを食べていた。晴明は蚕の形相が栄養をむさぼり食べていると言う。
2017年11月19日日曜日
あきない世傳金と銀〈四〉 貫流篇
あきない世傳金と銀〈四〉 貫流篇 高田郁
五鈴屋五代目徳兵衛・惣次31才は、羽村に前貸ししていた銀四貫の預かり手形が両替商の分散で紙くずとなり銀四貫の借財を負うことになった羽村の人々の怒りをかったため、羽村に持って行くつもりで用意した銀三貫と共に行へ不明になった。帰郷屋と弟・智蔵に手紙を託し隠居した。
智蔵は女房ごと後を継ぐことになった。幸21才は智蔵と幸は羽村へ行き銀二貫を渡し借金は五鈴屋が負う事にした。羽村で生産される羽二重はすべて五鈴屋が買い取ることになった。智蔵は六代目徳兵衛になり幸は智蔵と祝言を挙げた。智蔵は人形遣いの人形に徹するつもりだ。幸は帳簿類もすべて見ることになった。すべてを整えてお家はん・富久66才は亡くなった。
延享三年 1746年
五鈴屋が羽二重の横流し商品を売っていると言われる。幸は羽村で貰った残糸をみせ乗り切った。
元番頭治兵衛の女房・染の叔父・茂作が五鈴屋から羽二重を仕入れ東北で売ってくれることになった。
元五鈴屋の奉公人・留七と伝七に反物を貸し出し地方で売るという形で商売を始めた。呉服を背負って諸国を廻る。河内木綿の青みがかった緑色の風呂敷を作った。大風呂敷には担いだ時に鈴の柄と五鈴屋の名前が出るように染め、二尺巾の風呂敷には全体に鈴の模様が散らしてある。元御寮さん・菊栄が鉄漿粉の産地・備前国の取引相手への紹介文を書いてくれた。地蔵盆に大坂を出、神無月の二十日に帰った二人は注文を取ってき、また明日発つという。
幸は智蔵に連れていってもらった人形浄瑠璃の人形使い・亀三が作っている人形の着物にちょうど良い桑の実色の縮緬を一反渡す。幸は人形と同じ着物を縫い、筑後座の天神記見物に十日通う。五鈴屋の蔵には桑の実色の縮緬がぎっしり詰まっていた。仕掛けが功を奏し桑の実色の反物は売れた。桑の実色は着る者の年齢によって印象が変わる。
桔梗屋は店ごと真澄屋に売るらしい。桔梗屋が売る条件を呑んで買い取るはずが、真澄屋が買い取ってから桔梗屋の条件を全く呑まないことが判った。桔梗屋は売ることを渋るが手付けを貰い、使っていた。真澄屋は銀二十貫返してくれと言う。幸は桔梗屋の買い上げに名乗りをあげる。
五鈴屋五代目徳兵衛・惣次31才は、羽村に前貸ししていた銀四貫の預かり手形が両替商の分散で紙くずとなり銀四貫の借財を負うことになった羽村の人々の怒りをかったため、羽村に持って行くつもりで用意した銀三貫と共に行へ不明になった。帰郷屋と弟・智蔵に手紙を託し隠居した。
智蔵は女房ごと後を継ぐことになった。幸21才は智蔵と幸は羽村へ行き銀二貫を渡し借金は五鈴屋が負う事にした。羽村で生産される羽二重はすべて五鈴屋が買い取ることになった。智蔵は六代目徳兵衛になり幸は智蔵と祝言を挙げた。智蔵は人形遣いの人形に徹するつもりだ。幸は帳簿類もすべて見ることになった。すべてを整えてお家はん・富久66才は亡くなった。
延享三年 1746年
五鈴屋が羽二重の横流し商品を売っていると言われる。幸は羽村で貰った残糸をみせ乗り切った。
元番頭治兵衛の女房・染の叔父・茂作が五鈴屋から羽二重を仕入れ東北で売ってくれることになった。
元五鈴屋の奉公人・留七と伝七に反物を貸し出し地方で売るという形で商売を始めた。呉服を背負って諸国を廻る。河内木綿の青みがかった緑色の風呂敷を作った。大風呂敷には担いだ時に鈴の柄と五鈴屋の名前が出るように染め、二尺巾の風呂敷には全体に鈴の模様が散らしてある。元御寮さん・菊栄が鉄漿粉の産地・備前国の取引相手への紹介文を書いてくれた。地蔵盆に大坂を出、神無月の二十日に帰った二人は注文を取ってき、また明日発つという。
幸は智蔵に連れていってもらった人形浄瑠璃の人形使い・亀三が作っている人形の着物にちょうど良い桑の実色の縮緬を一反渡す。幸は人形と同じ着物を縫い、筑後座の天神記見物に十日通う。五鈴屋の蔵には桑の実色の縮緬がぎっしり詰まっていた。仕掛けが功を奏し桑の実色の反物は売れた。桑の実色は着る者の年齢によって印象が変わる。
桔梗屋は店ごと真澄屋に売るらしい。桔梗屋が売る条件を呑んで買い取るはずが、真澄屋が買い取ってから桔梗屋の条件を全く呑まないことが判った。桔梗屋は売ることを渋るが手付けを貰い、使っていた。真澄屋は銀二十貫返してくれと言う。幸は桔梗屋の買い上げに名乗りをあげる。
2017年11月18日土曜日
風烈廻り与力・青柳剣一郎㊴ 伽羅の残香
風烈廻り与力・青柳剣一郎㊴ 伽羅の残香 小杉健治
伽羅に似た香りの鬢付け油が大人気の「錦屋」の主・卯三郎は、何でも他人のものを金で奪い取ると評判だった。卯三郎を尾けていた男が殺された。剣一郎は卯三郎と錦屋を探る。
卯三郎は金を出し手に入れたものを、少しすると返していた。飽きたからという理由だが、元の持ち主は卯三郎に感謝している。子どもの風車、龍の香炉、大工の女房。
錦屋の伽羅は本物だった。卯三郎の幼馴染みの父親は念仏の五郎という盗賊だった。
元々の伽羅・鬼涙の持ち主は小野家の所有だった。鬼涙を欲しがった商人泉州屋に借金があった瀬戸家は、盗人・十蔵に鬼涙を盗ませ、泉州屋に渡していた。十蔵は殺された。仲間の五郎は泉州屋から鬼涙を盗んで、錦屋の鬢付け油の香りに使っていた。小野家の殿様は瀬戸家と泉州屋を殺そうとした。瀬戸家は家臣・吉富が勝ってにしたこととし、小野家の草間が吉富を討ち、泉州屋を討った。草間は小野家を出、浪人となり剣一郎に討たれた。
五郎は卯三郎に人のためになるようにお金を使ってくれるように頼んで死んだ。
剣一郎の妻・多恵の実家を継いでいる弟・高四郎の病気が重い。剣一郎の探索を手伝っていた文七は多恵の腹違いの弟だった。高四郎は文七に湯浅家を継いで欲しいという。
剣一郎の探索の手伝いは猫の蚤取りをしている太助がしている。
伽羅に似た香りの鬢付け油が大人気の「錦屋」の主・卯三郎は、何でも他人のものを金で奪い取ると評判だった。卯三郎を尾けていた男が殺された。剣一郎は卯三郎と錦屋を探る。
卯三郎は金を出し手に入れたものを、少しすると返していた。飽きたからという理由だが、元の持ち主は卯三郎に感謝している。子どもの風車、龍の香炉、大工の女房。
錦屋の伽羅は本物だった。卯三郎の幼馴染みの父親は念仏の五郎という盗賊だった。
元々の伽羅・鬼涙の持ち主は小野家の所有だった。鬼涙を欲しがった商人泉州屋に借金があった瀬戸家は、盗人・十蔵に鬼涙を盗ませ、泉州屋に渡していた。十蔵は殺された。仲間の五郎は泉州屋から鬼涙を盗んで、錦屋の鬢付け油の香りに使っていた。小野家の殿様は瀬戸家と泉州屋を殺そうとした。瀬戸家は家臣・吉富が勝ってにしたこととし、小野家の草間が吉富を討ち、泉州屋を討った。草間は小野家を出、浪人となり剣一郎に討たれた。
五郎は卯三郎に人のためになるようにお金を使ってくれるように頼んで死んだ。
剣一郎の妻・多恵の実家を継いでいる弟・高四郎の病気が重い。剣一郎の探索を手伝っていた文七は多恵の腹違いの弟だった。高四郎は文七に湯浅家を継いで欲しいという。
剣一郎の探索の手伝いは猫の蚤取りをしている太助がしている。
2017年11月17日金曜日
風の王国〈10〉 草原の風の如く
風の王国〈10〉 草原の風の如く 完 平谷美樹
白頭山の噴火は何度も起こり、南渤海の民を別の地域に移してゆく。
高元譲を討つために上京龍泉府 忽汗城で手引きし、協力してくれた元渤海の遣日本使・裴璆と賀伯端に 高麗や南唐、呉越、南漢、楚まで南渤海の民の受け入れを要請する使者として旅立って貰う。東日流にも民を送った。
二人の協力を得、忽汗城内に入り込んだ明秀・勇魚・蓮姫・チョルモンと二百人の東日流人によって忽汗城は落ちた。一人忽汗城から逃亡した高元譲も明秀が父母の敵として討ち取った。
尭骨は晋との戦いには勝った。だが晋の反乱を平らかに治めることは出来なかった。兀欲は薬で尭骨を殺した。季胡が皇太子だが兀欲が即位した。
突欲は晋から分捕った船で麗津を攻める。東日流軍は何個もの仕掛けで猖獗兵を殺すが数が多い猖獗兵は麗津に入り込んできた。麗津のことを知り尽くしている突欲。民の隠れている洞窟へ行く。突欲の息子・隆先も芳蘭も戦うことを決意した。夕凪の中の橘と亡くなった石奈と木垂の術で動けなくなった突欲を芳蘭が殺し、芳蘭も自死する。洞窟から皆を出し、洞窟は爆破される。陵墓とされた。
東日流軍は東日流に引き揚げた。勇魚も帰った。
明秀は夕凪と北に向かった。何年か経つ。明秀は勇魚を待っている。ひとっ走りといいながら東日流の船が着く千キロ先の吐号浦まで行く。夕凪も続く。チョルモンは一人で羊を柵に入れる。
隆先と道隠は二人で父親の話をする。これからどうするか二人で考える。
月理朶は契丹の未来を見る。兀欲は耶津安端の息子に殺され、尭骨の息子・述律が継ぐ。述律の死後五代に渡り突欲の血を継ぐ者が皇帝となる。百数十年大遼が続くらしい。
白頭山の噴火は何度も起こり、南渤海の民を別の地域に移してゆく。
高元譲を討つために上京龍泉府 忽汗城で手引きし、協力してくれた元渤海の遣日本使・裴璆と賀伯端に 高麗や南唐、呉越、南漢、楚まで南渤海の民の受け入れを要請する使者として旅立って貰う。東日流にも民を送った。
二人の協力を得、忽汗城内に入り込んだ明秀・勇魚・蓮姫・チョルモンと二百人の東日流人によって忽汗城は落ちた。一人忽汗城から逃亡した高元譲も明秀が父母の敵として討ち取った。
尭骨は晋との戦いには勝った。だが晋の反乱を平らかに治めることは出来なかった。兀欲は薬で尭骨を殺した。季胡が皇太子だが兀欲が即位した。
突欲は晋から分捕った船で麗津を攻める。東日流軍は何個もの仕掛けで猖獗兵を殺すが数が多い猖獗兵は麗津に入り込んできた。麗津のことを知り尽くしている突欲。民の隠れている洞窟へ行く。突欲の息子・隆先も芳蘭も戦うことを決意した。夕凪の中の橘と亡くなった石奈と木垂の術で動けなくなった突欲を芳蘭が殺し、芳蘭も自死する。洞窟から皆を出し、洞窟は爆破される。陵墓とされた。
東日流軍は東日流に引き揚げた。勇魚も帰った。
明秀は夕凪と北に向かった。何年か経つ。明秀は勇魚を待っている。ひとっ走りといいながら東日流の船が着く千キロ先の吐号浦まで行く。夕凪も続く。チョルモンは一人で羊を柵に入れる。
隆先と道隠は二人で父親の話をする。これからどうするか二人で考える。
月理朶は契丹の未来を見る。兀欲は耶津安端の息子に殺され、尭骨の息子・述律が継ぐ。述律の死後五代に渡り突欲の血を継ぐ者が皇帝となる。百数十年大遼が続くらしい。
2017年11月16日木曜日
風の王国〈9〉 運命の足音
風の王国〈9〉 運命の足音 平谷美樹
明秀の元に15才になったチョルモンが来た。蓮姫は夕凪にチョルモンを預けた。
高氏渤海が須哩奴夷靺鞨の幕営地を攻めにきた。明秀とチョルモンは雷公を持って助けに行く。黒水の向こう岸に追い返す。
突欲率いる猖獗兵が硝硫炭を持った。遼陽城の硝硫炭の工房を潰しに行く。爆破させる。
突欲の息子・兀欲は見近で尭骨を見、尭骨は阿保機を殺したのは尭骨だろうと思うようになった。
明秀の元に15才になったチョルモンが来た。蓮姫は夕凪にチョルモンを預けた。
高氏渤海が須哩奴夷靺鞨の幕営地を攻めにきた。明秀とチョルモンは雷公を持って助けに行く。黒水の向こう岸に追い返す。
突欲率いる猖獗兵が硝硫炭を持った。遼陽城の硝硫炭の工房を潰しに行く。爆破させる。
突欲の息子・兀欲は見近で尭骨を見、尭骨は阿保機を殺したのは尭骨だろうと思うようになった。
2017年11月15日水曜日
風の市兵衛⑲ 遠き潮騒
風の市兵衛⑲ 遠き潮騒 辻堂魁
干鰯〆粕問屋「下総屋」の主人・善之助が殺され調べを始めた渋井鬼三次43才は、善之助がひっかいた後が残る久蔵という男に目を付けた。銚子から来た男だった。銚子に行く。
公儀小人目付役・返弥陀ノ介かえりみだのすけは子どもの頃世話になった八十石の御家人松山家の隠居から二年半前に亡くなったことになっている長男・松山卓を見た者がいるので確かめて来て欲しいと頼まれる。卓は弥陀ノ介の幼馴染みだった。銚子湊の勘定所番所の務場に赴任し行方不明になっていた。亡くなったとみなされ弟が出仕していた。弥陀ノ介は休みをとり銚子に行く。
唐木市兵衛40才は兄・旗本千五百石目付片岡信正に頼まれ弥陀ノ介と一緒に銚子に行く。弥陀ノ介を助けるためだが、三年前、銚子湊に幕領米の密米の噂があった。気になりながらそのままにしたことが気になっているということだった。一緒に調べるつもりで行く。
渋井は顎にひっかき傷のある男久蔵が、鯵切の団六という人斬り家業をしている者だと判った。渋井は捕まえた。密米を江戸へ流す船便の相談をし、断られたために殺していた。
卓は見付かった。怪我をし、浜に打ち上げられ、助けられていた。記憶を無くし所帯を持ち子どもが出来ていた。今では記憶も戻っている。三年前、米の密米に気がつきこっそり調べ始めたとたん、崖から落とされたのだった。三年前、卓を殺したつもりだった者が、卓が行きていると判り命を狙ってきた。市兵衛と弥陀ノ介は捕まえた。銚子の務場の役人は自害した。
卓は卓に頼まれた者ということで松山家を訪れた。松山家に帰らない決心を告げる。
市兵衛は見合い相手の父親と会うことになった。
干鰯〆粕問屋「下総屋」の主人・善之助が殺され調べを始めた渋井鬼三次43才は、善之助がひっかいた後が残る久蔵という男に目を付けた。銚子から来た男だった。銚子に行く。
公儀小人目付役・返弥陀ノ介かえりみだのすけは子どもの頃世話になった八十石の御家人松山家の隠居から二年半前に亡くなったことになっている長男・松山卓を見た者がいるので確かめて来て欲しいと頼まれる。卓は弥陀ノ介の幼馴染みだった。銚子湊の勘定所番所の務場に赴任し行方不明になっていた。亡くなったとみなされ弟が出仕していた。弥陀ノ介は休みをとり銚子に行く。
唐木市兵衛40才は兄・旗本千五百石目付片岡信正に頼まれ弥陀ノ介と一緒に銚子に行く。弥陀ノ介を助けるためだが、三年前、銚子湊に幕領米の密米の噂があった。気になりながらそのままにしたことが気になっているということだった。一緒に調べるつもりで行く。
渋井は顎にひっかき傷のある男久蔵が、鯵切の団六という人斬り家業をしている者だと判った。渋井は捕まえた。密米を江戸へ流す船便の相談をし、断られたために殺していた。
卓は見付かった。怪我をし、浜に打ち上げられ、助けられていた。記憶を無くし所帯を持ち子どもが出来ていた。今では記憶も戻っている。三年前、米の密米に気がつきこっそり調べ始めたとたん、崖から落とされたのだった。三年前、卓を殺したつもりだった者が、卓が行きていると判り命を狙ってきた。市兵衛と弥陀ノ介は捕まえた。銚子の務場の役人は自害した。
卓は卓に頼まれた者ということで松山家を訪れた。松山家に帰らない決心を告げる。
市兵衛は見合い相手の父親と会うことになった。
2017年11月14日火曜日
着物始末暦〈七〉 なでしこ日和
着物始末暦〈七〉 なでしこ日和 中島要
男花 呉服太物問屋大隅屋の綾太郎に玉との離婚を強要する井筒屋の愁介は後藤屋の後ろ盾が欲しいのだろうと考えた綾太郎は、後藤屋は身内の情に流されない、商人として認められないと駄目なんだと言って愁介を後藤屋の隠居に会わせることにした。玉を諦めるという条件で。どんな格好で月見に来るか楽しみだと言う後藤屋。愁介は着物の裾に蝙蝠の刺繍を入れていた。裏が雑なのを見て半端な工夫ならしない方がいい、良い生地が刺繍のせいで台無しだと批評する。綾太郎は余一が始末した黒羽織にすすきの刺繍だった。裏表のない男が好かれると言った余一は表も裏も変わらない刺繍をしていた。愁介はもっと人の気持ちを考えろと言われた。娘の嫁ぎ先の素性も知らんくせにという愁介の言葉を若造が知ってることをこの年寄が知らないとでも。という言葉で遮った。愁介は帰った。後藤屋の隠居は淡路堂の話をしながら、道を選ぶ時は険しい道を選ぶべきだ。後藤屋はそういう商いをする人の後見をすると言う。輝のことは桐屋の光之助が、おまえさんは玉のことを頼む。守ってやってくれと言われる。
二つの藍 余一は始末したしごきを六助に店に持ってきた。糸が貰った井筒屋が配った美人の証しのしごきを二つに切り一枚は韓紅に水浅葱、もう一枚は韓紅に二藍を真ん中で縫い合わせたしごきだった。六助は何度も店に足を運ぶ今は落ちぶれて苦労している娘に安く売ってしまう。娘に売ったしごきを持って井筒屋の愁介がしごきを作った人を探しにくる。六助は親方が余一を井筒屋に近づけるなと言った言葉を思い出す。愁介は余一に井筒屋の仕事をして欲しいというが、余一は古着が好きだから新品には興味がないと追い返す。六助は今のは腹違いの弟だ。おまえは天涯孤独ではないと心で思う。
なでしこ日和 余一との結婚を反対している糸の父親に会いにいくことを許された。父親は「一緒になる気はない」と言った余一を許せない。九月一日に祝言を挙げることになった。母親の形見のなでしこの着物に余一が始末した黒繻子に糸巻きの刺繍の帯を締めることになった。
三つの宝珠 余一は発破をかけてくれたみつに余一が始末した小ぶりの風呂敷を渡した。三つの宝珠を刺繍された風呂敷だった。
男花 呉服太物問屋大隅屋の綾太郎に玉との離婚を強要する井筒屋の愁介は後藤屋の後ろ盾が欲しいのだろうと考えた綾太郎は、後藤屋は身内の情に流されない、商人として認められないと駄目なんだと言って愁介を後藤屋の隠居に会わせることにした。玉を諦めるという条件で。どんな格好で月見に来るか楽しみだと言う後藤屋。愁介は着物の裾に蝙蝠の刺繍を入れていた。裏が雑なのを見て半端な工夫ならしない方がいい、良い生地が刺繍のせいで台無しだと批評する。綾太郎は余一が始末した黒羽織にすすきの刺繍だった。裏表のない男が好かれると言った余一は表も裏も変わらない刺繍をしていた。愁介はもっと人の気持ちを考えろと言われた。娘の嫁ぎ先の素性も知らんくせにという愁介の言葉を若造が知ってることをこの年寄が知らないとでも。という言葉で遮った。愁介は帰った。後藤屋の隠居は淡路堂の話をしながら、道を選ぶ時は険しい道を選ぶべきだ。後藤屋はそういう商いをする人の後見をすると言う。輝のことは桐屋の光之助が、おまえさんは玉のことを頼む。守ってやってくれと言われる。
二つの藍 余一は始末したしごきを六助に店に持ってきた。糸が貰った井筒屋が配った美人の証しのしごきを二つに切り一枚は韓紅に水浅葱、もう一枚は韓紅に二藍を真ん中で縫い合わせたしごきだった。六助は何度も店に足を運ぶ今は落ちぶれて苦労している娘に安く売ってしまう。娘に売ったしごきを持って井筒屋の愁介がしごきを作った人を探しにくる。六助は親方が余一を井筒屋に近づけるなと言った言葉を思い出す。愁介は余一に井筒屋の仕事をして欲しいというが、余一は古着が好きだから新品には興味がないと追い返す。六助は今のは腹違いの弟だ。おまえは天涯孤独ではないと心で思う。
なでしこ日和 余一との結婚を反対している糸の父親に会いにいくことを許された。父親は「一緒になる気はない」と言った余一を許せない。九月一日に祝言を挙げることになった。母親の形見のなでしこの着物に余一が始末した黒繻子に糸巻きの刺繍の帯を締めることになった。
三つの宝珠 余一は発破をかけてくれたみつに余一が始末した小ぶりの風呂敷を渡した。三つの宝珠を刺繍された風呂敷だった。
2017年11月13日月曜日
奏者番陰記録
奏者番陰記録 上田秀人
水野備後守元綱は出世の入口奏者番に取り立てられる。
福島家を牢人して六年前に水野家の家人になり供先徒をしていた林右近が黒鍬者とのいざこざを上手く治め目が留まり奏者番関係の留役五人に入れられる。
松平伊豆守の引きを得る。由井正雪の事件が起こり、右近は元綱の命で事件を調べる。
家光は大名家を潰し浪人を輩出した。死にさいして松平伊豆守を残した。家光に牢人問題を片づけるために残された。由井正雪事件は伊豆守が仕立てた者だった。
六年後、明暦三年火事がおこり死者は十万人を超えた。
水野備後守は辞職を願う。許されず二年後、職を離れた。十年後跡取り元綱が乱心、水野家は改易となった。
水野備後守元綱は出世の入口奏者番に取り立てられる。
福島家を牢人して六年前に水野家の家人になり供先徒をしていた林右近が黒鍬者とのいざこざを上手く治め目が留まり奏者番関係の留役五人に入れられる。
松平伊豆守の引きを得る。由井正雪の事件が起こり、右近は元綱の命で事件を調べる。
家光は大名家を潰し浪人を輩出した。死にさいして松平伊豆守を残した。家光に牢人問題を片づけるために残された。由井正雪事件は伊豆守が仕立てた者だった。
六年後、明暦三年火事がおこり死者は十万人を超えた。
水野備後守は辞職を願う。許されず二年後、職を離れた。十年後跡取り元綱が乱心、水野家は改易となった。
2017年11月12日日曜日
うき世櫛
うき世櫛 中島要
天保十一年 1840年
結15才は髪結いの夕を師匠に半年前から髪結いを習っている。十年前に母が亡くなり、藩を離れた父親が代書や写本をしていたが、今年の正月に亡くなった。紹介された奉公先から一ヶ月で暇をだされ行き場の無い結を何かの縁だと夕が引き取った。女髪結いは公儀から禁じられていた。結はこのままでいいのか迷いがある。
柏屋の娘・久は食べ物を受付けず死を待つばかりだった。縁談相手の店の経営が心配になった父親に破談にされ、無理をした縁談相手が亡くなった。別の縁談話をもってくる父親に反抗し何も口にしなくなった。それから久は食べても吐くようになってしまった。死ぬ前に死んでも髪を残してと言う久の遺言を聞き、夕は親にも逆らって髪をきれいに結って棺桶に入れる。
夕のお客様の足袋屋のご隠居さんは、十五で父親を亡くした息子が店を継ぐまで頑張り息子に店を渡し隠居していた。店が火事になり隠居は自分が大切にしていた櫛や簪を夕に頼み買い手を探してもらい、まとまったお金を息子に渡す。結は再度頼む息子をしからなくては駄目だと隠居に言う。残した櫛は孫に渡すものなのだから。隠居は息子と一緒に住むことになった。
蝋燭問屋松川屋は、新造の千佳に子がなく、五年前に妾の子・松之助を引き取り育っている。時々松之助を千佳が妾の所に連れて行く。千佳に子が出来た。結は松之助を帰すべきだという。松之助は本当の母親と暮らしただろうからと。松之助を返して欲しいという妾と話に行った千佳を追った松之助は本当に母親に対して、おっかあをいじめるなと怒った。
同じ長屋のるりは、棒手振りの魚屋徳松と恋仲だ。絹の良い着物が着られない現在、祝言を挙げたくないと言いながら伸ばしていいる。徳松に魚辰のお嬢さんとの縁談が起きた。徳松はるりと祝言をあげる気でいた。るりも祝言を挙げる決心をする。るりの打掛けは母親が縫っていた。夕が髪を結う。同じ長屋の夫婦が密告屋をしていることが判った。そんな中でるいは徳松に自分が飛びっきりきれいな姿を見て欲しいと祝言を挙げる。
夕は元芸者だった。お座敷で客を庇い顔に傷を負い芸者を止めて守結いの修業をしていた。庇った客は遠山奉行だった。結は夕が髪結いを止めても大丈夫なように遠山からお金を出してもらおうと思った。遠山も同じように考えていたらしく遠山がお金を出した。が夕は受け取らなかった。顔に傷のある髪結いのうわさがでた。大名の隠し子だとか、香具師の情婦だとか、大目付の手先だとか、大変な後ろ立てがある等。
天保十一年 1840年
結15才は髪結いの夕を師匠に半年前から髪結いを習っている。十年前に母が亡くなり、藩を離れた父親が代書や写本をしていたが、今年の正月に亡くなった。紹介された奉公先から一ヶ月で暇をだされ行き場の無い結を何かの縁だと夕が引き取った。女髪結いは公儀から禁じられていた。結はこのままでいいのか迷いがある。
柏屋の娘・久は食べ物を受付けず死を待つばかりだった。縁談相手の店の経営が心配になった父親に破談にされ、無理をした縁談相手が亡くなった。別の縁談話をもってくる父親に反抗し何も口にしなくなった。それから久は食べても吐くようになってしまった。死ぬ前に死んでも髪を残してと言う久の遺言を聞き、夕は親にも逆らって髪をきれいに結って棺桶に入れる。
夕のお客様の足袋屋のご隠居さんは、十五で父親を亡くした息子が店を継ぐまで頑張り息子に店を渡し隠居していた。店が火事になり隠居は自分が大切にしていた櫛や簪を夕に頼み買い手を探してもらい、まとまったお金を息子に渡す。結は再度頼む息子をしからなくては駄目だと隠居に言う。残した櫛は孫に渡すものなのだから。隠居は息子と一緒に住むことになった。
蝋燭問屋松川屋は、新造の千佳に子がなく、五年前に妾の子・松之助を引き取り育っている。時々松之助を千佳が妾の所に連れて行く。千佳に子が出来た。結は松之助を帰すべきだという。松之助は本当の母親と暮らしただろうからと。松之助を返して欲しいという妾と話に行った千佳を追った松之助は本当に母親に対して、おっかあをいじめるなと怒った。
同じ長屋のるりは、棒手振りの魚屋徳松と恋仲だ。絹の良い着物が着られない現在、祝言を挙げたくないと言いながら伸ばしていいる。徳松に魚辰のお嬢さんとの縁談が起きた。徳松はるりと祝言をあげる気でいた。るりも祝言を挙げる決心をする。るりの打掛けは母親が縫っていた。夕が髪を結う。同じ長屋の夫婦が密告屋をしていることが判った。そんな中でるいは徳松に自分が飛びっきりきれいな姿を見て欲しいと祝言を挙げる。
夕は元芸者だった。お座敷で客を庇い顔に傷を負い芸者を止めて守結いの修業をしていた。庇った客は遠山奉行だった。結は夕が髪結いを止めても大丈夫なように遠山からお金を出してもらおうと思った。遠山も同じように考えていたらしく遠山がお金を出した。が夕は受け取らなかった。顔に傷のある髪結いのうわさがでた。大名の隠し子だとか、香具師の情婦だとか、大目付の手先だとか、大変な後ろ立てがある等。
2017年11月11日土曜日
隅田川御用帳〈十七〉 寒梅
隅田川御用帳〈十七〉 寒梅 藤原緋沙子
霜月の末に塙十四郎と登勢は祝言を挙げた。
寒椿 数日後、松平定信の密偵を頼まれた。越後秋山藩五万石に来ている。
藩主幸忠18才は国家老戸田により軟禁状態にあった。先代藩主の息子・松之助を藩主にしようとしていた。殿は病気という。十四郎は城に忍び込み幸忠に会う。毎日薬を盛られ徐々に病気が重くなる振りをしていた。戸田に命じられた玄斎は言われた通にしなかった。
三日後、みんなの居る前で殿は死んだふりをする。次期藩主は松之助にと遺言されたと言う戸田家老の前でそんな遺言をしていないと殿様が目覚める。戸田派は捕まった。
海なり 塙十四郎は白河藩の飛び地・柏崎に行く。四人組の盗賊が神出鬼没、いろんな所に現れ、死亡者が出ていた。去年、佐渡の金銀を運ぶ途中で人足不足、荷の積み直し作業で銀十貫が残され、今年運ぶことになっていた。その銀を狙ってくるところを捕まえた。
霜月の末に塙十四郎と登勢は祝言を挙げた。
寒椿 数日後、松平定信の密偵を頼まれた。越後秋山藩五万石に来ている。
藩主幸忠18才は国家老戸田により軟禁状態にあった。先代藩主の息子・松之助を藩主にしようとしていた。殿は病気という。十四郎は城に忍び込み幸忠に会う。毎日薬を盛られ徐々に病気が重くなる振りをしていた。戸田に命じられた玄斎は言われた通にしなかった。
三日後、みんなの居る前で殿は死んだふりをする。次期藩主は松之助にと遺言されたと言う戸田家老の前でそんな遺言をしていないと殿様が目覚める。戸田派は捕まった。
海なり 塙十四郎は白河藩の飛び地・柏崎に行く。四人組の盗賊が神出鬼没、いろんな所に現れ、死亡者が出ていた。去年、佐渡の金銀を運ぶ途中で人足不足、荷の積み直し作業で銀十貫が残され、今年運ぶことになっていた。その銀を狙ってくるところを捕まえた。
2017年11月10日金曜日
おれは一万石
おれは一万石 千野隆司
天明六年 1786年 将軍家治と跡継ぎ家斉を前にした上覧試合が行われる。
最後に残ったのは、美濃今尾藩三万石竹腰勝起の次男・竹腰正紀17才と常陸下妻藩一万石井上正棠の長男・井上正広15才だった。井上正広が勝った。
竹腰正紀に縁談があった。下総高岡藩一万石井上家に娘・京19才。藩主・正国は正紀の父・勝起の弟だった。正紀の祖父は尾張徳川家八代徳川宗勝、勝起は八男、正国は十男だった。尾張家当主は叔父・宗睦が継いでいる。正紀の兄・睦群は尾張藩付家老をしている。
正紀は正国と娘・京に会いに高岡藩上屋敷に行く。門前払いされている名主の息子・申彦に会う。利根川の堰が切れそうなので杭が二千本欲しいという話だった。正国に話しても江戸家老・児島に話しても上手くいかない。まだ婿入りが決まったわけでもないが正紀は手を貸すことになった。
正紀の婿入りが決まった。高岡藩と下妻藩の本家・浜松藩の集まりに行く。浜松藩の当主・正甫12才と下妻藩当主・正棠34才と顔合わせする。下妻藩の正広・正建兄弟・江戸家老・園田次五郎兵衛とも会った。
正紀は中老・佐名木源三郎から下妻藩の園田が次男・正建を藩主にするために嫡男・正広を高岡藩に婿入りさせることを考えているということを教えられる。
杭八百本を高岡藩は用意した。正紀は尾張藩・宗睦から千二百本を餞別として送られ下野国阿久津河岸から鬼怒川利用で送ることになった。正紀付き中小姓・植村21才と阿久津まで行く。京にも高岡へ行くことを伝える。山王権現の守り袋を貰う。
阿久津で受け取るはずの杭、六百本を偽の荷送り書で盗まれたが取り返し、激しい流れの中で船を襲い正紀たちの命を狙い、杭を流そうとする三人の侍を撃退した。雨の中で川ぎりぎりの所に杭を打ち土嚢を運ぶ、正紀と植村も作業をする。侍に命を狙われる。撃退する。雨が止んだが寝ずに川の番をする。
江戸への帰り道、行徳の塩問屋桜井屋長兵衛と知り合い、命を狙った浪人と侍に傷を負わされた青山を桜井屋に預け、植村を佐名木への連絡に行かせ、正紀は捕まえた下妻藩の侍を連れて後から江戸に向かうことにした。
佐名木は正広から下妻藩の様子を聞き、船着き場で待つ。船着き場目前に船で襲われた。正広と同門の高積見廻り与力・山野辺蔵之介が助けに来てくれ、正広も佐名木も加わった。正広が捕まえた侍を下妻藩の瀬川と断じた。
下妻藩の園田は切腹、園田家は減封になった。正広は下妻藩の跡継ぎとして公儀に届けられた。正紀の婿入りは遡って八月九日になっていた。竹腰正紀は井上正紀になった。植村も高岡藩に移った。
正紀と正広は稽古試合をした。
天明六年 1786年 将軍家治と跡継ぎ家斉を前にした上覧試合が行われる。
最後に残ったのは、美濃今尾藩三万石竹腰勝起の次男・竹腰正紀17才と常陸下妻藩一万石井上正棠の長男・井上正広15才だった。井上正広が勝った。
竹腰正紀に縁談があった。下総高岡藩一万石井上家に娘・京19才。藩主・正国は正紀の父・勝起の弟だった。正紀の祖父は尾張徳川家八代徳川宗勝、勝起は八男、正国は十男だった。尾張家当主は叔父・宗睦が継いでいる。正紀の兄・睦群は尾張藩付家老をしている。
正紀は正国と娘・京に会いに高岡藩上屋敷に行く。門前払いされている名主の息子・申彦に会う。利根川の堰が切れそうなので杭が二千本欲しいという話だった。正国に話しても江戸家老・児島に話しても上手くいかない。まだ婿入りが決まったわけでもないが正紀は手を貸すことになった。
正紀の婿入りが決まった。高岡藩と下妻藩の本家・浜松藩の集まりに行く。浜松藩の当主・正甫12才と下妻藩当主・正棠34才と顔合わせする。下妻藩の正広・正建兄弟・江戸家老・園田次五郎兵衛とも会った。
正紀は中老・佐名木源三郎から下妻藩の園田が次男・正建を藩主にするために嫡男・正広を高岡藩に婿入りさせることを考えているということを教えられる。
杭八百本を高岡藩は用意した。正紀は尾張藩・宗睦から千二百本を餞別として送られ下野国阿久津河岸から鬼怒川利用で送ることになった。正紀付き中小姓・植村21才と阿久津まで行く。京にも高岡へ行くことを伝える。山王権現の守り袋を貰う。
阿久津で受け取るはずの杭、六百本を偽の荷送り書で盗まれたが取り返し、激しい流れの中で船を襲い正紀たちの命を狙い、杭を流そうとする三人の侍を撃退した。雨の中で川ぎりぎりの所に杭を打ち土嚢を運ぶ、正紀と植村も作業をする。侍に命を狙われる。撃退する。雨が止んだが寝ずに川の番をする。
江戸への帰り道、行徳の塩問屋桜井屋長兵衛と知り合い、命を狙った浪人と侍に傷を負わされた青山を桜井屋に預け、植村を佐名木への連絡に行かせ、正紀は捕まえた下妻藩の侍を連れて後から江戸に向かうことにした。
佐名木は正広から下妻藩の様子を聞き、船着き場で待つ。船着き場目前に船で襲われた。正広と同門の高積見廻り与力・山野辺蔵之介が助けに来てくれ、正広も佐名木も加わった。正広が捕まえた侍を下妻藩の瀬川と断じた。
下妻藩の園田は切腹、園田家は減封になった。正広は下妻藩の跡継ぎとして公儀に届けられた。正紀の婿入りは遡って八月九日になっていた。竹腰正紀は井上正紀になった。植村も高岡藩に移った。
正紀と正広は稽古試合をした。
2017年11月9日木曜日
町奉行内与力奮闘記〈五〉 宣戦の烽
町奉行内与力奮闘記〈五〉 宣戦の烽 上田秀人
内与力・城見亨と親しいため播磨屋伊右衛門の姪・西咲江が闇の者に狙われていることが播磨屋の知る所となった。城見亨の主・曲淵甲斐守を追い落とそうとする町方役人の思惑だった。播磨屋から聞かされた甲斐守は闇の者と手を結ぶ与力同心など言語同断。全面対決を決意する。甲斐守から咲江の護衛を命じられる。咲江は囮になって刺客をあぶり出し元締め・陰蔵の組織を潰そうとしていた。隠密廻り同心・江崎羊太郎は甲斐守に付いた。甲斐守は奉行所の配下全部が一枚岩でない事が分かった。
咲江を勾引かそうとしたものは撃退した。陰蔵の居場所を突き止めた。陰蔵は旗本屋敷に入った。
陰蔵の失敗を突きつけ、甲斐守は吟味方筆頭与力・竹林一栄に降伏を求めた。竹林は拒否し、甲斐守は竹林を敵とみなした。奉行所は何もしない。そのために起こることの責任は町奉行甲斐守が取らされると言い放つ。年番方与力・左中居作吾は答えを保留する。年番方はどちらにも組みしないという。
顔なじみになった闇都の付き合いを亨が任された。
陰蔵が 旗本屋敷に逃げ込んだことを知った、甲斐守は目付け部屋に行く。
内与力・城見亨と親しいため播磨屋伊右衛門の姪・西咲江が闇の者に狙われていることが播磨屋の知る所となった。城見亨の主・曲淵甲斐守を追い落とそうとする町方役人の思惑だった。播磨屋から聞かされた甲斐守は闇の者と手を結ぶ与力同心など言語同断。全面対決を決意する。甲斐守から咲江の護衛を命じられる。咲江は囮になって刺客をあぶり出し元締め・陰蔵の組織を潰そうとしていた。隠密廻り同心・江崎羊太郎は甲斐守に付いた。甲斐守は奉行所の配下全部が一枚岩でない事が分かった。
咲江を勾引かそうとしたものは撃退した。陰蔵の居場所を突き止めた。陰蔵は旗本屋敷に入った。
陰蔵の失敗を突きつけ、甲斐守は吟味方筆頭与力・竹林一栄に降伏を求めた。竹林は拒否し、甲斐守は竹林を敵とみなした。奉行所は何もしない。そのために起こることの責任は町奉行甲斐守が取らされると言い放つ。年番方与力・左中居作吾は答えを保留する。年番方はどちらにも組みしないという。
顔なじみになった闇都の付き合いを亨が任された。
陰蔵が 旗本屋敷に逃げ込んだことを知った、甲斐守は目付け部屋に行く。
2017年11月8日水曜日
しゃばけシリーズ〈16〉 とるとだす
しゃばけシリーズ〈16〉 とるとだす 畠中恵
とるとだす 薬種問屋の主たちが和薬改会所を作るか作らないか長崎屋を自分たちの方に付けるために、広徳寺に集まっていた。長崎屋の主・籐兵衛は若旦那・一太郎の病気が治るという上方の薬屋の薬を飲んだ。他の薬も飲まざるを得なくなり五種類もの薬を飲んで意識不明になってしまった。一種類ずつ解毒していく。目を開いた。
しんのいみ 枕返しを探しに一太郎は蜃気楼の中に入る。枕探しに枕を返して貰うと飲んでしまった薬を吐き出せるかもしれないから枕返しを探していた。蜃気楼の主・蛟龍が天に上り龍になろうとしていた。天に昇る道と帰る道が開いた。見付けた坂左さんに籐兵衛の枕をひっくり返して欲しいと頼む。雨の塊に打ち付けられ気がついたら長崎屋に戻っていた。
籐兵衛の病は一段軽くなった。話せるようになった。
ばけねこつき 染物屋小東屋が番頭と娘・糸を連れて糸を一太郎の嫁にと言ってきた。大坂から伝わった秘伝の薬を持参金代わりに付けるという。糸が化け猫憑きといわれ二度縁談が壊れていた。小東屋が蔵にしまい込んだ秘伝薬の作り方を書いた物を持って長崎屋を訪れる途中、番頭が奪おうとした。番頭に秘伝薬を譲るとか店を持たせるとか言葉で釣り、番頭に何もしない。番頭は縁談を潰し、書付が蔵から出る時を作った。鳴家たちのために持って遁げることは出来なかったが番頭は店を辞め、馬久や金次やおしろたちと住んでいるうちに周りのおかみさんに奨められ、煮売り屋の三人の子持ちの亭主が亡くなったおかみさんと所帯を持つことになった。
長崎屋の主が死んだ 長崎屋に狂骨が現れた。狂骨の主は吉原の遊女・菊を好きになった広徳寺の僧・安時だった。菊は年期が明け、安時は還俗し所帯を持つ予定だった。菊は瘡毒だった。小検使に告げられた菊は井戸に身を投げ、安時も後を追った。安時は何故治せないと薬家長崎屋に現れたのだった。寛朝の護符を持った鳴家を狂骨に投げ、狂骨はいなくなった。
ふろうふし 大黒様の少彦名神・薬祖神への文を持って常世へ行くことになった。途中、神田で落ちてしまう。一寸法師と金時が常世から非時香菓を持ち出した島子を追いかけていた。非時香菓を狙う侍に追いかけられていた。一太郎は橘の実を川に流し非時香菓は流れて無くなったと言いくるめた。一寸法師は少彦名神だった。毒消しを貰い籐兵衛は元気になった。
とるとだす 薬種問屋の主たちが和薬改会所を作るか作らないか長崎屋を自分たちの方に付けるために、広徳寺に集まっていた。長崎屋の主・籐兵衛は若旦那・一太郎の病気が治るという上方の薬屋の薬を飲んだ。他の薬も飲まざるを得なくなり五種類もの薬を飲んで意識不明になってしまった。一種類ずつ解毒していく。目を開いた。
しんのいみ 枕返しを探しに一太郎は蜃気楼の中に入る。枕探しに枕を返して貰うと飲んでしまった薬を吐き出せるかもしれないから枕返しを探していた。蜃気楼の主・蛟龍が天に上り龍になろうとしていた。天に昇る道と帰る道が開いた。見付けた坂左さんに籐兵衛の枕をひっくり返して欲しいと頼む。雨の塊に打ち付けられ気がついたら長崎屋に戻っていた。
籐兵衛の病は一段軽くなった。話せるようになった。
ばけねこつき 染物屋小東屋が番頭と娘・糸を連れて糸を一太郎の嫁にと言ってきた。大坂から伝わった秘伝の薬を持参金代わりに付けるという。糸が化け猫憑きといわれ二度縁談が壊れていた。小東屋が蔵にしまい込んだ秘伝薬の作り方を書いた物を持って長崎屋を訪れる途中、番頭が奪おうとした。番頭に秘伝薬を譲るとか店を持たせるとか言葉で釣り、番頭に何もしない。番頭は縁談を潰し、書付が蔵から出る時を作った。鳴家たちのために持って遁げることは出来なかったが番頭は店を辞め、馬久や金次やおしろたちと住んでいるうちに周りのおかみさんに奨められ、煮売り屋の三人の子持ちの亭主が亡くなったおかみさんと所帯を持つことになった。
長崎屋の主が死んだ 長崎屋に狂骨が現れた。狂骨の主は吉原の遊女・菊を好きになった広徳寺の僧・安時だった。菊は年期が明け、安時は還俗し所帯を持つ予定だった。菊は瘡毒だった。小検使に告げられた菊は井戸に身を投げ、安時も後を追った。安時は何故治せないと薬家長崎屋に現れたのだった。寛朝の護符を持った鳴家を狂骨に投げ、狂骨はいなくなった。
ふろうふし 大黒様の少彦名神・薬祖神への文を持って常世へ行くことになった。途中、神田で落ちてしまう。一寸法師と金時が常世から非時香菓を持ち出した島子を追いかけていた。非時香菓を狙う侍に追いかけられていた。一太郎は橘の実を川に流し非時香菓は流れて無くなったと言いくるめた。一寸法師は少彦名神だった。毒消しを貰い籐兵衛は元気になった。
2017年11月7日火曜日
口入れ屋用心棒㊳ 武者鼠の爪
口入れ屋用心棒㊳ 武者鼠の爪 鈴木英治
雄哲と助手・一之輔を探しに川越に行く。
城代家老の新発田屋敷で軟禁状態で八重の解毒をしていた。藩主の弟が次期藩主と思われていたが八重が懐妊し、八重の命が狙われた。
左腕を骨折している湯瀬直之進と倉田佐之助は川越忍と戦い、雄哲の手に薬が入ることを助ける。
雄哲と助手・一之輔を探しに川越に行く。
城代家老の新発田屋敷で軟禁状態で八重の解毒をしていた。藩主の弟が次期藩主と思われていたが八重が懐妊し、八重の命が狙われた。
左腕を骨折している湯瀬直之進と倉田佐之助は川越忍と戦い、雄哲の手に薬が入ることを助ける。
2017年11月6日月曜日
渡り辻番人情帖② 浅草の月
渡り辻番人情帖② 浅草の月 吉田雄亮
御家人の三男だった浅井源三郎は侍を辞め辻番請負人組合に所属する組合辻番人入「吾妻屋」主人・文蔵に奉公している。古着屋の娘・千賀と一緒になるため辻番になった。文蔵が人柄と天真正伝神道流免許皆伝の腕に惚れ込み揉め事の多い辻番所へ出向き厄介事を落着し後任に任せるという役割を担う渡り辻番として年三十両で雇われた。
二十軒茶屋御福の茶 酔った大番組番士と寺侍の間に入った辻番人頭が峰打ちされ大怪我をして動けなくなったため源三郎が薬師橋たもとの辻番人頭に任じられた。
刀にぶつかった母子を刀で叩きのめそうとしている番士から母子を護ろうとした源三郎。番士・高部を止めようとしている武士は源三郎と同門の中山良次郎だった。高部は刀を引き去った。翌日、源三郎は中山を通じて高部に呼び出され、大番組組屋敷で組屋敷支配・石沢の前で高部と試合をすることになった。高部は剣を落とし決着した。
水茶屋で働く藤が辻番所の前に佇み毎日大塚新次郎を待っていた。大塚新次郎は敵を探していた。その生活を藤が支えていた。新次郎の敵は見付かっていた。桶職人になり妻も子もあった。新次郎の敵討ちが終わることを待っている母が国許にいた。新次郎は藤を置いて国許に帰りたくない。仇討をすることに躊躇いがあった。桶職人に立会いの申し入れをしながら仇討を止める。刀を捨てる。職人になる道を選んだ。
新堀薬師橋 茶店に子どもが置き去りにされた。千賀が預かる。小間物問屋「倉見屋」の末松だと判った。倉見屋の内儀が旗本八百石柴田勘太夫の屋敷で行儀見習いをしていた。嫡男の子どもを身ごもり、家に帰された。嫡男が病になり跡継ぎがいなくなるため倉見屋の末松3才を連れ帰ろうとしていた。店は見張られ、毎日嫌がらせに来ていることが分かり、源三郎は火付盗賊改役与力・和田隆太郎から若年寄に訴えようとした。店を見張る家臣を捕まえ、柴田勘太夫に事を荒立たせると家禄召し上げということもある。と話を持ちかけてもらい、向後一切倉見屋には関わらぬと言う約定書をいただいた。
源三郎に五百石の旗本・金子惣右衛門からの養子話しが来た。石沢は武士を捨て町人になった男がいる。このまま埋もれさせるのはもったいない男だと源三郎を褒めちぎって回るため養子を探している金子から話がきたのだった。源三郎の兄は乗り気だ。千賀は妾にして妻は親戚から貰うという話になっていた。源三郎は断りに行くが、会ってみて金子はもっと乗り気になる。妻も源三郎を気に入るが、金子に諦めさす。源三郎の下に諦めるという手紙が届く。
御家人の三男だった浅井源三郎は侍を辞め辻番請負人組合に所属する組合辻番人入「吾妻屋」主人・文蔵に奉公している。古着屋の娘・千賀と一緒になるため辻番になった。文蔵が人柄と天真正伝神道流免許皆伝の腕に惚れ込み揉め事の多い辻番所へ出向き厄介事を落着し後任に任せるという役割を担う渡り辻番として年三十両で雇われた。
二十軒茶屋御福の茶 酔った大番組番士と寺侍の間に入った辻番人頭が峰打ちされ大怪我をして動けなくなったため源三郎が薬師橋たもとの辻番人頭に任じられた。
刀にぶつかった母子を刀で叩きのめそうとしている番士から母子を護ろうとした源三郎。番士・高部を止めようとしている武士は源三郎と同門の中山良次郎だった。高部は刀を引き去った。翌日、源三郎は中山を通じて高部に呼び出され、大番組組屋敷で組屋敷支配・石沢の前で高部と試合をすることになった。高部は剣を落とし決着した。
水茶屋で働く藤が辻番所の前に佇み毎日大塚新次郎を待っていた。大塚新次郎は敵を探していた。その生活を藤が支えていた。新次郎の敵は見付かっていた。桶職人になり妻も子もあった。新次郎の敵討ちが終わることを待っている母が国許にいた。新次郎は藤を置いて国許に帰りたくない。仇討をすることに躊躇いがあった。桶職人に立会いの申し入れをしながら仇討を止める。刀を捨てる。職人になる道を選んだ。
新堀薬師橋 茶店に子どもが置き去りにされた。千賀が預かる。小間物問屋「倉見屋」の末松だと判った。倉見屋の内儀が旗本八百石柴田勘太夫の屋敷で行儀見習いをしていた。嫡男の子どもを身ごもり、家に帰された。嫡男が病になり跡継ぎがいなくなるため倉見屋の末松3才を連れ帰ろうとしていた。店は見張られ、毎日嫌がらせに来ていることが分かり、源三郎は火付盗賊改役与力・和田隆太郎から若年寄に訴えようとした。店を見張る家臣を捕まえ、柴田勘太夫に事を荒立たせると家禄召し上げということもある。と話を持ちかけてもらい、向後一切倉見屋には関わらぬと言う約定書をいただいた。
源三郎に五百石の旗本・金子惣右衛門からの養子話しが来た。石沢は武士を捨て町人になった男がいる。このまま埋もれさせるのはもったいない男だと源三郎を褒めちぎって回るため養子を探している金子から話がきたのだった。源三郎の兄は乗り気だ。千賀は妾にして妻は親戚から貰うという話になっていた。源三郎は断りに行くが、会ってみて金子はもっと乗り気になる。妻も源三郎を気に入るが、金子に諦めさす。源三郎の下に諦めるという手紙が届く。
2017年11月5日日曜日
とびきり屋見立て帖④ 利休の茶杓
とびきり屋見立て帖④ 利休の茶杓 山本兼一
よろこび百万両 真之介とゆずは、銅屋別邸の蔵の道具の目録を作っている。吉左衛門は二人に納得できる値段なら売ってもいいと堆黄の菓子器を預けてくれた。帰り道、ゆずの兄が待ちかまえ父・からふね屋善右衛門と大雲堂幸右衛門が待っていた。堆黄の菓子器を五百両で買うという。真之介は千両という。銅屋さんは急いではいない。いい時代になるのを待った方がいいといいますと言い帰った。
茶の湯の家元に呼ばれる。堆黄の盆と別の堆黄の菓子器と抱き合わせの交換という。真之介は逃げ帰った。
清国のお坊さんに見てもらった。堆黄値百万金 と隷書体で書き落款まで押した。大切にしておいて欲しいと言われたことを吉左衛門に告げた。
みやこ鳥 天皇の大和行幸は延期になり、長州は京を追い出され、三条公も長州まで都落ちすることになった。 幾松からの預かり物を桂に、春にあふ心は花の都鳥 のどけき御代のことや問はまし という句を付けて都鳥の香合を三条実美公に送る。
鈴虫 吉左衛門が 長治郎焼 黒茶腕 鈴虫 という銘の箱に入った茶碗を持ってきた。九部もんだった。真之介もゆずも常慶の作とみた。
壬生浪の一団に新撰組の名が付いた。近藤勇が見廻に来る。鈴虫で茶を一服。近藤が昨日鈴虫の茶碗で一服したと言う。家元に会いに行く。芹澤が茶碗を持っていってしまっていた。近藤に取り返して欲しいと頼む。茶碗が返ってきたってきた。返ってきた茶碗は鈴虫の銘の箱にぴったり納まった。家元が出してきた 二代目 黒茶腕 銘 春雷卜伝 と書かれた箱はゆずの持ってきた茶碗がぴったり納まった。
鈴虫の銘の茶碗で茶を点てると茶筅の音がかろやかで鈴虫が鳴いているように聞こえた。
自在の龍 桝屋喜左衛門が明珍作の自在の置物を持ってきた。蟷螂、伊勢海老、蟹、鷹、鯱、鯉節が自在に動く。桝屋は売ってもらっていいが大きい龍だけは残して龍の首の向きを言った通にして飾って欲しいという。芹澤がやってきて勝手に龍の格好を変える。ゆずは外から見えないように丁稚を龍の前に立たせた。茶を飲み自在を動かして遊ぶ芹澤を近藤が連れ出してくれた。二年前に競りで負けたという茶道の若宗匠が自在を全部買う。龍だけ残して買って帰った。
龍を起こして東に向けるように言われた。桂小五郎がお薦さん姿で現れた。
芹澤が現れ、龍の頭の向きは合図になっているのだろうと聞く。ゆずはお稲荷さんのお告げです。で通した。
ものいわずひとがくる 吉左衛門が十一個の楽茶碗を預けてくれた。一代から当代まで全部揃っている。畳を敷き茶碗を並べる。土間に座って薄茶を点てる。目利きの人が集まってくる。芹澤がくる。無理なことを言う。茶の家元がやって来る。楽家十一代の茶碗は国の宝や。それを持ち去ろうなどとは押し込み強盗のすることやとしかりつける。
東の家元が「ものいわずひとがくる」という。すばらしい道具が持っている力。楽家の他の単品の茶碗がたくさん売れた。
店の者だけが知る暗号・符丁にすることにした。
利休の茶杓 真之介が茶杓林と書かれた茶杓箪笥を仕入れてきた。若宗匠がやってきて買って帰る。真之介は大坂へ仕入れに行く。
茶杓箪笥の元の持ち主・竹次郎が一本本物の利休作の茶杓が入っていたから返して欲しいと言いに来る。芹澤も一緒に来る。若宗匠は芹澤に本物が判ったら返すというが、芹澤が選んだものが偽物だと言うと本物だと教えられた物を折ってしまう。ゆずは本物が判らない。竹次郎は折れた茶杓を見て本物ではないという。茶杓箪笥は竹次郎に返された。
竹次郎の竹屋へ行く。家元も来ていた。真之介が大坂から帰ってきた。真之介は茶杓箪笥を買った時気になったと一本茶杓を抜いていた。本物の利久作の茶杓だった。家元は来年の朝顔が咲いたら貸して欲しいと頼む。掛け軸を掛け、しののめの茶杓で茶事をするという。真之介は竹次郎に返す。その代わり茶杓箪笥を一式作ってうちに頂きたいと申し出る。
よろこび百万両 真之介とゆずは、銅屋別邸の蔵の道具の目録を作っている。吉左衛門は二人に納得できる値段なら売ってもいいと堆黄の菓子器を預けてくれた。帰り道、ゆずの兄が待ちかまえ父・からふね屋善右衛門と大雲堂幸右衛門が待っていた。堆黄の菓子器を五百両で買うという。真之介は千両という。銅屋さんは急いではいない。いい時代になるのを待った方がいいといいますと言い帰った。
茶の湯の家元に呼ばれる。堆黄の盆と別の堆黄の菓子器と抱き合わせの交換という。真之介は逃げ帰った。
清国のお坊さんに見てもらった。堆黄値百万金 と隷書体で書き落款まで押した。大切にしておいて欲しいと言われたことを吉左衛門に告げた。
みやこ鳥 天皇の大和行幸は延期になり、長州は京を追い出され、三条公も長州まで都落ちすることになった。 幾松からの預かり物を桂に、春にあふ心は花の都鳥 のどけき御代のことや問はまし という句を付けて都鳥の香合を三条実美公に送る。
鈴虫 吉左衛門が 長治郎焼 黒茶腕 鈴虫 という銘の箱に入った茶碗を持ってきた。九部もんだった。真之介もゆずも常慶の作とみた。
壬生浪の一団に新撰組の名が付いた。近藤勇が見廻に来る。鈴虫で茶を一服。近藤が昨日鈴虫の茶碗で一服したと言う。家元に会いに行く。芹澤が茶碗を持っていってしまっていた。近藤に取り返して欲しいと頼む。茶碗が返ってきたってきた。返ってきた茶碗は鈴虫の銘の箱にぴったり納まった。家元が出してきた 二代目 黒茶腕 銘 春雷卜伝 と書かれた箱はゆずの持ってきた茶碗がぴったり納まった。
鈴虫の銘の茶碗で茶を点てると茶筅の音がかろやかで鈴虫が鳴いているように聞こえた。
自在の龍 桝屋喜左衛門が明珍作の自在の置物を持ってきた。蟷螂、伊勢海老、蟹、鷹、鯱、鯉節が自在に動く。桝屋は売ってもらっていいが大きい龍だけは残して龍の首の向きを言った通にして飾って欲しいという。芹澤がやってきて勝手に龍の格好を変える。ゆずは外から見えないように丁稚を龍の前に立たせた。茶を飲み自在を動かして遊ぶ芹澤を近藤が連れ出してくれた。二年前に競りで負けたという茶道の若宗匠が自在を全部買う。龍だけ残して買って帰った。
龍を起こして東に向けるように言われた。桂小五郎がお薦さん姿で現れた。
芹澤が現れ、龍の頭の向きは合図になっているのだろうと聞く。ゆずはお稲荷さんのお告げです。で通した。
ものいわずひとがくる 吉左衛門が十一個の楽茶碗を預けてくれた。一代から当代まで全部揃っている。畳を敷き茶碗を並べる。土間に座って薄茶を点てる。目利きの人が集まってくる。芹澤がくる。無理なことを言う。茶の家元がやって来る。楽家十一代の茶碗は国の宝や。それを持ち去ろうなどとは押し込み強盗のすることやとしかりつける。
東の家元が「ものいわずひとがくる」という。すばらしい道具が持っている力。楽家の他の単品の茶碗がたくさん売れた。
店の者だけが知る暗号・符丁にすることにした。
利休の茶杓 真之介が茶杓林と書かれた茶杓箪笥を仕入れてきた。若宗匠がやってきて買って帰る。真之介は大坂へ仕入れに行く。
茶杓箪笥の元の持ち主・竹次郎が一本本物の利休作の茶杓が入っていたから返して欲しいと言いに来る。芹澤も一緒に来る。若宗匠は芹澤に本物が判ったら返すというが、芹澤が選んだものが偽物だと言うと本物だと教えられた物を折ってしまう。ゆずは本物が判らない。竹次郎は折れた茶杓を見て本物ではないという。茶杓箪笥は竹次郎に返された。
竹次郎の竹屋へ行く。家元も来ていた。真之介が大坂から帰ってきた。真之介は茶杓箪笥を買った時気になったと一本茶杓を抜いていた。本物の利久作の茶杓だった。家元は来年の朝顔が咲いたら貸して欲しいと頼む。掛け軸を掛け、しののめの茶杓で茶事をするという。真之介は竹次郎に返す。その代わり茶杓箪笥を一式作ってうちに頂きたいと申し出る。
2017年11月4日土曜日
風の王国〈8〉 黄金の仮面
風の王国〈8〉 黄金の仮面 平谷美樹
夕凪は橘の霊を背負った。霊の穢れは消えた。
突欲は暗殺されるが、劉于が蘇らせる。葬儀は晋陽で行われ、棺は上京臨黄府へ送られた。芳蘭と隆先は遼陽城へ行く途中、明秀と会い、麗津に帰った。隆先は父上を父だと思ってはいけないと言う。隆先十才。
真瑩と息子・道隠は遼陽城へ入った。
白頭山が噴火する。
南渤海は灰まみれになった。明秀は遼東南部から引いて南渤海の農民を入れようとする。
別人のようになった突欲は黄金の仮面を被り無敵の黒い軍団を率いて血の雨を降らす。軍団は人も馬も突欲の術がかけられていた。突欲は国を潰そうとする。王も皇帝んも必要ないと言う。須哩奴夷靺鞨の蓮姫の前に現れ蓮姫を仲間に誘う。蓮姫は断る。
蓮姫と明秀の息子・チョルモン(明けの明星)10才、バアトルとの息子・マンダフ(昇り行く旭日)7才になっていた。
烈万華は安定国の建国を宣言した。
940年
勇魚の息子・安東廣満13才と母・晶閠は東日流に渡る。
東日流浦を突欲の海軍が偵察で襲った。東日流浦の腕を試し、水軍の実力と防備を推し量るため。
安定国の五百隻の船が盗まれ、繋がれた軍船に火が付けられた。
東日流浦にも現れ、船が襲われる。突欲は亞都偉を探していた。明秀は胸騒ぎを感じ馬を走らす。亞都偉に親子の関係を聞く。何故、明秀のためにここまでするか?
乙津根と亞都偉と奥津姫が死んだ。突欲は明秀に亞都偉を生き返らせてやる。私と手を組めという。明秀は断る。
明秀は夕凪と結婚することになった。
夕凪は橘の霊を背負った。霊の穢れは消えた。
突欲は暗殺されるが、劉于が蘇らせる。葬儀は晋陽で行われ、棺は上京臨黄府へ送られた。芳蘭と隆先は遼陽城へ行く途中、明秀と会い、麗津に帰った。隆先は父上を父だと思ってはいけないと言う。隆先十才。
真瑩と息子・道隠は遼陽城へ入った。
白頭山が噴火する。
南渤海は灰まみれになった。明秀は遼東南部から引いて南渤海の農民を入れようとする。
別人のようになった突欲は黄金の仮面を被り無敵の黒い軍団を率いて血の雨を降らす。軍団は人も馬も突欲の術がかけられていた。突欲は国を潰そうとする。王も皇帝んも必要ないと言う。須哩奴夷靺鞨の蓮姫の前に現れ蓮姫を仲間に誘う。蓮姫は断る。
蓮姫と明秀の息子・チョルモン(明けの明星)10才、バアトルとの息子・マンダフ(昇り行く旭日)7才になっていた。
烈万華は安定国の建国を宣言した。
940年
勇魚の息子・安東廣満13才と母・晶閠は東日流に渡る。
東日流浦を突欲の海軍が偵察で襲った。東日流浦の腕を試し、水軍の実力と防備を推し量るため。
安定国の五百隻の船が盗まれ、繋がれた軍船に火が付けられた。
東日流浦にも現れ、船が襲われる。突欲は亞都偉を探していた。明秀は胸騒ぎを感じ馬を走らす。亞都偉に親子の関係を聞く。何故、明秀のためにここまでするか?
乙津根と亞都偉と奥津姫が死んだ。突欲は明秀に亞都偉を生き返らせてやる。私と手を組めという。明秀は断る。
明秀は夕凪と結婚することになった。
2017年11月3日金曜日
風の王国〈7〉 突欲死す
風の王国〈7〉 突欲死す 平谷美樹
明秀は壱萬栄から芳蘭から預かった鐘公偉の形見の剣を受け取る。
契丹暦天顕四年 929年
契丹皇帝耶津尭骨から謀反の疑いを受けた突欲は医巫閭山で隠棲させられることになった。高元譲は天福城を占領し、渤海の復興を宣言する。
白頭山が噴火した。
契丹暦天顕五年 930年
尭骨は弟・季胡を天下兵馬大元帥の役を与え、正式に皇位継承順位第一位の皇太弟の座につけた。
突欲は壱萬栄の手を借り、芳蘭と隆先と共に唐に亡命した。唐の季嗣源の招きによる。月理朶の願い出もあった。隆先の近くにいると突欲の力は薄れていく。
突欲に真瑩・高元譲の娘が近づく。932年 子どもを産んだ。
933年 季嗣源死亡 季従厚即位。都は汴京から落陽に遷された。
四ヶ月後季従厚は討たれ、季従珂が即位した。契丹は石敬瑭と手を組み季従珂に対抗することを決めた。
934年 明秀は高元譲と手を組んでいた烈万華を遼東東日流府に引き入れた。
旧渤海は三つ?に割れた。
烈万華の東京龍原府、定理府、安辺府、安遠府。
東丹国は扶余府、長嶺府。
高元譲の高氏渤海
南渤海は敢州、南海府、西京鴨緑府。
936年 契丹が晋陽を攻め、落陽に攻め込む噂が広まる。
十一月 後唐は滅亡、石敬瑭は晋国皇帝に即位した。
橘の霊が悪さをしている劉于が突欲の力を吸い取る隆先を殺そうとした時、止めようとした突欲に刺客が襲った。突欲は死んだ。
明秀は壱萬栄から芳蘭から預かった鐘公偉の形見の剣を受け取る。
契丹暦天顕四年 929年
契丹皇帝耶津尭骨から謀反の疑いを受けた突欲は医巫閭山で隠棲させられることになった。高元譲は天福城を占領し、渤海の復興を宣言する。
白頭山が噴火した。
契丹暦天顕五年 930年
尭骨は弟・季胡を天下兵馬大元帥の役を与え、正式に皇位継承順位第一位の皇太弟の座につけた。
突欲は壱萬栄の手を借り、芳蘭と隆先と共に唐に亡命した。唐の季嗣源の招きによる。月理朶の願い出もあった。隆先の近くにいると突欲の力は薄れていく。
突欲に真瑩・高元譲の娘が近づく。932年 子どもを産んだ。
933年 季嗣源死亡 季従厚即位。都は汴京から落陽に遷された。
四ヶ月後季従厚は討たれ、季従珂が即位した。契丹は石敬瑭と手を組み季従珂に対抗することを決めた。
934年 明秀は高元譲と手を組んでいた烈万華を遼東東日流府に引き入れた。
旧渤海は三つ?に割れた。
烈万華の東京龍原府、定理府、安辺府、安遠府。
東丹国は扶余府、長嶺府。
高元譲の高氏渤海
南渤海は敢州、南海府、西京鴨緑府。
936年 契丹が晋陽を攻め、落陽に攻め込む噂が広まる。
十一月 後唐は滅亡、石敬瑭は晋国皇帝に即位した。
橘の霊が悪さをしている劉于が突欲の力を吸い取る隆先を殺そうとした時、止めようとした突欲に刺客が襲った。突欲は死んだ。
2017年11月2日木曜日
風の王国〈6〉 隻腕の女帝
風の王国〈6〉 隻腕の女帝 平谷美樹
宇鉄亞都偉明秀の育ての親と遊女・夕凪が東日流から来た。
明秀は勇魚と共に東日流軍を率いて契丹に抵抗していた。建部清瀬麻呂は契丹軍として戦っていたが、契丹軍の韓廉に殺される。
十一月、勇魚は刀鍛冶・晶鈺と結婚した。
須哩奴夷靺鞨の蓮姫が子種を貰うとやってくる。
契丹暦天顕二年 927年 一月 芳蘭が突欲の子ども・隆先を産んだ。
契丹皇帝・耶律阿保機は息子・尭骨に殺された。突欲は生き返る術を施すが間に合わなかった。突欲を次の皇帝にしようとしていた阿保機が亡くなり、月理朶は尭骨を天下兵馬大元帥に就任させる。十月、即位式の時、芳蘭は宝物蔵から明秀の剣を持ち帰る。壱萬栄に託し、明秀に渡してもらう。突欲の正室と息子は上京城で生活する。
尭骨が東丹国の王都を遼陽に遷すようにと命令してきた。遼陽城は東日流軍に落とされている。取り返さなければならなかった。遼陽城陥落・上京遼陽府を名乗る。
宇鉄亞都偉明秀の育ての親と遊女・夕凪が東日流から来た。
明秀は勇魚と共に東日流軍を率いて契丹に抵抗していた。建部清瀬麻呂は契丹軍として戦っていたが、契丹軍の韓廉に殺される。
十一月、勇魚は刀鍛冶・晶鈺と結婚した。
須哩奴夷靺鞨の蓮姫が子種を貰うとやってくる。
契丹暦天顕二年 927年 一月 芳蘭が突欲の子ども・隆先を産んだ。
契丹皇帝・耶律阿保機は息子・尭骨に殺された。突欲は生き返る術を施すが間に合わなかった。突欲を次の皇帝にしようとしていた阿保機が亡くなり、月理朶は尭骨を天下兵馬大元帥に就任させる。十月、即位式の時、芳蘭は宝物蔵から明秀の剣を持ち帰る。壱萬栄に託し、明秀に渡してもらう。突欲の正室と息子は上京城で生活する。
尭骨が東丹国の王都を遼陽に遷すようにと命令してきた。遼陽城は東日流軍に落とされている。取り返さなければならなかった。遼陽城陥落・上京遼陽府を名乗る。
2017年11月1日水曜日
着物始末暦(六) 錦の松
着物始末暦(六) 錦の松 中島要
赤い闇 岡っ引き矢五郎は六助と余一を調べようとする。余一の出所と自分の昔のことを調べられたくない六助は、矢五郎の女房・奈美に矢五郎が岡っ引きをしているために生まれてくるはずだった麻吉が生まれず、霊になって憑いていると千吉が化けた庵主様に言わす。奈美は霊でいいから麻吉に会わせて欲しいと言われ、余一に相談する。
余一は奈美が生まれなかった子どもの歳を数え縫ってきた着物を預かる。着物二枚で達平に着せた。余一はおかみさんが我が子の死を悲しむ限り、親分は己を責める。これからは着せる当てのない着物より、亭主の着物っを縫った方がいい。その方があの世の麻吉ちゃんも喜ぶだろうという。
矢五郎が余一の長屋の話を全て聞いていたことを話、お前たちには近づかないと言う。
泣かぬ蛍 大隅屋の園と珠はそれぞれの亭主に初めて浴衣を縫った。珠たちは糸は天乃屋の若旦那に嫁ぐと決めて話をする。みつは余一と所帯を持てばいいと。みつは余一の浴衣を縫うが渡せないで帰ってきた。珠は余一が断ったと思っている。
錦の松 綾太郎は井筒屋・愁介から桐屋の先代は駆け落ち者で人別を偽っている。今のうちに玉を離縁しろと言われる。桐屋の光之助はその話が本当ならば離縁すると思うのなら今すぐ離縁して下さいと言われる。綾太郎は離婚しない苦しい時こそ助け合う精神を選んだ。
淡路堂の三和の結納時の振り袖の図案を頼まれた。余一に相談し三和に松尽くしの振り袖を考えた。幸いが待つ、待つだけで幸せになれる。
糸の先 糸はまだ振り袖を礼治郎に返していなかった。周囲は糸が玉の輿に乗るものと考えている。達平が糸を余一の所に連れて行く。余一は自分の父親は縁談を断わられた腹いせに母を手込めにし出来た子どもが自分だ。そして母親は亡くなったということを告白する。糸は礼治郎に断ることを決心する。余一も一緒に行く。余一は振り袖をきっちり始末していなかったことを謝る。礼治郎の母・節も話をし、縁談は無くなった。
赤い闇 岡っ引き矢五郎は六助と余一を調べようとする。余一の出所と自分の昔のことを調べられたくない六助は、矢五郎の女房・奈美に矢五郎が岡っ引きをしているために生まれてくるはずだった麻吉が生まれず、霊になって憑いていると千吉が化けた庵主様に言わす。奈美は霊でいいから麻吉に会わせて欲しいと言われ、余一に相談する。
余一は奈美が生まれなかった子どもの歳を数え縫ってきた着物を預かる。着物二枚で達平に着せた。余一はおかみさんが我が子の死を悲しむ限り、親分は己を責める。これからは着せる当てのない着物より、亭主の着物っを縫った方がいい。その方があの世の麻吉ちゃんも喜ぶだろうという。
矢五郎が余一の長屋の話を全て聞いていたことを話、お前たちには近づかないと言う。
泣かぬ蛍 大隅屋の園と珠はそれぞれの亭主に初めて浴衣を縫った。珠たちは糸は天乃屋の若旦那に嫁ぐと決めて話をする。みつは余一と所帯を持てばいいと。みつは余一の浴衣を縫うが渡せないで帰ってきた。珠は余一が断ったと思っている。
錦の松 綾太郎は井筒屋・愁介から桐屋の先代は駆け落ち者で人別を偽っている。今のうちに玉を離縁しろと言われる。桐屋の光之助はその話が本当ならば離縁すると思うのなら今すぐ離縁して下さいと言われる。綾太郎は離婚しない苦しい時こそ助け合う精神を選んだ。
淡路堂の三和の結納時の振り袖の図案を頼まれた。余一に相談し三和に松尽くしの振り袖を考えた。幸いが待つ、待つだけで幸せになれる。
糸の先 糸はまだ振り袖を礼治郎に返していなかった。周囲は糸が玉の輿に乗るものと考えている。達平が糸を余一の所に連れて行く。余一は自分の父親は縁談を断わられた腹いせに母を手込めにし出来た子どもが自分だ。そして母親は亡くなったということを告白する。糸は礼治郎に断ることを決心する。余一も一緒に行く。余一は振り袖をきっちり始末していなかったことを謝る。礼治郎の母・節も話をし、縁談は無くなった。
2017年10月31日火曜日
栄次郎江戸暦18 微笑み返し
栄次郎江戸暦18 微笑み返し 小杉健治
矢内栄次郎は八丁堀与力・崎田孫兵衛から海産物問屋美浜屋の相談に乗ってやって欲しいと頼まれる。若旦那・藏太郎が呑み屋の女に誘われ泥酔し、目覚めたら女は消え横に男の死体があったと言う。慌てて逃げ帰っていた。栄次郎は調べ始める。
一ヶ月に一度大店への押し込みが続いていた。昵懇になった女を家に入れた時、押し込みが入り、女を人質にされ鍵を渡し、お金を取られていた。
栄次郎の調べで、次の狙いが美浜屋だったと思われる。美浜屋に藏太郎の煙草入れが証拠だと強請に来た。今夜五百両取りに来るから開けておけということだった。尾けるが火盗改に邪魔される。夜捕り方が待っていたが現れない。火盗改が強請に来た者を捕まえていた。手掛かりが無くなった。
栄次郎は、太物問屋「山城屋」の幸兵衛の名取りの披露の三味線を弾くことになった。幸兵衛は幼馴染み・安太郎と会い嬉しそうだった。心ここに在らずのようになり、次に会えば打ちひしがれ名取りも取りやめになってしまった。栄次郎は幸兵衛から話を聞く。安太郎
と一緒に会った女の虜になり家に入れた日に押し込みにあっていた。
栄次郎は幸兵衛の話から霞小僧と呼ばれた押し込み一味の塒を突き止め頭目の富五郎と情婦を捕まえ、山城屋から盗られた千両も見付けた。
幸兵衛は養子で離婚されそうだった。内儀は幼馴染みと仲よくなり幸兵衛を追い出して後釜に収まろうとしているようだ。幸兵衛は山城屋のためにならないとそれだけは駄目だと強く言う。栄次郎が乗り込み千両が見付かったこと霞一味の頭目が捕まったことを伝え、安太郎が仲間であることを言う。安太郎は栄次郎に取り押さえられる。
幸兵衛は山城屋に残りやり直すことになった。名取りのお披露目は取りやめた。
栄次郎の兄・栄之進の嫁取りの話があったが、相手は千石のお姫さまで矢内の家敷を見にきて話は潰れた。栄次郎の父親が大御所であることを知って計算が働いたようだが娘は乗り気ではなかったのだ。母親も我儘な娘を見ればこの縁談を望まないだろうという岩井様の読が当たった。
矢内栄次郎は八丁堀与力・崎田孫兵衛から海産物問屋美浜屋の相談に乗ってやって欲しいと頼まれる。若旦那・藏太郎が呑み屋の女に誘われ泥酔し、目覚めたら女は消え横に男の死体があったと言う。慌てて逃げ帰っていた。栄次郎は調べ始める。
一ヶ月に一度大店への押し込みが続いていた。昵懇になった女を家に入れた時、押し込みが入り、女を人質にされ鍵を渡し、お金を取られていた。
栄次郎の調べで、次の狙いが美浜屋だったと思われる。美浜屋に藏太郎の煙草入れが証拠だと強請に来た。今夜五百両取りに来るから開けておけということだった。尾けるが火盗改に邪魔される。夜捕り方が待っていたが現れない。火盗改が強請に来た者を捕まえていた。手掛かりが無くなった。
栄次郎は、太物問屋「山城屋」の幸兵衛の名取りの披露の三味線を弾くことになった。幸兵衛は幼馴染み・安太郎と会い嬉しそうだった。心ここに在らずのようになり、次に会えば打ちひしがれ名取りも取りやめになってしまった。栄次郎は幸兵衛から話を聞く。安太郎
と一緒に会った女の虜になり家に入れた日に押し込みにあっていた。
栄次郎は幸兵衛の話から霞小僧と呼ばれた押し込み一味の塒を突き止め頭目の富五郎と情婦を捕まえ、山城屋から盗られた千両も見付けた。
幸兵衛は養子で離婚されそうだった。内儀は幼馴染みと仲よくなり幸兵衛を追い出して後釜に収まろうとしているようだ。幸兵衛は山城屋のためにならないとそれだけは駄目だと強く言う。栄次郎が乗り込み千両が見付かったこと霞一味の頭目が捕まったことを伝え、安太郎が仲間であることを言う。安太郎は栄次郎に取り押さえられる。
幸兵衛は山城屋に残りやり直すことになった。名取りのお披露目は取りやめた。
栄次郎の兄・栄之進の嫁取りの話があったが、相手は千石のお姫さまで矢内の家敷を見にきて話は潰れた。栄次郎の父親が大御所であることを知って計算が働いたようだが娘は乗り気ではなかったのだ。母親も我儘な娘を見ればこの縁談を望まないだろうという岩井様の読が当たった。
2017年10月30日月曜日
大江戸人情見立て帖 濡れ衣の女
大江戸人情見立て帖 濡れ衣の女 早見俊
関口平九郎32才 旗本二百五十石小普請。刀研ぎと刀の目利きを仕事にする。妻・郁恵33才。兄平四郎の許嫁だったが、婚礼の直前病死した。家督を相続した平九郎に嫁いだ。息子・千松5才 母親に内緒で三味線を教える。
卯之吉24才 湯島天神門前町質屋「万寿屋」の主。母・梅と二人暮らし。
深尾左門三十半ば 南町奉行所臨時廻同心。
三人は同じ常磐津の稽古所に通っている。
呪いの妖刀 平九郎は卯之吉に目利きを頼まれる。南方権十郎が持ってきたのは相州
伝左文字行平だった。次の日、権十郎は五十両借りたいとやって来る。卯之助は刀を見ないで五十両を貸す。出雲屋三五郎が斬り殺された。南方は刀を受け出しにきていた。南方は出雲屋を殺していた。卯之助に預けた刀は偽物だった。南方は出雲屋の賂を貰ったという濡れ衣で藩を追われていた。出雲屋の手代が南方に賄賂を贈ったと遺書を残し自死したのだった。納戸頭大泉又右衛門が賄賂を貰っていた。噂になり調べが入りそうになったので南方に押し付けていた。今回、藩への帰参と金銭を餌に出雲屋殺しを頼まれた。南方は切腹した。平九郎は 刀の目利きのために大泉に会う。出雲屋殺しの話をする。大泉が刀を抜く。平九郎は大泉の髷を切るり、左文字を斬り折る。大泉は調べられ、切腹した。
人情の真贋 二十年振りに卯之助の父・猪之吉に一両借りた権蔵が返しにきた。猪之吉は暮らしに困っている人に一両を貸していた。一両を返し、利子だと十両を置いて行った。一両は本物だが十両は贋金だった。左門が雲の佐助一味の人相書きを出す。権蔵の顔があった。権蔵が万寿屋に来る。十両が贋金だった。知らなかった。博打で稼いだものだった。自分は泥棒一味だと言う。奉行所に自首した。雲の佐助一味と賭場に出入していた贋金作りの一味も打ち首になった。権蔵は遠島になった。
濡れ衣の女 三年前、匕首を持って暴れ回る紋次郎を左門は斬った。紋次郎の嫁が衣だった。衣は柳橋の炭問屋駿河屋の主人・徳次郎の妾になっていた。徳次郎が殺され、家に入ったのは衣だけということで衣が犯人だと思われた。左門は納得がいかない。
二年前、与力と米問屋の不正を摘発しようとしたが、叶わなかった。上役に疎まれ首になりかけたが、与力同心の弱みを握っていたため定町廻を外されただけで済んだ。しかし奉行所の中では浮いた存在だった。また鼻摘み者になるかもしれない。妻・房枝は正しいと思うことをしなされと言ってくれる。
徳次郎の女房・道と関係を持っている男・短刀投げの曲芸師・団右衛門だった。道は百両を団右衛門に渡す。左門が現れ、団右衛門は捕まった。左門はまた余計なことをしたと見られた。
武士の矜持 武家屋敷に泥棒が入る、閻魔の籐兵衛がいる。平九郎は刀の目利きのため書院番組頭木島陣十郎宅に行った。盗賊が遁げてきたら斬捨ててやる。と言っていたが、籐兵衛は何もできなかった。前の御前試合の決勝で相手を木刀で敲いてしまい相手は亡くなっていた。そのため足がすくんで打ち込めなかくなっていた。
関口平九郎32才 旗本二百五十石小普請。刀研ぎと刀の目利きを仕事にする。妻・郁恵33才。兄平四郎の許嫁だったが、婚礼の直前病死した。家督を相続した平九郎に嫁いだ。息子・千松5才 母親に内緒で三味線を教える。
卯之吉24才 湯島天神門前町質屋「万寿屋」の主。母・梅と二人暮らし。
深尾左門三十半ば 南町奉行所臨時廻同心。
三人は同じ常磐津の稽古所に通っている。
呪いの妖刀 平九郎は卯之吉に目利きを頼まれる。南方権十郎が持ってきたのは相州
伝左文字行平だった。次の日、権十郎は五十両借りたいとやって来る。卯之助は刀を見ないで五十両を貸す。出雲屋三五郎が斬り殺された。南方は刀を受け出しにきていた。南方は出雲屋を殺していた。卯之助に預けた刀は偽物だった。南方は出雲屋の賂を貰ったという濡れ衣で藩を追われていた。出雲屋の手代が南方に賄賂を贈ったと遺書を残し自死したのだった。納戸頭大泉又右衛門が賄賂を貰っていた。噂になり調べが入りそうになったので南方に押し付けていた。今回、藩への帰参と金銭を餌に出雲屋殺しを頼まれた。南方は切腹した。平九郎は 刀の目利きのために大泉に会う。出雲屋殺しの話をする。大泉が刀を抜く。平九郎は大泉の髷を切るり、左文字を斬り折る。大泉は調べられ、切腹した。
人情の真贋 二十年振りに卯之助の父・猪之吉に一両借りた権蔵が返しにきた。猪之吉は暮らしに困っている人に一両を貸していた。一両を返し、利子だと十両を置いて行った。一両は本物だが十両は贋金だった。左門が雲の佐助一味の人相書きを出す。権蔵の顔があった。権蔵が万寿屋に来る。十両が贋金だった。知らなかった。博打で稼いだものだった。自分は泥棒一味だと言う。奉行所に自首した。雲の佐助一味と賭場に出入していた贋金作りの一味も打ち首になった。権蔵は遠島になった。
濡れ衣の女 三年前、匕首を持って暴れ回る紋次郎を左門は斬った。紋次郎の嫁が衣だった。衣は柳橋の炭問屋駿河屋の主人・徳次郎の妾になっていた。徳次郎が殺され、家に入ったのは衣だけということで衣が犯人だと思われた。左門は納得がいかない。
二年前、与力と米問屋の不正を摘発しようとしたが、叶わなかった。上役に疎まれ首になりかけたが、与力同心の弱みを握っていたため定町廻を外されただけで済んだ。しかし奉行所の中では浮いた存在だった。また鼻摘み者になるかもしれない。妻・房枝は正しいと思うことをしなされと言ってくれる。
徳次郎の女房・道と関係を持っている男・短刀投げの曲芸師・団右衛門だった。道は百両を団右衛門に渡す。左門が現れ、団右衛門は捕まった。左門はまた余計なことをしたと見られた。
武士の矜持 武家屋敷に泥棒が入る、閻魔の籐兵衛がいる。平九郎は刀の目利きのため書院番組頭木島陣十郎宅に行った。盗賊が遁げてきたら斬捨ててやる。と言っていたが、籐兵衛は何もできなかった。前の御前試合の決勝で相手を木刀で敲いてしまい相手は亡くなっていた。そのため足がすくんで打ち込めなかくなっていた。
2017年10月28日土曜日
新・剣客太平記〈七〉 決意
新・剣客太平記〈七〉 決意 岡本さとる
猛稽古 猛稽古で足そ痛め、江戸から姿を消した峽竜蔵の弟弟子・手島錬太郎が江戸に帰り大沢鉄之助の道場の師範代を務めていた。手島は猛稽古を課し、恥辱を与え、精神をずたずたに引き裂き、そして支配した。そんな稽古を付けられた安東萬之助に声をかけ、道場を辞めさせた。金貸しをいている父親が貸した金を横取りされて困っていた。まずは叩き伏せ五十両を返させた。峽道場で寝起きさせ練習した。団野道場で手島の前で試合をする。五人抜きをする。竜蔵は門人をどこまでも追い込んで這い上がるのが強い奴だと思う。這い上がれないない者は二度と剣を取れなくなるのがお前のやり方だ。駄目の者は捨ててゆく。師範としてやってはいけないことだと忠告する。人は変わる者だ。お前も変わりな。
試し斬り 錬太郎は旅に出た。萬之助は桑野益五郎に預けた。
北原平馬の口利きで山田浅右衛門のところで試し斬りをさせてもらう。浅右衛門も峽道場にきた。その浅右衛門が首をはねる時、北町の寺崎克四郎という同心が扱った件で嫌な思いをすることがあると言う。寺崎を調べる。寺崎が気に入った女を手込めにしようとして殺してしまった犯人を仕立てていた。竜蔵は寺崎に近づき破廉恥な行いをしようとする所を人々の面前に出るように仕掛けた。奉行所を放逐されるだろう。
父子遊技 竜蔵は綾と鹿之介を連れて、湯島聖堂近くの神田川の河岸へ行った。鹿之介はだんなの刀で一思いにぶすっとやっておくんなさいまし。と言っている声を聞いた。三人で探すが見付からない。綾には道場回りと言いながら二人は探していた。見付けた。匕首は下卑が隠語だった。竜蔵は自分と父親が同じ経験をしたことがあったのを思い出した。
用心棒 程ヶ谷にいる中川裕一郎を訪ねた帰り、藤沢で煮売り屋をしていた父親を殺された十五才のまさの用心棒になった。父親を殺した河野喜平を探し仇討をすると言う。品川の石上滋三郎の所だろうと目星を付けていた。こっそり半次の協力を得て居所を探した。内藤新宿だった。石上を眠らせ、まさは喜平を傷つけ殺そうとする寸前に止めた。後はお上に任せな。
猛稽古 猛稽古で足そ痛め、江戸から姿を消した峽竜蔵の弟弟子・手島錬太郎が江戸に帰り大沢鉄之助の道場の師範代を務めていた。手島は猛稽古を課し、恥辱を与え、精神をずたずたに引き裂き、そして支配した。そんな稽古を付けられた安東萬之助に声をかけ、道場を辞めさせた。金貸しをいている父親が貸した金を横取りされて困っていた。まずは叩き伏せ五十両を返させた。峽道場で寝起きさせ練習した。団野道場で手島の前で試合をする。五人抜きをする。竜蔵は門人をどこまでも追い込んで這い上がるのが強い奴だと思う。這い上がれないない者は二度と剣を取れなくなるのがお前のやり方だ。駄目の者は捨ててゆく。師範としてやってはいけないことだと忠告する。人は変わる者だ。お前も変わりな。
試し斬り 錬太郎は旅に出た。萬之助は桑野益五郎に預けた。
北原平馬の口利きで山田浅右衛門のところで試し斬りをさせてもらう。浅右衛門も峽道場にきた。その浅右衛門が首をはねる時、北町の寺崎克四郎という同心が扱った件で嫌な思いをすることがあると言う。寺崎を調べる。寺崎が気に入った女を手込めにしようとして殺してしまった犯人を仕立てていた。竜蔵は寺崎に近づき破廉恥な行いをしようとする所を人々の面前に出るように仕掛けた。奉行所を放逐されるだろう。
父子遊技 竜蔵は綾と鹿之介を連れて、湯島聖堂近くの神田川の河岸へ行った。鹿之介はだんなの刀で一思いにぶすっとやっておくんなさいまし。と言っている声を聞いた。三人で探すが見付からない。綾には道場回りと言いながら二人は探していた。見付けた。匕首は下卑が隠語だった。竜蔵は自分と父親が同じ経験をしたことがあったのを思い出した。
用心棒 程ヶ谷にいる中川裕一郎を訪ねた帰り、藤沢で煮売り屋をしていた父親を殺された十五才のまさの用心棒になった。父親を殺した河野喜平を探し仇討をすると言う。品川の石上滋三郎の所だろうと目星を付けていた。こっそり半次の協力を得て居所を探した。内藤新宿だった。石上を眠らせ、まさは喜平を傷つけ殺そうとする寸前に止めた。後はお上に任せな。
2017年10月27日金曜日
表御番医師診療禄〈10〉 宿痾
表御番医師診療禄〈10〉 宿痾 上田秀人
御広敷番医師・矢切良衛の妾と間違われ勾引かされ人質となった美絵を助け出した良衛は妊娠の秘術と自分の命を狙われたこと、犯人が綱吉の愛妾・露の父親・房総屋市右衛門であることを伝に伝える。綱吉の命令で市右衛門は捕らえられ、露はいない者とされた。吉沢が殺され、吉沢が盗んだ宝水が半井出雲守の元にあることが分かったがもう取り戻せないことも分かった。
一ヶ月後、旗本の娘から綱吉の側室選びをすることになった。二十人中三人が残った。
本所のまとめ役が真野になった。
御広敷番医師・矢切良衛の妾と間違われ勾引かされ人質となった美絵を助け出した良衛は妊娠の秘術と自分の命を狙われたこと、犯人が綱吉の愛妾・露の父親・房総屋市右衛門であることを伝に伝える。綱吉の命令で市右衛門は捕らえられ、露はいない者とされた。吉沢が殺され、吉沢が盗んだ宝水が半井出雲守の元にあることが分かったがもう取り戻せないことも分かった。
一ヶ月後、旗本の娘から綱吉の側室選びをすることになった。二十人中三人が残った。
本所のまとめ役が真野になった。
2017年10月26日木曜日
宗元寺隼人密命帖(三 ) 名花散る
宗元寺隼人密命帖(三 ) 名花散る 荒崎一海
文政六年 1823年 三月
俎橋のたもとで屋台の蕎麦屋の親父が殺された。紀州屋の寮で主・善右衛門と芸者・糸次が死んでいた。駿河台の武家屋敷で主・作事奉行間宮筑前守が死んでいた。深川大島町の船宿の桟橋の屋根船の中で紙屋大森屋の娘・きよ15才と手代・定吉21才が定吉がきよの肩を抱いて死んでいるのが見付かった。相対死とみられた。浅草福井町の二階建て長屋で芸者・小菊・杉岡栞が殺された。
宗元寺隼人は小菊の死は自分が通ったためだと思った。襲ってくる伊賀の忍と雇われ刺客を退けてきた。鵜飼小四郎も甲賀の忍・小菊を簡単に殺しているため、伊賀の仕業と考えていた。通夜に誘き出し帰り道を狙うつもりだと考えたが、待ち伏せは無かった。夜、甲賀忍は伊賀の女忍を二人殺した。
隼人は伊賀との関わりをしっている北町奉行所定町回り同心・秋山平内37 才と文蔵59才と晋吉31才の親子に小菊殺しと二人の芸者が殺された探索は無駄だと告げた。奉行・榊原主計守忠之58才にも告げる。小菊は押込みによる殺し、芸者二件も賊による殺しとしてかたづけられた。他の事件の相談も受ける。隼人は刺客に襲われる。
伊賀の百地五郎兵衛が現れ、小菊に手を手にかけたのは伊賀ではないと言う。伊賀と甲賀を争わせ漁夫の利をえんとする者がいるという情報をもたらす。
間宮筑前守は紀州屋を使って、木曽屋と沼津水野家、浜松水野家、老中と寺社奉行の繋がりを木曽屋の贔屓だった糸次を使って調べていた。調べられて困る誰かが命じ、間宮筑前守と紀州屋と糸次が同じ日に殺された。
間宮殺しに使われた屋根船は俎橋で夜を過ごした。俎橋のたもとの屋台の蕎麦屋に見られるのを嫌い殺した。小菊殺しは紀州屋殺しから目を反らすため、上手くゆけば伊賀と甲賀の共倒れ狙い。犯人は風麿一族だった。紀州屋殺しの方か、小菊殺しの方か、屋根船で帰った時に桟橋に付けていた屋根船の中の二人を殺していた。朝、帰ってきた屋根船がつけられない。変わった動きをする屋根船のために伊賀の網にかかった。風麿の船宿が大島町にアル子とが分かった。風麿の塒を突き止めて殺し始めた。
風麿は江戸を出る用意を始めた。六郷で待つ。風麿與雲斎、甲賀と伊賀とに手を組まれるとはしくじったと言い死んでいった。
文政六年 1823年 三月
俎橋のたもとで屋台の蕎麦屋の親父が殺された。紀州屋の寮で主・善右衛門と芸者・糸次が死んでいた。駿河台の武家屋敷で主・作事奉行間宮筑前守が死んでいた。深川大島町の船宿の桟橋の屋根船の中で紙屋大森屋の娘・きよ15才と手代・定吉21才が定吉がきよの肩を抱いて死んでいるのが見付かった。相対死とみられた。浅草福井町の二階建て長屋で芸者・小菊・杉岡栞が殺された。
宗元寺隼人は小菊の死は自分が通ったためだと思った。襲ってくる伊賀の忍と雇われ刺客を退けてきた。鵜飼小四郎も甲賀の忍・小菊を簡単に殺しているため、伊賀の仕業と考えていた。通夜に誘き出し帰り道を狙うつもりだと考えたが、待ち伏せは無かった。夜、甲賀忍は伊賀の女忍を二人殺した。
隼人は伊賀との関わりをしっている北町奉行所定町回り同心・秋山平内37 才と文蔵59才と晋吉31才の親子に小菊殺しと二人の芸者が殺された探索は無駄だと告げた。奉行・榊原主計守忠之58才にも告げる。小菊は押込みによる殺し、芸者二件も賊による殺しとしてかたづけられた。他の事件の相談も受ける。隼人は刺客に襲われる。
伊賀の百地五郎兵衛が現れ、小菊に手を手にかけたのは伊賀ではないと言う。伊賀と甲賀を争わせ漁夫の利をえんとする者がいるという情報をもたらす。
間宮筑前守は紀州屋を使って、木曽屋と沼津水野家、浜松水野家、老中と寺社奉行の繋がりを木曽屋の贔屓だった糸次を使って調べていた。調べられて困る誰かが命じ、間宮筑前守と紀州屋と糸次が同じ日に殺された。
間宮殺しに使われた屋根船は俎橋で夜を過ごした。俎橋のたもとの屋台の蕎麦屋に見られるのを嫌い殺した。小菊殺しは紀州屋殺しから目を反らすため、上手くゆけば伊賀と甲賀の共倒れ狙い。犯人は風麿一族だった。紀州屋殺しの方か、小菊殺しの方か、屋根船で帰った時に桟橋に付けていた屋根船の中の二人を殺していた。朝、帰ってきた屋根船がつけられない。変わった動きをする屋根船のために伊賀の網にかかった。風麿の船宿が大島町にアル子とが分かった。風麿の塒を突き止めて殺し始めた。
風麿は江戸を出る用意を始めた。六郷で待つ。風麿與雲斎、甲賀と伊賀とに手を組まれるとはしくじったと言い死んでいった。
2017年10月25日水曜日
沼里藩留守居役忠勤控② 果断の桜
沼里藩留守居役忠勤控② 果断の桜 鈴木英治
深貝文太郎は志津を殺されてから五年、誰が殺したか。そればかり考えていた。妖刀・三殿守を使って辻斬りを繰り返していた右馬介を捕らえた時に言った、きさまは楽にさせぬ。必ず苦しませてやる。調べているが何も掴めていない。五年前、高足惣左衛門が三殿守を探していた理由を殿様から聞いた。惣左衛門は一年前に亡くなったが、最後まで文太郎に黙っていたことが気掛かりだったようだと殿様から聞いた。
文太郎は深貝に養子に入ったが、志津が亡くなり、義母・八重は実父を介護するため実家に戻っていた。八重は九百五十石岩永家の娘・玉枝を奉公人に見付けてきた。
道場で手合わせしていた大瀬彦兵衛が二百両を横領したことを遺書にしたため道場で自害した。殿に知らせる役を頼まれる。殿は二百両何に使ったか調べるように言われる。
大瀬には妾がいた。話を聞きに行くと良江は首をくくって自死していた。岡っ引き・岩造は良江が後追い自殺をするような者ではないと言う。号泣する妹・光江を見た。
納骨の寺で出会った留守居役・植松新蔵は思い知れと言いながら、僧侶、若い女、行商人、浪人と四人を斬り殺した。登城される殿に連絡すると急ぎ原因究明するように言われる。植松は昏睡状態だった。
文太郎は四人の身元を調べる。浪人は村田鍛之助、賭場で知り合った僧侶・晃然、晃然の情婦・良江の妹の光江、光江が商人の妾だったときの密通相手・権八の四人だった。大瀬が死ぬ前に自分の仇討を植松に頼んだ書面が見付かった。横領を良江に知られ、良江の仲間に強請られ、自死の道しか残されていないと考えた。植松は三度、母親の徘徊、新蔵が無頼の者に因縁をつけられた時、幼い娘が病気の時、大瀬に助けられていた。書面を見、大瀬の無念を晴らした。殿様に書面を見せる。お取りつぶしは無いだろうと城に上がる。
文太郎は良江に大瀬の横領を告げたのは大瀬の妻・紀美世だったことを確かめに行く。妾に子どもができたことが許せなかったようだ。文太郎は内儀がしたことがどんな風を起こしたか知っておいて欲しかったと言い帰る。
文太郎は黒装束に黒頭巾の男に襲われる。文太郎の腕を試しに来たようだ。志乃を殺した下手人かもしれないと思った。心の声でまた会おうではないかと言った。
深貝文太郎は志津を殺されてから五年、誰が殺したか。そればかり考えていた。妖刀・三殿守を使って辻斬りを繰り返していた右馬介を捕らえた時に言った、きさまは楽にさせぬ。必ず苦しませてやる。調べているが何も掴めていない。五年前、高足惣左衛門が三殿守を探していた理由を殿様から聞いた。惣左衛門は一年前に亡くなったが、最後まで文太郎に黙っていたことが気掛かりだったようだと殿様から聞いた。
文太郎は深貝に養子に入ったが、志津が亡くなり、義母・八重は実父を介護するため実家に戻っていた。八重は九百五十石岩永家の娘・玉枝を奉公人に見付けてきた。
道場で手合わせしていた大瀬彦兵衛が二百両を横領したことを遺書にしたため道場で自害した。殿に知らせる役を頼まれる。殿は二百両何に使ったか調べるように言われる。
大瀬には妾がいた。話を聞きに行くと良江は首をくくって自死していた。岡っ引き・岩造は良江が後追い自殺をするような者ではないと言う。号泣する妹・光江を見た。
納骨の寺で出会った留守居役・植松新蔵は思い知れと言いながら、僧侶、若い女、行商人、浪人と四人を斬り殺した。登城される殿に連絡すると急ぎ原因究明するように言われる。植松は昏睡状態だった。
文太郎は四人の身元を調べる。浪人は村田鍛之助、賭場で知り合った僧侶・晃然、晃然の情婦・良江の妹の光江、光江が商人の妾だったときの密通相手・権八の四人だった。大瀬が死ぬ前に自分の仇討を植松に頼んだ書面が見付かった。横領を良江に知られ、良江の仲間に強請られ、自死の道しか残されていないと考えた。植松は三度、母親の徘徊、新蔵が無頼の者に因縁をつけられた時、幼い娘が病気の時、大瀬に助けられていた。書面を見、大瀬の無念を晴らした。殿様に書面を見せる。お取りつぶしは無いだろうと城に上がる。
文太郎は良江に大瀬の横領を告げたのは大瀬の妻・紀美世だったことを確かめに行く。妾に子どもができたことが許せなかったようだ。文太郎は内儀がしたことがどんな風を起こしたか知っておいて欲しかったと言い帰る。
文太郎は黒装束に黒頭巾の男に襲われる。文太郎の腕を試しに来たようだ。志乃を殺した下手人かもしれないと思った。心の声でまた会おうではないかと言った。
2017年10月24日火曜日
蘭方医・宇津木新吾⑥ 刀傷
蘭方医・宇津木新吾⑥ 刀傷 小杉健治
文政十二年 1829年
幻宗と新吾は武家屋敷で刀傷の患者の手術をした。後日術後が心配で見に行くとそんな者はいないと言われた。
新吾に武家屋敷のことを尋ねた新吾の患者・徳造が殺された。養父・順庵の患者の栃木屋の内儀・せいと手代が外出したまま帰らない。心中したような話になっていた。新吾は徳造の殺された理由を探りながら栃木屋の内儀を探していると、患者を装って呼び出しを受け命を狙われた。七日経って手代の遺体が見付かった。斬られていた。内儀の遺体が見付かった。簪で喉を突いた自害だった。
武家屋敷は丸山藩村沢家の下屋敷だった。村山肥後守の側室の兄が御徒頭・杉浦藤四郎だった。村山家を訪れた栃木屋のせいを杉浦が手込めにしようとした。せいは簪で喉を突き、それを知った手代は杉浦の脇差で杉浦を刺した。手代は殺され、長持ちで運び出される遺体を見た徳造は村山家の中間と話をして殺された。手術後、杉浦は自分の屋敷に運び込まれていた。証拠がなかった。幻宗と新吾は杉浦家の用人と名乗る者に呼び出され浪人に襲われる。
幻宗と新吾は杉浦家に呼び出された。新吾は杉浦の治療をしたくない。幻宗が傷口を開き膿を取り出すのを見ていると手助けしてしまった。薬を入れ縫合する。念のため一晩泊まる。幻宗はそれでいい。それが医者だと新吾に言う。杉浦は順調に快復していた。杉浦は御徒頭を辞する。幻宗と新吾を襲ったのは杉浦の後釜を狙う、大岩主水だった。素行の悪さから後釜の目はないらしい。
新吾は二人が住む離れが出来上がれば香保と祝言を挙げる。表御番医だった香保の父・上島漠泉は入谷の植木屋の離れで町医者をしていた。香保に思いをぶつけ、漠泉の許しも順庵の許しも得た。
大名の藩医の話が持ち上がる。幻宗の元仕えた松江藩だった。幻宗は懸念を抱いていたが、新吾は困難が待ち受けていようとも新しい道を歩もうと思った。
文政十二年 1829年
幻宗と新吾は武家屋敷で刀傷の患者の手術をした。後日術後が心配で見に行くとそんな者はいないと言われた。
新吾に武家屋敷のことを尋ねた新吾の患者・徳造が殺された。養父・順庵の患者の栃木屋の内儀・せいと手代が外出したまま帰らない。心中したような話になっていた。新吾は徳造の殺された理由を探りながら栃木屋の内儀を探していると、患者を装って呼び出しを受け命を狙われた。七日経って手代の遺体が見付かった。斬られていた。内儀の遺体が見付かった。簪で喉を突いた自害だった。
武家屋敷は丸山藩村沢家の下屋敷だった。村山肥後守の側室の兄が御徒頭・杉浦藤四郎だった。村山家を訪れた栃木屋のせいを杉浦が手込めにしようとした。せいは簪で喉を突き、それを知った手代は杉浦の脇差で杉浦を刺した。手代は殺され、長持ちで運び出される遺体を見た徳造は村山家の中間と話をして殺された。手術後、杉浦は自分の屋敷に運び込まれていた。証拠がなかった。幻宗と新吾は杉浦家の用人と名乗る者に呼び出され浪人に襲われる。
幻宗と新吾は杉浦家に呼び出された。新吾は杉浦の治療をしたくない。幻宗が傷口を開き膿を取り出すのを見ていると手助けしてしまった。薬を入れ縫合する。念のため一晩泊まる。幻宗はそれでいい。それが医者だと新吾に言う。杉浦は順調に快復していた。杉浦は御徒頭を辞する。幻宗と新吾を襲ったのは杉浦の後釜を狙う、大岩主水だった。素行の悪さから後釜の目はないらしい。
新吾は二人が住む離れが出来上がれば香保と祝言を挙げる。表御番医だった香保の父・上島漠泉は入谷の植木屋の離れで町医者をしていた。香保に思いをぶつけ、漠泉の許しも順庵の許しも得た。
大名の藩医の話が持ち上がる。幻宗の元仕えた松江藩だった。幻宗は懸念を抱いていたが、新吾は困難が待ち受けていようとも新しい道を歩もうと思った。
2017年10月23日月曜日
着物始末暦(五) なみだ縮緬
着物始末暦(五) なみだ縮緬 中島要
神の衣 玉は大隅屋に嫁入りしてからも娘のような格好をしていた。姑の園が娘が欲しかったと振り袖を出してくる。瓦版にまで大隅屋の内儀・園の派手好みと娘の格好をした嫁の話が載せられる。桐屋の先代が世話になった紙問屋・天乃屋の若旦那・玉の幼馴染み・礼治郎が現れる。みつは余一に園の着道楽をやめさせる方法を相談する。園の着物を売り古着を寺に寄進し配った。園は年相応の格好をし、玉は丸髷にした。
吉原桜 余一は唐橋花魁の妹分の紅鶴に「いろはの打掛け」を始末することになった。いろはの打掛けは唐橋の打掛けを唐橋の恋の喪服に仕立て直した物だった。してはいけない恋の別れをを妹分のために乗り越えるための打掛け。紅鶴から御新造に思いのまま話しなさいと忠告される。玉の気持ちを理解する。
なみだ縮緬 大隅屋の余一への礼を糸が縫い、余一に届けたとき、余一は糸にもう来るなと拒絶した。拒絶された糸は倒れる。助けたのは天乃屋の礼治郎だった。礼治郎は糸の余一に対する気持ちを知りながら求婚する。礼治郎は母親の振り袖を糸用に余一に始末を頼む。余一は糸に幸せになって欲しいと言う。礼治郎は十年前から糸のことを見ていたと言う。余一は糸が縫った着物を着て振り袖を持ってきた。背紋にだるまの刺繍が入っていた。
未だ来らず 余一は自分の生まれの所為で所帯を持ってはいけないと思っていた。自分に糸を巻き込みたくなかった。
市村座の山川雪弥の大名の隠居から送られた衣装を千吉が盗んだ。雪弥はその振り袖で隠居の前で踊らねばならなくなった。余一は白無垢に本物の南天の葉を縫い付けた。雪弥は踊った。師匠が立派な衣装に頼ることなく踊ってごらんとけしかけたと隠居に言った。気合いの入ったいい踊りだったと言われた。千吉は着物を返しに来た。千吉は六助の店で面倒をみることになった。
神の衣 玉は大隅屋に嫁入りしてからも娘のような格好をしていた。姑の園が娘が欲しかったと振り袖を出してくる。瓦版にまで大隅屋の内儀・園の派手好みと娘の格好をした嫁の話が載せられる。桐屋の先代が世話になった紙問屋・天乃屋の若旦那・玉の幼馴染み・礼治郎が現れる。みつは余一に園の着道楽をやめさせる方法を相談する。園の着物を売り古着を寺に寄進し配った。園は年相応の格好をし、玉は丸髷にした。
吉原桜 余一は唐橋花魁の妹分の紅鶴に「いろはの打掛け」を始末することになった。いろはの打掛けは唐橋の打掛けを唐橋の恋の喪服に仕立て直した物だった。してはいけない恋の別れをを妹分のために乗り越えるための打掛け。紅鶴から御新造に思いのまま話しなさいと忠告される。玉の気持ちを理解する。
なみだ縮緬 大隅屋の余一への礼を糸が縫い、余一に届けたとき、余一は糸にもう来るなと拒絶した。拒絶された糸は倒れる。助けたのは天乃屋の礼治郎だった。礼治郎は糸の余一に対する気持ちを知りながら求婚する。礼治郎は母親の振り袖を糸用に余一に始末を頼む。余一は糸に幸せになって欲しいと言う。礼治郎は十年前から糸のことを見ていたと言う。余一は糸が縫った着物を着て振り袖を持ってきた。背紋にだるまの刺繍が入っていた。
未だ来らず 余一は自分の生まれの所為で所帯を持ってはいけないと思っていた。自分に糸を巻き込みたくなかった。
市村座の山川雪弥の大名の隠居から送られた衣装を千吉が盗んだ。雪弥はその振り袖で隠居の前で踊らねばならなくなった。余一は白無垢に本物の南天の葉を縫い付けた。雪弥は踊った。師匠が立派な衣装に頼ることなく踊ってごらんとけしかけたと隠居に言った。気合いの入ったいい踊りだったと言われた。千吉は着物を返しに来た。千吉は六助の店で面倒をみることになった。
2017年10月22日日曜日
刀番・左京之介(八) 関の孫六
刀番・左京之介(八) 関の孫六 藤井邦夫
駿河国汐崎藩藩主・堀田家憲15才に縁談が起こる。相手は尾張藩五の姫十八才・珠姫だった。先代藩主の奥方が御三家水戸の姫様で苦い教訓があったため断りたいと思う。
刀番・京之介は佐吉と楓に頼み姫様のことを調べる。
楓は尾張藩中屋敷の珠姫の部屋の天井で見張る。珠姫は朝から酒を飲み酒毒に侵されていた。幼少期より母の酒の相手をさせられていた。
尾張藩江戸留守居役・深田帯刀は関の孫六兼元を家憲に見せると言ってきた。刀番・京之介の下に、水戸藩の孫六兼元と旗本から盗まれたという兼元と何本もの兼元の情報が集まる。いずれが本物でどれが偽物か。深田帯刀の元で働く尾張藩御土居下組の者と水戸藩の新しく闇同心になった裏柳生・夏目香四郎が見え隠れする。手柄争いをする二者を見ながら、たき付ける。夏目が尾張の屋敷から関の孫六景元を奪い盗ってきたところを京之介が景元を奪う。
土居下組・服部兵衛は景元を取り返すために水戸藩邸に押し入る。夏目は怪我を負い、江戸家老・岡田采女正から尾張から手を引くように命じられる。尾張藩では曲者が忍び込み深田を脅して関の孫六を奪っていったことが成瀬隼人正に知られていた。深田は噂と打ち消す。成瀬は珠姫の縁談から手を引くように言う。親子は病に罹りお亡くなりになる。密かになと言われた。深田は服部に水戸藩から手を引くと伝える。密かに関の孫六を取り戻すのは尾張藩の与り知らぬことだと付け加える。
服部は水戸家に忍び込み夏目も使い捨てにされたことを知る。夏目がくれた夏目の首を頂き、尾張藩の刀蔵から夏目が旗本から奪っていた景元を奪う。深田が寝ている床の間に夏目の首と関の孫六景元を置く。首はいつでもとれるという気持ちを込めて。
珠姫親子は深田に毒を盛られた。天上裏から見ていた楓は、御付き女中を殺し、深田を追う。京之介と一緒に深田を斬る。珠姫は食中毒で亡くなり縁談は無くなった。
服部と立ち合った京之介は服部を斬った。手に入れた孫六兼元を折った。
駿河国汐崎藩藩主・堀田家憲15才に縁談が起こる。相手は尾張藩五の姫十八才・珠姫だった。先代藩主の奥方が御三家水戸の姫様で苦い教訓があったため断りたいと思う。
刀番・京之介は佐吉と楓に頼み姫様のことを調べる。
楓は尾張藩中屋敷の珠姫の部屋の天井で見張る。珠姫は朝から酒を飲み酒毒に侵されていた。幼少期より母の酒の相手をさせられていた。
尾張藩江戸留守居役・深田帯刀は関の孫六兼元を家憲に見せると言ってきた。刀番・京之介の下に、水戸藩の孫六兼元と旗本から盗まれたという兼元と何本もの兼元の情報が集まる。いずれが本物でどれが偽物か。深田帯刀の元で働く尾張藩御土居下組の者と水戸藩の新しく闇同心になった裏柳生・夏目香四郎が見え隠れする。手柄争いをする二者を見ながら、たき付ける。夏目が尾張の屋敷から関の孫六景元を奪い盗ってきたところを京之介が景元を奪う。
土居下組・服部兵衛は景元を取り返すために水戸藩邸に押し入る。夏目は怪我を負い、江戸家老・岡田采女正から尾張から手を引くように命じられる。尾張藩では曲者が忍び込み深田を脅して関の孫六を奪っていったことが成瀬隼人正に知られていた。深田は噂と打ち消す。成瀬は珠姫の縁談から手を引くように言う。親子は病に罹りお亡くなりになる。密かになと言われた。深田は服部に水戸藩から手を引くと伝える。密かに関の孫六を取り戻すのは尾張藩の与り知らぬことだと付け加える。
服部は水戸家に忍び込み夏目も使い捨てにされたことを知る。夏目がくれた夏目の首を頂き、尾張藩の刀蔵から夏目が旗本から奪っていた景元を奪う。深田が寝ている床の間に夏目の首と関の孫六景元を置く。首はいつでもとれるという気持ちを込めて。
珠姫親子は深田に毒を盛られた。天上裏から見ていた楓は、御付き女中を殺し、深田を追う。京之介と一緒に深田を斬る。珠姫は食中毒で亡くなり縁談は無くなった。
服部と立ち合った京之介は服部を斬った。手に入れた孫六兼元を折った。
2017年10月21日土曜日
かりんとう侍
かりんとう侍 中島要
嘉永七年 1854年 安政二年 1855年
日下雄征(たけゆき)23才 兄が賄頭を務める家禄二百石の旗本の次男、妻帯して十年の兄夫婦には子どもがいなかったが、懐妊した。小普請支配組頭・有森俵衛門の娘・富美江との養子縁組みのはなしが持ち上がる。雄征には慕ってくれる芸者・鶴次がいた。鶴次の借金を払った材木商が鶴次を妾にしようとする。峰正の妻・美里と会い、有森家との縁談を断る。日下家を出る。
雄征の幼馴染み
小笹鉄之進26才 代々大番務めの小身旗本の部屋住み。剣術に勤しみ、町道場の師範代。後に、雄征のことを己の中でふわふわしていたと言う。進二郎は人の仲でふわふわしていたという。
増山進二郎24才 二百石の旗本小普請支配の次男。組頭に縁談を申し込み「身の程知らず」と断られた。組頭の娘・富美江と雄征の婚姻の話を聞き、雄征の芸者との話をでっち上げ邪魔するが、整ったことで雄征を斬ろうとする。その後、行方不明になる。
香川峰正 秀才の峰正は七百石御腰物奉行・重村頼母の婿養子になった。三年で子どもができ、峰正は離縁された。義父を恨んで差腹を切るが失敗する。妻だった・美里と出奔する。寺子屋の師匠をしている。
雄征は日下家を出たが、何をするか決めていない。鶴次の所へは行けない。知り合った瓦版を書いている魯文のところに居候する。魯文の瓦版の下調べをしている。安政の大地震が起こる。
雄征は江戸の広い範囲の地震の起きる前兆のこと、地震の回数、頻度、大きさ、火事のこと被害のこと、今だから出きるこ後になれば忘れられることを書き残す。
地本問屋・三河屋の地震についてまとめたものを書いて欲しいと頼まれた魯文に、雄征は調べて書き残していたものを提供する。「安政見聞誌」三冊組となり発売された。
高級菓子屋・鶴亀屋が無料で配っていたかりんとうを食べた雄征は、ささやのかりんとうだと言った。ささやの主人は地震で亡くなった。もう食べられないと思っていた味だった。鶴亀屋の店では売れないかりんとうを売るため鶴亀屋を出て、小さな店で働いていた主人・乏しい小遣いで買ってくれる子どもが大事と言っていた主人の作り方を持っていた主人の娘に雄征は作り方を習っている。かりんとう売りをするつもりで。
材木商の主人が亡くなり妾に行かなくてよくなった鶴次の家に住んでいる。
嘉永七年 1854年 安政二年 1855年
日下雄征(たけゆき)23才 兄が賄頭を務める家禄二百石の旗本の次男、妻帯して十年の兄夫婦には子どもがいなかったが、懐妊した。小普請支配組頭・有森俵衛門の娘・富美江との養子縁組みのはなしが持ち上がる。雄征には慕ってくれる芸者・鶴次がいた。鶴次の借金を払った材木商が鶴次を妾にしようとする。峰正の妻・美里と会い、有森家との縁談を断る。日下家を出る。
雄征の幼馴染み
小笹鉄之進26才 代々大番務めの小身旗本の部屋住み。剣術に勤しみ、町道場の師範代。後に、雄征のことを己の中でふわふわしていたと言う。進二郎は人の仲でふわふわしていたという。
増山進二郎24才 二百石の旗本小普請支配の次男。組頭に縁談を申し込み「身の程知らず」と断られた。組頭の娘・富美江と雄征の婚姻の話を聞き、雄征の芸者との話をでっち上げ邪魔するが、整ったことで雄征を斬ろうとする。その後、行方不明になる。
香川峰正 秀才の峰正は七百石御腰物奉行・重村頼母の婿養子になった。三年で子どもができ、峰正は離縁された。義父を恨んで差腹を切るが失敗する。妻だった・美里と出奔する。寺子屋の師匠をしている。
雄征は日下家を出たが、何をするか決めていない。鶴次の所へは行けない。知り合った瓦版を書いている魯文のところに居候する。魯文の瓦版の下調べをしている。安政の大地震が起こる。
雄征は江戸の広い範囲の地震の起きる前兆のこと、地震の回数、頻度、大きさ、火事のこと被害のこと、今だから出きるこ後になれば忘れられることを書き残す。
地本問屋・三河屋の地震についてまとめたものを書いて欲しいと頼まれた魯文に、雄征は調べて書き残していたものを提供する。「安政見聞誌」三冊組となり発売された。
高級菓子屋・鶴亀屋が無料で配っていたかりんとうを食べた雄征は、ささやのかりんとうだと言った。ささやの主人は地震で亡くなった。もう食べられないと思っていた味だった。鶴亀屋の店では売れないかりんとうを売るため鶴亀屋を出て、小さな店で働いていた主人・乏しい小遣いで買ってくれる子どもが大事と言っていた主人の作り方を持っていた主人の娘に雄征は作り方を習っている。かりんとう売りをするつもりで。
材木商の主人が亡くなり妾に行かなくてよくなった鶴次の家に住んでいる。
2017年10月20日金曜日
風の王国〈5〉 渤海滅亡
風の王国〈5〉 渤海滅亡 平谷美樹
堙譔王20年 925年 12月
明秀がいた遼州城で東日流人千人を人質にされ開城を要求される。兵は明秀を人質にしたと言われた。行ったのは、契丹と内通する渤海の裴與、高元譲の東日流から遼州城を渤海のものにすると言う言葉に促された高寿昌、賀文英、李子澄によるものだった。東日流人は明秀の邪魔になるならと油を掛けられていた身体を火に寄せる。千人は焼け死ぬ。
何も聞かされていない渤海人は、開城してやって来る契丹軍に備えるためといいながら扶余府まで行った。後に耶津尭骨(突欲の弟)が入った。明秀、趙遂良、奥津姫、尸寐が護送用馬車で上京臨黄府・契丹の首都へ送られる。
926年
勇魚は安市城を清瀬麻呂から取り返した。
契丹軍は渤海国上京龍泉府の王城・忽汗城を攻めた。忽汗城には高元譲がいる。堙譔は言いなりで命乞いし契丹の軍門に降った。
忽汗城降伏の知らせが届いた夕方、明秀たち四人は牢を抜け出した。夜、明秀たちを助けにきた蓮姫たちと晏羣が出会う。逃げ出していた四人と会い草原を逃げた。
渤海を東丹国という名にし、皇太子である突欲が治める。月理朶が言った。
元号は天顕、忽汗城を天福城。突欲は天福城は入った。
二月 東丹国、国王・突欲 左大臣・耶津迭刺 右大臣・高元譲 左次相・大素賢 右次相・耶津羽之になった。皇帝阿保機は天皇、月理朶は地皇帝、突欲は人皇帝と呼ばれる。
七月 尭骨は父・阿保機を斬り殺した。須哩奴夷靺鞨の奇襲と声を上げる。突欲は夢を見た。突欲は劉于と仲輔伯、背に遊部の円目と比自姫を結わえ付け扶余城へ行く。
堙譔王20年 925年 12月
明秀がいた遼州城で東日流人千人を人質にされ開城を要求される。兵は明秀を人質にしたと言われた。行ったのは、契丹と内通する渤海の裴與、高元譲の東日流から遼州城を渤海のものにすると言う言葉に促された高寿昌、賀文英、李子澄によるものだった。東日流人は明秀の邪魔になるならと油を掛けられていた身体を火に寄せる。千人は焼け死ぬ。
何も聞かされていない渤海人は、開城してやって来る契丹軍に備えるためといいながら扶余府まで行った。後に耶津尭骨(突欲の弟)が入った。明秀、趙遂良、奥津姫、尸寐が護送用馬車で上京臨黄府・契丹の首都へ送られる。
926年
勇魚は安市城を清瀬麻呂から取り返した。
契丹軍は渤海国上京龍泉府の王城・忽汗城を攻めた。忽汗城には高元譲がいる。堙譔は言いなりで命乞いし契丹の軍門に降った。
忽汗城降伏の知らせが届いた夕方、明秀たち四人は牢を抜け出した。夜、明秀たちを助けにきた蓮姫たちと晏羣が出会う。逃げ出していた四人と会い草原を逃げた。
渤海を東丹国という名にし、皇太子である突欲が治める。月理朶が言った。
元号は天顕、忽汗城を天福城。突欲は天福城は入った。
二月 東丹国、国王・突欲 左大臣・耶津迭刺 右大臣・高元譲 左次相・大素賢 右次相・耶津羽之になった。皇帝阿保機は天皇、月理朶は地皇帝、突欲は人皇帝と呼ばれる。
七月 尭骨は父・阿保機を斬り殺した。須哩奴夷靺鞨の奇襲と声を上げる。突欲は夢を見た。突欲は劉于と仲輔伯、背に遊部の円目と比自姫を結わえ付け扶余城へ行く。
2017年10月19日木曜日
風の王国〈4〉 東日流の台頭
風の王国〈4〉 東日流の台頭 平谷美樹
東日流は遼東に東日流府を打ち立てた。堙譔王15年 920年
明秀は須哩奴夷靺鞨を助けに向かう。明秀の狼は狼の群れのボスになる。明秀はアルトゥ(金)、元ボスをモング(銀)と名付けた。明秀は須哩奴夷靺鞨の蓮姫やバアトルと一緒に契丹のゲリラ兵士と戦い全滅を阻止した。
遼東の安市城にいる勇魚のもとに、罪のない良民を多数殺し死罪になる前に出奔してい建部清瀬麻呂が罪を償うと帰ってきた。清瀬麻呂は劉倍老人(突欲)暗示にかかっていた。安市城は内から攻められ勇魚は怪我を負い助けられたが、安市城は契丹のものになり清瀬麻呂が入った。東日流軍は火薬を使った。
堙譔王20年 925年
渤海は唐からの援軍要請のため芳蘭を唐への貢ぎ物にする。芳蘭の侍従・冨先が行く。芳蘭は逃げる途中、明秀に付いている霊・橘によって契丹の突欲の下へ誘われる。橘は突欲も誘う。
東日流は遼東に東日流府を打ち立てた。堙譔王15年 920年
明秀は須哩奴夷靺鞨を助けに向かう。明秀の狼は狼の群れのボスになる。明秀はアルトゥ(金)、元ボスをモング(銀)と名付けた。明秀は須哩奴夷靺鞨の蓮姫やバアトルと一緒に契丹のゲリラ兵士と戦い全滅を阻止した。
遼東の安市城にいる勇魚のもとに、罪のない良民を多数殺し死罪になる前に出奔してい建部清瀬麻呂が罪を償うと帰ってきた。清瀬麻呂は劉倍老人(突欲)暗示にかかっていた。安市城は内から攻められ勇魚は怪我を負い助けられたが、安市城は契丹のものになり清瀬麻呂が入った。東日流軍は火薬を使った。
堙譔王20年 925年
渤海は唐からの援軍要請のため芳蘭を唐への貢ぎ物にする。芳蘭の侍従・冨先が行く。芳蘭は逃げる途中、明秀に付いている霊・橘によって契丹の突欲の下へ誘われる。橘は突欲も誘う。
2017年10月18日水曜日
風の王国〈3〉 東日流の御霊使
風の王国〈3〉 東日流の御霊使 平谷美樹
大明秀は東日流から千人の援軍を率いて渤海へやってきた。
安東兼任から周蘭と芳蘭のことを聞き、明秀は大徳信等と契丹へ行く。須哩奴夷靺鞨に捕らえられていた芳蘭は突欲に捕まっていた。突欲は芳蘭を返す。
突欲は大和から死者の蘇生の舞を舞う遊部の禰宜・円目と余比・比自姫を連れてくる。
明秀と勇魚は高句麗の古城を占領し、遼東東日流府を名乗った。
大明秀は東日流から千人の援軍を率いて渤海へやってきた。
安東兼任から周蘭と芳蘭のことを聞き、明秀は大徳信等と契丹へ行く。須哩奴夷靺鞨に捕らえられていた芳蘭は突欲に捕まっていた。突欲は芳蘭を返す。
突欲は大和から死者の蘇生の舞を舞う遊部の禰宜・円目と余比・比自姫を連れてくる。
明秀と勇魚は高句麗の古城を占領し、遼東東日流府を名乗った。
2017年10月17日火曜日
茶筅の旗
茶筅の旗 藤原緋紗子
宇治郷で茶薗を営む朝日奈道意の娘・綸21才。
茶薗を営むのは元豪士。特権を与えられ、名字帯刀を与えられ、御茶師頭取・上林家は代官として郷を治めている。
綸は七才の時、関ヶ原の戦いで伏見が火の粉に包まれ綸は焼け出された。美しい着物を着た女人に助け出され古田織部に渡され、朝日奈道意の養女となった。綸は記憶を失っていた。織部は山城国西岡三万五千石を長男に譲り、近江一万石を隠居領としていた。茶道界に君臨し、宇治の御茶吟味役を担っていた。
綸は織部の弟子・小堀遠州36才を慕っていた。小堀は十九才で藤堂高虎の養女を妻にしていた。二年ほど前から小堀は織部に近ずかなくなった。綸は上林家の養子・清四郎を婿にすることが決まっていた。
道意が倒れる。道意の「御茶日記」を渡される。朝日奈家の財産だ、代々の当主の知恵、教訓が詰まっていた。清四郎が柴売りの少年・虎吉がいじめられているのを助ける所を見た。虎吉に近いうちに朝日奈家の婿になる。その人が俺の妻になる。何かあれば来いと言った。そして自分は上林の養子でどこの馬の骨か分からんと言った。
今年の茶摘みが終わった。道意が悪くなり綸は清四郎を迎える。清四郎は綸が心から夫と認めるまで待つと言う。綸が十三才の時から思い続けた。綸と一緒になることができて幸せだ。きっと好いてくれると信じている。
徳川と豊臣の戦いが始まる。宇治でも徳川の食事を作らねばならない。和議が成立。残党狩りをするが綸は小堀の手から残党を助ける。虎吉は道案内をしていた。
御茶師の格付けが始まる。小堀が吟味役できた。一言言いたい綸を清四郎は止める。朝日奈のばばは「怒りは呑み込め、それを糧にして機をみて踏み出せ、何どきも御茶師であることを忘れるな。」
織部の切腹が決まった。綸は織部と会い、御茶を飲んだ。織部が削った茶杓を貰った。銘は綸。
御茶師は秀忠にお目見えした。朝日奈の後継として紹介され古袱紗を賜った。
格付けの発表があった。「御物御茶師」「御袋御茶師」「御通御茶師」最後に朝日奈清四郎・綸が入った。宇治が徳川政権に完全に置かれた証しだった。
名を呼ばれなかった里見家から嫌がらせが始まった。摘み子の引き抜き。焙炉師の六之助は心中に見せて殺されていた。茶薗を荒らされる。犯人を捕まえた。全てのことを白状した。小堀が所司代へ連れて行く。里見家は家財没収、主人夫婦と倅は追放となった。
虎吉が働きに来た。綸は虎吉を下働き、御茶の仕立てを習得させ、茶商に育てようと思う。
最上級の青茶は「後昔」、白茶「初昔」と決まった。後は各家で名付けて良いことになった。
綸は懐妊した。
宇治郷で茶薗を営む朝日奈道意の娘・綸21才。
茶薗を営むのは元豪士。特権を与えられ、名字帯刀を与えられ、御茶師頭取・上林家は代官として郷を治めている。
綸は七才の時、関ヶ原の戦いで伏見が火の粉に包まれ綸は焼け出された。美しい着物を着た女人に助け出され古田織部に渡され、朝日奈道意の養女となった。綸は記憶を失っていた。織部は山城国西岡三万五千石を長男に譲り、近江一万石を隠居領としていた。茶道界に君臨し、宇治の御茶吟味役を担っていた。
綸は織部の弟子・小堀遠州36才を慕っていた。小堀は十九才で藤堂高虎の養女を妻にしていた。二年ほど前から小堀は織部に近ずかなくなった。綸は上林家の養子・清四郎を婿にすることが決まっていた。
道意が倒れる。道意の「御茶日記」を渡される。朝日奈家の財産だ、代々の当主の知恵、教訓が詰まっていた。清四郎が柴売りの少年・虎吉がいじめられているのを助ける所を見た。虎吉に近いうちに朝日奈家の婿になる。その人が俺の妻になる。何かあれば来いと言った。そして自分は上林の養子でどこの馬の骨か分からんと言った。
今年の茶摘みが終わった。道意が悪くなり綸は清四郎を迎える。清四郎は綸が心から夫と認めるまで待つと言う。綸が十三才の時から思い続けた。綸と一緒になることができて幸せだ。きっと好いてくれると信じている。
徳川と豊臣の戦いが始まる。宇治でも徳川の食事を作らねばならない。和議が成立。残党狩りをするが綸は小堀の手から残党を助ける。虎吉は道案内をしていた。
御茶師の格付けが始まる。小堀が吟味役できた。一言言いたい綸を清四郎は止める。朝日奈のばばは「怒りは呑み込め、それを糧にして機をみて踏み出せ、何どきも御茶師であることを忘れるな。」
織部の切腹が決まった。綸は織部と会い、御茶を飲んだ。織部が削った茶杓を貰った。銘は綸。
御茶師は秀忠にお目見えした。朝日奈の後継として紹介され古袱紗を賜った。
格付けの発表があった。「御物御茶師」「御袋御茶師」「御通御茶師」最後に朝日奈清四郎・綸が入った。宇治が徳川政権に完全に置かれた証しだった。
名を呼ばれなかった里見家から嫌がらせが始まった。摘み子の引き抜き。焙炉師の六之助は心中に見せて殺されていた。茶薗を荒らされる。犯人を捕まえた。全てのことを白状した。小堀が所司代へ連れて行く。里見家は家財没収、主人夫婦と倅は追放となった。
虎吉が働きに来た。綸は虎吉を下働き、御茶の仕立てを習得させ、茶商に育てようと思う。
最上級の青茶は「後昔」、白茶「初昔」と決まった。後は各家で名付けて良いことになった。
綸は懐妊した。
2017年10月16日月曜日
入り婿侍商い帖 大目付御用〈一〉
入り婿侍商い帖 大目付御用〈一〉 千野隆司
文化十年 1813年 六月
大黒屋は年間四千俵の商い高を持つ米問屋になった。
角次郎37才 六年前、五月女家の家督を善太郎に譲り隠居の形をとり大黒屋に戻った。
善太郎16才 家禄三百五十石旗本五月女家の当主。妹・波津14才。羽前屋の娘・稲16才
善兵衛 女房・トクを四年前に亡くす。
角次郎の女房・万季は稲が善太郎に好意をもつことを危ぶんでいた。稲も波津も跡取り娘で婿をとらなければいけないから。
札差・多留屋の株を八百両で羽前屋の恒右衛門と後二軒の四軒で買う手はずで二百両の手付けを払う。老中筆頭・松平信明の三河吉田藩の藩米を扱っている千種屋が後ろ立ての房川屋が違約金二百両を払い、多留屋の株を買った。大黒屋たちは四百両を返された。
札差株を売りたいという店が出てきた。大黒屋は乗り気だ。
将軍・家斉から回ってきた目安箱の書状、土井利厚が家斉から大目付・中川忠英指名され内々に吟味することになった。古河藩七万石土井家の下野寒川郡上井岡村の名主の息子・作次郎の箱訴だった。六公四民の徴税、名主・作左衛門は減免を求めていた。名主が水門に落ちて亡くなった。不自然だと訴えた息子は村外追放になった。調べて欲しいという内容だった。藩主・土井利厚には何も知らされていない。上井岡村は中老・土井利惟・先々代藩主の異腹の弟の禄千石の知行地。利惟七十三歳。家臣だが、大叔父、領地の仕置きの功労者。土井利厚は摂津尼崎藩主・松平忠名の四男で先代藩主・利見の養嗣子なので、利惟に遠慮があった。内々で調べるように頼まれた中川は角次郎に調べを頼む。
古河藩側用人・設楽五郎太から藩主・利厚に子がないため、継嗣が決まっていない。利惟の孫・利昌21才の名が上がっていることを話す。国家老・荻野外記が昵懇の間柄。城代家老・友澤采女だけでは反対出来ない。国事情を語る。利惟の米は房川屋が商っていた。
南町定廻り同心・嶋津惣右介のいう身元不明の死体が作次郎だと分かった。刀で斬られていた。
千種屋が古河藩江戸家老・神崎鋳左衛門と繋がろうとしていることが分かった。千種屋は三河吉田藩の藩政に口を出し、金を貸し、水路を引き、米蔵を藩の政としてやらせ、政商となっていた。
角次郎は善太郎と上井岡村を調べに行く。商人姿で米の仕入れのために来たように振る舞う。
名主が落ちる前、百姓代の喜兵衛と利惟の家臣・河原田が一緒だったこと。年貢が高いこと。作次郎が殺された時、河原田が旅姿だったことを調べあげた。年貢米が房川屋・千種屋にはこばれたことも探った。二人は河原田に狙われた。連判状と昇進を約束するような書付を狙うことにした。夜、旅籠を狙われる。
善太郎は五月女家の知行地に行く。江戸に帰る。
河原田が神崎に渡す前に連判状と書付を奪った。連判状は不正ではない。が書状は推薦を依頼し、利益を保証するものだった。
上井岡村は藩が召し上げ、年貢米は大黒屋の仕入れになった。敵も出来た。
文化十年 1813年 六月
大黒屋は年間四千俵の商い高を持つ米問屋になった。
角次郎37才 六年前、五月女家の家督を善太郎に譲り隠居の形をとり大黒屋に戻った。
善太郎16才 家禄三百五十石旗本五月女家の当主。妹・波津14才。羽前屋の娘・稲16才
善兵衛 女房・トクを四年前に亡くす。
角次郎の女房・万季は稲が善太郎に好意をもつことを危ぶんでいた。稲も波津も跡取り娘で婿をとらなければいけないから。
札差・多留屋の株を八百両で羽前屋の恒右衛門と後二軒の四軒で買う手はずで二百両の手付けを払う。老中筆頭・松平信明の三河吉田藩の藩米を扱っている千種屋が後ろ立ての房川屋が違約金二百両を払い、多留屋の株を買った。大黒屋たちは四百両を返された。
札差株を売りたいという店が出てきた。大黒屋は乗り気だ。
将軍・家斉から回ってきた目安箱の書状、土井利厚が家斉から大目付・中川忠英指名され内々に吟味することになった。古河藩七万石土井家の下野寒川郡上井岡村の名主の息子・作次郎の箱訴だった。六公四民の徴税、名主・作左衛門は減免を求めていた。名主が水門に落ちて亡くなった。不自然だと訴えた息子は村外追放になった。調べて欲しいという内容だった。藩主・土井利厚には何も知らされていない。上井岡村は中老・土井利惟・先々代藩主の異腹の弟の禄千石の知行地。利惟七十三歳。家臣だが、大叔父、領地の仕置きの功労者。土井利厚は摂津尼崎藩主・松平忠名の四男で先代藩主・利見の養嗣子なので、利惟に遠慮があった。内々で調べるように頼まれた中川は角次郎に調べを頼む。
古河藩側用人・設楽五郎太から藩主・利厚に子がないため、継嗣が決まっていない。利惟の孫・利昌21才の名が上がっていることを話す。国家老・荻野外記が昵懇の間柄。城代家老・友澤采女だけでは反対出来ない。国事情を語る。利惟の米は房川屋が商っていた。
南町定廻り同心・嶋津惣右介のいう身元不明の死体が作次郎だと分かった。刀で斬られていた。
千種屋が古河藩江戸家老・神崎鋳左衛門と繋がろうとしていることが分かった。千種屋は三河吉田藩の藩政に口を出し、金を貸し、水路を引き、米蔵を藩の政としてやらせ、政商となっていた。
角次郎は善太郎と上井岡村を調べに行く。商人姿で米の仕入れのために来たように振る舞う。
名主が落ちる前、百姓代の喜兵衛と利惟の家臣・河原田が一緒だったこと。年貢が高いこと。作次郎が殺された時、河原田が旅姿だったことを調べあげた。年貢米が房川屋・千種屋にはこばれたことも探った。二人は河原田に狙われた。連判状と昇進を約束するような書付を狙うことにした。夜、旅籠を狙われる。
善太郎は五月女家の知行地に行く。江戸に帰る。
河原田が神崎に渡す前に連判状と書付を奪った。連判状は不正ではない。が書状は推薦を依頼し、利益を保証するものだった。
上井岡村は藩が召し上げ、年貢米は大黒屋の仕入れになった。敵も出来た。
2017年10月15日日曜日
2017年10月14日土曜日
神様の御用人(7)
神様の御用人(7) 浅葉なつ
宣之言書に現れた新な神、須佐之男命の実兄・月読命だった。月読命は夜が明けると記憶が消える。そのために毎日日記を書いていた。唯一覚えているのが須佐之男命のことだった。世話になっているので恩返しがしたい、須佐之男命は何が欲しいだろうかというのが今回の調べだった。須佐之男命は恩返しなど不要という。
荒魂を無くし、和魂だけで生活している月読命の荒魂を探すことになった。月読命は銀髪に銀色の瞳、時々痛む手袋をした手先に爪先、彼の中に荒魂が存在しないからではないか。兄・須佐之男命も弟が元気になると喜ぶだろうと良彦は思う。宣之言書の墨の色が変わらず、大神の了承を得た。
方位神・黄金は良彦の前に現れなくなった。須佐之男命も調べることを拒否する。須佐之男命は「月読命が治めている夜の国が欲しくなって月読命の荒魂を儂が喰ろうた。」と言う。古事記にも日本書紀にも月読命のエピソードが少ない。
月読命が高天原をのっとろうとしていると噂が流れ月読命は失脚させようとしている勢力があることを知る。家族を天上から人間界に降ろした。見守っていたが人間界に降りた妻子は亡くなった。妻子の死を知って怒りと絶望に我を忘れた月読命の衝撃は凄まじく、高天原の田園は荒野と化し、蟲がうごめいた。荒気に当たったものは皮の剥がれた肉塊となり息絶えた。備蓄の作物は腐り悪臭を放つ。毒は高天原の最奥へ広がった。月読命は捕まった。力を鎮めるため手足の爪を抜き、髪を断切られた。
高天原を荒野にし、動物を殺し、神を殺し、大日る女神に嘆きと悲しみを与えたのは須佐之男命である。と宣言し月読命を伴って、大気都比売神(おおけつひめのかみ)の元に身を寄せた。気がついた月読命は大気都比売神を斬ってしまう。大気都比売神は再生できる。大気都比女神に斬ったのは須佐之男命だ。と繰り返し刷り込む。話が作られた。
月読命はこれ以上誰も傷つけないように、全ての罪と記憶を荒魂に封じる。抜け殻になる私を宜しく頼むと須佐之男命に言い残す。
事件後、大気都比売神は天照太御神と名乗る。
良彦と月読命は昔の月読命を知ってしまった。本当のことを知っているのはほんの僅かの者だった。みんな一人で抱えていた。月読命はショックを受け立直れない。良彦は知ってしまったことに驚くが、それでも荒魂の行へを探す。
良彦は全国学生美術展で「瑠璃色の月が昇るとき・・・竹取物語・異聞」と題された作品を見る。女性から話を聞く。作者の母だった。
月から一人の姫が落とされる。貴族や王が求婚したが、誰にもなびくことなく月を眺めて迎えを待つ。月にいる家族を恋しがって泣く従者に「瑠璃色の満月が昇る時、きっとまた会える」と励ます。が従者も姫も息絶えた。月に姫の魂の安寧を祈り、月信仰が生まれた。日本風な竹取物語になった。
ロマンと言う良彦に彼女は、前の夫・羽田野唯司の家に伝わる話だという。
実は月からきた姫には娘がいて子孫が繁栄し大国を築き、月を信仰する一族になり古代日本に渡り、渡来人という形で日本に溶け込み、秦氏と呼ばれた。と付け加える。
良彦は荒魂のある場所が分かった。どうして須佐之男命が月読命の罪を被ったかも。妻子を日本ではなく大陸へ降ろせばみつからない、と提案し、兄の妻子の手を引いて地上へ先導したのは須佐之男命だったのだ。月読命の罪を被り、不自由な身体の世話をするのは贖罪だった。良彦は須佐之男命に竹取物語異聞として語り継いでいる人がいる話をする。
良彦は月読命を復活させようとする。姉・天照太御神を呼び、月読命の復活をお願いする。朱色の光が瑠璃色の月になり青い光になり押さえつけられていた手が無くなった時、勾玉が産声をあげる赤ん坊になっていた。
二日経ち、月読命は五才ほどになった。数日前まで赤ん坊だった。須佐之男命が弟であることは分かっている。数日すれば大人になり、ゆっくり確実に全てを思い出すだろう。社の奥に美術展のパンフレットが飾られている。
良彦は諦めない。良彦はきっと辿り着く。やはりそうなった。と須佐之男命と黄金が話している。
吉田穂乃香は満月の絵を書く同級生・松下望みに出会う。
彼女から竹取物語異聞を聞く。
月から一人の姫が落とされる。貴族や王が求婚したが、誰にもなびくことなく月を眺めて迎えを待つ。月にいる家族を恋しがって泣く従者に「瑠璃色の満月が昇る時、きっとまた会える」と励ます。が従者も姫も息絶えた。月に姫の魂の安寧を祈り、月信仰が生まれた。
日本風な竹取物語になった。
穂乃香は彼女に変な人と言われ、変なら変で、堂々としてればいい と言われる。
望の絵は受賞した。母と離婚し、会っていない父に会うために父の作品がある画廊に行く。穂乃香も付いて行く。母も来ていた。帰ろうとする穂乃香を最後まで見届けてと望は言う。望の秘密をいっぱい見た穂乃香は自分の秘密を聞いて貰えるだろうかと考える。
良彦が穂乃香と美術展に行く。待ち合わせ場所には、穂乃香の兄がいた。
宣之言書に現れた新な神、須佐之男命の実兄・月読命だった。月読命は夜が明けると記憶が消える。そのために毎日日記を書いていた。唯一覚えているのが須佐之男命のことだった。世話になっているので恩返しがしたい、須佐之男命は何が欲しいだろうかというのが今回の調べだった。須佐之男命は恩返しなど不要という。
荒魂を無くし、和魂だけで生活している月読命の荒魂を探すことになった。月読命は銀髪に銀色の瞳、時々痛む手袋をした手先に爪先、彼の中に荒魂が存在しないからではないか。兄・須佐之男命も弟が元気になると喜ぶだろうと良彦は思う。宣之言書の墨の色が変わらず、大神の了承を得た。
方位神・黄金は良彦の前に現れなくなった。須佐之男命も調べることを拒否する。須佐之男命は「月読命が治めている夜の国が欲しくなって月読命の荒魂を儂が喰ろうた。」と言う。古事記にも日本書紀にも月読命のエピソードが少ない。
月読命が高天原をのっとろうとしていると噂が流れ月読命は失脚させようとしている勢力があることを知る。家族を天上から人間界に降ろした。見守っていたが人間界に降りた妻子は亡くなった。妻子の死を知って怒りと絶望に我を忘れた月読命の衝撃は凄まじく、高天原の田園は荒野と化し、蟲がうごめいた。荒気に当たったものは皮の剥がれた肉塊となり息絶えた。備蓄の作物は腐り悪臭を放つ。毒は高天原の最奥へ広がった。月読命は捕まった。力を鎮めるため手足の爪を抜き、髪を断切られた。
高天原を荒野にし、動物を殺し、神を殺し、大日る女神に嘆きと悲しみを与えたのは須佐之男命である。と宣言し月読命を伴って、大気都比売神(おおけつひめのかみ)の元に身を寄せた。気がついた月読命は大気都比売神を斬ってしまう。大気都比売神は再生できる。大気都比女神に斬ったのは須佐之男命だ。と繰り返し刷り込む。話が作られた。
月読命はこれ以上誰も傷つけないように、全ての罪と記憶を荒魂に封じる。抜け殻になる私を宜しく頼むと須佐之男命に言い残す。
事件後、大気都比売神は天照太御神と名乗る。
良彦と月読命は昔の月読命を知ってしまった。本当のことを知っているのはほんの僅かの者だった。みんな一人で抱えていた。月読命はショックを受け立直れない。良彦は知ってしまったことに驚くが、それでも荒魂の行へを探す。
良彦は全国学生美術展で「瑠璃色の月が昇るとき・・・竹取物語・異聞」と題された作品を見る。女性から話を聞く。作者の母だった。
月から一人の姫が落とされる。貴族や王が求婚したが、誰にもなびくことなく月を眺めて迎えを待つ。月にいる家族を恋しがって泣く従者に「瑠璃色の満月が昇る時、きっとまた会える」と励ます。が従者も姫も息絶えた。月に姫の魂の安寧を祈り、月信仰が生まれた。日本風な竹取物語になった。
ロマンと言う良彦に彼女は、前の夫・羽田野唯司の家に伝わる話だという。
実は月からきた姫には娘がいて子孫が繁栄し大国を築き、月を信仰する一族になり古代日本に渡り、渡来人という形で日本に溶け込み、秦氏と呼ばれた。と付け加える。
良彦は荒魂のある場所が分かった。どうして須佐之男命が月読命の罪を被ったかも。妻子を日本ではなく大陸へ降ろせばみつからない、と提案し、兄の妻子の手を引いて地上へ先導したのは須佐之男命だったのだ。月読命の罪を被り、不自由な身体の世話をするのは贖罪だった。良彦は須佐之男命に竹取物語異聞として語り継いでいる人がいる話をする。
良彦は月読命を復活させようとする。姉・天照太御神を呼び、月読命の復活をお願いする。朱色の光が瑠璃色の月になり青い光になり押さえつけられていた手が無くなった時、勾玉が産声をあげる赤ん坊になっていた。
二日経ち、月読命は五才ほどになった。数日前まで赤ん坊だった。須佐之男命が弟であることは分かっている。数日すれば大人になり、ゆっくり確実に全てを思い出すだろう。社の奥に美術展のパンフレットが飾られている。
良彦は諦めない。良彦はきっと辿り着く。やはりそうなった。と須佐之男命と黄金が話している。
吉田穂乃香は満月の絵を書く同級生・松下望みに出会う。
彼女から竹取物語異聞を聞く。
月から一人の姫が落とされる。貴族や王が求婚したが、誰にもなびくことなく月を眺めて迎えを待つ。月にいる家族を恋しがって泣く従者に「瑠璃色の満月が昇る時、きっとまた会える」と励ます。が従者も姫も息絶えた。月に姫の魂の安寧を祈り、月信仰が生まれた。
日本風な竹取物語になった。
穂乃香は彼女に変な人と言われ、変なら変で、堂々としてればいい と言われる。
望の絵は受賞した。母と離婚し、会っていない父に会うために父の作品がある画廊に行く。穂乃香も付いて行く。母も来ていた。帰ろうとする穂乃香を最後まで見届けてと望は言う。望の秘密をいっぱい見た穂乃香は自分の秘密を聞いて貰えるだろうかと考える。
良彦が穂乃香と美術展に行く。待ち合わせ場所には、穂乃香の兄がいた。
2017年10月13日金曜日
新・のうらく侍② 恋はかげろう
新・のうらく侍② 恋はかげろう 坂岡真
天明六年 1786年
葛籠桃之進は金公事方から西ノ丸留守居になった。
恋はかげろう 十里四方鉄砲改方組頭・根本彦四郎の妻・八重が手形の発行を願い出る。
八重の父親は大垣藩勘定吟味役だった。勘定奉行・藤崎大膳の不正を調べる途中で切腹させられる。八重に国家老に渡すよう遺言状を託されていた。八重の夫・根本彦四郎の大垣藩御用達米商人・美濃屋との鉄砲の横流しの現状も書かれていた。美濃屋は米の売り惜しみ、自作自演の打ち壊しで米不足を印象づけていた。桃之進は米屋を調べるように命令される。
命令は米問屋の不正を調べることだったが、米相場を高騰させるため暴徒に蔵を襲わせたことを明らかにし、暴徒に流れた鉄砲の入手経路を解明し、暴徒を操っていた藤崎大膳のことも明らかにした。
留守居役・秋山頼母の用人・下村久太郎から伝えられた秋山の言葉は「出る杭は打たれるゆえ、自重せよ」だった。褒美として八重の手形がでた。
百足屋の女房 元北町奉行所年番方与力・漆原帯刀が小石川薬園奉行となっていた。桃之進は養生所で医師・石野誉と見習い医師・若杉を知る。石野は御薬園で栽培を禁止されている高麗人参を栽培していることも知る。若杉が家禄三千石の旗本・益田家の次男・半六に人参を横流しをしており、前奉行を辻斬りに見せかけ殺していたことも知った。高麗人参を栽培していることを知った漆原は薬種問屋越中屋に賄賂を貰い知らぬ振りをすることにした。懐柔が効かない石野は謹慎になる。半六が越中屋に流し、医師・高見沢念朴が使う。念朴は養生所医師になるかも知れないという。若杉が遺書を残し遺言を残し自死した。
桃之進は半六が漆原を殺そうとする所を助け、半六から詳しいことを聞き出す。
越中屋が捕まり、石野が養生所に戻った。御楽園での人参栽培も許可された。
呑みこみ山の寒烏 一橋治済の側室・梅ノ方の実父の寺・石宝寺の本尊の石を削って作り出す化粧品・うさぎ香が大人気。うさぎ香を使っている者が五人亡くなった。桃之進は調べるよう命令される。桃之進と秋山の姪の吉とうさぎ香の調べる。吉は田沼のくノ一だった。住職・栄春の儲けを御側御用取り次ぎの奥津左京太夫が吸い上げていた。栄春は女に曼荼羅華を飲ませていた。五人は犠牲になった女達だった。栄春を殺す。奥津からお梅の方に送られた治済の毒殺を命じる密書を手に入れた阿部備前守の隠密・腰塚孫兵衛から密書を託される。腰塚は殺される。阿部家に行くが門前払い、秋山に見せる。奥津と梅の方を亡き者にする密命を受ける。お梅の方は人形市の雑踏の中、人目が別の場所に集中している瞬間すれ違いざまに斬った。奥津と家臣・入江も斬る。桃之進は厠で阿部備中守に腰塚の名前名乗り書付と出納帳を渡す。陣羽織を頂く。
天明六年 1786年
葛籠桃之進は金公事方から西ノ丸留守居になった。
恋はかげろう 十里四方鉄砲改方組頭・根本彦四郎の妻・八重が手形の発行を願い出る。
八重の父親は大垣藩勘定吟味役だった。勘定奉行・藤崎大膳の不正を調べる途中で切腹させられる。八重に国家老に渡すよう遺言状を託されていた。八重の夫・根本彦四郎の大垣藩御用達米商人・美濃屋との鉄砲の横流しの現状も書かれていた。美濃屋は米の売り惜しみ、自作自演の打ち壊しで米不足を印象づけていた。桃之進は米屋を調べるように命令される。
命令は米問屋の不正を調べることだったが、米相場を高騰させるため暴徒に蔵を襲わせたことを明らかにし、暴徒に流れた鉄砲の入手経路を解明し、暴徒を操っていた藤崎大膳のことも明らかにした。
留守居役・秋山頼母の用人・下村久太郎から伝えられた秋山の言葉は「出る杭は打たれるゆえ、自重せよ」だった。褒美として八重の手形がでた。
百足屋の女房 元北町奉行所年番方与力・漆原帯刀が小石川薬園奉行となっていた。桃之進は養生所で医師・石野誉と見習い医師・若杉を知る。石野は御薬園で栽培を禁止されている高麗人参を栽培していることも知る。若杉が家禄三千石の旗本・益田家の次男・半六に人参を横流しをしており、前奉行を辻斬りに見せかけ殺していたことも知った。高麗人参を栽培していることを知った漆原は薬種問屋越中屋に賄賂を貰い知らぬ振りをすることにした。懐柔が効かない石野は謹慎になる。半六が越中屋に流し、医師・高見沢念朴が使う。念朴は養生所医師になるかも知れないという。若杉が遺書を残し遺言を残し自死した。
桃之進は半六が漆原を殺そうとする所を助け、半六から詳しいことを聞き出す。
越中屋が捕まり、石野が養生所に戻った。御楽園での人参栽培も許可された。
呑みこみ山の寒烏 一橋治済の側室・梅ノ方の実父の寺・石宝寺の本尊の石を削って作り出す化粧品・うさぎ香が大人気。うさぎ香を使っている者が五人亡くなった。桃之進は調べるよう命令される。桃之進と秋山の姪の吉とうさぎ香の調べる。吉は田沼のくノ一だった。住職・栄春の儲けを御側御用取り次ぎの奥津左京太夫が吸い上げていた。栄春は女に曼荼羅華を飲ませていた。五人は犠牲になった女達だった。栄春を殺す。奥津からお梅の方に送られた治済の毒殺を命じる密書を手に入れた阿部備前守の隠密・腰塚孫兵衛から密書を託される。腰塚は殺される。阿部家に行くが門前払い、秋山に見せる。奥津と梅の方を亡き者にする密命を受ける。お梅の方は人形市の雑踏の中、人目が別の場所に集中している瞬間すれ違いざまに斬った。奥津と家臣・入江も斬る。桃之進は厠で阿部備中守に腰塚の名前名乗り書付と出納帳を渡す。陣羽織を頂く。
2017年10月12日木曜日
浪人奉行 二ノ巻
浪人奉行 二ノ巻 稲葉稔
八雲兼四郎は、「さけ めし いろは屋」をやっている。時々、呉服木綿問屋・岩城升屋の主人九右衛門と栖岸院の住職・隆観に頼まれて浪人奉行になる。
回漕問屋の船が乗っ取られているようなで調べることになった。船が行方不明になり、安い反物が出回っているという。岩城升屋は自分の店へ来る船を途中で止めた。岩城升屋の奉公人・定次と橘官兵衛と三人で調べながら松戸へ行く。
五人組が船を乗っ取り船頭等を皆殺しにしているようだ。米等かさ張る物はうちゃって、呉服反物等を売り捌いているようだ。松戸から市川辺りを探す。小廻船の持ち主・徳造が殺され、茶屋の女将・夕が勾引かされていた。彼らは岩城升屋の船を待っていた。
出会った五人組を順に倒す。夕を助け出し、彼らの持っていたお金を四百三十余両回収した。彼らの宿泊家となった百姓家の夫婦は殺されていた。村役に話をし、お金を預けた。江戸に帰る。
九右衛門から二十両受け取った。
八雲兼四郎は、「さけ めし いろは屋」をやっている。時々、呉服木綿問屋・岩城升屋の主人九右衛門と栖岸院の住職・隆観に頼まれて浪人奉行になる。
回漕問屋の船が乗っ取られているようなで調べることになった。船が行方不明になり、安い反物が出回っているという。岩城升屋は自分の店へ来る船を途中で止めた。岩城升屋の奉公人・定次と橘官兵衛と三人で調べながら松戸へ行く。
五人組が船を乗っ取り船頭等を皆殺しにしているようだ。米等かさ張る物はうちゃって、呉服反物等を売り捌いているようだ。松戸から市川辺りを探す。小廻船の持ち主・徳造が殺され、茶屋の女将・夕が勾引かされていた。彼らは岩城升屋の船を待っていた。
出会った五人組を順に倒す。夕を助け出し、彼らの持っていたお金を四百三十余両回収した。彼らの宿泊家となった百姓家の夫婦は殺されていた。村役に話をし、お金を預けた。江戸に帰る。
九右衛門から二十両受け取った。
2017年10月11日水曜日
2017年10月10日火曜日
将監さまの橋
将監さまの橋 澤田ふじ子
重藤の弓 丹波篠山藩青山下野守家中。京都藩邸の奉公人・杉が有職御弓師・大蔵彦次郎に玩ばれ、孕んで井戸へ身を投げた。嵯峨野で中里又十郎は彦次郎が作った弓で彦次郎を射ぬいた。
将監さまの橋 美濃大垣藩御用所右筆番頭・桃田彦十郎は隣家の大隅高蔵が京都からきた公家髷の男に強請られているのを知り、男を将監さまの橋に呼び出し斬った。
短日の菊 美濃大垣藩右筆頭青山市右衛門31才、妻・弥生31才 妹・妙18才、母・五十緒59才。病で寝たきりになっている。奈倉甚九郎61才。甚九郎は四十一年前仇討の旅にでた。十五年前に仇が亡くなっていたことを知り帰ってきた。藩の手違いで連絡を怠り申し訳ないと御用所の支配する敷地の草庵造りの建物に住むように言われた。甚九郎は夫婦になろうと言い交わしていたのは五十緒だった。甚九郎は畑の野菜を皆に分けていた。妙を見た時、五十緒を思った。五十緒は娘たちの話を聞き、甚九郎と分かった。母が亡くなった。妙は甚九郎に菊の花を貰いに行く。甚九郎は線香をあげたいと申しでた。
花鋏 花生けのために通っていた料理屋吉阿弥の主人の紹介で、升伝の料理屋に嫁いだ八重だったが、升伝の若旦那は遊び人だった。料理長の思い人に無理やり手を出したため料理長が辞めた。吉阿弥から信吉が升伝にやってきた。若旦那は信吉と八重の仲を疑い、八重の花鋏で八重を狙った。信吉が飛び込み信吉は刺される。鋏は信吉から貰ったものだった。八重は升伝から出て行こうと思った。(信吉がどうなったかわからない。)
たつみ橋 葉茶商い「青松堂」の若旦那・弥一郎が一緒になりたいという料理茶屋で働いている桂を見に行き、反対する。弥一郎は加世を嫁にし、二人の子を授かる。五年後弥一郎は死ぬ。吉兵衛は桂に会いに行く。桂には弥一郎の子どもがいた。桂の名義で家を買い、将来団子屋でもすれば生きて行ける場所だった。お義父と呼ぶように言う。
心中雪早鐘 料理茶屋の中居奉公をしているもよにはつき合っている炭問屋の手代をしている吉五郎がいる。もよは三年になる。紙問屋の大旦那仁左衛門が間に入って将来の話をしようといってくれた。吉五郎に話した翌日、吉五郎はいなくなった。もよは仁左衛門と暮らしていた。二年になる。城崎温泉に湯治に行く。もよは吉五郎に会った。二人は心中した。
朧夜の影 元東町奉行所与力・土田宗兵衛と老僕・松吉は石工・九蔵の不可思議な行いから九蔵を調べた。九蔵はある時期まで極道者だった。八年前のある時期から仕事一筋、今では観音様や地蔵様の注文が名指しでくるようになっていた。ある時期とは磯次が掏摸で捕まり処刑されたとき。磯次が磔になった後、前非を悔い、身に鞭打つような暮らしをして磯次の両親と病弱な妹を養っていた。九蔵が磯次に濡れ衣をきせたことは間違いがない。果たして九蔵を捕まえるか?
名付け親 商人の妻・伊勢の適切な処置の御陰で足が不自由になることを免れた小宮掃部助は伊勢の願いを叶えるために尽力する。若い時、亭主の愛人の子どもの名を付け遠いところに養子に出すよう命じた。伊勢は後悔しその娘・雪に会って言葉をかけたいと言う。娘は見付かった。掃部助はありのままを伊勢に話す。
蓮台の月 灰屋紹益と元吉野大夫・徳子の生き方。
重藤の弓 丹波篠山藩青山下野守家中。京都藩邸の奉公人・杉が有職御弓師・大蔵彦次郎に玩ばれ、孕んで井戸へ身を投げた。嵯峨野で中里又十郎は彦次郎が作った弓で彦次郎を射ぬいた。
将監さまの橋 美濃大垣藩御用所右筆番頭・桃田彦十郎は隣家の大隅高蔵が京都からきた公家髷の男に強請られているのを知り、男を将監さまの橋に呼び出し斬った。
短日の菊 美濃大垣藩右筆頭青山市右衛門31才、妻・弥生31才 妹・妙18才、母・五十緒59才。病で寝たきりになっている。奈倉甚九郎61才。甚九郎は四十一年前仇討の旅にでた。十五年前に仇が亡くなっていたことを知り帰ってきた。藩の手違いで連絡を怠り申し訳ないと御用所の支配する敷地の草庵造りの建物に住むように言われた。甚九郎は夫婦になろうと言い交わしていたのは五十緒だった。甚九郎は畑の野菜を皆に分けていた。妙を見た時、五十緒を思った。五十緒は娘たちの話を聞き、甚九郎と分かった。母が亡くなった。妙は甚九郎に菊の花を貰いに行く。甚九郎は線香をあげたいと申しでた。
花鋏 花生けのために通っていた料理屋吉阿弥の主人の紹介で、升伝の料理屋に嫁いだ八重だったが、升伝の若旦那は遊び人だった。料理長の思い人に無理やり手を出したため料理長が辞めた。吉阿弥から信吉が升伝にやってきた。若旦那は信吉と八重の仲を疑い、八重の花鋏で八重を狙った。信吉が飛び込み信吉は刺される。鋏は信吉から貰ったものだった。八重は升伝から出て行こうと思った。(信吉がどうなったかわからない。)
たつみ橋 葉茶商い「青松堂」の若旦那・弥一郎が一緒になりたいという料理茶屋で働いている桂を見に行き、反対する。弥一郎は加世を嫁にし、二人の子を授かる。五年後弥一郎は死ぬ。吉兵衛は桂に会いに行く。桂には弥一郎の子どもがいた。桂の名義で家を買い、将来団子屋でもすれば生きて行ける場所だった。お義父と呼ぶように言う。
心中雪早鐘 料理茶屋の中居奉公をしているもよにはつき合っている炭問屋の手代をしている吉五郎がいる。もよは三年になる。紙問屋の大旦那仁左衛門が間に入って将来の話をしようといってくれた。吉五郎に話した翌日、吉五郎はいなくなった。もよは仁左衛門と暮らしていた。二年になる。城崎温泉に湯治に行く。もよは吉五郎に会った。二人は心中した。
朧夜の影 元東町奉行所与力・土田宗兵衛と老僕・松吉は石工・九蔵の不可思議な行いから九蔵を調べた。九蔵はある時期まで極道者だった。八年前のある時期から仕事一筋、今では観音様や地蔵様の注文が名指しでくるようになっていた。ある時期とは磯次が掏摸で捕まり処刑されたとき。磯次が磔になった後、前非を悔い、身に鞭打つような暮らしをして磯次の両親と病弱な妹を養っていた。九蔵が磯次に濡れ衣をきせたことは間違いがない。果たして九蔵を捕まえるか?
名付け親 商人の妻・伊勢の適切な処置の御陰で足が不自由になることを免れた小宮掃部助は伊勢の願いを叶えるために尽力する。若い時、亭主の愛人の子どもの名を付け遠いところに養子に出すよう命じた。伊勢は後悔しその娘・雪に会って言葉をかけたいと言う。娘は見付かった。掃部助はありのままを伊勢に話す。
蓮台の月 灰屋紹益と元吉野大夫・徳子の生き方。
2017年10月9日月曜日
風の王国〈2〉 契丹帝国の野望
風の王国〈2〉 契丹帝国の野望 平谷美樹
遣東日流使船は遠長湊に着いた。渤海王・大堙譔王(いんは本当は言偏)からの援軍を頼みたいと言う国書を預かったことを言う。明秀と勇魚は菟問の別宅にいる王に会いに行く。狼は明秀について行く。安東高星は朝廷の間諜・富萢田平だった。別宅は苫屋だった。立派な王城は異朝の者のためにある。無駄なものは後方羊蹄(しりへし)に一つあればいいと言う考えだった。
明秀に付いている橘を帰すためと、易詑を援軍に付けるために神津野へ行く。
高星と勇魚は十越内の王城(岩木山の山麓)で鄭楚信に会う。
神津野で明秀は橘をそのまま連れて行くように言われた。野辺地と宇曾利に行く。神津野御霊使・石奈、野辺地の悟観訴・木垂、宇曾利の易詑・奥津姫が行くことになった。集まった千人を連れて渤海に旅立つ。途中、海賊が援軍に参加したいと言ってきた。魚津黒縄、渟代乙津根を見張りに付けた。
渤海王・堙譔は契丹の言いなりだった。文奕の娘・芳蘭を契丹に人質に出すよう迫られる。契丹国皇太子・耶津突欲の側室になる。文奕の娘・周蘭が気にくわない。芳蘭の代わりに自分が人質になろうとする。芳蘭を奪い、芳蘭の代わりに突欲と会い、殺される。
芳蘭は四人の護衛だけで麗津に帰る。清瀬麻呂に追いつかれないように道を替える。芳蘭は山賊に襲われ、須哩奴夷靺鞨に助けられるが、そのまま連れ去られる。
麗津に着いた勇魚は芳蘭を追いかける。明秀は木垂を付ける。周蘭と芳蘭が入れ替わったことを知った。
青森の地図を見ながら
遣東日流使船は遠長湊に着いた。渤海王・大堙譔王(いんは本当は言偏)からの援軍を頼みたいと言う国書を預かったことを言う。明秀と勇魚は菟問の別宅にいる王に会いに行く。狼は明秀について行く。安東高星は朝廷の間諜・富萢田平だった。別宅は苫屋だった。立派な王城は異朝の者のためにある。無駄なものは後方羊蹄(しりへし)に一つあればいいと言う考えだった。
明秀に付いている橘を帰すためと、易詑を援軍に付けるために神津野へ行く。
高星と勇魚は十越内の王城(岩木山の山麓)で鄭楚信に会う。
神津野で明秀は橘をそのまま連れて行くように言われた。野辺地と宇曾利に行く。神津野御霊使・石奈、野辺地の悟観訴・木垂、宇曾利の易詑・奥津姫が行くことになった。集まった千人を連れて渤海に旅立つ。途中、海賊が援軍に参加したいと言ってきた。魚津黒縄、渟代乙津根を見張りに付けた。
渤海王・堙譔は契丹の言いなりだった。文奕の娘・芳蘭を契丹に人質に出すよう迫られる。契丹国皇太子・耶津突欲の側室になる。文奕の娘・周蘭が気にくわない。芳蘭の代わりに自分が人質になろうとする。芳蘭を奪い、芳蘭の代わりに突欲と会い、殺される。
芳蘭は四人の護衛だけで麗津に帰る。清瀬麻呂に追いつかれないように道を替える。芳蘭は山賊に襲われ、須哩奴夷靺鞨に助けられるが、そのまま連れ去られる。
麗津に着いた勇魚は芳蘭を追いかける。明秀は木垂を付ける。周蘭と芳蘭が入れ替わったことを知った。
青森の地図を見ながら
2017年10月8日日曜日
着物始末暦(三) 夢かさね
着物始末暦(三) 夢かさね 中島要
菊とうさぎ 古着屋の六助は様子のおかしな男が置いていった着物を返しに行く。余一が書いた人相書きで直ぐに男がわかった。余一に着物の始末を頼みにきた千吉が知っていた。男の娘・さよはその着物を着ている時に男に襲われ、着物を見ると思い出し外にも出られなくなる。余一は着物が悪いわけではない。と前に夜鷹が着ていた総絞りの始末をした振り袖を見せる。今、夜鷹は幸せになっていると話す。
総絞りの振り袖は、踊りの師匠に貸す。師匠の弟子のお見合いに使う。見合いは無しになったというが貸してきた。返しにきた時の話では見合いをしたのはさよだった。
余一と六助と千吉は、夜、さよが襲われた所を張り込み、千吉を襲おうとした男を捕まえる。脅し裸にしてくくり「付け娘を襲いました」札を吊り下げておいた。
星花火 大隅屋の綾太郎の所に、菓子司・淡路堂の主人・綾太郎の幼馴染み平吉の父親が、遊び心の洒落っ気のおある着物の見立てを頼みにきた。綾太郎は自信がなく無難な見立てしか出来ない。余一に相談に行く。後日、余一と綾太郎は淡路堂に行く。余一は着物の裏に星花火を描いた。余一は淡路堂が新作星花火を作った時の気持ちを言い当てる。
淡路堂は新作「錦」を出す。平吉の妹・三和の考えた落雁に餡が入っている菓子だった。三和の願いで祝い菓子として売り出す。余一は「芯の強いお嬢さんだ」と言う。
薬種問屋杉田屋に婿に行った平吉が綾太郎に会いに来る。三和は綾太郎が好きだった。一緒にすると言う話もあったが、平吉が吉原に行くようになり、話は無くなった。今回の新作は綾太郎の祝言のために三和が考えた菓子だった。錦は綾錦と呼ばれることが多い。等話し手帰った。
面影のいろ 糸は母親・くにの初恋の人に会った。敵討ちに西国に行った浪人だったが、町人になっていた。くにから貰ったお守りを持っていた。汚れていたので余一にきれいにして貰いたくて預かったが余一はしたがらない。返すつもりで行くと、「桐屋」のお嬢さんを勾引かすというのを聞いてしまった。糸は捕まり襲われる。余一が助けに来るが、仲間の女に助けられる。誰にも言うなと言われたにも関わらず、桐屋に知らせる。
糸は「自分の染みは落とせないのなら、代わりにわたしがやってあげる。迷惑だと言われても離れてやらない」と余一に言う。桐屋には祝言を辞めろという脅しが来ていた。
夢かさね 仲が上手くいかない桐屋の母・輝と娘・玉。玉付きの女中・みつは余一に相談に行く。江戸一番の札差・後藤屋の娘・輝が着た花嫁衣装を玉は着た。父と母を呼び、心の中をさらけ出す。輝も比呂に対する気持ち玉への気持ちを喋る。花嫁衣装を着た時の比呂の思い掛けない言葉。余一は言う。あまりにも見事過ぎて花婿とのつり合いが・・比呂の言葉はそのための言葉。少しは二人の気持ちが通ったようだ。
みつは、桐屋の秘密を打ち明けられる。桐屋の先代は駆け落ち者だった。人別を偽っている。比呂は京都の呉服屋「井筒屋」の娘だった。
井筒屋が江戸店を出す今、江戸店の主人になる愁介に後藤屋の孫・玉を嫁に欲しいと言って来た。光之助は断った。それで脅し文が来て、嫌がらせが始まったということだった。
今井絵美子さん死去
菊とうさぎ 古着屋の六助は様子のおかしな男が置いていった着物を返しに行く。余一が書いた人相書きで直ぐに男がわかった。余一に着物の始末を頼みにきた千吉が知っていた。男の娘・さよはその着物を着ている時に男に襲われ、着物を見ると思い出し外にも出られなくなる。余一は着物が悪いわけではない。と前に夜鷹が着ていた総絞りの始末をした振り袖を見せる。今、夜鷹は幸せになっていると話す。
総絞りの振り袖は、踊りの師匠に貸す。師匠の弟子のお見合いに使う。見合いは無しになったというが貸してきた。返しにきた時の話では見合いをしたのはさよだった。
余一と六助と千吉は、夜、さよが襲われた所を張り込み、千吉を襲おうとした男を捕まえる。脅し裸にしてくくり「付け娘を襲いました」札を吊り下げておいた。
星花火 大隅屋の綾太郎の所に、菓子司・淡路堂の主人・綾太郎の幼馴染み平吉の父親が、遊び心の洒落っ気のおある着物の見立てを頼みにきた。綾太郎は自信がなく無難な見立てしか出来ない。余一に相談に行く。後日、余一と綾太郎は淡路堂に行く。余一は着物の裏に星花火を描いた。余一は淡路堂が新作星花火を作った時の気持ちを言い当てる。
淡路堂は新作「錦」を出す。平吉の妹・三和の考えた落雁に餡が入っている菓子だった。三和の願いで祝い菓子として売り出す。余一は「芯の強いお嬢さんだ」と言う。
薬種問屋杉田屋に婿に行った平吉が綾太郎に会いに来る。三和は綾太郎が好きだった。一緒にすると言う話もあったが、平吉が吉原に行くようになり、話は無くなった。今回の新作は綾太郎の祝言のために三和が考えた菓子だった。錦は綾錦と呼ばれることが多い。等話し手帰った。
面影のいろ 糸は母親・くにの初恋の人に会った。敵討ちに西国に行った浪人だったが、町人になっていた。くにから貰ったお守りを持っていた。汚れていたので余一にきれいにして貰いたくて預かったが余一はしたがらない。返すつもりで行くと、「桐屋」のお嬢さんを勾引かすというのを聞いてしまった。糸は捕まり襲われる。余一が助けに来るが、仲間の女に助けられる。誰にも言うなと言われたにも関わらず、桐屋に知らせる。
糸は「自分の染みは落とせないのなら、代わりにわたしがやってあげる。迷惑だと言われても離れてやらない」と余一に言う。桐屋には祝言を辞めろという脅しが来ていた。
夢かさね 仲が上手くいかない桐屋の母・輝と娘・玉。玉付きの女中・みつは余一に相談に行く。江戸一番の札差・後藤屋の娘・輝が着た花嫁衣装を玉は着た。父と母を呼び、心の中をさらけ出す。輝も比呂に対する気持ち玉への気持ちを喋る。花嫁衣装を着た時の比呂の思い掛けない言葉。余一は言う。あまりにも見事過ぎて花婿とのつり合いが・・比呂の言葉はそのための言葉。少しは二人の気持ちが通ったようだ。
みつは、桐屋の秘密を打ち明けられる。桐屋の先代は駆け落ち者だった。人別を偽っている。比呂は京都の呉服屋「井筒屋」の娘だった。
井筒屋が江戸店を出す今、江戸店の主人になる愁介に後藤屋の孫・玉を嫁に欲しいと言って来た。光之助は断った。それで脅し文が来て、嫌がらせが始まったということだった。
今井絵美子さん死去
2017年10月7日土曜日
2017年10月6日金曜日
秋山久蔵御用控㉚ 野良犬
秋山久蔵御用控㉚ 野良犬 第一部完 藤井邦夫
野良犬 皐月 五月
久蔵は不審な侍を見付ける。五年前五千石の牧野忠政の息子・右京が辻斬りを働き捕まえた。その時に斬った取り巻きの浪人の弟・相良又四郎だった。相良は久蔵を狙っていた。相良は牧野と繋がっていたが、相良を斬り、牧野を訴えなかった。牧野は病床にあり死ぬ前に息子を切腹に追い込んだ久蔵に恨みを晴らしたかった。五日後亡くなった。
紫陽花 水無月 六月
久蔵が急な雨で京屋の店先で内儀に借りた青い蛇の目傘を翌日太一が返しに行くと京屋の内儀・りんが殺されていた。昨日殺されたようだ。久蔵が傘を借りた女ではなかった。主人の佐吉は小間物の行商をしていた。佐吉も殺されて見付かった。夫婦はお金が必要な女に男を斡旋していた。辞めようとした日下美保を世間にばらすと脅迫した。夫・日下正吾が二人を殺していた。久蔵に刃を向け、斬られた。正吾は病気で先がなかった。美保の重荷にならずにすむと言い残した。
結び文 文月 七月
神崎和馬の屋敷に根岸の茶の湯の宗匠・一色宗風は、盗賊霞の十兵衛だ。という文が投げ込まれた。宗風を見張ることと文の主は誰かということを調べた。
一色宗風と暮らしている娘・さよ。さよは十五年前公金横領の罪で切腹した金同心・島村平内の娘・文だった。島村平内は濡れ衣を着せられ、本当は島村の上役・大木弥十郎だった。一色宗風が大木弥十郎だった。十兵衛一味を捕まえている時、文は大木を殺す。文は江戸所払いになった。秋山は取り調べの後、文に仇討をさせるつもりだった。文は姿を消した。
産み月 葉月 八月
刀剣商「誠心堂」が襲われ皆殺しにされ旗本三千石大野弾正から持ち込まれた村雨が盗まれた。村雨は御家人・篠崎新兵衛から三両を置いて無理やり取り上げたものだった。新兵衛の妻・志麻の弟・三枝蔵人の仕業だった。自分の物としていた蔵人を斬り、新兵衛に返した。誠心堂事件は三枝蔵人と見定めた。大野弾正の村正を手に入れた手口と、篠崎新兵衛夫婦の口を塞ごうとした事実を目付けの榊原采女に知らせ評定所扱いになった。
秋山久蔵の長女は「小春」と名付けられた。
野良犬 皐月 五月
久蔵は不審な侍を見付ける。五年前五千石の牧野忠政の息子・右京が辻斬りを働き捕まえた。その時に斬った取り巻きの浪人の弟・相良又四郎だった。相良は久蔵を狙っていた。相良は牧野と繋がっていたが、相良を斬り、牧野を訴えなかった。牧野は病床にあり死ぬ前に息子を切腹に追い込んだ久蔵に恨みを晴らしたかった。五日後亡くなった。
紫陽花 水無月 六月
久蔵が急な雨で京屋の店先で内儀に借りた青い蛇の目傘を翌日太一が返しに行くと京屋の内儀・りんが殺されていた。昨日殺されたようだ。久蔵が傘を借りた女ではなかった。主人の佐吉は小間物の行商をしていた。佐吉も殺されて見付かった。夫婦はお金が必要な女に男を斡旋していた。辞めようとした日下美保を世間にばらすと脅迫した。夫・日下正吾が二人を殺していた。久蔵に刃を向け、斬られた。正吾は病気で先がなかった。美保の重荷にならずにすむと言い残した。
結び文 文月 七月
神崎和馬の屋敷に根岸の茶の湯の宗匠・一色宗風は、盗賊霞の十兵衛だ。という文が投げ込まれた。宗風を見張ることと文の主は誰かということを調べた。
一色宗風と暮らしている娘・さよ。さよは十五年前公金横領の罪で切腹した金同心・島村平内の娘・文だった。島村平内は濡れ衣を着せられ、本当は島村の上役・大木弥十郎だった。一色宗風が大木弥十郎だった。十兵衛一味を捕まえている時、文は大木を殺す。文は江戸所払いになった。秋山は取り調べの後、文に仇討をさせるつもりだった。文は姿を消した。
産み月 葉月 八月
刀剣商「誠心堂」が襲われ皆殺しにされ旗本三千石大野弾正から持ち込まれた村雨が盗まれた。村雨は御家人・篠崎新兵衛から三両を置いて無理やり取り上げたものだった。新兵衛の妻・志麻の弟・三枝蔵人の仕業だった。自分の物としていた蔵人を斬り、新兵衛に返した。誠心堂事件は三枝蔵人と見定めた。大野弾正の村正を手に入れた手口と、篠崎新兵衛夫婦の口を塞ごうとした事実を目付けの榊原采女に知らせ評定所扱いになった。
秋山久蔵の長女は「小春」と名付けられた。
2017年10月3日火曜日
鬼役〈二十二〉 宿敵
鬼役〈二十二〉 宿敵 坂岡真
迷える燕 寛永寺黒門前で奥儒者・成竹図頭柳斎が殺された。殺したのは山同心だが通りかかった綾辻勝成が犯人として山同心に捕まった。綾辻勝成は蔵人介の妻・幸恵の父親だった。勝成は時々娘の顔も分からなくなる。
勝成は逃げ出す。日光奉行と目代の下され金の着服を記した裏帳簿を盗んだ阿部伊勢守の
隠密と一緒に逃げた。悪事の裏には金座がいるようだと言う隠密は殺される。死人の顔は「鬼役の業」と名乗る鬼役に斬られた亡者の恨みのため鬼役を殺すという。勝成は阿部家の下屋敷に匿われる。全てを話し眠り続ける。日光奉行と目代と配下の成敗を命令される。
日光奉行は死人の顔が殺していた。
勝成は山同心に捕まったことなど忘れてしまっていた。
悲恋花 卯三郎は矢背家の養子になって二年、二十一才になった。蔵前の札差・萬田屋の娘・なつを助け、なつの用心棒を頼まれる。勘定吟味役・高岩啓悟・家禄三千石が萬田屋から借金して周囲にばらまき今の地位を掴んだ。萬田屋の二千両を越す借金の棒引きを狙っている。北町奉行所猿屋会所掛かり同心・郡司忠成と繋がっている。
卯三郎は萬田屋亀右衛門になつが恋情を持ったようだが、萬田屋の婿にはなれないでしょう。と言われ、もう会えないと思った。
遠山左衛門尉と亀田屋が高岩啓悟の殺害を頼んできた。亀田屋は六百両出すと言う。蔵人介も卯三郎も返事もせず立ち去った。
なつが勾引かされた。亀田屋に廃業しろと言ってきた。なつを探し出したが手込めにされ舌を噛みきっていた。卯三郎は背負って帰る。卯三郎は高岩と郡司と朝日奈をなつの仇と狙った。卯三郎は罠に掛った。御用提灯を持った捕り方に囲まれた。朝日奈を討つ。高岩家では勘定奉行就任の内示の使者を待っている。駕籠から降りた御使い番が口上を述べる途中、駕籠に随行した蔵人介が刀を抜いた。蔵人介は消える。卯三郎は郡司を斬る。
果たし合い 水戸斉昭の側室・松島とその父親・川西豊国の殺害を命じられる。松島は家斉の八女・峯姫が先代斉脩に輿入れの侍女として随従し、斉脩亡き後、新当主の側室となっていた。陰陽師の実父を伽衆にしていた。大田備後守は松島の一言で老中を辞めさせられることになった。蔵人介も個人的に調べてみることにした。
蔵人介の母・志乃は、伝通院で商人の父娘が薙刀を振りかざした女官に白刃を向けられていた中に割って入った。志乃は名乗り、喧嘩をふっかける。
蔵人介は水戸家に入っている太田家の隠密・水戸家奥右筆・太田家宿老の孫・由比彦四郎と会う。天下祭りの日、混乱に乗じて誰かの命を狙う企てがある。祭りの時、術に掛けられた牛若丸に扮した男が姉小路に斬り付けた。蔵人介が阻止した。
松島親子の後ろにも誰かがいるようだ。水野越前守の機嫌をとるために水野の邪魔になるものを斬捨てて行く。
彦四郎が殺された。橘は前に出した命令を撤回する。蔵人介は松島から志乃宛てに来た果し状を利用することにした。志乃は松島を倒し、蔵人介は豊国を倒す。逃げた茎崎は幸恵の弓が刺さり、橘右近が斬捨てた。
雖井蛙流(せいありゅう)
迷える燕 寛永寺黒門前で奥儒者・成竹図頭柳斎が殺された。殺したのは山同心だが通りかかった綾辻勝成が犯人として山同心に捕まった。綾辻勝成は蔵人介の妻・幸恵の父親だった。勝成は時々娘の顔も分からなくなる。
勝成は逃げ出す。日光奉行と目代の下され金の着服を記した裏帳簿を盗んだ阿部伊勢守の
隠密と一緒に逃げた。悪事の裏には金座がいるようだと言う隠密は殺される。死人の顔は「鬼役の業」と名乗る鬼役に斬られた亡者の恨みのため鬼役を殺すという。勝成は阿部家の下屋敷に匿われる。全てを話し眠り続ける。日光奉行と目代と配下の成敗を命令される。
日光奉行は死人の顔が殺していた。
勝成は山同心に捕まったことなど忘れてしまっていた。
悲恋花 卯三郎は矢背家の養子になって二年、二十一才になった。蔵前の札差・萬田屋の娘・なつを助け、なつの用心棒を頼まれる。勘定吟味役・高岩啓悟・家禄三千石が萬田屋から借金して周囲にばらまき今の地位を掴んだ。萬田屋の二千両を越す借金の棒引きを狙っている。北町奉行所猿屋会所掛かり同心・郡司忠成と繋がっている。
卯三郎は萬田屋亀右衛門になつが恋情を持ったようだが、萬田屋の婿にはなれないでしょう。と言われ、もう会えないと思った。
遠山左衛門尉と亀田屋が高岩啓悟の殺害を頼んできた。亀田屋は六百両出すと言う。蔵人介も卯三郎も返事もせず立ち去った。
なつが勾引かされた。亀田屋に廃業しろと言ってきた。なつを探し出したが手込めにされ舌を噛みきっていた。卯三郎は背負って帰る。卯三郎は高岩と郡司と朝日奈をなつの仇と狙った。卯三郎は罠に掛った。御用提灯を持った捕り方に囲まれた。朝日奈を討つ。高岩家では勘定奉行就任の内示の使者を待っている。駕籠から降りた御使い番が口上を述べる途中、駕籠に随行した蔵人介が刀を抜いた。蔵人介は消える。卯三郎は郡司を斬る。
果たし合い 水戸斉昭の側室・松島とその父親・川西豊国の殺害を命じられる。松島は家斉の八女・峯姫が先代斉脩に輿入れの侍女として随従し、斉脩亡き後、新当主の側室となっていた。陰陽師の実父を伽衆にしていた。大田備後守は松島の一言で老中を辞めさせられることになった。蔵人介も個人的に調べてみることにした。
蔵人介の母・志乃は、伝通院で商人の父娘が薙刀を振りかざした女官に白刃を向けられていた中に割って入った。志乃は名乗り、喧嘩をふっかける。
蔵人介は水戸家に入っている太田家の隠密・水戸家奥右筆・太田家宿老の孫・由比彦四郎と会う。天下祭りの日、混乱に乗じて誰かの命を狙う企てがある。祭りの時、術に掛けられた牛若丸に扮した男が姉小路に斬り付けた。蔵人介が阻止した。
松島親子の後ろにも誰かがいるようだ。水野越前守の機嫌をとるために水野の邪魔になるものを斬捨てて行く。
彦四郎が殺された。橘は前に出した命令を撤回する。蔵人介は松島から志乃宛てに来た果し状を利用することにした。志乃は松島を倒し、蔵人介は豊国を倒す。逃げた茎崎は幸恵の弓が刺さり、橘右近が斬捨てた。
雖井蛙流(せいありゅう)
2017年10月2日月曜日
新・酔いどれ小藤次〈八〉 夢三夜
新・酔いどれ小藤次〈八〉 夢三夜 佐伯泰英
文政八年 1825年 正月
小藤次、りょう、駿太郎の三人は初めてりょうの実家・北村舜監宅へ年賀に行った。年賀の品は久慈行灯だった。
駿太郎が掏摸を捕まえた。南町奉行・筒井政憲から報償として小藤次は眼鏡、りょうは天竺の絹物、駿太郎は元服の装束を賜った。
小藤次は二度、三度と命を狙われていた。命令したのはりょうの兄・靖之丞だった。実家の御歌学者の分家百七十五石を嫌った。本家の代理として歌学方を務めることを嫌った。分家の跡継ぎを嫌い、旗本伊丹家の佳奈に婿入りし、御使番千石の要職に就いていた。舅が亡くなり、遊びに手を出し借財を作り伊丹家から籍を抜かれそうだ。靖之丞は御歌方を継ぎたいので本家の跡継ぎとして推挙して欲しいと言ってきていた。舜監は断った。
靖之丞が小藤次を殺しに現れた時、舜監が息子を倒した。小藤次は伊丹家の当主・靖之丞が実家で病死したと老中・青山様と南町奉行所と伊丹家に知らせた。
文政八年 1825年 正月
小藤次、りょう、駿太郎の三人は初めてりょうの実家・北村舜監宅へ年賀に行った。年賀の品は久慈行灯だった。
駿太郎が掏摸を捕まえた。南町奉行・筒井政憲から報償として小藤次は眼鏡、りょうは天竺の絹物、駿太郎は元服の装束を賜った。
小藤次は二度、三度と命を狙われていた。命令したのはりょうの兄・靖之丞だった。実家の御歌学者の分家百七十五石を嫌った。本家の代理として歌学方を務めることを嫌った。分家の跡継ぎを嫌い、旗本伊丹家の佳奈に婿入りし、御使番千石の要職に就いていた。舅が亡くなり、遊びに手を出し借財を作り伊丹家から籍を抜かれそうだ。靖之丞は御歌方を継ぎたいので本家の跡継ぎとして推挙して欲しいと言ってきていた。舜監は断った。
靖之丞が小藤次を殺しに現れた時、舜監が息子を倒した。小藤次は伊丹家の当主・靖之丞が実家で病死したと老中・青山様と南町奉行所と伊丹家に知らせた。
2017年9月30日土曜日
往復書簡
往復書簡 湊かなえ
十年後の宿題 高校を卒業して十年目、放送部の仲間だった浩一と静香の結婚式で放送部員が集まった。千秋は行方不明のため連絡が取れなかったが、海外にいて行けない高倉悦子の招待状で出席した。浩一とつき合っていたのは千秋だった。五年前、親の仕事の関係で引っ越し、浩一には留守電に別れの言葉を残しただけで別れた。みんなの中で千秋は顔に怪我をし精神的に弱っているとか行へ不明になってるとか自殺説まである。千秋は悦子の名前で手紙を書き、みんながどんなふうに思っているか調べる。
二十年後の宿題 三十八年の小学教師を定年退職をした竹沢真智子は毎年連絡をくれる高校教師になっている大場淳史に、気になる六人に会い今どんなふうに暮らしているか調べて欲しいと頼む。六人は真智子の夫が川にはまった子を助けに行き亡くなった時に一緒にいたこどもたちだった。最後の一人は淳史が付き合っていた彼女だった。淳史は気がつかないまま会う。何も言わないで立ち去った彼女との別れだと思った。先生から彼女に渡してと頼まれた手紙は、彼女が結婚を意識する大場のことを先生に相談した手紙だった。夏休み二人で先生の見舞いに行く予定になった。
十五年後の補修 結婚する予定の純一と万里子だった。純一が海外協力隊のボランティアで海外に行く。二人の文通が始まる。十五年前の事件の話になる。康孝が一樹と万里子を呼び出し倉庫に閉じこめ火を付けた。純一が駆け付け万里子を助け出したが一樹は亡くなった。康孝は校舎の屋上から飛び降り自殺をした。ということになっていた。万里子は思い出した。康孝に万里子と一樹は閉じこめられた。一樹が万里子に飛びかかり、万里子は角材で一樹を殴り殺してしまった。純一は万里子を助け出し、タバコの火がついたと思われるように火を付けた。康孝を呼び出し火事はお前の所為だと責めた。康孝は飛び降りた。
一年後の連絡網 別のボランティア隊員の手紙の中に純一と思われる隊員の所に、日本から彼女がやってきたというような内容の話があった。
十年後の宿題 高校を卒業して十年目、放送部の仲間だった浩一と静香の結婚式で放送部員が集まった。千秋は行方不明のため連絡が取れなかったが、海外にいて行けない高倉悦子の招待状で出席した。浩一とつき合っていたのは千秋だった。五年前、親の仕事の関係で引っ越し、浩一には留守電に別れの言葉を残しただけで別れた。みんなの中で千秋は顔に怪我をし精神的に弱っているとか行へ不明になってるとか自殺説まである。千秋は悦子の名前で手紙を書き、みんながどんなふうに思っているか調べる。
二十年後の宿題 三十八年の小学教師を定年退職をした竹沢真智子は毎年連絡をくれる高校教師になっている大場淳史に、気になる六人に会い今どんなふうに暮らしているか調べて欲しいと頼む。六人は真智子の夫が川にはまった子を助けに行き亡くなった時に一緒にいたこどもたちだった。最後の一人は淳史が付き合っていた彼女だった。淳史は気がつかないまま会う。何も言わないで立ち去った彼女との別れだと思った。先生から彼女に渡してと頼まれた手紙は、彼女が結婚を意識する大場のことを先生に相談した手紙だった。夏休み二人で先生の見舞いに行く予定になった。
十五年後の補修 結婚する予定の純一と万里子だった。純一が海外協力隊のボランティアで海外に行く。二人の文通が始まる。十五年前の事件の話になる。康孝が一樹と万里子を呼び出し倉庫に閉じこめ火を付けた。純一が駆け付け万里子を助け出したが一樹は亡くなった。康孝は校舎の屋上から飛び降り自殺をした。ということになっていた。万里子は思い出した。康孝に万里子と一樹は閉じこめられた。一樹が万里子に飛びかかり、万里子は角材で一樹を殴り殺してしまった。純一は万里子を助け出し、タバコの火がついたと思われるように火を付けた。康孝を呼び出し火事はお前の所為だと責めた。康孝は飛び降りた。
一年後の連絡網 別のボランティア隊員の手紙の中に純一と思われる隊員の所に、日本から彼女がやってきたというような内容の話があった。
2017年9月29日金曜日
警視庁特別取締官
警視庁特別取締官 六道慧
星野美咲32才 警部補だった一年半前、警視庁捜査一課「謎解きマイスター」と言われた。殺人事件で美咲以外の全員が被疑者として男を検挙した。裁判が始まり冤罪だと分かった時、美咲の単独捜査によるものと証言され半年の停職処分を受け、一年の交番勤務をし、現在、警視庁分室特別取締班 巡査になった。
ちなみに、当時の班長は小柴清志警部、美咲の上司で相棒、そして恋人だった。現在、親友と信じていた官房長官の愛娘・伊智子警部補は小柴夫人になっている。
鷹木晴人29才、生物学者、獣医、警視。美咲の上司。母親は科学捜査研究所の課長・マダム科捜研こと山科若葉。父親は動物学者、猟師の鷹木乙彦。
向いの家の佐竹絹江62才の通報で駆け付けた鷹木と美咲は、ゴミ屋敷に猫三十匹と病気で動けない主人・寺西幸輔と頭にこぶを作り亡くなっている妻・真梨子を見付ける。駆け付けた息子・英輔は大麻を所持していた。玄関には白い花の鉢植え。
真梨子はB型肝炎、勤め先は化粧品会社の研究室の窒長。湿疹問題で騒がれたスカピを傘下にしている会社。
英輔、小雪夫妻に子どもはは五人、小雪は妊娠している。英輔は働いていない。転居を繰り返す。子ども全員を確認していない。子どもが六人いたと言う目撃談がある。小雪の実家は農家、ハオルシアの栽培をしている。
真梨子と喧嘩をし、突き飛ばしこぶを作らせたのは佐竹絹江だった。絹江は寺西家の通帳からお金を引き出していた。真梨子に紹介されたハオルシアを売る際に詐欺行為を働いていた。真梨子が知ったため口論になり、突き飛ばしていたのだった。頭蓋内の硬膜下に出血がおこり亡くなった。
三男・聖也は双子だった。拓也の出生届は出ていなかった。聖也を静かにさせるためタオルで口をふさぎ死なせてしまった。真梨子は拓也を小雪の実家に連れて行った。息子夫婦には絶対内緒ということで、あらかじめ手続きをしていた老人ホームや障害者施設がある「白花苑」に連れて行った。聖也は夫婦がどこかに埋めてしまった。美咲は小雪の実家の裏山で寺西家の玄関の鉢植えの花を見付けた。そこに聖也は埋められていた。真梨子が聖也に捧げた花ごと埋められたのだろう。
真梨子は持病のためいつどうなるかわからないと言い、弁護士に預けた通帳に振り込まれるようにしていた。退職金、生命保険、B型肝炎の給付金、信託扱いになる。
星野美咲32才 警部補だった一年半前、警視庁捜査一課「謎解きマイスター」と言われた。殺人事件で美咲以外の全員が被疑者として男を検挙した。裁判が始まり冤罪だと分かった時、美咲の単独捜査によるものと証言され半年の停職処分を受け、一年の交番勤務をし、現在、警視庁分室特別取締班 巡査になった。
ちなみに、当時の班長は小柴清志警部、美咲の上司で相棒、そして恋人だった。現在、親友と信じていた官房長官の愛娘・伊智子警部補は小柴夫人になっている。
鷹木晴人29才、生物学者、獣医、警視。美咲の上司。母親は科学捜査研究所の課長・マダム科捜研こと山科若葉。父親は動物学者、猟師の鷹木乙彦。
向いの家の佐竹絹江62才の通報で駆け付けた鷹木と美咲は、ゴミ屋敷に猫三十匹と病気で動けない主人・寺西幸輔と頭にこぶを作り亡くなっている妻・真梨子を見付ける。駆け付けた息子・英輔は大麻を所持していた。玄関には白い花の鉢植え。
真梨子はB型肝炎、勤め先は化粧品会社の研究室の窒長。湿疹問題で騒がれたスカピを傘下にしている会社。
英輔、小雪夫妻に子どもはは五人、小雪は妊娠している。英輔は働いていない。転居を繰り返す。子ども全員を確認していない。子どもが六人いたと言う目撃談がある。小雪の実家は農家、ハオルシアの栽培をしている。
真梨子と喧嘩をし、突き飛ばしこぶを作らせたのは佐竹絹江だった。絹江は寺西家の通帳からお金を引き出していた。真梨子に紹介されたハオルシアを売る際に詐欺行為を働いていた。真梨子が知ったため口論になり、突き飛ばしていたのだった。頭蓋内の硬膜下に出血がおこり亡くなった。
三男・聖也は双子だった。拓也の出生届は出ていなかった。聖也を静かにさせるためタオルで口をふさぎ死なせてしまった。真梨子は拓也を小雪の実家に連れて行った。息子夫婦には絶対内緒ということで、あらかじめ手続きをしていた老人ホームや障害者施設がある「白花苑」に連れて行った。聖也は夫婦がどこかに埋めてしまった。美咲は小雪の実家の裏山で寺西家の玄関の鉢植えの花を見付けた。そこに聖也は埋められていた。真梨子が聖也に捧げた花ごと埋められたのだろう。
真梨子は持病のためいつどうなるかわからないと言い、弁護士に預けた通帳に振り込まれるようにしていた。退職金、生命保険、B型肝炎の給付金、信託扱いになる。
2017年9月28日木曜日
風の王国〈1〉 落日の渤海
風の王国〈1〉 落日の渤海 平谷美樹
延喜十八年 918年東日流国遠長湊(つがるのくにとおおさみなと)後の十三湊
宇鉄明秀(うてつのあきほつ)17才 十七年前、遠長湊の浜に渤海人の老人に抱かれて打ち上げられていた赤ん坊。水長の宇鉄亞都偉に育てられた。「めいしゅう」幼馴染みの勇魚が渤海へ行くことになり、自分が何者か知りたいために持衰(じさい・航海の安全を祈願するために船に乗せる)として、老人が持っていた刀を携え渤海行きの船に乗る。時衰の世話係易託である橘が荒れる海に飛び込み明秀の守り神になった。
安東勇魚(あんどういさな)23才、明秀の遊び仲間。遠長保の保司・安東葛野の嫡男 東日流国の王・安東高星の指示で安東兼任が遣渤海大使、勇魚は副使になる。
麗津(らいちん)で、契丹の間諜の探索をする。間諜の長は欒把(らんぱ)と名乗る契丹の皇太子・耶律突欲(やりつとくよく)だった。父・耶律阿保機、母・月理朶(げつりだ)、弟・尭骨(ぎょうこつ)
十七年前、現刺史・文奕が麗津欲しさに大文和に謀反の疑いありとし、処刑した。
文奕は麗津大氏の後を継げるよう根回し彼らを滅ばした。文和の妻・娥詠と子・明秀が逃げた。明秀の出自が分かった。短剣は、麗津大氏の執事・鐘公偉のものだった。
文奕の息子・徳信が謀反人として文奕を討った。
勇魚は遣東日流使節団と東日流へ帰ることになった。援軍の要請のために。大明秀と判明した明秀も一緒に帰ることになった。
延喜十八年 918年東日流国遠長湊(つがるのくにとおおさみなと)後の十三湊
宇鉄明秀(うてつのあきほつ)17才 十七年前、遠長湊の浜に渤海人の老人に抱かれて打ち上げられていた赤ん坊。水長の宇鉄亞都偉に育てられた。「めいしゅう」幼馴染みの勇魚が渤海へ行くことになり、自分が何者か知りたいために持衰(じさい・航海の安全を祈願するために船に乗せる)として、老人が持っていた刀を携え渤海行きの船に乗る。時衰の世話係易託である橘が荒れる海に飛び込み明秀の守り神になった。
安東勇魚(あんどういさな)23才、明秀の遊び仲間。遠長保の保司・安東葛野の嫡男 東日流国の王・安東高星の指示で安東兼任が遣渤海大使、勇魚は副使になる。
麗津(らいちん)で、契丹の間諜の探索をする。間諜の長は欒把(らんぱ)と名乗る契丹の皇太子・耶律突欲(やりつとくよく)だった。父・耶律阿保機、母・月理朶(げつりだ)、弟・尭骨(ぎょうこつ)
十七年前、現刺史・文奕が麗津欲しさに大文和に謀反の疑いありとし、処刑した。
文奕は麗津大氏の後を継げるよう根回し彼らを滅ばした。文和の妻・娥詠と子・明秀が逃げた。明秀の出自が分かった。短剣は、麗津大氏の執事・鐘公偉のものだった。
文奕の息子・徳信が謀反人として文奕を討った。
勇魚は遣東日流使節団と東日流へ帰ることになった。援軍の要請のために。大明秀と判明した明秀も一緒に帰ることになった。
2017年9月27日水曜日
着物始末暦(二) 藍の糸
着物始末暦(二) 藍の糸 中島要
綾太郎の幼馴染み向いの菓子屋・淡路堂の跡取り息子と思っていた平吉が薬種問屋・杉田屋に婿入りすることになった。平吉の妹・三和は職人顔負けの舌を持っている。珍しいお菓子でも一度食べれば材料が分かる。二年前から新作菓子の考案もしている。妹に婿をとる。
綾太郎は興味を持った糸に会うためにだるま屋に通う。五日目、糸は綾太郎に身分が違う、若旦那には許嫁がいる、もう来ないで、という。綾太郎は糸に「余一はおまえのことをなんとも思ってないよ。みっともないよ」という。みっともなくてもいい。勝手に思うことぐらいいいでしょう。と言われてしまう。今度は余一が綾太郎に文句をいう。綾太郎は相惚れならさっさとくっつけ、はた迷惑だ。余一は自分は疫病神だと思っている。糸に近づかなくなった。
六助の所に安蔵が盗品を持ち込む。仕立て直して売りさばくよう頼む。六助は余一を裏家業に引き込みたくなかった。安蔵が脅しを掛けてきた時、頭が割れるように痛み畳を転げ回る。安蔵が帰った途端痛みが治まる。六助はこの世の者でない者が見えたり、声が聞こえたりすることがある。安蔵が忘れて行った帯がそうだった。余一といると楽になる。余一に相談する。帯の持ち主を探す。亡くなった母親が子どものために残した帯だった。安蔵が捕り方に追いかけられ六助を匕首で刺す。寸前余一が庇い刺される。帯が助けてくれた。安蔵は大川に流され死ぬ。帯の中から子どもの手形が出てきた。
玉は佐野屋の隠居所に骨董品を見に遊びに行く。みつは玉が綾太郎に貰った振り袖のお返しは何が良いか考えていた。余一に相談しに行く。千吉と会う。余一は浴衣はどうかと言う。糸に相談する。糸は私だったら浴衣にするという。みつの継母が家のために十両借りにくる。十両を持って家に行く途中千吉に会う。継母は千吉に十両貢ぐつもりだった。余一が継母に話を付けた。余一のところで座布団を見た。佐野屋の隠居の亡くなった内儀の着物で創った座布団だった。隠居のために泥道に膝をついて染みになった着物。隠居のところで座布団をみた玉は綾太郎に贈るものを座布団にした。
座布団は君を思いし我が心 裏も表もないとこそ知れ と言う文章とともに
糸は寺社地に入って薪をとる達平に寺社地に入らないことを約束させおにぎりを食べさせていた。達平は天神様の雑木林で行き倒れの女を見付け、生きている赤ん坊を糸に預けた。余一に相談すると余一は達平から聞き出し、雑木林に行く。猫ばばしていたお金を岡っ引きに渡し、手形を受け取る。赤ん坊の着ている着物から父親が分かり連れて行く。父親・孝吉は亡くなっていた。祖父・孝三郎は道中手形と命名書を見せても信用しない。二人は帰ってきた。後日、祖母が来た。孝吉の着物の生地が赤ん坊の百徳の生地と同じだった。祖母は礼金を置いて帰った。余一は達平に渡してと糸に渡した。
綾太郎の幼馴染み向いの菓子屋・淡路堂の跡取り息子と思っていた平吉が薬種問屋・杉田屋に婿入りすることになった。平吉の妹・三和は職人顔負けの舌を持っている。珍しいお菓子でも一度食べれば材料が分かる。二年前から新作菓子の考案もしている。妹に婿をとる。
綾太郎は興味を持った糸に会うためにだるま屋に通う。五日目、糸は綾太郎に身分が違う、若旦那には許嫁がいる、もう来ないで、という。綾太郎は糸に「余一はおまえのことをなんとも思ってないよ。みっともないよ」という。みっともなくてもいい。勝手に思うことぐらいいいでしょう。と言われてしまう。今度は余一が綾太郎に文句をいう。綾太郎は相惚れならさっさとくっつけ、はた迷惑だ。余一は自分は疫病神だと思っている。糸に近づかなくなった。
六助の所に安蔵が盗品を持ち込む。仕立て直して売りさばくよう頼む。六助は余一を裏家業に引き込みたくなかった。安蔵が脅しを掛けてきた時、頭が割れるように痛み畳を転げ回る。安蔵が帰った途端痛みが治まる。六助はこの世の者でない者が見えたり、声が聞こえたりすることがある。安蔵が忘れて行った帯がそうだった。余一といると楽になる。余一に相談する。帯の持ち主を探す。亡くなった母親が子どものために残した帯だった。安蔵が捕り方に追いかけられ六助を匕首で刺す。寸前余一が庇い刺される。帯が助けてくれた。安蔵は大川に流され死ぬ。帯の中から子どもの手形が出てきた。
玉は佐野屋の隠居所に骨董品を見に遊びに行く。みつは玉が綾太郎に貰った振り袖のお返しは何が良いか考えていた。余一に相談しに行く。千吉と会う。余一は浴衣はどうかと言う。糸に相談する。糸は私だったら浴衣にするという。みつの継母が家のために十両借りにくる。十両を持って家に行く途中千吉に会う。継母は千吉に十両貢ぐつもりだった。余一が継母に話を付けた。余一のところで座布団を見た。佐野屋の隠居の亡くなった内儀の着物で創った座布団だった。隠居のために泥道に膝をついて染みになった着物。隠居のところで座布団をみた玉は綾太郎に贈るものを座布団にした。
座布団は君を思いし我が心 裏も表もないとこそ知れ と言う文章とともに
糸は寺社地に入って薪をとる達平に寺社地に入らないことを約束させおにぎりを食べさせていた。達平は天神様の雑木林で行き倒れの女を見付け、生きている赤ん坊を糸に預けた。余一に相談すると余一は達平から聞き出し、雑木林に行く。猫ばばしていたお金を岡っ引きに渡し、手形を受け取る。赤ん坊の着ている着物から父親が分かり連れて行く。父親・孝吉は亡くなっていた。祖父・孝三郎は道中手形と命名書を見せても信用しない。二人は帰ってきた。後日、祖母が来た。孝吉の着物の生地が赤ん坊の百徳の生地と同じだった。祖母は礼金を置いて帰った。余一は達平に渡してと糸に渡した。
2017年9月26日火曜日
居眠り同心影御用23 炎剣が奔る
居眠り同心影御用23 炎剣が奔る 早見俊
蔵間源之助は松平定信から、妾詐欺の横行を知らされ口入れ屋に出向き、注意する。口入れ屋「千手屋」の主・彦次郎が旗本・上柳右兵衛督の隠居所の奉公人の行方不明の相談をされた。源之助は調べ始める。
上柳家は隣の妙法寺と古井戸で繋がり、寺で開かれる賭場から逃れる道になっていた。朝霧の久兵衛一味の隠れ家であり金の隠し場所でもあった。行方不明の奉公人の死体も見付かった。
久兵衛の捕縛と内定のため、火盗改め同心・矢野正三郎が久兵衛一味に入り込んでいるという。上柳家で火盗改めに久兵衛一味は殺された。上柳家の用人・前畑がかってにしたこと隠居には関係がないことで終わらせようとした。
妙法寺の穴蔵にお金が隠されていた。矢野は火盗改めと久兵衛を出し抜き独り占めにするつもりだ。穴蔵の出入口は鉄扉で閉められ、寺に火を付けた。矢野は源之助等を殺そうとしたが矢野はどんでん返しの壁の裏に消え寺は燃え落ちた。
上柳右兵衛督は評定所に召喚されることになった。
火盗改め・大井川正蔵は部下が潜入捜査にかこつけて久兵衛の金を懐に入れようとしたことで辞任した。
源太郎の妻・美津の妊娠を祝った。
蔵間源之助は松平定信から、妾詐欺の横行を知らされ口入れ屋に出向き、注意する。口入れ屋「千手屋」の主・彦次郎が旗本・上柳右兵衛督の隠居所の奉公人の行方不明の相談をされた。源之助は調べ始める。
上柳家は隣の妙法寺と古井戸で繋がり、寺で開かれる賭場から逃れる道になっていた。朝霧の久兵衛一味の隠れ家であり金の隠し場所でもあった。行方不明の奉公人の死体も見付かった。
久兵衛の捕縛と内定のため、火盗改め同心・矢野正三郎が久兵衛一味に入り込んでいるという。上柳家で火盗改めに久兵衛一味は殺された。上柳家の用人・前畑がかってにしたこと隠居には関係がないことで終わらせようとした。
妙法寺の穴蔵にお金が隠されていた。矢野は火盗改めと久兵衛を出し抜き独り占めにするつもりだ。穴蔵の出入口は鉄扉で閉められ、寺に火を付けた。矢野は源之助等を殺そうとしたが矢野はどんでん返しの壁の裏に消え寺は燃え落ちた。
上柳右兵衛督は評定所に召喚されることになった。
火盗改め・大井川正蔵は部下が潜入捜査にかこつけて久兵衛の金を懐に入れようとしたことで辞任した。
源太郎の妻・美津の妊娠を祝った。
2017年9月25日月曜日
新・問答無用⑤ 沽券状
新・問答無用⑤ 沽券状 稲葉稔
土地、家の権利書「沽券状」を偽造し、持ち主が知らぬ間に売りさばく詐欺が何件を起こる。町年寄に命じられ柏木宗十郎は探索を始める。吉蔵に手伝ってもらう。
大家の瀬兵衛、印判屋の八十吉、浪人の井芹兵庫、升五郎、まさ、忠兵衛、被害者りつを旅に連れ出した結之助こと佐吉、井芹は斬られ瀬兵衛一味は捕まった。
養子状態にある永吉を学問所に入れようと思ったが宗十郎ときぬの調べがあると困るので手習い所を探すことにした。
土地、家の権利書「沽券状」を偽造し、持ち主が知らぬ間に売りさばく詐欺が何件を起こる。町年寄に命じられ柏木宗十郎は探索を始める。吉蔵に手伝ってもらう。
大家の瀬兵衛、印判屋の八十吉、浪人の井芹兵庫、升五郎、まさ、忠兵衛、被害者りつを旅に連れ出した結之助こと佐吉、井芹は斬られ瀬兵衛一味は捕まった。
養子状態にある永吉を学問所に入れようと思ったが宗十郎ときぬの調べがあると困るので手習い所を探すことにした。
2017年9月24日日曜日
着物始末暦 しのぶ梅
着物始末暦 しのぶ梅 中島要
呉服太物問屋「大隅屋」の若旦那・綾太郎は極上の上田縞の団子のたれ染みをきれいに落としてもらい着物始末の余一と知り合った。五枚の高価な打ち掛けを余一に預ける。五枚を継ぎはぎにして花魁と禿のお揃いの打ち掛けになった。
糸17才は一膳飯屋「だるま屋」の看板娘。十才で母親を亡くした糸は裁縫が不得手。三年前、食事に来る余一を好きになった糸は頼み込んで余一に裁縫を習う。父・清八はどこの誰とも分からない余一と糸が付き合うことを許さない。
余一は上方からきた悉皆職人に育てられ、仕事を教え込まれた。余一の父母が誰だか誰も知らない。
染弥 芸しか出来ない。相ぼれになった男は八百屋の若旦那。自分は何も出来ないから愛想を尽かされると思い金持ちの妾になる決心をした。最後の逢瀬に松の柄のすそ模様の着物を着た。
二十年前に火事で店も両親も失った理恵は、昔大隅屋で誂えた振り袖が欲しいという。大隅屋は同じ物を創るが理恵が納得しない。余一は糸に着物を着せ、理恵に見せる。理恵は納得した。余一は着物に年を取らせ理恵に渡す。
古着屋の六助の所に、振り袖を着た夜鷹が来る。夜鷹が着ていた振り袖を持って浪人が来る。六助は夜鷹が一月以上姿を見せないので殺されたと思った。島田髷のあの夜鷹を見た。有り金と振り袖を取られ、身を投げようと思った時に助けてくれた大工と一緒になっていた。
みつ 糸の幼馴染み。小さいが店売りの青物屋・八百久の娘。父親の後添えと上手くいかず、妾に出されそうなので、家を出、昔の知り合いの桐屋の玉17才付きの女中として住み込むことになった。玉は綾太郎の許嫁だった。玉は振り袖を着ず、祖母のお古を着る。みつは糸から紹介された余一に相談する。着物に対する情を語られる。
呉服太物問屋「大隅屋」の若旦那・綾太郎は極上の上田縞の団子のたれ染みをきれいに落としてもらい着物始末の余一と知り合った。五枚の高価な打ち掛けを余一に預ける。五枚を継ぎはぎにして花魁と禿のお揃いの打ち掛けになった。
糸17才は一膳飯屋「だるま屋」の看板娘。十才で母親を亡くした糸は裁縫が不得手。三年前、食事に来る余一を好きになった糸は頼み込んで余一に裁縫を習う。父・清八はどこの誰とも分からない余一と糸が付き合うことを許さない。
余一は上方からきた悉皆職人に育てられ、仕事を教え込まれた。余一の父母が誰だか誰も知らない。
染弥 芸しか出来ない。相ぼれになった男は八百屋の若旦那。自分は何も出来ないから愛想を尽かされると思い金持ちの妾になる決心をした。最後の逢瀬に松の柄のすそ模様の着物を着た。
二十年前に火事で店も両親も失った理恵は、昔大隅屋で誂えた振り袖が欲しいという。大隅屋は同じ物を創るが理恵が納得しない。余一は糸に着物を着せ、理恵に見せる。理恵は納得した。余一は着物に年を取らせ理恵に渡す。
古着屋の六助の所に、振り袖を着た夜鷹が来る。夜鷹が着ていた振り袖を持って浪人が来る。六助は夜鷹が一月以上姿を見せないので殺されたと思った。島田髷のあの夜鷹を見た。有り金と振り袖を取られ、身を投げようと思った時に助けてくれた大工と一緒になっていた。
みつ 糸の幼馴染み。小さいが店売りの青物屋・八百久の娘。父親の後添えと上手くいかず、妾に出されそうなので、家を出、昔の知り合いの桐屋の玉17才付きの女中として住み込むことになった。玉は綾太郎の許嫁だった。玉は振り袖を着ず、祖母のお古を着る。みつは糸から紹介された余一に相談する。着物に対する情を語られる。
2017年9月23日土曜日
2017年9月22日金曜日
2017年9月19日火曜日
御広敷用人大奥記録(十二)
御広敷用人大奥記録(十二) 覚悟の紅 完 上田秀人
天英院が竹姫を男に襲わせたことで吉宗が切れた。長福丸に毒を盛られたこともあり閉じこめに近い状態にする。手紙も自由に出せない。姉小路は月光院付きの松島に頼んだ。
天英院からの手紙を受け取った山城帯刀は藤川義右衛門に持っていく。藤川は百両で上様殺しを引き受けた。
竹姫を吉宗の継室にする勅使が出る直前、天英院の手紙が届いた近衛家は動き、竹姫と吉宗が大叔母と姪孫の関係にあることで婚姻は朝廷から禁じられた。竹姫に月の物があった。今宵のことは他言無用と、吉宗は最初で最後、竹姫の元に行った。竹姫は紅を塗った。竹姫は忘れられた姫に戻る。二度と日の当たる所にでない。吉宗は水城の子どもの名前を竹姫に付けさせてくれと言い、時々会いに行って欲しいという。
水城聡四郎は御広敷用人の職を解かれた。
紅は女の子を出産した。竹姫に「紬」と名付けられた。
天英院が竹姫を男に襲わせたことで吉宗が切れた。長福丸に毒を盛られたこともあり閉じこめに近い状態にする。手紙も自由に出せない。姉小路は月光院付きの松島に頼んだ。
天英院からの手紙を受け取った山城帯刀は藤川義右衛門に持っていく。藤川は百両で上様殺しを引き受けた。
竹姫を吉宗の継室にする勅使が出る直前、天英院の手紙が届いた近衛家は動き、竹姫と吉宗が大叔母と姪孫の関係にあることで婚姻は朝廷から禁じられた。竹姫に月の物があった。今宵のことは他言無用と、吉宗は最初で最後、竹姫の元に行った。竹姫は紅を塗った。竹姫は忘れられた姫に戻る。二度と日の当たる所にでない。吉宗は水城の子どもの名前を竹姫に付けさせてくれと言い、時々会いに行って欲しいという。
水城聡四郎は御広敷用人の職を解かれた。
紅は女の子を出産した。竹姫に「紬」と名付けられた。
2017年9月18日月曜日
御刀番・左京之介④ 虎徹入道
御刀番・左京之介④ 虎徹入道 藤井邦夫
汐崎藩前藩主宗憲の未亡人・千代丸の母親・香寿院・香の方は堀田家菩提寺真徳山天慶寺の天光と関係を持ち、天光が欲しがる虎徹入道を手に入れようとしている。
虎徹入道に三百両出すことに反対していた左京之介は命を狙われた。闇討ちが失敗だったと判った時、千代丸から暇を出された。香寿院と侍女・松風が水戸藩大番頭・藤森九郎兵衛と繋がっていることが判った。
千代丸が病気になった。医師・道斎は退けられ、天空が祈祷するという。家老・梶原は反対したため蟄居になる。汐崎藩江戸上屋敷の奥御殿は天光に押さえられた。千代丸も天空に押さえられた。京之介と佐助は千代丸を屋敷から連れ出し、向島へ連れて行った。家中の者には伏せられた。千代丸は快復した。道斎が尾行され、千代丸の居場所が知られた。京之介は千代丸を抱え、斬り抜ける。聖林寺に落ちつく。聖林寺の住職・浄雲は刀工左文字の流れを汲み一族の打った刀に斬られて死んだ者の供養をしている。一族の大叔父のような存在だ。
水戸徳川家から留守居役・土屋外記と御刀番・神尾兵部が千代丸の見舞いに訪れた。香寿院が水戸家の娘のため、幼い千代丸の後見役をしている。明後日千代丸に会いに来るということで帰った。藤森が隠居したことを告げられる。
明後日に水戸家留守居役が千代丸に会いに来ることを知った京之介は千代丸が屋敷に帰る算段をする。天空は千代丸の替え玉を用意する。
京之介は千代丸に家中の者を信用することを説く。京之介は帰参を許された。千代丸は中屋敷に入る。京之介は水戸からの見舞いの時刻を未(二時)にお願いする。
上屋敷表御殿の御座之間に落ちつく。天空と竜全は香寿院を人質にして逃げ出した。土屋外記は日向正宗の鎧通しを持ってきた。千代丸は香寿院を水戸で預かってもらえないかと尋ねた。後日断りがきた。
夜、駿河の総本山に逃げようとする天空と竜全を襲い、殺す。虎徹を取り、御刀蔵に入った。
汐崎藩前藩主宗憲の未亡人・千代丸の母親・香寿院・香の方は堀田家菩提寺真徳山天慶寺の天光と関係を持ち、天光が欲しがる虎徹入道を手に入れようとしている。
虎徹入道に三百両出すことに反対していた左京之介は命を狙われた。闇討ちが失敗だったと判った時、千代丸から暇を出された。香寿院と侍女・松風が水戸藩大番頭・藤森九郎兵衛と繋がっていることが判った。
千代丸が病気になった。医師・道斎は退けられ、天空が祈祷するという。家老・梶原は反対したため蟄居になる。汐崎藩江戸上屋敷の奥御殿は天光に押さえられた。千代丸も天空に押さえられた。京之介と佐助は千代丸を屋敷から連れ出し、向島へ連れて行った。家中の者には伏せられた。千代丸は快復した。道斎が尾行され、千代丸の居場所が知られた。京之介は千代丸を抱え、斬り抜ける。聖林寺に落ちつく。聖林寺の住職・浄雲は刀工左文字の流れを汲み一族の打った刀に斬られて死んだ者の供養をしている。一族の大叔父のような存在だ。
水戸徳川家から留守居役・土屋外記と御刀番・神尾兵部が千代丸の見舞いに訪れた。香寿院が水戸家の娘のため、幼い千代丸の後見役をしている。明後日千代丸に会いに来るということで帰った。藤森が隠居したことを告げられる。
明後日に水戸家留守居役が千代丸に会いに来ることを知った京之介は千代丸が屋敷に帰る算段をする。天空は千代丸の替え玉を用意する。
京之介は千代丸に家中の者を信用することを説く。京之介は帰参を許された。千代丸は中屋敷に入る。京之介は水戸からの見舞いの時刻を未(二時)にお願いする。
上屋敷表御殿の御座之間に落ちつく。天空と竜全は香寿院を人質にして逃げ出した。土屋外記は日向正宗の鎧通しを持ってきた。千代丸は香寿院を水戸で預かってもらえないかと尋ねた。後日断りがきた。
夜、駿河の総本山に逃げようとする天空と竜全を襲い、殺す。虎徹を取り、御刀蔵に入った。
2017年9月17日日曜日
壺中の回廊
壺中の回廊 松井今朝子
桜木治郎 大学講師 江戸の狂言作者、桜木治助の孫
木挽座で出し物の途中、五代目袖崎蘭五郎が毒殺された。蘭五郎の死は三日間伏せられた。亡くなったのは三月十四日、二十六日が帝都復興祭だったため葬儀は四月一日に行われた。殺害、毒殺等は伏せられた。
治郎は笹岡警部に頼まれ役者の聞き取り調査をする。
四十九日が終われば話すと言っていた先代蘭五郎の弟子・蘭香が四十九日に殺される。
無産党大衆新聞の記者・安倍が殺される。
犯人は、鵬財閥二代目・鵬輝一郎男爵の夫人・元女優・伊藤弥寿栄だった。治郎は鵬男爵に会いに行く。
弥寿栄は安倍に昔の関係に関することで強請られ、蘭五郎が裏切ったと考え蘭五郎を殺した。昇汞剤を蘭五郎が食べるどら焼きに入れて置いた。
男爵は、四十九日に男爵に会い事情を知らせようとした蘭香を始末するように出入する若い衆に頼んだ。脅迫するためにしつこく付きまとった安倍も同じ。
全てを話し終え、男爵は何もせず、全てを闇に葬って欲しいと言う。英国へ留学しないか。全ての費用は出す。無事にここを出られるかどうかの大切な取引だという。
治郎は伝法に毒づいて断る。男爵はブローニングを出し、先生が見届けてくださるものと信じています。と言い自殺した。男爵夫人も自殺していた。鵬家は養子が継ぐ。男爵の遺書に実子・輝久6才の目が見えない少年の後見人に桜木治郎を指定していた。最後の言葉の意味だった。治郎は少年を養子にする決心をする。
桜木治郎 大学講師 江戸の狂言作者、桜木治助の孫
木挽座で出し物の途中、五代目袖崎蘭五郎が毒殺された。蘭五郎の死は三日間伏せられた。亡くなったのは三月十四日、二十六日が帝都復興祭だったため葬儀は四月一日に行われた。殺害、毒殺等は伏せられた。
治郎は笹岡警部に頼まれ役者の聞き取り調査をする。
四十九日が終われば話すと言っていた先代蘭五郎の弟子・蘭香が四十九日に殺される。
無産党大衆新聞の記者・安倍が殺される。
犯人は、鵬財閥二代目・鵬輝一郎男爵の夫人・元女優・伊藤弥寿栄だった。治郎は鵬男爵に会いに行く。
弥寿栄は安倍に昔の関係に関することで強請られ、蘭五郎が裏切ったと考え蘭五郎を殺した。昇汞剤を蘭五郎が食べるどら焼きに入れて置いた。
男爵は、四十九日に男爵に会い事情を知らせようとした蘭香を始末するように出入する若い衆に頼んだ。脅迫するためにしつこく付きまとった安倍も同じ。
全てを話し終え、男爵は何もせず、全てを闇に葬って欲しいと言う。英国へ留学しないか。全ての費用は出す。無事にここを出られるかどうかの大切な取引だという。
治郎は伝法に毒づいて断る。男爵はブローニングを出し、先生が見届けてくださるものと信じています。と言い自殺した。男爵夫人も自殺していた。鵬家は養子が継ぐ。男爵の遺書に実子・輝久6才の目が見えない少年の後見人に桜木治郎を指定していた。最後の言葉の意味だった。治郎は少年を養子にする決心をする。
2017年9月16日土曜日
人情同心神鳴り源蔵① 黄金観音
人情同心神鳴り源蔵① 黄金観音 小杉健治
南町奉行所定町廻り同心尾上源蔵 神鳴り源蔵 妻・静。
三倉屋の五十両が盗まれた。源蔵は女中への聞き込みで小間物売りの竜吉に目を付ける。竜吉は角兵衛獅子をしていた。十七才の時逃げ出し、天満の七藏と知り合い盗みの手ほどきを受けた。二十二才の時、七藏が足を洗い小間物屋の店を出した。十日後に火事で焼けた。七藏は泥棒に入り尾上源蔵に見付かり捕まった。七藏は獄門になった。竜吉は盗人に戻った。
竜吉が浅草寺の絶対秘仏の黄金の観音像を盗もうと算段している時、流れ星の銀藏と出会う。銀藏も観音像を狙っていた。三日後に再会することを約束して別れる。銀藏は信州宇津木藩、村上佐渡守幸忠に頼まれたことを教えた。夜、銀藏の夜働きを見、成功したと思った。銀藏には会えなかった。銀藏は殺されていた。竜吉は盗みを頼んだ宇津木家に忍んだ。
源蔵は一扇堂の娘・加代が宇津木藩村上家に奉公に上がったまま帰らない。という相談をされていた。村上家を調べる。
竜吉の長屋の隣の浪人・八十嶋大介は元宇津木藩の者だった。許嫁・千世を藩主にとられ脱藩していた。今、殿様は家臣の妻女を離縁させ側室にし、千世は尼寺に入っている。許嫁の兄・金城弥一郎は殿の護衛をしている。八十嶋は村上幸忠の命を狙っていた。
竜吉は銀藏から聞いていたくらという女の所に行った。後、くらと間夫が殺された。
源蔵は加代が天雲寺に埋められていることを掴んだ。天雲寺は浅草寺の観音像が移されているということで人気があがっている寺だった。噂をばらまいているのが村上家だった。加代は佐渡守に見初められたがはねつけたために殺された。
源蔵は竜吉から銀藏のことを聞き出す。
銀藏が盗んだ観音像は銀藏が頼った一膳飯屋の主の親分・麝香の仁吉が持っていた。銀藏を殺し取った。村上家に二千両で交換という取引を持ち出している。源蔵は取引が終わった後、仁吉一味を捕まえ、二千両を持って村上家に行く。二千両と引き換えに観音像を返してもらう。源蔵は家老ひとりで責任をかぶることがないようにと言い残して帰る。
佐渡守は隠居した。八十嶋は千世に会いに行った。竜吉が盗みに入るために評判の悪い店を探していると源蔵に出会い、観音像を浅草寺に返すことを頼まれた。
南町奉行所定町廻り同心尾上源蔵 神鳴り源蔵 妻・静。
三倉屋の五十両が盗まれた。源蔵は女中への聞き込みで小間物売りの竜吉に目を付ける。竜吉は角兵衛獅子をしていた。十七才の時逃げ出し、天満の七藏と知り合い盗みの手ほどきを受けた。二十二才の時、七藏が足を洗い小間物屋の店を出した。十日後に火事で焼けた。七藏は泥棒に入り尾上源蔵に見付かり捕まった。七藏は獄門になった。竜吉は盗人に戻った。
竜吉が浅草寺の絶対秘仏の黄金の観音像を盗もうと算段している時、流れ星の銀藏と出会う。銀藏も観音像を狙っていた。三日後に再会することを約束して別れる。銀藏は信州宇津木藩、村上佐渡守幸忠に頼まれたことを教えた。夜、銀藏の夜働きを見、成功したと思った。銀藏には会えなかった。銀藏は殺されていた。竜吉は盗みを頼んだ宇津木家に忍んだ。
源蔵は一扇堂の娘・加代が宇津木藩村上家に奉公に上がったまま帰らない。という相談をされていた。村上家を調べる。
竜吉の長屋の隣の浪人・八十嶋大介は元宇津木藩の者だった。許嫁・千世を藩主にとられ脱藩していた。今、殿様は家臣の妻女を離縁させ側室にし、千世は尼寺に入っている。許嫁の兄・金城弥一郎は殿の護衛をしている。八十嶋は村上幸忠の命を狙っていた。
竜吉は銀藏から聞いていたくらという女の所に行った。後、くらと間夫が殺された。
源蔵は加代が天雲寺に埋められていることを掴んだ。天雲寺は浅草寺の観音像が移されているということで人気があがっている寺だった。噂をばらまいているのが村上家だった。加代は佐渡守に見初められたがはねつけたために殺された。
源蔵は竜吉から銀藏のことを聞き出す。
銀藏が盗んだ観音像は銀藏が頼った一膳飯屋の主の親分・麝香の仁吉が持っていた。銀藏を殺し取った。村上家に二千両で交換という取引を持ち出している。源蔵は取引が終わった後、仁吉一味を捕まえ、二千両を持って村上家に行く。二千両と引き換えに観音像を返してもらう。源蔵は家老ひとりで責任をかぶることがないようにと言い残して帰る。
佐渡守は隠居した。八十嶋は千世に会いに行った。竜吉が盗みに入るために評判の悪い店を探していると源蔵に出会い、観音像を浅草寺に返すことを頼まれた。
2017年9月15日金曜日
ビブリア古書堂の事件手帖〈7〉
ビブリア古書堂の事件手帖〈7〉 栞子さんと果てない舞台 完 三上延
ビブリア古書堂が久我山家から買い戻そうとしている初版本の「晩年」を持っている舞砂道具店の吉原喜市は八百万で売ると言う。母親・篠川智恵子と連絡を付けてくれたら四百万にするという条件で買った。栞子さんは何もしなかったが智恵子と連絡がついたらしく四百万で手に入った。
吉原喜市は栞子さんの祖父・聖司がビブリア古書堂を開くため久我山書房の番頭を辞めた後、番頭になり、久我山書房の店主・尚大が亡くなるまで続けていた人だった。智恵子の父親が尚大であることを栞子さんに話す。
智恵子の母、栞子と文香の祖母・水城英子の存在を知った頃、祖母の再婚相手・水城禄郎がビブリア古書堂を訪れる。英子は昔古本屋に騙され、智恵子を身ごもったため古本屋を嫌い、古本屋で働き始めた智恵子と縁を切った。英子は尚大に貰った古い本を大事にしていた。吉原はその本の借用書を持って英子のところに本の返還を求めに行った。英子は本を渡した。水城はその本の買い戻しを頼みにきた。栞子と大輔は水城家で英子と会う。時々店に来る人だった。栞子と英子は本の話で盛り上がる。その本はシェークスピアの1968年刊行のノートン・ファクシミリを複製した本だった。
五十年前のことで返還しなくても良い状況だったが、吉原に英子の義理の息子・水城隆司が同性愛者であることを匂わし脅迫じみた言動をしたため本を手放していた。栞子が伝言を伝え、上手くいっていなかった隆司と英子が話を始めたようだ。
英子の本が古書組合主催の交換会に出されているようだと連絡が入った。
古書会館の交換会でひとり書房の井上に協力してもらい吉原を出し抜き八万五千三十円で落札した。
久我山尚大はファースト・フォリオを持っていた。三冊のファクシミリを作った。黒の他に赤、青、白がある何れかが本物かもしれない。三冊ともページが糊ずけされていた。戸塚の古書会館の振り市に出品される。
当日、栞子は五千五十万で赤い本を落札した。栞子が用意したのは四千五百万、五百万を吉原の戦略で白い本につぎ込んでしまい、四千万しかなかった。大輔は自宅を売り、母親と分けた金額一千万と自分の貯金五十万を用意していた。
吉野は検査の結果三冊とも二十世紀の紙だったと発表した。栞子は吉原と智恵子と別室で赤い本の表紙を切り開く。本の中に本が入っていた。
大輔が栞子を母に会わせる日、大輔は栞子に結婚の申し込みをした。その前に智恵子から二人に何年か自分の仕事を手伝ってみないかという申し入れがあったことと、籍を入れるなら反対しないと告げられたことを栞子が言った。慌てて大輔はプロポーズしたのだった。
ファースト・フォリオは智恵子に一億五千万で売ることにした。文香の学費が出来た。母の下で勉強するのも仕事にはプラスになると考えている。
栞子は銀行の貸金庫から本を持ってきて、大輔に本の話を始めた。
番外編や、スピニオンが出るらしい。
ビブリア古書堂が久我山家から買い戻そうとしている初版本の「晩年」を持っている舞砂道具店の吉原喜市は八百万で売ると言う。母親・篠川智恵子と連絡を付けてくれたら四百万にするという条件で買った。栞子さんは何もしなかったが智恵子と連絡がついたらしく四百万で手に入った。
吉原喜市は栞子さんの祖父・聖司がビブリア古書堂を開くため久我山書房の番頭を辞めた後、番頭になり、久我山書房の店主・尚大が亡くなるまで続けていた人だった。智恵子の父親が尚大であることを栞子さんに話す。
智恵子の母、栞子と文香の祖母・水城英子の存在を知った頃、祖母の再婚相手・水城禄郎がビブリア古書堂を訪れる。英子は昔古本屋に騙され、智恵子を身ごもったため古本屋を嫌い、古本屋で働き始めた智恵子と縁を切った。英子は尚大に貰った古い本を大事にしていた。吉原はその本の借用書を持って英子のところに本の返還を求めに行った。英子は本を渡した。水城はその本の買い戻しを頼みにきた。栞子と大輔は水城家で英子と会う。時々店に来る人だった。栞子と英子は本の話で盛り上がる。その本はシェークスピアの1968年刊行のノートン・ファクシミリを複製した本だった。
五十年前のことで返還しなくても良い状況だったが、吉原に英子の義理の息子・水城隆司が同性愛者であることを匂わし脅迫じみた言動をしたため本を手放していた。栞子が伝言を伝え、上手くいっていなかった隆司と英子が話を始めたようだ。
英子の本が古書組合主催の交換会に出されているようだと連絡が入った。
古書会館の交換会でひとり書房の井上に協力してもらい吉原を出し抜き八万五千三十円で落札した。
久我山尚大はファースト・フォリオを持っていた。三冊のファクシミリを作った。黒の他に赤、青、白がある何れかが本物かもしれない。三冊ともページが糊ずけされていた。戸塚の古書会館の振り市に出品される。
当日、栞子は五千五十万で赤い本を落札した。栞子が用意したのは四千五百万、五百万を吉原の戦略で白い本につぎ込んでしまい、四千万しかなかった。大輔は自宅を売り、母親と分けた金額一千万と自分の貯金五十万を用意していた。
吉野は検査の結果三冊とも二十世紀の紙だったと発表した。栞子は吉原と智恵子と別室で赤い本の表紙を切り開く。本の中に本が入っていた。
大輔が栞子を母に会わせる日、大輔は栞子に結婚の申し込みをした。その前に智恵子から二人に何年か自分の仕事を手伝ってみないかという申し入れがあったことと、籍を入れるなら反対しないと告げられたことを栞子が言った。慌てて大輔はプロポーズしたのだった。
ファースト・フォリオは智恵子に一億五千万で売ることにした。文香の学費が出来た。母の下で勉強するのも仕事にはプラスになると考えている。
栞子は銀行の貸金庫から本を持ってきて、大輔に本の話を始めた。
番外編や、スピニオンが出るらしい。
2017年9月13日水曜日
タンゴステップ上下
タンゴステップ上下 ヘニング・マンケル
ヘルベルト・モリーン76才が一人で隠れるように住んでいた北スウェーデンのヘリェダーレンの森の中の家で殺され森の入り口に放置された。残虐な殺され方だった。
ステファン・リンドマン37才はボロースの警官。舌ガンの宣告を受けた。治療が始まるまで三週間ある。〈残虐の殺人事件〉と新聞で見た被害者はモリーン。研修生の時と、彼が引退する前二年間組んで働いていた。リンドマンはヘリュダーレンに行く。リンドマンは部外者と言われながら犯人と思われる者のテント跡とかモリーンが隠していた日記とかを見付け、地元の警官・ジョセッペに知らせる。犯人は判らない。
犯人は五十年前にナチスの武装親衛隊員・アウグスト・マットソン・ヘンセン(モリーンが改名する以前の名前)に父親を殺された息子・アーロン・シルベシュタインだった。ダンスを教えていた父親の下にダンスを習いに来ていたモリーンが殺していた。アローンは探し
ヘルベルト・モリーン76才が一人で隠れるように住んでいた北スウェーデンのヘリェダーレンの森の中の家で殺され森の入り口に放置された。残虐な殺され方だった。
ステファン・リンドマン37才はボロースの警官。舌ガンの宣告を受けた。治療が始まるまで三週間ある。〈残虐の殺人事件〉と新聞で見た被害者はモリーン。研修生の時と、彼が引退する前二年間組んで働いていた。リンドマンはヘリュダーレンに行く。リンドマンは部外者と言われながら犯人と思われる者のテント跡とかモリーンが隠していた日記とかを見付け、地元の警官・ジョセッペに知らせる。犯人は判らない。
犯人は五十年前にナチスの武装親衛隊員・アウグスト・マットソン・ヘンセン(モリーンが改名する以前の名前)に父親を殺された息子・アーロン・シルベシュタインだった。ダンスを教えていた父親の下にダンスを習いに来ていたモリーンが殺していた。アローンは探し
ていた。教えてくれた人がいてブエノスアイレスから来た。マーロンはモリーンを殺し、計画通りマルメまで南下し、コペンハーゲンへ渡り、フランクフルト経由でサンパウロへ飛ぶつもりだった。新聞に、モリーンの隣家のアブラハム・アンダソンも殺され、犯人は二件とも同一犯と書かれている事を知り、アーロンはアンダソンを殺したのは誰か、調べに行く。
アーロンは警察が変だと思うように細工をするが、最終的にはリンドマンを捕まえ、目隠しし話をする。リンドマンも命を狙われていた。アーロンがモリーンの娘に会わせて欲しいと言う。ヴェロニカ・モリーンの命を心配したが、ヴェロニカがリンドマンとアーロンを殺そうとした。
アンダンソンを殺したのはヴェロニカだった。ヴェロニカは現在もナチスだった。モリーンがナチスだと知ったアンダンソンは脅迫していた。モリーンが死んだ後、モリーンの唯一の友達を脅迫してきた。ヴェロニカが殺していた。アーロンを狙っていたのも同じ組織の者だった。組織の人物の家に忍び込み、リンドマンは亡くなった自分の父親もナチスだったことを知る。
アーロンは逃げた。偽名を使っていたアーロンは行方が判らない。名前も判らない。ヴェロニカは教戒に逃げ、警官が足を狙ったピストルの弾が後ろの洗礼用の水盤を支える石柱に当たり、跳ね返った弾に左目を打ち抜かれて亡くなった。
リンドマンは恋人エレナの下に返りガン治療をする。半年後、ガンを克服したリンドマンはモリーンの日記に出てきたMと思われる人物に会いにスコットランドに行った。昔を知っている、マーガレット・シモンズは、モリーンが殺したダンス教師の名も息子の名前も覚えていた。アローンの名前が警察に知れた。
もう一度、霜の降りる前にを読もう。今度はリンドマンを中心に
アーロンは警察が変だと思うように細工をするが、最終的にはリンドマンを捕まえ、目隠しし話をする。リンドマンも命を狙われていた。アーロンがモリーンの娘に会わせて欲しいと言う。ヴェロニカ・モリーンの命を心配したが、ヴェロニカがリンドマンとアーロンを殺そうとした。
アンダンソンを殺したのはヴェロニカだった。ヴェロニカは現在もナチスだった。モリーンがナチスだと知ったアンダンソンは脅迫していた。モリーンが死んだ後、モリーンの唯一の友達を脅迫してきた。ヴェロニカが殺していた。アーロンを狙っていたのも同じ組織の者だった。組織の人物の家に忍び込み、リンドマンは亡くなった自分の父親もナチスだったことを知る。
アーロンは逃げた。偽名を使っていたアーロンは行方が判らない。名前も判らない。ヴェロニカは教戒に逃げ、警官が足を狙ったピストルの弾が後ろの洗礼用の水盤を支える石柱に当たり、跳ね返った弾に左目を打ち抜かれて亡くなった。
リンドマンは恋人エレナの下に返りガン治療をする。半年後、ガンを克服したリンドマンはモリーンの日記に出てきたMと思われる人物に会いにスコットランドに行った。昔を知っている、マーガレット・シモンズは、モリーンが殺したダンス教師の名も息子の名前も覚えていた。アローンの名前が警察に知れた。
もう一度、霜の降りる前にを読もう。今度はリンドマンを中心に
2017年9月8日金曜日
新・戻り舟同心② 雪のこし屋橋
新・戻り舟同心② 雪のこし屋橋 長谷川卓
文化三年 1806年
長尋掛り 迷宮入りとなった事件を専らとする掛り同心 二ツ森伝次郎69才、染葉忠左衛門69才、河野通之助64才、女装好きの花島太郎兵衛
近 盗賊・鬼火の十左一味におspわれた畳表問屋「布目屋」の一人生き残りで永尋掛りの詰所の留守番と賄いを任されている。
一ノ瀬真夏 永尋掛り同心、父親・元八丁堀同心一ノ瀬八十郎も同じだが下高井戸に道場を持っている。真夏は南町奉行所年番方与力・百井亀右衛門(泥亀)の養女になり内与力・小牧壮一郎に嫁ぐことが決まっている。真夏は盗賊・夜宮の長兵衛の娘だった。本人も知らない。知っているのは八十郎、伝次郎、伝次郎の息子・新治郎、伝次郎の孫・正次郎の四人。
染葉鋭之介 染葉忠左衛門の息子、例繰り方同心
御用聞き 鍋寅(鍋町の寅吉)73才 寅吉の孫・隼、半六、多助、元掏摸の安吉
悪い奴 四年前に若狭屋の主人と小僧の末吉、夜鷹の桑が殺された事件を調べる。夜鷹の元締め・銑右衛門に協力を仰ぎ、三人が殺される一年前に御家人の金貸しが殺されたのと同じ犯人だと知れた。御家人・難波騏一郎。金貸しを殺した所を桑に見られた。一年後、難波は桑と出会い、殺したところに若狭屋が居合わせ一緒に殺された。伝次郎たちは難波を殺した。
雪のこし屋橋 病気の母親が診察を拒否され受診することなく亡くなった梅吉は、受診拒否した医者・諸川寿庵の家に火を付けた。直ぐ火は消されたが、梅吉は遠島と決まった。梅吉は九才のため十五才までお預けになった。近所の者が島で生き抜けるように飯の炊き方から竃屋や、鋳掛け屋、左官、大工、薬草、実のなる木の育て方を教えていた。しかし、梅吉は寿庵を殺した。
栄七は三十三才の時、研師の弟弟子を突き飛ばした弾みに頭を打ち殺してしまった。八丈島に送られた。四十一才の時、赦免された。それから十九年、紙屑買いをし、溜まったお金は、名前を出さずに殺してしまった弟弟子の家に師匠に届けてもらっていた。栄七名前を変え幹三郎は捨て子を拾った。勾引かしに間違えられたが、捨て子と判り、幹三郎が育てることになりそうになった時、弟弟子の息子に刺された。
幹三郎の身体がぴくりと震え、沈んだ。・・・これは死亡か?自分がぶつかった出刃を持った子どもがしたことを知ったためか。死亡だな。
浮世の薬 新治郎の妻・伊都と息子・正次郎が町へ出た。伊都が怪しいという者を尾行する。古狐の藤助一味八名を捕らえ、次の押し込み予定の店に入り込んでいた者も捕まった。
伊都と正次郎には褒めの言葉ではなく新治郎からの叱責があった。伊都と正次郎が町に出る。伊都は弥次郎兵衛になっているとか、少し悪、とか人相見を師ながら歩く。
鼻水垂兵衛 花島太郎兵衛は女装で男を助けた。自分の家に運ぶ。里回りの仁助だった。斑蜘蛛の与平の小頭。与平親分が小頭の峰吉に頼まれた長次に殺された。峰吉は与平の倅・一蔵に仁助が与平を殺したと吹き込まれた。仁助は昔の知り合いを頼った帰り道を襲われたということだった。太郎兵衛は伝次郎たちを呼ぶ。八十郎と真夏は仁助の守りに護る。太郎兵衛の家は襲われるが八十郎等が守る。仁助が頼った専次郎と峰吉らが襲ってくる日が分かった。奉行所と近所の大名にも声をかけ、明かりと囲みを用意した。一網打尽。専次郎の土蔵の土の下の遺体のことを話た。峰吉が連れてきた用心棒は八十郎の剣友だった。枝村修蔵、一対一で枝村は倒れた。
《播磨屋》一件 例繰り方で『御仕置き裁許帳』の補修をしていた正次郎は同期に出仕した梶山倫太郎が足の骨を折ったので代わりに、小伝馬町の牢屋敷を見回る役目に就く。
牢内で左兵衛が死んだ。二日後浩吉が五十敲きで牢を出た。左兵衛が牢に入ってすぐ長屋が荒らされた。商家の主姿の浩吉をみた正次郎は尾行した。
伝次郎等は左兵衛を調べた。左兵衛にも浩吉にも関係した岡っ引きの滝造がいた。滝造と播磨屋にカマを掛け様子を見る。旅支度の滝造と浩吉を捕まえる。播磨屋の息子は首を吊った。主・為右衛門は伝次郎に連れられて行った。息子が妾を殺し、隠すために滝造に頼んで妾の女中を殺した。左兵衛に見られて強請られたので浩吉に頼んで殺していた。
文化三年 1806年
長尋掛り 迷宮入りとなった事件を専らとする掛り同心 二ツ森伝次郎69才、染葉忠左衛門69才、河野通之助64才、女装好きの花島太郎兵衛
近 盗賊・鬼火の十左一味におspわれた畳表問屋「布目屋」の一人生き残りで永尋掛りの詰所の留守番と賄いを任されている。
一ノ瀬真夏 永尋掛り同心、父親・元八丁堀同心一ノ瀬八十郎も同じだが下高井戸に道場を持っている。真夏は南町奉行所年番方与力・百井亀右衛門(泥亀)の養女になり内与力・小牧壮一郎に嫁ぐことが決まっている。真夏は盗賊・夜宮の長兵衛の娘だった。本人も知らない。知っているのは八十郎、伝次郎、伝次郎の息子・新治郎、伝次郎の孫・正次郎の四人。
染葉鋭之介 染葉忠左衛門の息子、例繰り方同心
御用聞き 鍋寅(鍋町の寅吉)73才 寅吉の孫・隼、半六、多助、元掏摸の安吉
悪い奴 四年前に若狭屋の主人と小僧の末吉、夜鷹の桑が殺された事件を調べる。夜鷹の元締め・銑右衛門に協力を仰ぎ、三人が殺される一年前に御家人の金貸しが殺されたのと同じ犯人だと知れた。御家人・難波騏一郎。金貸しを殺した所を桑に見られた。一年後、難波は桑と出会い、殺したところに若狭屋が居合わせ一緒に殺された。伝次郎たちは難波を殺した。
雪のこし屋橋 病気の母親が診察を拒否され受診することなく亡くなった梅吉は、受診拒否した医者・諸川寿庵の家に火を付けた。直ぐ火は消されたが、梅吉は遠島と決まった。梅吉は九才のため十五才までお預けになった。近所の者が島で生き抜けるように飯の炊き方から竃屋や、鋳掛け屋、左官、大工、薬草、実のなる木の育て方を教えていた。しかし、梅吉は寿庵を殺した。
栄七は三十三才の時、研師の弟弟子を突き飛ばした弾みに頭を打ち殺してしまった。八丈島に送られた。四十一才の時、赦免された。それから十九年、紙屑買いをし、溜まったお金は、名前を出さずに殺してしまった弟弟子の家に師匠に届けてもらっていた。栄七名前を変え幹三郎は捨て子を拾った。勾引かしに間違えられたが、捨て子と判り、幹三郎が育てることになりそうになった時、弟弟子の息子に刺された。
幹三郎の身体がぴくりと震え、沈んだ。・・・これは死亡か?自分がぶつかった出刃を持った子どもがしたことを知ったためか。死亡だな。
浮世の薬 新治郎の妻・伊都と息子・正次郎が町へ出た。伊都が怪しいという者を尾行する。古狐の藤助一味八名を捕らえ、次の押し込み予定の店に入り込んでいた者も捕まった。
伊都と正次郎には褒めの言葉ではなく新治郎からの叱責があった。伊都と正次郎が町に出る。伊都は弥次郎兵衛になっているとか、少し悪、とか人相見を師ながら歩く。
鼻水垂兵衛 花島太郎兵衛は女装で男を助けた。自分の家に運ぶ。里回りの仁助だった。斑蜘蛛の与平の小頭。与平親分が小頭の峰吉に頼まれた長次に殺された。峰吉は与平の倅・一蔵に仁助が与平を殺したと吹き込まれた。仁助は昔の知り合いを頼った帰り道を襲われたということだった。太郎兵衛は伝次郎たちを呼ぶ。八十郎と真夏は仁助の守りに護る。太郎兵衛の家は襲われるが八十郎等が守る。仁助が頼った専次郎と峰吉らが襲ってくる日が分かった。奉行所と近所の大名にも声をかけ、明かりと囲みを用意した。一網打尽。専次郎の土蔵の土の下の遺体のことを話た。峰吉が連れてきた用心棒は八十郎の剣友だった。枝村修蔵、一対一で枝村は倒れた。
《播磨屋》一件 例繰り方で『御仕置き裁許帳』の補修をしていた正次郎は同期に出仕した梶山倫太郎が足の骨を折ったので代わりに、小伝馬町の牢屋敷を見回る役目に就く。
牢内で左兵衛が死んだ。二日後浩吉が五十敲きで牢を出た。左兵衛が牢に入ってすぐ長屋が荒らされた。商家の主姿の浩吉をみた正次郎は尾行した。
伝次郎等は左兵衛を調べた。左兵衛にも浩吉にも関係した岡っ引きの滝造がいた。滝造と播磨屋にカマを掛け様子を見る。旅支度の滝造と浩吉を捕まえる。播磨屋の息子は首を吊った。主・為右衛門は伝次郎に連れられて行った。息子が妾を殺し、隠すために滝造に頼んで妾の女中を殺した。左兵衛に見られて強請られたので浩吉に頼んで殺していた。
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